北米対話硬直局面
張恵敬(チャン・ヘギヨン)・政策宣伝委員長
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2次北朝鮮・米首脳会談が成果なく終わると、北朝鮮の核問題の解決と韓半島平和問題の解決策をめぐった長い論争が運動社会の中で、また起きている。昨年の南北首脳会談と1次北朝鮮・米首脳会談以降、沈んでいた見解の違いが今回の会談決裂とともに水面に浮上したのだ。
さらに朝米会談の決裂以降、意気盛んな自由韓国党と極右・保守勢力の声も大きくなり、韓半島非核化と平和のための労働者民衆運動がどのような立場で情勢に対応するかという問題が重要になった。
韓半島の非核化と平和の道をめぐる意見の違い
韓半島非核化と平和体制移行経路をめぐる争点は大きく二つだ。 第一は、2次北朝鮮・米会談決裂の責任が誰にあるかということだ。これは今後の朝米対話を再創出するための解決策の違いにつながる。第二に、韓半島非核化の定義と内容に対する問題だ。
最初の争点から考えてみよう。一体2次北朝鮮・米会談決裂の責任は誰にあるのか? この争点に対する立場は、大きく北朝鮮責任論と米国責任論に分かれる。
「北朝鮮責任論」は、自由韓国党や朝鮮(チョソン)日報のような保守勢力から運動社会の一部までかけてある。よく分かっているように2次北朝鮮・米交渉決裂は、米国の要求(寧辺核施設+アルファ(α)廃棄)と北朝鮮の要求(寧辺核施設廃棄+5つの制裁の緩和)が接点を見つけられなかったためだが、「誰の責任か」によって解釈が違う。
北朝鮮責任論は「北朝鮮は寧辺以外の他の核施設があるにもかかわらず廃棄を拒否し、実質的な非核化への意志がないことを示した」と診断する。
つまり、北朝鮮が核凍結・核保有国の地位を維持しながら制裁緩和だけを得ようとするため、米国の立場では決して受け入れられないということだ。北朝鮮が要求した制裁緩和についても「経済制裁の全面解除と違いがないので米国が受け入れ難い」という主張だ。
これは会談直後、トランプとポンペオが明らかにした立場、そして米政界の共通した評価(「悪い合意よりノーディルが良い」)で確認している。
運動社会の一部でも「核凍結・実質的核保有国の状態で制裁解除と安全保障を得ようとするのが北朝鮮政権の究極的目標という疑心が強まる恐れがある」とし、北朝鮮の実質的な非核化意志が足りず会談が決裂したと診断する。
韓米両国の保守勢力の北朝鮮責任論と運動勢力の一部の北朝鮮責任論には確かに違いがある。前者は北朝鮮に対する米国の核の脅威(韓国に対する米国の核の傘と核戦力資産の展開)は問題視せず、北朝鮮の核だけを攻撃しており、絶えず北朝鮮を悪魔化し、対北朝鮮圧迫の強化で北朝鮮核問題を解決できるという立場だ。
一方、後者は「反核」の観点から、北朝鮮の核だけでなく韓半島の完全な非核化(米国の核の傘と核戦力資産の展開廃棄など)、さらには全世界の非核化を求める。
しかし、2次北朝鮮・米会談決裂の責任を北朝鮮に向けるという点で、後者の立場は「先非核化」を圧迫する米国の覇権的立場に同調することになる。「反核」の観点から「反帝国主義」の観点がぼやけたのだ。
米国の責任か、北朝鮮の責任か
ビョン・ヒョクダンは、この〈変革政治〉82号で「会談決裂の責任は米国にある」と明らかにしている。まず、北朝鮮責任論に基づいた非核化優先は現実的にも可能ではない。
「先非核化後相応措置」は、これまで体制保障と朝米交渉のために核・ミサイルを開発した北朝鮮に何の条件もなしに白旗投降を要求するのと相違ないためだ。そのうえ、北朝鮮が解除を要求した5つの制裁項目は、北朝鮮が2016〜2017年、核・ミサイル実験を断行したことに対する措置だったため、今回の会談で、北朝鮮が核・ミサイル実験の完全凍結を約束しただけに、相応措置で充分に解除することができるものだった。
さらに重要なことは、米国が要求した「アルファ」が「弾道ミサイルと生化学兵器の廃棄」まで含んでいるという点だ。これは非核化に対する通常の定義を越える。生化学兵器のような大量破壊兵器はもちろん廃棄すべきだが、これは朝米国交正常化や南北相互軍縮で解決する問題だ。
北朝鮮に対する米国の軍事的脅威が残っている状態で、非核化措置に他の兵器の廃棄まで追加せよという要求は、非核化のハードルを高めるだけだ。すなわち、米国の過度な「アルファ」要求は非核化を導き出すのではなく、むしろ非核化の道を遮断することになる。
したがって朝米交渉が膠着した現情勢において、会談の決裂に対する米国の責任を明確にし、米国の覇権的な態度を批判しなければならない。「非核化優先」で北朝鮮を圧迫し、米国の帝国主義行動に免罪符を与える愚を犯してはならない。
北朝鮮の核保有国を認定? 北朝鮮の非核化? 「韓半島非核化を!」
2番目の争点に行ってみよう。昨年の板門店(パンムンジョム)宣言では「非核化による核のない韓半島」を作ることで合意した。
1次北朝鮮・米首脳会談合意文も「韓半島の完全な非核化」を提示した。しかし「韓半島非核化」そのものの意味については解釈と主張がそれぞれ異なる。さらに、運動社会の一部ではこれに反対する立場も出ている。
まず、保守勢力は露骨に韓半島非核化を「北朝鮮非核化」と位置づける。これらのうち一部は、北朝鮮の核問題に対抗する韓国の核武装や戦術核の再配備まで公に取り上げたが、昨年から対話局面が広がると「韓半島の非核化は北朝鮮の非核化だけに絞らなければならない」と主張してきた。
これらは韓半島の非核化が米国の核の傘と韓米同盟の廃棄につながることを憂慮する。 自由主義勢力である文在寅(ムン・ジェイン)政権も同じだ。韓米同盟を金科玉条と考えるという点では差がないためだ。
しかし、韓半島で核戦争は、北朝鮮の核だけでなく、米国核によっても発生し得る。米国は、韓国に対する核の傘政策と韓米連合軍事訓練中に、核戦略資産の展開訓練を通じて、北朝鮮に対する核戦争の脅威を持続し、北朝鮮の核武装を煽ったためだ。
したがって、韓半島の非核化は北朝鮮の核廃棄(韓半島内の核兵器開発、実験、所有禁止)を越え、北朝鮮に対する米国の核兵器使用・脅威の禁止、核戦略資産の韓国内配置・展開・経由の禁止を含む「韓半島非核化」にならなければならない。
一方、「韓半島の非核化はすなわち北朝鮮の核廃棄」という主張の反対極端に立っている立場が運動社会の一部で提起する「北朝鮮核認定論」だ。
この主張は以前にもあったが、最近、朝米会談が決裂すると再び出ている。これらは「帝国主義(日帝)が解体する瞬間まで北朝鮮の核力は帝国主義国家の核展開を防ぐ盾」とし「北朝鮮の核保有国認定と韓半島平和協定締結」を主張する。核に対する米国の二重的な態度と(自分たちの核は廃棄せず、核は問題視する)核兵器を動員した脅威が北朝鮮の核武装を招いたという点で、この立場は一見理解できる面もある。
しかし北朝鮮の核武装は、理解できても認めることはできない。北朝鮮の核は米国の韓半島・北東アジアの覇権維持の名分で積極的に活用され、韓半島の緊張を高めてきた。韓・米軍事訓練の強化、サード配備、韓国国防費の増加、韓国独自の核武装論まで呼び、韓半島和平定着に障害として作用してきたためだ。
米国は、北朝鮮を核保有国と認めながら、平和協定に参加する理由がない。すなわち「北朝鮮核認定論」は「北朝鮮先非核化論」に劣らず非現実的だ。また、北朝鮮の核武装は韓半島での戦争危機を高める可能性があり、米国の韓半島・北東アジアの覇権を維持するためにも、韓米同盟の根拠になるという点でも妥当ではない。この立場は、現時代「反帝国主義」を理由に「反核」の観点を欠いている。
反帝国主義と反核観点の統一
労働者の民衆運動は「反帝国主義」の観点を堅持しなければならない。北朝鮮の核武装の原因である米国の対北朝鮮敵対・圧迫政策を見ずに北朝鮮の核武装だけを批判する立場、「反核」を強調したあまり反帝国主義的観点を欠いた立場は妥当ではない。同時に「反核」の観点も明確にすべきである。
「北朝鮮を核保有国と認めよう」という主張は「韓半島非核化はすなわち北朝鮮の核廃棄」という立場と同じくらい韓半島を核戦争の脅威から守ることはできず、米国の韓半島覇権政策の輪を断ち切ることができない。
2次北朝鮮、米会談の決裂で北朝鮮、米関係と南北関係が硬直の局面に陥った現在、労働者、民衆運動が反帝国主義と反核の観点を統一的に結合させる時、韓半島の非核化と平和体制構築のための闘争にきちんと対応していくことができる。
(社会変革労働者党 「変革政治83号」より)
朝鮮半島通信
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