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    かけはし2019年4月29日号

われわれを屈服させることは困難だろう


ベネズエラ

古参左翼活動家、同国の危機を語る

米帝の大陸的巻き返し戦略との
長期的攻防が今の危機にも貫徹

スターリン・ペレス・ボルゴス

 以下は、アルゼンチン誌「インテルセッシオネス」(注一)のマルティン・モスケラによる、ベネズエラの古参左翼活動家であるスターリン・ペレス・ボルゴスに対するインタビュー。同国で現在展開している危機をどう考え、どのように対応しているか、を聞いている。今年二月二日に行われた。二ヵ月以上前のインタビューだが、ベネズエラの危機の性格を考えるための一素材として紹介する。(「かけはし」編集部)

経済的・社会的危機の根は三つ

――現在の危機について語り合う前に、ベネズエラが今通過中の社会的、経済的危機をあなたはどのように描くか?

 この問題には非常に長い回答が必要だ。したがって私は、それが引き起こすかもしれないうんざり感にわびることから始める。
今まで約五年間劇的に加速してきた、そしてわれわれが辛うじて生き延びている、また世界記録を破ってしまったそのひどいハイパーインフレ水準に達した、経済的、社会的危機は、今行き渡っている大きな不満の原因だ。現在の情勢の中では、政治的力関係の重要な変化も起きてきた。私の考えでは、これは三つの基本的事実、つまり置かれた境遇から派生している二つと構造的な一つ、の結果だ。
境遇とはまず何よりも、政府が「経済戦争」と呼んでいるサボタージュと経済封鎖だ。これは、われわれが経験中の極めて深刻な経済的、社会的危機におけるもっとも重要な要素だ。その包囲作戦と封鎖は、この国の産業が生産する、そもそも少量でしかないものの八〇%を麻痺させることに寄与した。それと同時にそれは、食品、医薬品、天然資源、そして機械類の巨大な輸入量に重要な減少を強要した。そしてそれはまた、良心的ではない商売人がドルを含むあらゆる種類の商品の価格を設定している事実、および買いだめの原因にもなっている。
第二の境遇の要素は、積年のものとはいえ、腐敗と無能力と免責だ。その指標はこの五年を通じて指数関数的になった。政府当局者の腐敗と無能力は、非常に大きくかつ極めて有害だ。多くの例では、雇用主と帝国主義によるサボタージュ行為は、軍人と文民当局者による罰せられることのない共謀から便宜を受け、住民が必要とする諸商品価格の投機的上昇に関係している。
そして構造的な問題とは、極めて低い生産能力だ。これはまた、石油採掘権地代が占める歴史的に高い水準にもよっている。そしてそれは当地ブルジョアジーを、変わることなく原油価格に大きく依存する、極めて寄生的な社会階級にしてきた。彼らは、生産し輸出するよりも輸入する方を好んでいる。ここには、この古いブルジョアジーと腐敗した国家官僚制の一種の道義的で文化的な遺産があり、それを、この一八年を通じて現れてきたボリブルジョアジー(ボリバール革命の中から生まれてきた特権的受益層がこのように呼ばれている:訳者)もまた取り入れた。
民族的産業生産のこの構造的な弱さには、第四共和制の五〇年と第五共和制(チャベスの下で確立された国家体制:訳者)の二〇年の責任がある。チャベスの時期以来、民族産業に必要とされた開発は、いくつかの綱領や計画が提出されてきたにもかかわらず、これらの構想についても、起草の水準以上には進まなかった。チャベスの下での二〇〇七年から二〇一二年まで、この生産の無能力が不満を生み出すことはなかった。高い原油価格が、必要だったもの以上を輸入するほど十分だったからだ。
しかし二〇一三年から今まで、マドゥロの下で、この失策は一〇〇倍返しで懲罰を受けている。原油価格下落を起点に、もはや輸入のためにも、国内産業のためにもマネーがなかった。そこには、多国籍企業が保障されたレートでドルを合法的に獲得することも含まれている。
これらの歳入の配分を着服するための、社会諸層による闘争が、チャベス派諸政府のこの二〇年を通じた、策謀と死を招く憎悪が絶え間ないものになってきた主な理由だ。これが、ヤンキー帝国主義と欧州帝国主義の権益が活動を始めている場所だ。

反政権派と政権派は動員合戦

――一月二三日、「大統領に就任」とのフアン・グアイドの「自己宣言」によって開始された暴動的な空気を背景に、反政権派の新たな決起が起きた。これらの決起の規模と労働者階級内部の支持の水準はどういうものだったか? 反政権派の支持基盤の民衆諸階級への拡大はあるのか、あるいはそれは、中、上層におけるその水準を今も維持しているか?

 今年一月二三日の反政権派が呼びかけた諸行進は、印象的な規模のものだった。カラカスとバレンシアでの集会は、常連と地元住民双方を結集した。それは多くの民衆を再活性化した。右翼諸層は、全国憲法会議の選挙以後非常に受動的になっていた。この選挙から一月二三日まで、彼らが諸決起に参加することはなかった。彼らは、政権反対の(「経済戦争」の効果に政府が有効に対抗できてこなかったことを理由に広がった不満を利用して)、また投機における腐敗官僚の共謀反対の、メディアキャンペーンに自制した。
マドゥロ大統領の解決策は、「地方供給生産委員会(CLAP)」による名高いフード・バスケッツの提供、さまざまな理由を対象にした商品引換券の発行、最低賃金と労働者の配給切符の連続的引き上げから成っていた。これらのちっぽけな改善は、賃金の購買力喪失を埋めるには十分とはならなかった。
こうして、一月二三日のデモには、いつもの中産階級の社会的基盤と並んで、今年はじめまではチャベス派であると主張していたいくつかの労組を含んで、労働者の諸層がいた。

――政権に近い民衆諸階級の精神状態はどういうものか? 政府支持とクーデター拒絶、また戦闘性に関する彼らの水準はどうか? 自己組織化の現象はあるのか、あるいはあらゆる民衆的決起は政府のイニシアチブに従ったものか?

 あなたは尋ねなかったが、分析と特性付けのためには以下のことを考慮に入れた方がよい。つまり、一月二三日の後反政権派は、カラカスとバレンシアで同じ数かそれ以上の人々を集めようと多大な努力を払った。彼らは二月二日に再度決起したが、しかしそれらの数とそれらの要求双方とももはや同じではなかった。
一月二三日のチャベス派の動員は完全に大規模だったが、彼らは他の都市での動員はしなかった。しかしながら「政権に近い民衆諸階級の精神状態」はかなり良好だ。チャベス派は、一月二八、二九、三〇、三一日、そして二月一日と二日、六つ以上の都市で壮観かつ驚くような抗議行動を組織した。二月二日のカラカス集会は、チャベス主義の最良の時期と同じぐらい大規模だった。したがって当座チャベス派は、クーデター反対の、あるいは進行中の侵略反対の、攻勢を取るよう鼓舞された。
一方、基盤における自己組織化の見える表現はまったくない。行動への呼びかけは、PSUV(統一社会党)と政府機構によって行われている。しかしながら私は個人的に、これらの動員に多くの若者がいることに感銘を受けている。

反政権派の軍工作は当面不発


――クーデター戦略の主な目標が政権に対する軍部勢力の一枚岩的支持を壊すことにある、ということは明白であるように見える。この側面をあなたはどう見るか? あなたは、軍部勢力の内部的対立を欠いた外国からの介入もあり得る、と考えるか?

 かなり以前の一月一〇日、反政権派とトランプ政権の高官、さらにこの国の何人かの上院議員も、そしてまたいくつかの政権、たとえばドゥケ(コロンビア)、ボルソナロ(ブラジル)、マクリ(アルゼンチン)、その上ルイス・アルマグロ(米州機構、OASの事務総長)まで、マドゥロの倒壊はボリバリアン国民軍(FANB)のいくつかの部分から到来するだろう、と考えた。しかし今日まで、その考えは成就に至っていない。FANBメンバーは、多額のドル、高官への指名、さらに目こぼしを提供された。
大統領として行動するとのグアイドの自己宣言の後、この簒奪者はFANBメンバーに働きかけ、マドゥロ政権に反対して反乱すると思われる軍人に対し、想定される恩赦法を売り込んでいる。この政策は、何人かの行動的な将校には心理的な効果を及ぼすかもしれない。しかしFANB内外では、一部隊でも帝国主義と反政権派のおべっか使いの側に立って自殺的冒険に乗り出す可能性があるだろう、ということを暗示する表現は、これまでまったく聞こえてこなかった。

帝国主義の一貫した戦略的な策動

――右翼と帝国主義の戦略をあなたはどのように特徴づけるか? またあなたは、この戦略についてこれまでのところの成功度をどう評価しているか?

 帝国主義の戦略は常に、どのようなコストを払ってもチャベス派政権を取り除く、というものだった。マドゥロの退陣は中、短期として計画された。二〇一四年に彼が就任した時から、彼らは彼を追い出そうと挑んだ。そして現在の情勢という姿で、彼らは非常時状況の中にある。これこそが、先の目標を達成する可能性があると思われるできごとが、その作戦に関し彼らが作成する収支決算を待たずにもっと速い速度で過ぎている理由だ。
彼らは、チャベスが革命の歩みを始めてからわれわれの大陸に広がってきた、いわゆる進歩的な、また多少とも主権を掲げる諸政権の、また不安定性の、そうしたサイクルに終止符を打つ目的で、ボリバリアン革命の経験とマドゥロを用済みにすることを必要としている。エクアドルのレニン・モレノの裏切りを受けて、またブラジルとアルゼンチンを完全に接収したことを受けて、帝国主義は、この地域におけるこうした有利な力関係を利用し、先の仕事を仕上げたいと思っている。
もちろん彼らは、可能な限り最低の政治的コストでマドゥロを倒し、ボリバリアンプロセスを逆転したいだろう。そして彼らは、短期にそれに達しないとしても、それでもあらゆる対価を払ってそれを行おうとするだろう。
トランプは、帝国主義の諸部分が抱いている一つの構想だ。そしてそれらの部分は、世界における経済的、政治的、また軍事的覇権を米国が取り戻すことに必死になっている。彼らは、中国が獲得した経済的、財政的、また工業の優越性を取り返したがっている。彼らが確保してきた強みは基本的に軍事力だ。そして彼らは、マドゥロを打倒するための彼らの攻勢あるいはその戦闘を、古典的なクーデターに合わせることをめざしているわけではない。
一〇年の間、さまざまなシナリオを実行した事例が存在してきた。たとえば彼らはホンジュラスで二〇〇九年、普通のクーデターとは異なるスタイルでゼラヤを排除した。次いで彼らは二〇一二年パラグアイで、議会におけるクーデターでルゴを転覆した。そして三年後彼らは、議会のクーデターと弾劾を使って、ディルマを一掃し、不公正なやり方でルラを投獄した。そして帝国主義はその絵柄の完成をめざして、ブラジル(ボルソナロ)、アルゼンチン(マクリ)、もっと最近ではエルサルバドル(ナイブ)で、諸々の大統領の出現に力を貸してきた。
このために彼らは、「フェイク・ニュース」のような他の武器を使っている。この新たな道具を使って、彼らは住民の重要な諸層を騙し、混乱させている。もちろん、FMLN(エルサルバドルのファラブンド・マルティ民族解放戦線)、クリスチナ・キルチネル(アルゼンチンのペロン派前大統領)、労働者党(PT)の失策が彼らには助けとなってきた。
ベネズエラに戻ればわれわれは、帝国主義がここで以下の二つの道具を使っていることを明記しなければならない。つまり、軍事行動を頼りにするという脅しとメッセージやフェイク・ニュースの作戦だ。あなたの質問の一部に戻れば、いくつかの変種が発生する可能性が考えられる。
中でも一つは、コンタドラ/エスキプラ協定(中米の軍事紛争解決を名目とした枠組み、サンディニスタに実質的な屈服を強いた、交渉が行われた中米の地名が名称になっている:訳者)および選挙で凡庸なビオレタ・チャモロに喫したサンディニズムの敗北により、一九九〇年代にニカラグアで現れたものだ。ここでは同様の情勢の中で、ボリバリアンプロセスとチャベス主義プロセスの敗北があり得るだろう。そしてそれは、彼らがほぼ二〇年達成できなかったものだ。しかしこの筋書きはまだ完成されてはいず、書かれている最中であり、当面、彼らは勝利していない。
わが民衆の反帝国主義感情は歴史的であり、非常に強い。われわれを屈服させることは非常に困難なことになるだろう。労働者と貧しい者たちの多数は、米国の旗を掲げるのを受け入れることには困難を覚えるだろう。グアイドや彼の公開集会で彼に同行する政治指導者たちの様にはなれない。
ここでは、一九三六年の石油ストライキ――グリンゴス(外国人)、英国、支配的軍事独裁と対決する全国ストライキに近いものになった――以来、底深い反帝国主義感情の種をまかれてきたのだ。それは、チャベスの諸々のメッセージと教育によって、一五年以上にわたって再建され、復活させられてきた。
ここではこれまでいわば反抗的な反乱が湧き出てきた。そしてそれは、二〇〇二年四月一三日のクーデターと対決した猛烈な闘い、次いでロックアウトと石油サボタージュに対する対抗……が証明したように、一九八九年二月二八・二九日以来止まっていない。これらはすべて、われわれが行った、そして右翼と帝国主義が力によってマドゥロを追い出すことを妨げている、抵抗を刻んだ衝突だ。ニカラグアでは、彼らの目的を達成するために、彼らが内戦を始め、ゲリラ部隊とエデン・パストラ司令官の内通を利用した、ということを思い起こそう。

「反動の二極化」には不同意


――国際的レベルで広く行き渡っている印象は、帝国主義の報道ばかりではなく左翼の諸部分でも、マドゥロ政権を、完全に堕落し、汚職、官僚主義化、政治的権威主義の病に冒されている、と描くものだ。つまり、チャベスの達成成果すべてを終わりにしたと言うべき一種の「ボリバリアン・テルミドール」との印象だ。左翼のいくつかは現在の衝突を、「反動の二極化」(それは、帝国主義とジハーディスト原理主義がぶつかり、民衆層には両者を拒絶する可能性しか残されていない、そうしたいくつかの中東諸国に並べることから着想を得ているように見える)と見なしている。
あなたはこの特性付けをどう考えるか? あなたは、マドゥロ政権内部にある権威主義、腐敗、官僚主義化の諸要素をどのように評価するか? 左翼、労組活動家、あるいは社会運動に対する抑圧はあったのか? 反チャベス左翼はどういう役割を果たしているのか?

 確かに、トロツキズムを起源とする多くの古い組織を含んで、マドゥロ政権を独裁、ファシスト、何百人もの政治犯を抱える犯罪的政権、と特性づけている左翼の部分はいる。そこには正統性のない政権との特性付けすらある。それらは、世界のブルジョア報道によって行われたキャンペーンと一致し、それを繰り返している。
これらの特性付けは、帝国主義、この地域のいくつかの政権、またベネズエラの右翼諸部分にとっては支えの基礎になっている。それらは、軍事介入、PDVSA(ベネズエラ国営石油公社)の外国金融機関口座の凍結、英国に置かれている金の収用、さらに国の資源に対する別の盗み取り、を求めるために利用されている。私から見て、これらの特性付けは極めて適切さを欠き、現実には少しも対応していない。
私はこれまで、チャベスとマドゥロ政権の誤った諸政策を批判してきた。確かにベネズエラには、無数の経済的、社会的問題があり、マドゥロ政権はそれに対し大いに責任がある。安価な食事や他の事業や活動に彼らが「社会主義」のラベルを貼ったことがあったかどうかとは関わりなく、チャベスの政府は社会主義のそれではなかった。もちろんマドゥロのそれもそうではない。
公務員とすべての国家機構の高率になる汚職は否定できない。彼らは明らかに、経済的危機を解決できていず、財政赤字や資本逃避を阻止できず、ドル価格や生産と市場の組織化のコストを統制できていない。われわれが帝国主義の経済封鎖に苦しんでいるのに、対外債務を返済し続けているのは、政府なのだ。政府は、ポラーグループや他の独占のいずれに対しても挑んだことがないが、その一方で、不当な価格を要求したり、彼らの気まぐれ次第で配分したりするために、食品を貯め込んでいるのはそれらの独占なのだ。
私はベネズエラで、ある工業都市で暮らし、労組活動家だ。そして、工業地帯がほとんど麻痺し、全面的にあるいはほとんど麻痺した工業部門があり、基本的な諸部門――たとえば、電力、石油、医療、教育――における労働条件や安全確保が警報発令に値するほどまで悪化してきた、ということをあなたに伝えることができる。しかしはっきりさせられるべきことは、このすべてには、政府の責任が、しかしまたベネズエラに対する経済的、商業的封鎖も重くのしかかっている、ということだ。
しかしながら、民主主義と自由が存在していない中東に現にある諸政権とマドゥロ政権を並べることは常軌を逸している。それは比較にならないし受け入れられない。
マドゥロ政権は、権威主義的諸行為に関わり、一定のデモを抑圧し、ストライキを妨害してきたのだろうか? もちろんそうだ。私はそれらのやり過ぎを正当化しない。しかしそれは、政権を抑圧的と特性付けること、あるいはこの告発キャンペーンの程度に値するものではない。彼らは、その抑圧と国家犯罪がもっと明白な、ブラジル、アルゼンチン、コロンビア、メキシコ、あるいは他のあらゆる政権には、同じキャンペーンを展開していないのだ。
政治犯が存在し、われわれは、それがどれほどの数か、また彼らが何者か、を知るための調査を使命としなければならない。しかしながら、右翼(また前述の反チャベス派左翼であっても)が公表しているあらゆる収監者は政治的な収監ではない。このリストの中には、中間階級の住宅街に立地しているショッピングモールにいた人々や、その肉体的外見からチャベス派と見られた人々を生きたまま焼いた者たちのような、殺人的な反チャベス派がいる。政治犯のこのリストは、車の中でチャベス派を虐殺した者、自由な移動を妨害した者、これらの暴力行為が原因となった死に責任がある者、こうした者たちで満ちている。意識的にか無意識にか右翼の仕事をやっている、そうした左翼、反チャベス、反マドロの部分が存在している。

帝国主義の策謀との仲介?


――「憲法擁護市民プラットホーム」メンバーが先頃行ったフアン・グアイドとの会談について、あなたの考えは?

 それは悲しいできごとであり、私には大きな痛みとなっている。それは本当に当惑を感じるものだ。「憲法擁護市民プラットホーム」(PCDC)を代表する人々、また帝国主義の代理人でありこの陣営の指導者であるフアン・グアイドとの今回の会談にいた人々、そのほとんどを私は知っている。それらのほとんどすべてに私は長い間大きな敬意を払い、尊敬の念を抱いてきたのだ。
しかしこの行動には、あらゆる観点から見て非常な疑問符がつく。その主な主張は、彼らは「戦争回避」のために、また「主権者である民衆が諮問的国民投票で自らを表現する」ために、グアイドに会いに出かけた、というものだ。
これら二つの前提は以下を意味している。
(1)彼らは、グアイドが帝国主義の代理人だということも、ベネズエラの仮の大統領という彼の自己宣誓が、二一世紀における大々的クーデター―今も進行中の――という作品の一部である、ということも信じていない。PCDCの人々は、グアイドと彼のネットワーク全体がヤンキー帝国主義の策謀の一部であり、それらがベネズエラの占領に加えて暴力と死というシナリオをもたらす可能性がある、ということを信じていないのだ。
(2)PCDC内の人々はおそらく、この諮問的国民投票を求める提案、あるいは大統領選挙の要求――選出された大統領がまだ一ヵ月未満しか任に就いていない中で――が、帝国主義的反乱者にとっての一つの出口として役立つにすぎない、ということを分かっていない。諮問的国民投票あるいは大統領選挙の承諾を簒奪者かつ帝国主義と諸政権の堂々たるベネズエラ人代表に提案することは、知らず知らずのうちに彼らの利益になる様なことをすることだ。そして先の諸政権は、帝国主義の共犯者であり、われわれの賃金をもはや存在していないものにしているこのハイパーインフレの、この経済的危機の主な原因である経済的、商業的封鎖を押しつけている同じ者たちなのだ。
帝国主義の軍に包囲され、経済封鎖の中での選挙? それは何だろうか? 戦争を挑発している者が彼であり、彼の主人である一方で、戦争を回避することを彼に提案するために、このならず者と協力するのだろうか? 彼らが自らを「『憲法擁護』のプラットホーム」と呼ぶのは最大の逆説だ。
それが彼らの純朴さの証拠に過ぎないとしても、彼らは今後、様々なグループ、あらゆる種類の組織、また民間の諸個人が行うあらゆる特性付けに耐えなければならないだろう。今日私は、彼が「グアイドとの会談に関する歪曲と中傷」と呼ぶものに言及しているゴンザロ・ゴメス(訳注)の声明を読んでいる。
私はいつもゴメスの真価を認め、彼を大いに重んじてきた。われわれには革命的活動の長い歴史がある。われわれは、PST(社会主義労働者党)の指導者だった。私は彼と共に二〇一五年末まで、マレア・ソシアリスタの全国調整機関の中にいた。そしてわれわれは今も、アポッレア(左翼の共同メディア、本紙三月二五日号七面参照:訳者)発行のために共同している。彼は先の声明の中で「彼らは、このイニシアチブの意味、つまり戦争の回避、および主権者である民衆が諮問的国民投票で自らを表現すること、を理解できないと主張している」と語っている。
しかしながら彼は、一つを除いて何が歪曲であり中傷であるのかを語っていない。そしてその一つとは、「それは、ソーシャルネットワークに関するコンピュータの雇い人チームがフェイクニュースで人びとに信じさせたがっていたような、コロンビア大使館の中でのことではなかった」というものだ。
加えて彼は彼の返答の中で、グアイドとの会談時と同じ主張と目標を繰り返して、ニコラ・マドゥロにも緊急会談を申し入れた、と明らかにした。一方で、PCDCはグアイドを共和国大統領としてではなく、国会議長として認めている、と言明している。
そして彼は昨日、彼の説明を次のように締めくくった。つまり「開催されている唯一の会談は、同じ方向性を提案している、メキシコやウルグアイそしてローマ教皇のそれのような大使館要員と共に、多元的かつ社会的対話に向けた仲介を、バチカンの権威の下にではなく、ベネズエラボリバリアン共和国憲法がわれわれに与えている憲法と民主主義の枠組みの中での仲介、を力説している」と。この最後の部分に関しては、バチカンが参加しているとしても、その時の多元的で社会的な対話に対する仲介が「バチカン」のそれにはならない、と「分かること」はよいことだ。私がPCDCとグアイドの会談そしてその結果について言えることはそれですべてだ。

対話の模索にも多くの問題が


――政府が降伏やある種の「秩序ある移行」を右翼と政治的に交渉するつもりになっている、と示す何らかの兆候はあるのだろうか?

 文民と軍人を含んで、ベネズエラの右翼と帝国主義のいくつかの部分と今交渉したがっている、そうした政権メンバーはいるはずだ。行政機構とFANBの地位を占めている者たちの多くは、反資本主義者でも反帝国主義者でもない。ある人びとは、彼らは帝国主義の軍事介入や内戦を恐れている、と語る。しかし一つのものは、あれやこれやが欲していることであり、もう一つのものは、客観的諸条件と階級闘争がわれわれにもたらす可能性があるものなのだ。
PSUVの政治指導部とマドゥロ大統領、および政権サークルの集団は三〇日や三ヵ月のうちに、この期間ずっと彼らを虐待してきた同じ多国間諸機構から監督を受ける――そしてその後彼らの憲法作りの時期を始める条件で――、大統領選挙や国民投票を受け入れるのだろうか? その間彼らは、攻撃に抵抗するための、敬意を払われ決意の固い社会的基盤をなおも確保できるだろうか? 諸政党間の緊張はゆるむだろうか、あるいは帝国主義はもっと圧力をかけるだろうか?
今週末政権当局者はモンテビデオ(ウルグアイ)で召集された会合に出席するだろう。その後彼らは対話の道を探るだろう。彼らは、次の四段階でメカニズムの作動が提案されるだろう、と公表している。
1.「即時の対話」、すなわちテーブルへの着席。
2.交渉。
3.「約束あるいは合意」。
4.「実行」。
いいだろう、しかしこの四段階を進めるにはどれほどかかるだろうか? 他に興味をそそる問題がある。つまり対話と合意の実行というこの期間、帝国主義が何をするだろうか、という問題だ。それは制裁を解くだろうか、それとも、合意の実行を早めるためとして、銃とミサイルを維持するのだろうか?

草の根での軍事的抵抗に向けて

――「民衆の民兵」の実体はどういうものか? 外国の軍事介入や内戦の場合に、ベネズエラ政府はどのような軍事的抵抗能力を保持していると思われるか?

 LUCHAS(後掲語り手紹介参照)の声明でわれわれは急を要することとして、同数の士官と下士官を少なくとも一万一〇〇〇のコミューンに配置することを求めている。彼らがコミュニティと共に住み、軍事の分野で反帝国主義の抵抗を組織するためだ。私は、市民・軍連携はコミュニティの場から生み出されなければならない、と信じている。
この声明でわれわれは次のように説明している。つまり「労働者と住民が母国の統合的な防衛を支援し強化するために、あらゆる居住地区、都市、この国のあらゆる場所(職場と研究センター)で、これらの『五万人の防衛部隊』を自発的に統合するよう、われわれは労働者と住民に粘り強く促す」と。これは、マドゥロ大統領がこれまで求めてきたことだ。民衆の民兵あるいはこれらの民衆防衛部隊は建設中だ。
そして「民兵隊」は何年も存在してきた。また民兵の男と女はすでに二〇〇万人であり、その多くは、FANBの他の部隊として活動に入り、常備兵士になるように訴えられている。FANBは極めて近代的な兵器と十分な兵站を保有し、非常に立派な専門性を備えている、とも言われている。
われわれはまた、ベネズエラと連帯する「シモン・ボリバール国際旅団」の形成も求めたい。さらに次のことも求める。つまり、@合法なマドゥロ大統領の政府あるいはベネズエラの労組や社会運動に、世界労連(WFTU、歴史的に国際自由労連と競合関係にあった労組の国際的連合:訳者)、世界の全国的組織、諸連合、労組、また社会運動のさまざまな組織が、医薬品、食料、原材料を提供すること、Aラテンアメリカの社会運動諸組織がベネズエラに対する連帯キャラバンを組織し、コロンビアやブラジルとの国境を通過して入国すること、だ。

経済的・社会的問題が今後の鍵

――政府はこれまでの長い間社会・経済分野で麻痺させられ、何よりも、経済的包囲と原油価格の低落に対処する点での無能力を示してきた。しかし政府にはまた全般的な経済的無秩序化への責任もある。そしてその無秩序化は、意図的なサボタージュに由来している可能性があるだけではなく、全体的には、引き継いだ資本主義の構造と決定的に決裂することなく、厳格な再配分政策を適用したこと(それが投資ストライキ、資本逃避、インフレに導いている)、のもっと客観的な結果でもある。この問題に関し政権はイニシアチブを発揮できるのか? 金融部門や外国貿易の国有化、あるいは住民の苦しみを伴う投機を行っている企業の収用といった抜本的な方策は、今論争されているのか、あるいは政府の一定の部門から提案されているのか?

 あなたが疑問に付しているこれらの点が政権の急所だ、と私は考えている。そして、政府が素早く行動しないのであれば、また経済と社会の領域におけるその麻痺の結果を解決しなければ、どのようなミサイルよりも、あるいは帝国主義の「人道援助」のどのような持ち込みよりも、それはもっと有害となるだろう。政権が効力があり長期的なやり方で、通貨投機やサボタージュ、また食料や医薬品の価格、を統制し、消費財やサービスの国内生産を力づけることに失敗するならば、政権は結局はその社会的基盤を失い、生き延びることが困難になるだろう。中でも政権は、対外債務の返済を続けないと決定し、資本逃避を阻止し、世襲財産への累進徴税および諸商品の統制された配分を課さなければならない。すなわち政府は、社会的方法で、また労働者の利益に沿って機能を果たさなければならない。そうでなければわれわれは、われわれの義務を果たす中で死を迎えることになるだろう。

――このような脈絡においては、一定の予知を行うことは難しい。それが私の理解だ。しかし、それでも尋ねなければならない。つまりあなたが予想できることは何か? できごとの進展について、どんな仮説がもっともらしく見えるのか?

 確かに、予知は極めて困難だ。私にはどのような予知もない。われわれのモットーあるいはわれわれの存在意義、つまり「闘争に次ぐ闘争、労働者と民衆の政府のために闘うことを止めるな」でこのインタビューを終えることを許してほしい。

▼スターリン・ペレス・ボルゴスは、歴史的な労組活動家かつ社会主義をめざしている古参活動家。統一チャベス派社会主義同盟、LUCHAS(第四インターナショナル国際委員会にパーマネントオブザーバーの資格を保持しているグループ)の指導者、またボリバリアン社会主義者労働者(CBST)の諮問評議会の一員でもある。
(注一)インテルセッシオネスは、それが共有された視野に基づく、寄稿とさまざまな考察、専門分野、さらに異質的情報源に頼っていることを理由に、自らを共同出版物と表現している。その視野は、今日あらかじめ考えられた処方箋はまったくない、また積み重なった抑圧に打ち勝つ道は今後構築されるべきもの、と考えているすべての人々の出会いを探ることを助けることに向けられている。(「インターナショナルビューポイント」二〇一九年四月号)
(訳注)このインタビュー中で言及されているゴンザロ・ゴメスがスポークスパーソンを務めているマレア・ソシアリスタも、第四インターナショナル国際委員会にパーマネントオブザーバーの資格を保持している。    




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