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    かけはし2019年4月1日号

はねかえせ!関生労組弾圧


3.10

熊沢誠さん(甲南大名誉教授)の報告要旨

ストライキの「犯罪」視を
許さず労働者の権利守ろう



 本紙前号(3月25日付)4面に掲載した関西生コン労組弾圧反対集会(3月10日)での熊沢誠さんの報告要旨を掲載します。イギリスの労働組合運動の中で、スト破りへの説得活動が違法として弾圧されてきたことを撤回させ、ストの権利が実質的に認められた経過を紹介しています。(編集部)



英国の歴史的
教訓に学ぼう
  一九世紀末英国の労働組合は一応議会で承認されたが、その同じ年に刑法修正法が成立した。それは、労働組合運動に不可欠なピケットラインを不可能にするもので、スト破りに対する些細な行動を訴追の対象にするものだった。
 前に立てば妨害、荷物の運び出しを防ごうとすると営業妨害、スト破りなんかして恥ずかしくないかと言えば脅迫。立ち去るものに待てと二、三歩追いかければ追跡、スト破りが現れるか待っていると監視、二、三人でスト破りを説得すると包囲と見なされた。
 実際上労働組合運動は出来なくなり、労働者の全面的な反撃が始まり、労働組合法が獲得される。
 
「刑法上の免責」
無視した弾圧
 決着が付いたと思われたが、一九〇〇年になってタコベイト鉄道会社で大きなストライキが起き、会社は損害賠償請求、裁判所が会社の訴えを認める判決を出した。これがきっかけで英国労働党がつくられ、労働組合と政党が力を合わせてこの判決を撤回させ、一九〇六年労働争議法がつくられ決着する。これが先進国の相場になった。
 労働組合が本当に承認されるとは、民法上・刑法上の免責があるということ。
【刑法上の免責】一人によってなされた行為が非合法でないなら、その行為が労働組合員たちによって集団でなされても非合法とは言えないと言うこと。【民法上の免責】労働組合の争議行為は商売に打撃を与えるが、それを理由に損害賠償を請求できないということ。日本の労働組合法にも明記されている。現在の関生に対する弾圧は、刑法上の免責を無視している。この二つの免責が労働組合の黄金律と言ってもいい。

労働運動弱体化
につけ込む攻撃
この黄金律を認めている憲法二八条と労働組合法を踏みにじって今なぜ関生に弾圧がかけられているのか。分析的に考えてみると、要するに日本全体の労働組合が衰退しているからだ。なんといっても、ストライキがない。争議件数×争議参加人数(日単位)これがストライキの指標だ。日本にはストライキがほぼ皆無だ。新しい統計で日本の指標は一五〇〇〇日となっている。三〇〇人の企業で五〇日ストライキをやったら、それが日本での一年間のストのすべてということ。
この数値は、米国の四九分の一、英国の一一分の一、労使関係が安定しているといわれるドイツの七三分の一だ。
今どきストライキか、という考えは日本人の考えの中にかなり浸透していると考えられる。そういう中で、関西の関生という労働組合に弾圧を加えたって、そうたいしたことにはならないだろうと権力は判断したと思う。

まっとうな労働
組合を敵視して
なぜ関生支部か。端的に言うと、もう例外的になったまっとうな労働組合だからだ。日本にはまっとうな労働組合はほとんどない。その点で、関生支部は誇りに思っていい。支部といっているが単組であって、企業の枠を超えた業種別産業別労組で、生コン業界や運送に当たっている正社員非正規を包含している、日本では大変質の高い労働組合だ。直接関わっていない企業に対して物言うというのはおかしいというが、むしろその方が世界の標準だ。
ただ労働組合というのでなく、産業のあり方を視野に収めた産業政策を持っている。川上にセメントメーカー、川下にゼネコンを控え、その収奪にあえいでいた中小の生コン業者や運送業者の経営の安定なしには、そこで働いている労働者の労働条件の安定もあり得ない。そういう認識の下に、協同組合を育てセメントの共同発注、ゼネコンに対する共同受注で、生コン価格の維持を図るということ。
事実、関西生コンが活躍している地域は他の関東などの地域と比べると、生コン価格が高いのは確かだ。中小企業と労働組合の協同と言ってもいい。それは、セメント業界・ゼネコン業界、それに従属する業者団体にとっては、商売の邪魔だとなる。生コン価格を買いたたいて儲けるのが彼らのやり方だから。

治安維持法下
の弾圧に匹敵
関生支部は、言うだけではない。必要なストライキを実行する。要求の中には、生コン価格の維持も入っている。スト破りの現場にいって、説得ピケを張る。そういう組合だからゼネコンやセメント大企業にとっては潰さなければいけない。
彼らは表に出てはいないが、膨大なお金を出して支援していると思う。彼らに従属している大阪広域協同組合が前面に出ている。結局は商売の邪魔だという側面が大きい。中小業界の安定と労働条件の維持をやっていこうとする良心的な業者の経営が成り立たないような圧力をかけ、泣く泣く不当労働行為をやらざるを得ないように恫喝をかける。
あろうことか、国家と警察権力が協力して直接的な弾圧をする。治安維持法下の特高と同じだ。治安維持法下での逮捕は意外と少ない。特高は共産主義者を転向させるのが目的だった。まっとうな労働組合員に組合をやめるべきだと、そんなことがどうして言えるのか。
私は五〇年ほど労働組合に関わる仕事をしてきたが、こんなことは初めてだ。普通の組合運動を、暴行・脅迫・威力業務妨害とみなす、刑事罰に追い込んでいくというのは、刑事免責の蹂躙だ。損害賠償の請求は出されていないが、民法上の免責は、正当な争議行為に対して行われている。
仮に裁判に負けて有罪になれば、争議は不当となり、損害賠償が請求される恐れがある。国労の二〇二億円損害賠償と同じように行われるかもしれない。ストライキは非合法の犯罪と見なすという恐るべき魔力が回転しはじめている。そういう状況に来ている。

 

産業民主主義
の決定的意義
民主主義とは何か。自分の生活に深刻な影響を及ぼす事柄に対する決定権・決定参加権。
これが民主主義の神髄だ。普通の労働者は大きな財産も権力も持っていない。労働条件に対する決定権・決定参加権。これを保障するのは労働三権(団結権・団体交渉権・争議権)だ。憲法二八条に書かれている。これを産業民主主義という。私はこれをいかに根付かせるかに腐心してきた。ここが日本では弱い。
政治的民主主義(参政権とか政党結成権・選挙権と被選挙権)だけでは、普通の労働者にとって民主主義は虚妄だ。したがって、まっとうな労働組合への弾圧は、最も悪質な民主主義の破壊で憲法違反だ。ファシズムは必ず産業民主主義を蹂躙することを前提とする。自分は労働組合ではないから関係ないと思っていても、その時にファシズムは大きな歩みを始める。日本は、いまファシズムの始まりだ。
産業民主主義の意義とか、関生弾圧の意味について、野党や労働団体は本当にわかっているのか。日本の世論の関生に対する対応がダメだと思う。護憲勢力は政治的な民主主義の危機や議会主義の空洞化はいうかもしれないが、産業民主主義の決定的な意義についてあまりにも鈍感だ。今、この集会に七〇〇人(実際は五二〇人)の労働者がいる。しかし、みんな仲間内ばかりではないか。全港湾とか全労協系、コミュニティーユニオンとか。連合、全労連、日本を主導する組合がどこも加わっていない。
この事件を知らないわけではない。こういう所に踏み出してはいけないような気持ちになっている。追及すべき安倍政権の問題点はいくらでもあって、悪口言うのにもう厭きたという気持ちにもなるが、関生の問題は国会の問題になっていない。大阪府警や滋賀県警の本部長、武委員長が衆参社会労働委員会で証人喚問されてしかるべきだ。裁判闘争だけでは心許ない。社会運動の展開は絶対に必要だ。政党やナショナルセンターの枠を超えた市民労働者の幅広い非妥協的な運動や闘いが必要だ。(文責編集部、)

3.4

辺野古実が防衛省申し入れ行動

新たな土砂投入をやめろ

自衛隊先島諸島配備にも抗議


安次富さんが
電話アピール
 三月四日午後六時半から、辺野古への基地建設を許さない実行委員会が月例の防衛省への申し入れ行動を行った。
 主催者が沖縄闘争の状況について、以下のように説明した。
 「二月二四日の辺野古への新基地建設の賛否を問う県民投票で七割を超える県民が新基地建設にノーを突きつけた。この結果を受けて三月一日、玉城・沖縄県知事が安倍首相に、基地建設をストップするように申し入れを行った。しかし、安倍首相はこれを拒否し工事の続行を行っている。沖縄では三月一六日に那覇で数万人規模の抗議集会を予定し、首都圏でも官邸に向けた行動を準備している。さらに三月二五日、新たな区域に土砂投入すると政府は公表している。これに対しても大きな闘いを準備している」。
 次に沖縄から安次富浩さんが電話でアピールした。
 「自公は県民投票に対して、棄権を呼びかけておいて、投票率が低かったなどと言っている。何をか言わんやである。安倍は知事の要請を無視した。普天間基地の危険の除去というが五年以内の運用停止の約束はどうなったのか。何もしていないではないか。辺野古基地建設に三兆円をかける政府、米政府から兵器を爆買いする政府、軍拡路線に突き進む安倍を許さない。参院選で野党統一候補をもっとつくりだすべきだ。しなやかにしたたかに闘いぬく。共に闘いぬこう」。
 次に、埋め立てを行っている大林組への三月二二日の抗議行動を呼びかけた。さらに、二〇一六年四月二九日、元海兵隊員によって沖縄の二〇歳の女性がレイプされ殺された事件を決して忘れない、抗議する集会(文京区民センター)の案内、警視庁機動隊派遣を許さない住民訴訟で初めて証人喚問が行われたことの報告があった。
 
自衛隊の先島
配備にも抗議 
 この日の申し入れは沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックと平和を実現するキリスト者ネットが行った。三月一日から、石垣島での自衛隊ミサイル基地建設に向けた土地の造成工事の準備が始められた。また、宮古島では基地建設がかなり進み、自衛隊が兵員輸送車など資材を持ち込み、隊員も上陸した。まさに「占領軍」のごとき横暴さで市民生活を脅かしている。両地域において、市民たちのねばり強い抗議行動が行われている。沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックの申し入れでこの点に触れているので紹介する。辺野古新基地建設と共に自衛隊の先島諸島への配備にも反対していこう。  
  「…政府防衛省は、石垣島において陸上自衛隊ミサイル基地建設工事にも着工した。地元住民の懸念が強く理解にほど遠いままの工事強行は、沖縄県の環境アセス条例をも踏みにじる蛮行だと言わざるをえない」。
 「沖縄戦で甚大な犠牲と被害を被った沖縄に対して、7割もの米軍基地を置き続けるだけでなく、新たな米軍基地を建設し、その上、与那国・石垣・宮古・奄美の島々に自衛隊の基地を増設することは、沖縄を軍事要塞化し、再び沖縄戦の悲劇を繰り返そうとしていると言わざるを得ない」。
 「申し入れ事項の3 石垣島と宮古島の自衛隊ミサイル基地の建設を中止すること」。 (M)

3.10

群馬反原発行動
デモに一三〇〇人

 いつものようにスパングルスの踊りで始まった。
 一二時半からは、元南相馬市市長の桜井勝延さんらが熱弁をふるった。
 桜井さんは福島が安心して住める故郷としては全く復興していない。原発関連死は一〇〇〇人を超えている。
 原発はなくても、必要なエネルギーは確保できる。力を合わせ、本当に子どもたちが安心して育つことができる原発のない真の復興を実現していきましょうと訴えた。さらに老朽化した東海第二原発の再稼働をさせないとの運転差し止め裁判原告の花山ちひろさんの訴えがあった。
 最後に、集会宣言で、九年を過ぎても、約一〇万人が避難したまま、子供の甲状腺ガンは年々増え続けている。それにも関わらず、避難者支援を打ち切り、モニタリングポストを撤去しようとする政府、東電を糾弾し、脱原発を闘うことを確認した。
 集会は一三〇〇人の結集で、最後に市内のデモ行進をおこなった。   (P)


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