「元号」押しつけキャンペーン反対
「もういらない」の声を上げよう
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代替わり式典
の強制に反対
四月一日、現天皇の代替わりに伴う「新元号」が「令和(れいわ)」と発表された。近代天皇制にとっての初の「生前代替わり」を逆手に取った、新元号の「退位」一カ月前の発表は、安倍政権のイニシアチブによるものだ。
安倍政権を支えてきた極右の天皇主義者は、二〇一六年八月の明仁天皇「生前退位」発言に動揺し、強く反発した。
安倍お気に入りの極右イデオローグの一人だった八木秀次(麗澤大教授)は、「陛下の規定される『務め』が全身全霊でできてこそ天皇たり得るという天皇像は天皇の『能力評価』にもつながり、皇位の安定性を脅かす可能性もある。……仕事ができる天皇が『天皇』であり、仕事ができなくなれば『天皇』であってはならないという能力原理が持ち込まれれば恣意が入り、天皇の地位は不安定になり、争いが生ずる」と主張していた(『文藝春秋』SPECIAL 2017冬「皇室と日本人の運命」)。八木の語る中身は、「天皇は自分で何かを考えない人形の方が望ましい」という主張である。これは天皇主義者全体としてもそのように言えるだろう。
しかし安倍首相は、彼を取り巻く伝統的極右勢力の主張を敢えて排除し、明仁天皇と皇后の「生前退位の意向」を利用する形で、共産党をふくむすべての議会内政党の賛意を取り付けた。近代天皇制国家としては初の「生前退位」プロセスを利用する決断を行ったのである。すなわち「生前退位」「新天皇即位」の一連の「代替わり」行事を、安倍自身の悲願である憲法改悪の政治過程に取り込むことを目論んだのである。
安倍政権のプログラムは「新しい元号=新しい時代」―「新しい天皇」―「新しい憲法」の三項図式となった。
天皇制国家の「世論」形成にとって政権の側が不可欠と見なした「新元号」の「退位・即位」式典の一カ月前事前発表は、「平成天皇」明仁の「生前退位」の意向を承認した安倍政権にとって、政権自身の主導性を発揮する上でも重要だった。
マスメディアの
宣伝を拒否する
マスメディアはこぞってこの生前「代替わり」のイベントに飛びついている。四月三〇日の「退位」(退位令正殿の儀)と五月一日の新天皇「即位」(新元号施行・剣璽等承継の儀・即位後朝見の儀)を中心に、「一〇連休」となったゴールデンウイークは、まさに「新天皇即位」への「祝意」のオンパレードで満たされようとしている。
「元号」とは何か。明治以後の近代天皇制国家の下で確立された「一世一元」の制度とは、周知のように「天皇が時間を支配する」という観念に基づいている。元号法が制定されたのは一九七九年六月。その推進力となったのは一九七七年以後、地方議会で元号法制化の決議を上げる運動を行ってきた日本会議だった。元号法は「第一項 元号は政令で定める」「第二項 元号は皇位の継承があった場合に限り改める」と書かれているだけの極めて短い法律であり、日本会議の椛島有三事務総長によれば、それは日本会議の運動が現実に成果を上げた最初の経験だった、とされる。反対したのは社会党、共産党、社会民主連合だった。
この「元号法」制定運動の経験は、日本会議の初めての成功例だとされており、その後、日本会議が自民党などの間に大きな影響力を持った右翼団体として発展していくきっかけとなった、とされている。
天皇制はもう
終わりにしよう
新元号制定を皮切りに、四月三〇日の現天皇の「退位」、五月一日の新天皇「即位」を軸にした一連の「天皇代替わり」行事は、確実に「天皇制国家」への国民統合を強化し、「新しい時代」「新しい憲法」へのキャンペーンが吹き荒れる舞台装置になっている。
この新天皇即位行事は、二〇二〇年の東京五輪、二〇二五年の大阪万博といった一連の国家的イベントとも重なり合いながら危機の時代における新たな「国家意識」を培養する仕掛けでもある。
かつて戦争直後、「国民統合の象徴」としての天皇観を強調して哲学者の和辻哲郎は次のように述べた。
「……わたくしが前に天皇の本質的意義としてあげたのは『日本国民統合の象徴』という点であって、必ずしも国家とはかかわらないのである。もし『国民』という概念がすでに国家を予想しているといわれるならば、人民とか民衆とかの語に変えてもよい。とにかく日本のピープルの統一の象徴なのである。……その統一は政治的な統一ではなくして文化的な統一なのである。日本のピープルは言語や歴史や風習やその他一切の文化活動において一つの文化共同体を形成して来た。このような文化共同体としての国民あるいは民衆の統一、それを天皇が象徴するのである。日本の歴史を貫いて存する尊皇の伝統は、このような統一の自覚にほかならない」(『世界』一九四七年三月号――岩波同時代ライブラリー 武田清子『天皇観の相剋 1945年前後』より重引)。
言うまでもなく和辻のような主張は、現在でも掃いて捨てるほどあふれかえっている。しかしわれわれは、天皇制批判の主張と運動がどれほどの暴力に直面しているかを身をもって体験している。
そうであればこそ私たちは、安倍政権による戦争国家化と憲法改悪に反対する闘いの中で「天皇代替わり」に反対する一連の行動を作り上げていく必要がある。
「終わりにしよう天皇制!『代替わり』反対ネットワーク(おわてんネット)」は四月二七日の「今こそ問い直そう!天皇制 練馬集会」(主催:アキヒト退位・ナルヒト即位問題を考える練馬の会)、四月二八日の沖縄デー集会、四月二九日の「反昭和の日」立川デモ(立川自衛隊監視テント村と共催)、四月三〇日の退位で終わろう天皇制!新宿大アピール、そして五月一日の新天皇いらない銀座デモを「終わりにしよう天皇制!反天WEEK」として連日取り組む予定だ。
一連の「天皇代替わり」式典に対して反対の声を上げよう。憲法改悪、大軍拡をやめさせよう。沖縄の人びとと共に、安倍政権を打倒しよう。 (純)
3.30
「代替わり直前」
今からでもNO!
の声をあげよう
三月三〇日、「新元号」発表を目前にして東京の文京区民センター」が開催された。主催は「終わりにしよう天皇制!『代替わり』反対ネットワーク」。八〇人が参加したこの日の集会は、さまざまな活動の現場からの問題提起と論議を中心に組み立てられた。
テーマは「代替わりと天皇教」、「米国と天皇」、「くらしと天皇」、「ヘイトと天皇」、「あとつぎ問題 女性と天皇」。
「代替わりと天皇教」については、北野誉さん(反天皇制運動連絡会)が報告。北野さんは「内廷費」で行われる「秘儀」の実態について分析。その建設に巨額の費用が投ぜられる大嘗宮の空中からの写真などを示しつつ、神道そのものではない「天皇教」の独特のあり方などについても言及した。
Mさんは「米国と天皇」の関係について報告し、米国による天皇制の利用、ポツダム宣言での天皇制の位置づけ、昭和天皇の対米工作、安保体制への関与、日本人の米国観、明仁天皇の「慰霊の旅」、平成天皇制の特徴について報告した。
京極紀子さんは「くらしと天皇」と題して報告。天皇制によってこわされる日常や、「国民こぞって」というスローガンによる祝意の強制、祝日化の問題点などにも言及。また相模原市の選挙で「日本第一党」の桜井などが連日ガナリ立てている状況についても報告した。
桜井大子さんは「女性と天皇」という観点から、「お世継ぎ」をめぐる問題点がどこにあるのかについて言及し、「世襲制は、権威や権力を血族が継承するという不公正を公正と言いくるめるもの」と批判した。
「ヘイトと天皇」については宮崎一さん(差別・排外主義に反対する連絡会)が報告。韓国の国会議長発言、暴力化する排外主義、文化をむしばむ「愛国ソング」、植民地支配の歴史と排外主義」といった観点から紹介と分析が行われた。
天皇代替わりに伴うイデオロギー状況や、社会の現実についての理解を、様々な分野と視点からとらえなおす上で、重要な集会だった。 (K)
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