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    かけはし2019年3月4日号

可視化する危機 近づく戦闘


2019年情勢展望(社会変革労働者党第4回総会)

イ・ジュオン機関紙委員長

 一年のスタート地点ではわざわざ希望を強調するケースが多いが、2019年を明るく展望するところは多くないようだ。
 2008年の世界経済危機から10年が経った今、否定的な兆しが感知され、新たな低迷局面が2019年下半期から顕在化するのではないかと憂慮する海外経済各紙の陰鬱な反応がしばしば見受けられる。
 韓国ではすでに2018年にも「主力産業危機」という言葉が流行し、投資と雇用など経済指標の下落を伴い不安を造成した。これに対する文在寅(ムン・ジェイン)政府の対応は、資本に対する露骨な求愛として表われている。文在寅政権発足当時のアイデンティティそのものだった「所得主導成長」は事実上自ら廃棄し、政府の政策方向に残ったのは規制緩和と資本に対する支援でいっぱいだ。

 2019年労働者らは政府や資本の大攻勢に直面するものと見られる。
依然として天文学的な利潤を蓄積している財閥は利潤「率」が落ちているとし、政府に規制緩和とともに労働に対する全面的な攻撃を要求しており、政府はこれをそのまま実行に移そうとしている。最低賃金だけでなく、賃金体系全体を改め、「ILO核心協約批准」という見せかけの約束とは違い、労働組合自体を無力化する労働基本権破壊立法の試みが予告されている。対立して闘わなければ、すべてを奪われるしかないという情勢が広がったのだ。

世界資本主義の再燃する構造的脆弱性


2008年の経済危機が世界資本主義の脆弱性を爆発的に表わしていたとすれば、この10年間のプロセスは、その脆弱な構造を延命させ、再生産する期間だった。米国、欧州、日本などの先進資本主義の国々は、危機以降「量的緩和」という名で数千兆ウォンもの金を投じて危機に陥った資本を救済し、ゼロ金利やマイナス金利を維持し、資本がより多い融資を受け、経済を活性化させることを期待した。
そうやって10年が経った今、負債と不良の規模は再び危機以前またはそれよりさらに高い水準に達している。営業利益で融資利子も返済できない「脆弱企業」の割合は、08年、危機を経て大幅に減少したが、現在は危機以前の水準へと上昇した。膨大な負債で格付けの低い会社が、自分の資産を担保に金を借りる事実上の不良債権の規模も、危機前よりさらに高い数値を記録している。
このように負債と不良の危険は10年間さらに大きくなり、これ以上量的緩和や超低金利で支えがたい時点に到達している。実体経済の鈍化で、ある脆弱企業が負債を返済できないようになれば、連鎖的な信用危機が発生する危険性が高まったのだ。

 米国を筆頭にした先進国の通貨緊縮の流れは、この危機を煽る。18年だけで、米国は4度、中央銀行基準金利の引き上げに踏み切った。一定に経済が回復したという自信を基に、もはや通貨政策を正常化するということだったが、米中央銀行(連邦準備制度)が金利引き上げのメッセージを発表するたびに、米国や全世界の証券市場が急落し、乱高下する様子を呈している。金利を引き上げれば既存の負債の償還負担はその分大きくなる。
それによって莫大な負債を積んだ脆弱企業のうち、上昇する利子に耐え切れず倒産する企業が発生する可能性は高まり、その脆弱性は株価暴落に表れているのだ。米中央銀行が2019年にも3回ほどの金利引き上げを示唆し、このリスクはさらに大きくなっている。
さらに、米国と中国の貿易葛藤は不安定性を高める要素だ。2018年に米国の大規模関税賦課で始まった貿易葛藤は、年末に至って両国が交渉局面に入って一時的に中断されたが、この問題は決して関税や輸出入物量を一部調整することで終わらない。
この貿易葛藤の背景には、中国が海外へ大規模な資本輸出を通じて膨張し(一帯一路)最先端産業を集中的に育成し(「中国製造2025」)世界経済秩序で優位を占めるという国家戦略が米国の世界覇権と衝突する根本的な問題が位置している。
たとえば2017年末、米国は国家安保戦略を発表し、中国を明白な「敵」と規定し始めた。貿易葛藤は一時的な縫合でしばらく小康状態に入ることはできるが、米国と中国の経済的、政治・軍事的衝突は続くだろうとし、貿易の萎縮は実体経済を鈍化させる。これが蓄積された不良債権、負債とあいまって危機を生む要因として作用するものだ。

韓国経済:利潤率下落と資本の攻勢


2017年末に文在寅政府は、「18年の経済成長率は3%を維持する」と自信を示した。しかし、1年が経った今、政府が自ら成長率見通しを下方修正し、18年は2%台(2・6―2・7%)の成長にとどまったものと予想され、2019年にも3%の成長率は達成できないと予測されている。
景気低迷の主要因と目されるのは、主力産業の業況不振だ。たとえば、ここ数年間、民間消費はたいした変動もなく地道に維持されてきたが、17年大幅に上昇した設備投資が18年底を打った。17年、設備投資を行ったのは半導体部門だった。
当時、半導体需要が増えたことを受け、大規模なライン増設をはじめ、競争的な設備投資が相次いだが、その後、供給増で価格が下落し、投資も減り、利潤率も減ることになった。
さらに、世界半導体市場の成長率は、17年=21・6%、18年=15・9%から、19年は2・6%へと下がる見込み(2019年の経済政策方向)であり、追加の設備投資は難しいのが現状だ。
さらに、自動車部門は産業レベルの再編ともかみ合って、見通しは不透明だ。全世界的にゼネラルモーターズ(GM)やフォードなど自動車メーカーは電気自動車・自動走行車への転換期に大規模なリストラを進めている。
特に韓国の場合、一次的に自動車部品産業での構造調整が具体化されかねない。電気車・自動走行車への転換は、従来のように完成車会社を頂点においた中小規模下請部品会社ではなく、電装・バッテリーなど中核技術を有する巨大部品会社体制を予告している。
すでに三星(サムスン)、SK、LGなど上位財閥が未来車部品事業に参入した状態だ。逆に言えば、未来車技術を保有できない中小部品メーカーの場合、いつでも構造調整の圧力に直面しかねない。
すでに、現代車の営業業績の縮小とあいまって、国内部品メーカーの構造調整は始まっている。現代車の1次協力会社のうち、倒産する企業が出ており、産業部の分析によると、上場された部品企業90社のうち、赤字企業が15年の6社から18年は31社へと増加した。上場部品メーカー3分の1が赤字ということだ。さらに、政府は部品メーカーへの先手を打った構造調整の方針を立てている。
2018年12月、政府は「自動車部品産業活力向上案」を発表し、迅速な構造調整とともに部品企業の大型化・グローバル化、未来車転換支援の拡大などを打ち出した。すでに財閥、大企業を中心に大型部品メーカーの登場が予告されている状況で、既存の部品会社の労働者たちは産業再編と政府の方針が重なり、2019年に構造調整の圧力に直面する恐れがある。
もちろん「業況不振」や「アーニングショック」(営業実績の大幅下落)といった表現は徹底して資本の立場から使われたのだ。すなわち、三星(サムスン)電子と現代(ヒョンデ)自動車の営業利益は下落したものの、依然としてその絶対的な数値で、これらの財閥大企業は数兆ウォンを超える天文学的な利益を稼いでいる。上位20大企業の営業利益総額は前年比12兆ウォン増加し、実に128兆ウォンを記録した。
彼らは、「利潤率の下落が危機だ」とし、今よりさらに高い利潤率の回復に向け、労働者らを相手に構造調整を含めたさまざまな攻撃を正当化しようとするだろう。さらに多くの利潤か、労働者の生存かをめぐり、激しい接戦が繰り広げられざるを得ない状況だ。

文在寅政府、
露骨な親資本路線で


2020年の総選挙、22年の大統領選挙を控えた文在寅政府は、経済指標の下落に伴う支持率の墜落まで経験している。これを反騰させようとする文在寅政府は、目に見える指標の反騰に向け、民間資本への投資促進や規制緩和など、全面的な親資本基調を標榜している。
2年前、国政哢断の共犯で国会聴聞会に団体で呼ばれた財閥トップたちが最近、大統領府に招待されて大統領と歓談し、自分たちの要求を堂々と主張する姿は、これを象徴的に現わす。文在寅政府は2018年下半期から「革新成長」を政策基調の前面に配置し、医療・サービス部門の規制緩和と財閥大企業に対する投資要請に力を入れ始めた。そして、昨年12月に発表した〈2019年経済政策方向〉は、文在寅政府の露骨な資本親和的基調を総体的に網羅した。
政府は民間資本の活性化を名目に、現代車グループの三成洞(サムソンドン)社屋(グローバルビジネスセンター)建設など大企業投資を支援し、ひいてはすべての公共施設を民間資本事業で推進できるように開放するという方針を明らかにした。
また、事業妥当性の分析も簡素化し、民間資本投入をより容易に拡大する計画だ。規制緩和政策では保健医療と教育など社会部門の営利化を煽るサービス産業発展法を推進し、いわゆる「規制サンドボックス」制度を通じて企業が要求する安全規制まですべて除去できるようにしてくれる。
文在寅政府が発足して掲げた財閥改革は完全に流失するだろう。〈2019年経済政策方向〉で政府が優先順位として提示した16大課題のうち、財閥と関連のあるものはひとつもなかった。政府が推進するとしたのは、主に小口株主らの権限を強化して督励する制度だが、これはオーナー一家の支配権を構造的に変えることとは程遠い。これさえも財界が「経営権を脅かす」と大騒ぎすると、与党民主党は「差等議決権」、すなわちオーナー一家の持分に対してはさらに議決権を与える特恵制度の導入を党方針として決めた。
結局、総帥一家の支配権を保障・強化し、その代わりに投資を要請する完全な親財閥基調が2019年を支配するだろう。

労働に対する攻勢の絶頂、
しかし動揺する労働運動


資本利潤率を高めようという政府の態度は、必然的に労働に対する攻勢を伴う。すでに労働基準法の改悪による休日手当ての削減、最低賃金の算入範囲の改悪による最低賃金の削減が行われた。
2019年には政府の親資本路線が全面的に現れただけに、労働に対する攻勢はピークに達する見込みだ。早速2月の弾力勤労制の拡大で労働時間の短縮を無力化する改悪立法が予告されており、最低賃金決定構造まで変えて再び最低賃金を抑制しようとする試みが進められている。
特に最低賃金決定構造の改悪の場合、賃金区間をあらかじめ設定して引き上げ幅を制限し、「企業の支払い能力」を考慮事項に追加し、財閥の莫大な利潤蓄積はそのままにして中小零細事業場を口実に最低賃金の引き上げを防ごうとする意図を隠さず表れている。
さらに政府は〈2019年経済政策方向〉で職務級制に賃金体系を改編するという方針を明示し、公共部門に先に導入すると明らかにした。これは年給供給制を解体して賃金上昇を抑制する一方で、職種間の差別を固定化し、特に低賃金・非正規労働者の劣悪な待遇を構造的に持続させる効果を生む。政府は経済社会労働委員会(経社労委)に関連委員会を設置し、職務級制を拡大する計画だ。
何よりも重大な戦闘は労働基本権をめぐって起こるだろう。2019年のILO100周年を迎え、核心協約を批准し、6月のILO総会にも出席するという文在寅政府は、上半期には目に見える結果物を見出そうとしている。
しかし、政府は、核心協約の批准という公約と違って、資本側の要求を受け入れ、労働基本権を取引して大幅に後退させる構想を明らかにしている。先日の1月25日、この問題について議論している経社労委で、資本側から推薦を受けた公益委員らが持ち出した案を見ると、△労働組合の不当労働行為の新設、△使用者側の不当労働行為に対する処罰の禁止、△争議期間中に代替勤労の許容、△事業場占拠ストの禁止など、労働組合の基本的権利を奪い、資本の代表的な不当労働行為である労組破壊を合法化しようという内容でいっぱいだ。
このように政府と資本は、時には自分たちが作った「社会的対話」の枠組みさえ無視し、改悪立法を国会を通じて強行しようとしたり(最低賃金改悪、弾力勤労制)経社労委を活用し、改悪の名分にして基本権を取り引きしようとする。
問題は、労働者の生活と権利の根元まで揺るがすこの攻撃の前で、労働組合指導部が政府の社会的対話攻勢に傾倒している現実だ。最近、民主労総の代議員大会で経社労委への参加が通過できず、再び猶予されたが、現指導部は民主労総に対してさらに激しくなるイデオロギー攻勢と改悪立法、そして社会的対話への執着の中で動揺するものと見られる。労働に対する全面戦が顕在化する状況で、労働組合が強力な闘争を作れず、動揺すれば、労働組合は労働者から存在意味が疑われる危機に直面しかねない。
政府と資本の「花見会」に利用されるか、それとも対立して守り抜くか。これが2019年の労働者の運命を分けるだろう。 

朝鮮半島通信

▲「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯(正義連)」の尹美香理事長は2月12〜13日、南北交流事業を協議する会議に出席するため、朝鮮の金剛山を訪問した。
▲労働新聞は2月19日、「日本が朝鮮半島と地域での政治的外交的孤立から抜け出そうと必死になっている」と題する論評を掲載した。論評は「日本の外交的孤立は彼ら自身がもたらしたもの」とし、日本の過去の清算を主張した。
▲米朝首脳会談を控え朝鮮民主主義人民共和国(以下、朝鮮)国務委員会の金革哲特別代表や朝鮮外務省のチェ・ガンイル副局長などの実務協議担当者らが2月19日、中国の北京に到着した。
▲韓国の弁護士団体「民主社会のための弁護士会」が青瓦台の大統領秘書室長に対し、2015年末当時の朴槿恵大統領と安倍晋三首相の電話会談の内容を公開するよう求めた訴訟の控訴審でソウル高裁は2月22日、非公開の決定を下した一審判決を取り消し、原告の請求を却下した。


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