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    かけはし2019年5月27日号

緑地病院事態は氷山の一角


目前に迫った医療営利化

ピョン・ヘジン(研究コミュニティ<健康と代替> 常任研究員)



  国内初の営利病院といわれていた済州緑地(チェジュ・ノクジ)病院の開院が結局、白紙化された。
 しかし、保健医療部門は政権を問わず「未来の成長産業」1位に上がっており、 医療営利化を追求する勢力にとって、営利病院は宿願事業の一つだ。営利病院が私たちにどんな影響を及ぼすか、医療営利化という巨大な計画と営利病院の推進はどのようにかみ合うのかを聞くために、「健康と代替」のピョン・ヘジン常任研究員に会った。

Q まず、国内の医療供給体系について簡単な説明をしてください。例えば、一部では、韓国の医療供給はすでに民間中心で行われており、「民営化を」という表現が合わないという主張も出ている。

A 医療公共性のひとつの軸はもちろん、公共医療機関の比重だ。そして、他の一つの軸がまさに健康保険の保障性だ。韓国は、全国民健康保険を導入して、保障率が現在60〜63%ほどだ。一方、国が運営する病院は、病床数で見ると5〜6%にしかならないし、病院数では10%ほどだ(軍病院、国立大学病院まで合わせても)。
OECD平均公共病院の割合は70%に達する。こうして見ると、「韓国はもともと病院・医院を個人所有で運営しているが、これがなぜ民営化なのか」という声が聞かれる。ところが、保健医療サービスは健康保険や国庫支援を基盤としている。
それ自体で公共領域なのだ。ここで保障性も高め、公共病院も伸ばす方向に進まなければならないのに、その逆の方向に向かうことをprivatizationと呼ぶ。そのため「民営化」「営利化」「商業化」という表現は全部使う。

営利病院、医療全般の営利化につながる

Q 済州緑地病院は国内初の営利病院になるところだった。営利病院が既存の民間病院と違う点は何か。

A 現在、民間病院の場合、法的に「非営利法人」であるため、病院収益を該当病院のために使うべきである。治療剤であれ人材拡充であれ、病院内に再投資しなければならないのだ。しかし、営利病院はそのような原則はない。病院の収益を株主たちに配当することもでき、ファンドに投資することもできる。
韓国は健康保険当然指定制で運営している。すべての病院・医院、薬局は健康保険の患者を受け入れなければならない。健康保険という公的資源がかかるため、病院で稼いだ金は病院でのみ使うように規制した。ところで、この根幹を崩すのが営利病院だ。
営利病院導入の歴史は、IMF危機へと遡る。金大中(キム・デジュン)政権は外国資本投資誘致の名目で「経済自由区域法」に触れた。そこに病院と学校を営利化する案まで含めた。最初、政府は「外国人対象施設」として反対を押しとどめようとした。
そういうふうに経済自由区域法を作った後、2000年代半ばに済州特別自治島法を作って済州(チェジュ)にも、営利病院を許可した。
経済自由区域はますます増えており、現在、済州まで9カ所くらいだ。 結局、全国各地に営利病院の設立を可能にしたのだ。済州道の場合、このような流れに対する激しい闘争が繰り広げられた。それゆえ、済州では条例を作ることができた。
条例を通じて営利病院の設立に対する規制を設けたのだ。

Q 営利病院が存在する海外の事例から、どのような問題が明らかになったか。

A 米国の場合、全国民の公共医療保険がない。下位所得や子ども、65歳以上だけを一部カバーする。米国の人口5千万人程度に何の保険もない。
さらに、健康保険当然指定制ではないので、病院が公共保険患者を拒否できる。そのため、米国は遺伝子検査や健康食品が非常に多い。検査キットはスーパーでも売られている。
相対的に安価なため、このように民間業者の検査を依頼したり、ただ健康機能食品を買って食べたりしている。
非医療的で商業的な上、個人に責任を転嫁する構造だ。ところがこれを最近韓国政府が持ってきて経済成長の動力だからとか4次産業革命だからと主張する。営利病院はこのように保健医療部門全般の規制緩和と営利化につながる。

Q 国内にもすでに「フランチャイズ病院」が多いそうですが。

A 「ネットワーク型病院」とも呼ぶ。歯科や美容整形病院が多い。現行法上、国内医療法人は営利病院の開設が不可能であり、このようなやり方で、中国を通じて迂回路を見つけたのだ。営利病院に対する大衆的反発が激しいため、李明博(イ・ミョンバク)政府時代、「投資開放型病院」という名で呼んだりもした。結局、国内資本と国内医療法人が営利病院の設立に投資を開放するということだ。

Q 営利病院が民間医療保険の拡大につながるか?

A 韓国の公共医療機関が極めて少ない状況で、それさえも唯一の支えが健康保険当然指定制だ。しかし、営利病院は健康保険当然指定制から脱することになる。健康保険の患者を受取らない可能性もあるということだ。これも問題だが、そうなれば金持ちの人たちはあえて健康保険を維持する理由がない。
民間医療保険に加入し、営利病院で高級医療サービスを受けられるからだ。このように上位20%が健康保険を出さないとすれば、健康保険財政が大幅に減る。
今も医師協会は、「健康保険当然指定制が違憲だ」と訴訟を起こしている。営利病院のように民間保険会社と直接契約できるようにしてほしいということだ。営利病院は健康保険の根幹自体を揺るがすしかない。

「健康の社会的責任を個人のせいにするのが問題」


Q 文在寅政府はひとまず、営利病院に反対するというが…。

A 済州で今回営利病院を防げたのは道民らが2000年代激しく闘争しながら条例を作ってきたからだ。ところが、他の経済自由区域には営利病院を規制するような条例さえない。保健福祉部が承認すれば、それで終わる。しかも、文在寅政府は規制サンドボックスと規制フリーゾーン法のように、保健医療の商業化を引き続き推進している。
保健福祉部長官は「文在寅政府で営利病院はない」と述べたが、逆に聞きたい。現行法である経済自由区域法に外国資本50%だけが設立することができるが、どのように営利病院を防ぐというのか?
本当に意志があるなら、経済自由区域法と済州特別自治道法を改正でもして、営利病院の許容を削除しなければならない。

Q 政権を問わず、いわゆる「未来の成長産業」に保健医療が欠かせない。なぜ政府と資本は執着に見えるほど、保健医療部門にこだわるのだろうか。

A 医療部門は、情報が一方的な専門家でなければ分からない。そのため、需要を勝手に創出できる。 不要な医療行為は費用だけでなく健康を害する。遺伝子検査規制の緩和が代表的だ。 医学的にどの遺伝子がどんな疾病を起こすのか確定しておらず、検査機関によって結果が異なる。誤った検査で誤った認識を持ち、誤った健康管理をすることになるのだ。そのように消費者を惑わし、各種検査、キット、健康食品を並べ立てながら市場を作る。
最近、健康に対する関心が大変高い。健康への関心と心配は労働の問題と直結している。韓国はOECDの中で最も労働時間が長い。
未来も不安だ。不安定な労働が蔓延しているから。老人になると、貧困層に転落するのがおちだ。社会保障がないため、健康に関心が高まらざるを得ない。健康を社会が責任を負わず、個人が自ら管理しなければならない。メディアはそれを「ウェルビーイング」と呼びながら助長する。
政府と資本はそのような不安を利用して商業化する。このため、所得に関係なく社会の構成員たちが健康のためにどのようなシステムを公的に用意しなければならないかに対する研究と投資は相対的に減る。
このように健康不平等がひどくなるのに、健康を失えば雇用からまた差別されるため、経済的立場が固定化される悪循環が起こる。健康の社会的決定要因を無視して個人責任へ転嫁すること。これが一番大きな問題だ。
■インタビュー=李周容(イ・ジュヨン)記者
(社会変革労働者党 「変革政治」84号より)

5.11

民主労総非正規職労働者決起大会

ILO中核協約の優先的批准を

 民主労総は5月11日(土)午後4時、ソウル大学路のマロニエ公園の前で2千人あまりの非正規職労働者たちが集まった中で、ILO100周年核心協約の批准!「労働基本権獲得!」非正社員撤廃全国民主労働組合総連盟決議大会を開き、「ILO核心協約の優先批准に対する立場を明らかにすること」を要求し、光化門まで大行進した。
 民主労総のキム・ミョンファン委員長はあいさつの中で「3・1運動以来ろうそく闘争に至るまで100年間、数多くの政府がILO協約の批准をすると約束してきた。ろうそくで誕生した文在寅(ムン・ジェイン)政府だけは虚言でないことを望んだがその約束は昨日で紙くずになってしまった」、「団結と結社の自由が韓国政府の無能さのために保障が受けられず、最も苦しめられるのが非正規職労働者であり、憲法を一番先に守らなければならない大統領と政府が守ることができないなら、もう私たちがそして非正規職労働者たちが闘争力で勝ち取っていこう」と訴えた。
 ジョン・ビョンウクILO緊急共同行動の弁護士は「1947年ILO協約87号、団結権と98号結社の自由は、労使政が議決し、1988年の総会で87号、98号など8つの協約がすべての加盟国に承認されるように明らかにされて1991年ILOに加盟した韓国は遵守義務がある」、「最近、EUが韓国政府に批准を促したように、全世界が見守っているのに、国際的な笑いの種にならないためには政府は無条件で批准だけをすればいいことであり、外交部公式条約締結のように大統領が先にして国会の同意を得ればできる」と強調した。
 特殊雇用労働者の金周煥(キム・ジュファン)非正規職共闘団代理運転労組委員長は「2年前の文在寅大統領は、非正規職の友になると言ったが、放課後教師、建設非正規職、貨物や代行運転の労働者たちが、再契約に苦しみながら働いて死に追い込まれていく。賃金をもらうため、高空クレーンに上がり落ちるのが今の現実だ」とし、「差別も減らすという約束さえ守られていない状況で、国家人権委とILO勧告にも250万特殊雇用労働者たちの基本権保障の約束がまだ守られない今、もう私たちがどれだけ待たなければならないのか」と憤慨した。
 間接雇用労働者であるクォン·ソクチョン希望連帯ケーブル放送ティーブロード支部長は「毎年数千億ウォンずつ利潤を出しているSK(大手企業グループ)と今年の合併·買収が進められているが、韓国の非正規職労働者たちには雇用安定に対して一言も話さず、CJ(食品&サービス、バイオテクノロジー、新流通、エンターテイメント&メディアなどを持つ大手企業)の場合、非正規職の半分以上が構造調整と解雇に追い込まれている」とし「会社はじっとしていればよくしてやるというが、われわれはじっとしていればやられるだけなので、わたしたちの支部は公共財の役割をすべて果たすために果川庁舎で泊まり込み闘争を展開し、SKに雇用安全を求める」と力を込め話した。
 大会参加者らは集会が終わった後、非正規労働者たちの死と犠牲を象徴する50個の遺影と要求案のオブジェ、認証ショットのピケットを持って「ILO100周年核心協約の批准!非正規職撤廃!」を叫びながら鐘路(チョンノ)都心を経て、光化門(クァンファムン)の大韓民国歴史博物館まで行進し、整理集会で終了した。
 一方、同日、大学路の惠化駅2番出口の前では、事前大会で公共部門の非正規職スト委員会の主管の下に1千人余りの環境美化員、学校非正規職、公共部門の非正規職労働者たちが集まった中で「民主労総・公共部門の非正規労働者決議大会」を持って「労政交渉の」を求め、ゼネスト闘争を決議した。

朝鮮半島通信

▲李明博元大統領の実兄で元国会議員の李相得被告が大手ポスコからの収賄の容疑で起訴された裁判の上告審で、大法院は5月14日、二審判決と同じ懲役1年3月を言い渡し、刑が確定した。
▲韓国検察は5月15日、朴槿恵前政権時代に選挙に違法に介入した容疑で、姜信明元警察庁長を逮捕した。
▲韓国大統領府の鄭義溶国家安保室長は5月17日の記者会見で、朝鮮に国際機関を通じた800万ドルの人道支援を実施すると発表した。また、開城工業団地入居企業家の資産点検のための訪朝を承認すると発表した。




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