香港
「中国への容疑者引き渡し」法撤回を!
人権・自由のため勇敢な決起
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六月九日に香港の刑法容疑者を中国に送還する法律が審議されている香港で、この法律の制定に反対する一〇三万人の巨大なデモが行われた。
六月一二日も議会への抗議行動が呼びかけられた。学生のストライキ、キャセイ航空の労働組合など、民主派の労働組合をはじめ、この問題に危機感を感じる企業や商店なども呼応している。
現地時間一〇時から始まる予定だった、逃亡犯中国送還条例の審議は、議会周辺を巨万の民衆が取り巻き、幹線道路も抗議の人々で交通がマヒしている状況にあることから、審議は延期された。いつ再開するか不明だが、議会周辺はすでに雨傘運動のときの状況になっている。一方、人々であふれかえった幹線道路では、あちらこちらからバリケード用のブロックや柵などが運び込まれており、長期戦に備えた対峙になっている。(六月一三日)
6.12
明治大学で周庭さん(香港浸会大学生、香港衆志常務委員、雨傘学生運動リーダー)か゜講演
中国政府「やりたい放題」許すな
攻防の現段階と私たちにできること
六月一二日午後五時一〇分から、明治大学駿河台校舎リバティタワー1012教室で、周庭さん(香港浸会大学生、香港衆志常務委員、雨傘学生運動リーダー)が講演「香港における犯罪容疑者の中国本土への引き渡しを可能にする条例改正案をめぐる攻防」を行った。中国法特別講義として、授業の一部をさいて行われた。六月六日、香港の議会で、この条例案が審議されるのに反対する一〇三万人もの抗議デモが行われたばかりでもあり、日本のマスコミ各社が報道カメラを持ち込んだ。また、香港からの留学生も多数参加し、教室は満席になり入りきれない人もたくさんいた。
鮮明な見解公表
日本政府に望む
BBCの反対デモ映像が映し出された後、周さんが講演した。(以下講演要旨)
六月一二日に改正条例案が提出の予定だった。不当に拘束され、中国本土に送還される。これに反対し、一〇三万人が抗議した。一九九七年香港が中国に返還されて以後最大の規模だ。一国二制度によって、中国法は適用されないとされていたがすでに中国法が適用され始めている。
私は二二歳で、二〇一四年の雨傘運動に参加した。二〇一八年の立法会選挙に立候補しようとしたがその権利が取り消された。
香港は夜景が綺麗で食べ物がおいしいと見られているが、政治問題がたくさんある。逃亡犯条例改正案は、中国に引き渡される非常に危ないものだ。香港人だけでなく、外国人も影響を受ける。六月中に立法会で議決される可能性がある。本会議を予定しているが、議会前の占拠によって開催されていない。議会は半分だけが直接選挙され、残りは間接選挙で北京派の議員の方が多い。
中国本土は公平・透明性・人権・自由がない。司法が独立していない。中国共産党の道具として利用されている。三権分立がない。法治社会でもなく、恣意的拘束や逮捕、拷問が行われている。国家転覆罪もある。不可解な形で、障害を負わされたり、死んでしまった人もいる。活動家や弁護士、記者なども標的にされている。国家安全罪があるが、他の罪で引き渡される可能性もある。中国当局は罪をでっち上げることもやっている。
政治的誘拐が合法化されている。身の安全が保障されなくなる。香港の良さがなくなる。二〇一三年に、香港で中国批判の本を売っていた人が中国に誘拐された。このように中国当局のやりたい放題になる。香港は香港でなくなる。
四月二八日、一三万人のデモ、六月九日、一〇三万人の抗議デモが行われた。これに対してカナダ・イギリス政府は条例に反対する共同声明を発表した。アメリカ政府と商工会議所が批判し、EUは反対の申し入れをした。
私が東京にいるのは、日本の現状を変えたいからだ。日本は香港との経済的つながりが大きい。日本政府は意見を言っていない。六月五日、衆院外務委員会で河野外務相は改正案について、「一国二制度があるから、声を出すべきではない」と発言した。一国二制度が一国一制度になりそうだ。改正案に対して、はっきりした意見を持ってほしい。
六月二七日を採決の予定にしている。自発的な商店の休業・ストライキや授業ボイコットが起きている。レストランに入って、IDカードをチェックしている。今日休業した店舗は一〇〇〇以上。警察が職権を濫用して、立法会のある駅で身体検査をしている。銃で撃ったという話もある。ペッパースプレイ、催涙ガスなど暴力のレベルが上がっている。どうなるか分からない。もっと注目してほしい。
民主化に関心を
日本も同じでは
講演の後、質疑応答が行われた。
――今後どうなるか。
予測することは難しい。六月九日のデモは三〇万人と予想されていたが一〇〇万人を超えた。想像できない。ストライキも起きている。雨傘運動や反愛国教育運動の時はリーダーがいた。今回は自発的な行動だ。自分の家を守りたいという責任感が強い。大学生は夏休み中、中高生が授業ボイコットした。これを見ても今回の広がりを示している。
――一九八九年六月天安門広場に一〇〇万人が集まり、民主化を求めた。しかし六・四悲劇が起きた。
今の香港の事態はあぶない状況になっている。戒厳令の可能性もあり、解放軍の虐殺もありうるか。
若い人はなぜと思っている。変わってしまうことに対する危機感。中国法が適用される所には住みたくない。日本政府は明確な態度を示していない。声を上げていかなければならない。
――運動のきっかけは?
責任感だと思う。一番好きなのは香港だ。好きな場所を守りたい。香港は一九九〇年代に難民を受け入れてきた。今は政治難民をつくっている。香港は自由社会だ。自由を壊しているのは中国共産党政権だ。希望を持っていたから闘ってきたし、これからも持ちたい。
――手助けすることはあるか。日本に望むことは。
民主化に関心を持ってもらいたい。香港の経験から自分が生きる社会に関心を持つことは重要だ。主権者としての意見を持つこと。日本も同じ問題がある。
――目指している政治の在り方は。
普通選挙を求めた。しかしこれがすべてではない。民主的制度がない。有権者は限られている。住宅や教育問題に声がないとダメだ。民主主義とは自らの未来は香港人が決める。生活は民衆が決める。
在日香港人留学生などがプラカードを用意していたが、学内でのパフォーマンスは禁止ということで、外に出てプラカードを掲げるパフォーマンスを行った。 (M)
6.13
香港の自由と民主主義を守る緊急行動
元山仁士郎さんらが呼びかけ
香港と沖縄の共通した闘い
東アジアの民主化を共に
六月一三日午後五時半から、九段下にある香港特別行政区政府香港経済貿易代表部の前で、香港の自由と民主主義を守る緊急行動がSNSで呼びかけられ、三〇〇人を超える人たちが集まった。呼びかけたのは元山仁士郎さんや杉原浩司さんら。「容疑者引き渡し条例は香港の一国二制度を壊し、香港の自治が脅かされるものだ。そして外国人にも適用される。警察の暴力的弾圧も強まっている。東アジアの自由のために連帯する」と発言者と呼びかけ人から趣旨が話された。
プラカードを掲げた参加者が増えていく。参加した人たちが次々と思いを語った。
「何かしなければいけない。民主主義的抗議をしているのに、暴力的な弾圧はしないでほしい」。
香港生まれ。「返還される前に生まれた。こういう事態を恐れていた。民主主義が壊されてしまう。日本もそうなってしまう。なぜ声を挙げないのか。返還から二二年、世界の平和が崩される。自分たちの問題だ」。
沖縄人。「中国が香港に圧力をかける。これは沖縄と日本の関係と同じだ。反対しているのに辺野古の基地が作られている。黙っていられない」。
香港人。「香港が好きだ。海、人々が好きだ。美しい香港であるように。日本と香港、友好であるように立ち上がるべきだ。他人ごとではない。平和な世界を歩んでいくように願っている」。
香港人。「父は上海の人。天安門事件を思い出し落ち込んでいる。中国は好きだが中国政府は批判はしなければならない。ヘイトクライムにならないようにしなければならない。今日の香港は明日の日本だ。権力の横暴には東アジアの民衆の力で立ち向かおう」。
日本人。「中国の労働運動を支援している。一九八九年天安門で労働者も立ち上がった。その後弾圧され、香港に亡命してきた。香港は中国の民主化を支援する重要な位置にある。こうした香港の運動をつぶすような条例改正を許してはならない」。
杉原浩司さん。「日本政府と米国は天安門事件弾圧に対して、動かなかった。今回も日本政府は態度表明していない。われわれの自由・人権も脅かされる。私たちの連帯行動が香港の人たちを勇気づけ、条例案を止めることにもつながる。東アジアの民主化をいっしょに進めていこう」。
SNSで呼びかけた林田さんは「無抵抗の若者が思想・自由を守ろうと闘っている。黙って見ていることはできない。法律の問題だけでなく、自由に考え行動することへの弾圧だ。それに対する連帯。言論の自由を守れ、国家の暴力に反対する。『言うことを利かせる番だ。おれたちが』」。
最後に授業の関係で遅れてかけつけた元山仁士郎さんが「なぜ、香港の人たちをサポートするのか、それは沖縄を大切に思っているからだ。人々が声を挙げても届かない。国が弾圧してくる。香港と沖縄が共通している。香港を応援することを大事にしたい」と語った。
「香港頑張れ」のコールを繰り返した。そして、引き続き午後九時から渋谷ハチ公前で同様の集会を開くことを明らかにした。午後九時からの集会には二〇〇〇人が集まり、香港の運動との連帯を固めた。 (M)
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