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アフガン復興支援会議-- 
                           
かけはし2002.2.4号より

偽善と欺まんのセレモニー

戦争と帝国主義支配に反対する立場からの連帯を


いかに美しい言葉で飾られても

 一月二十一日から二十二日まで東京で「アフガニスタン復興支援国際会議」が開かれ、アフガニスタンに対する総額四十五億ドル余の支援が確認された。
 この会議は、小泉首相が出席して支援を約束し、緒方貞子・前国連難民高等弁務官が共同議長を務めるなど、日本政府の関心を強く印象づけるものだった。
 寒さと飢えの中で毎日多くの人々が亡くなっている現実を前に、「アフガニスタン復興支援」という大義名分は、たしかに多くの人々の共感を得ただろう。平和が戻り、人々が安心して生きていけるようにという期待は、多くの人々にとっていつわりのないものだろう。
 しかし、米国を中心とする「報復戦争」とタリバン政権の壊滅、それを受けた「暫定行政機構」という名のかいらい政権の確立の延長上で語られている「復興支援」国際会議は、いかに美しい言葉で飾られようと、偽善と欺まんのセレモニーでしかない。

戦争責任を抜きにした復興支援

 共同議長総括文書によれば、会議には「六十一カ国および二十一の国際機関から閣僚と代表が参加し」、「アフガニスタンおよび国際NGOの会合が別途行われ」、「また、動員解除、軍隊・警察に対する訓練、地雷除去、麻薬対策および代替作物の開発について専門家による議論が行われた」とされている。
 しかし、アフガンに対する戦争を主導した米国は、アフガン復興にそれほど関心を示していない。米国は依然としてアルカイダ掃討のための戦争を続けているだけでなく、「テロリズムとの戦争」の拡大に最大の関心を示している。ブッシュ政権にとっては、中央アジア・南西アジアに軍事・政治的支配を確立し、膨大な資源に対する利権を確保する以外のことは第二義的な重要性しか持たない。
 「アフガニスタン復興支援国際会議」の特徴の第一は、米国による戦争行為を免罪し、免責していることである。米国の戦争によってアフガニスタンの人々(軍人と民間人の両方を含む)に与えられた損失について、正確な統計を得ることは不可能であるが、そうした損失に対して米国は無制限の補償を行うべきである。それがアフガニスタン復興のもっとも現実的な方法である。また、地雷撤去と地雷による被害の補償は、アフガンの武装勢力に武器を供給した国家および企業の責任においてなされなければならない。
 戦争責任の究明を抜きにした復興支援は、一般化された場合に非常に危険である。米国はいくつかの国を「テロリスト国家」と名指し、軍事的手段による政権打倒の意図を隠していない。米国による軍事的手段の行使を「国際社会」が支持し、政権打倒後に「国際社会」が「暫定政権」という名のかいらい政権を承認し、復興を支援するという筋書きは、米国に政権打倒後の政治的安定や復興について心配することなく軍事的手段を行使するフリーハンドを与えることになる。

NGOの関与をめぐる問題
 
 「アフガニスタン復興支援国際会議」の特徴の第二は、NGOの関与である。共同議長総括文書は以下のように述べている。「会議では、アフガニスタンおよび国際NGOが果たす重要な役割が強調された。一月二十日に開催されたNGO会合には、アフガニスタンおよび国際NGOが、参加し、その結果は全体会合に報告された。NGOの代表は、アフガニスタンおよび国際NGOが教育と研修に焦点を当てることは、特に女性にとって、復興のためのアフガニスタン人の能力構築に必要であることについて合意したと報告した。NGO、国際機関、ドナーおよびAIA(アフガニスタン暫定政権)の間における継続した対話と調整は、資源の効率的利用の確保にとり重要である」。
 アフガニスタンの人々を支援してきたNGOの活動は、復興の中でも決定的に重要な役割を持つだろう。そこに注目が集まり、政府や国際機関もNGOの貢献をあてにせざるをえなくなっていることも事実だろう。しかし、各国政府や国際機関がNGOの善意の活動を、「国際社会」による報復戦争の承認のセレモニーのために利用していることについては、批判をためらうべきではない。
 また、この問題に関連して、豊田直巳さんが昨年十二月に開かれた「アフガニスタン復興NGO東京会議」に触れて、次のように指摘している(「週刊金曜日」12月21日・1月4日合併号)。
 「このように〈アフガニスタン復興NGO東京会議〉が政府レベルでなく民間主導の援助の可能性を示したことは重要なことだが、一方で不安な点がいくつかあることも事実だ。……援助する側(政府)の建前と本音の部分である。今回の件で言えば、NGOを支援する形を装いながら、自衛隊派遣を正当化させるためなどに、NGOを利用しようとする政府・外務省の思惑と言っていいだろう」。
 政府批判を理由にNGOの出席を拒否した外務省の対応は、まさにそのような思惑を反映している。

世銀などによる復興ニーズ評価

 「アフガニスタン復興支援国際会議」の特徴の第三は、復興のためのニーズの評価が世界銀行、UNDP、アジア開発銀行などの国際機関によってなされるという点である。共同議長総括文書によると「(会議は)〈アフガニスタン復興支援国際会議〉により作成された予備的ニーズ・アセスメントを歓迎した。より包括的なニーズ・アセスメントに関するさらなる作業がAIA(アフガニスタン暫定政権)との十分な協力の下で数週間以内にアフガニスタンにて行われる予定である。参加者は、将来のアフガニスタン復興支援グループ会合において、変化する復興のニーズとさまざまなプロジェクトの進ちょく報告を見直し、モニターする」。世界銀行やアジア開発銀行が多国籍企業の意向を代表していることについては説明の必要もないだろう。

戦争と帝国主義支配に反対して

 アフガニスタンの人々にとっての困難は、復興の主体となるべき社会的勢力が存在しないことである。ザヒル・シャー旧国王の周辺や北部同盟の反動的勢力に何の期待もかけることはできない。しかし、七〇年代の反王政の革命運動を継承する進歩的政治勢力は全く存在しない。
 七八年四月に軍事クーデターという手段によって政権を奪取した人民民主党(PDPA)は、当初はカブールを中心に一定の支持を得ながらも、官僚主義と分派闘争によって支持を失い、七九年末以降のソ連軍の介入を契機に国内のあらゆる勢力からの反対に直面し、米国・パキスタンの全面的な支援を受けたイスラム反革命勢力によって打倒され、壊滅させられた。イスラム反革命勢力に対して一貫して闘争してきた勢力も、独立した政治勢力として影響力を行使するには到っていない。
 二十余年におよぶ戦争の終結と、復興の始まりはアフガニスタンの新しい進歩的社会的勢力の形成のための長い闘いの始まりとなるだろう。この闘いは惜しみない国際的支援を必要とするだろう。すでにパキスタンの左派グループの呼びかけによって、アフガニスタン労働者連帯キャンペーンが始まっている(本紙01年12月3日号参照)。この運動を広げることを通じて、戦争と帝国主義による支配に一貫して反対する立場からの持続的な連帯を築いていくことが重要である。(1月23日 小林秀史)


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