二〇〇一年四月、NTT持株会社は「NTT構造改革十一万人リストラ」を新聞発表した。「五十歳退職、五十一歳OS(アウトソーシング)会社再雇用」「OS会社賃金NTTの三〇%カット」を中心としたこの大合理化案に対し、私の所属する電通労組は電通労組全国協の仲間とともにその計画の白紙撤回を求め活動を展開してきた。
とりわけNTT労組が大合理化の内容をほとんど明らかにしない中での宣伝活動は、多くの労働者に積極的に受け取られ、これまでにないほどの影響をNTT労働者に与えた。通信労組福島支部の結成も「このままNTT労組に止まっていてもどうしようもない」の気持ちの表れだろうし、宮城県などでのNTT労組脱退者の顕在化も同様である。
電通労組は、会社側の計画が明らかになる中での団交で計画の違法性、脱法性をつき、「五十歳退職は強制しない、できない」「OS会社に行ってもらうようお願いする」「選択をしない選択もあり得る」ことなどを確認し、「NTT労組を脱退し、電通全国協に加入しよう」「第四の道を選択しよう」の全国協チラシ配布活動を強化してきた。東北的には秋田を除く各県で配布し、東京や神奈川でも配布されている。さらには全労協参加の組合の支援を得ながら、東京・千葉・埼玉・神奈川・群馬・北海道など組合員のいない地域でもチラシ宣伝行動が準備されている。
共闘関係でも、全労協大会では「NTTリストラを全労働者の課題として全労協全国闘争として取り組む。選択拒否キャンペーンを支援する。解雇自由化の先取りNTTのリストラに反対の決議のNTT申し入れを全国的に取り組む」という全面支援決議が採択された。さらに10・24東京シニアワーク集会、11・2持株会社包囲座り込み闘争などが取り組まれ、全労連・通信労組との共闘が前進し、NTT内労働者との共闘も拡がっている。
大阪電通合同労組は九州キャンペーンを行い、その成果の上で闘うための全国交流集会を開催している。十二月七日と十四日には、NTT西日本に対して大阪ユニオンネットが団体交渉を実施した。この団交は、藤崎全労協議長、前田大阪全労協議長、全港湾、ユニオンネット、教育合同などの交渉委員体制で取り組まれた。このように、各地で共闘関係が前進してきている。
また日本共産党は党首討論でNTT合理化問題を取り上げ、社民党は一月国会で政府追及を予定しているなど、政府・国会に対する取り組みも強まっている。
NTT東、西会社の「構造改革・11万人リストラ」は、ようやくOS会社の内容などが決定し、会社による社員周知が始められた。今月中に各自の意向把握のための課長面談が行われ、一月十八日までに各自に希望を提出させようとしている。東日本の雇用形態選択通知書によれば、(社員各自が提出する書類)雇用形態に◯印がない場合、また提出しない場合は六十歳満了型を選択したものとみなすなどの注意書をつけるなど、何が何でも会社提案を押しつけようとしている。
社員周知による具体的な内容では、移行時期が二〇〇二年五月一日、OS会社の組織構成、ロケーション、出資比率などが目新しいもので、賃金などの労働条件はこれまでに明らかになっていたように、OS会社の労働者はNTTの賃金より三〇%(東京都一五%、神奈川県二〇%、その他の関東各県二五%)低く、各種手当ても同様の割合いで低くなる。福利厚生の面でもNTT労働者は五〇ポイントに対しOS会社の労働者は四〇ポイント(二年間に限り五〇)である。
NTTに現在勤務している労働者には人員配置の予定なども説明がされたようだが、現在約百七十人いる営業所の中でNTTの法人営業部門で残る数は十五人、サービス会社七十五人、ドコモの業務受託による配置十人(三年間のみ)合計百人との説明があったという。残りの人数は何処にいくのかは分らないという。
私の職場はNTT―ME東北であり、現在の業務はOS会社に移行する。そこでの説明は全員がOS会社に移行することを前提としたものであり、激変緩和措置についてなど約三時間、会社の説明が延々と聞かされ、質問などは昼食時間帯に食い込んでしまった。そのせいか二、三人の質問で終わらざるを得なかったというのが実態であった。
五十一歳以上でもNTTに在籍したままOS会社に出向することができるかなどの問題については、「就業規則に定める全国配転の対象になる」などの説明に終始した。まったく無責任な説明会だった。このような説明で、労働者は一カ月後には人生設計を変えざるを得ないのである。
NTT労組は全電通時代から会社との間で、労働協約を賃金、特別手当、合理化問題、配置転換など労働条件のほとんどの問題で締結してきている。しかし今回の「十一万リストラ・構造改革」にはそれらを適用しない方針だ。労働協約があるため、就業規則では細部にわたる点を網羅しなくても認めてきていたのがこれまでであつた。それがある日突然「協約適用除外」「就業規則適用」にされたのでは労働者はたまったものではない。
二〇〇〇年度の年度末手当の支払いを求めている訴訟の原告団に対する会社側の態度は「就業規則上、臨時特別手当は社長の判断で決めるものである」というのだが、この主張にこれからの会社対応の姿が見える。私たち電通労組は今回の課長の個別面談による移行確認、雇用形態選択調書の提出に応じず、あくまで労働組合として労働条件の大幅な変化を伴う配置転換に応じない闘いを組織的に取り組んで行く。個々の労働者を会社の勝手に任せるような労働組合は労働組合ではない。俗に言われる第二労務部だ。保険にもならず組合員の労働条件も維持しようとしない労組は脱退するしかないのだ。労働者の生活と権利を守りぬく組合として、電通労組を強化しよう。 (芦原 譲) |