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    かけはし2019年3月4日号

8時間働けば暮らせる社会を


2.15

19けんり春闘第1波総行動

大民間労組の春闘放棄吹き飛ばせ

争議団共同闘争と一体で


12カ所の行動を
共につないで!
二月一五日、19けんり春闘第一波集中行動として、不当解雇や不当労働行為に屈することなく闘いを挑んでいる争議団の共同闘争を春闘と一体的に押し上げようと、19けんり春闘全国実行委員会と東京総行動が連携し、けんり総行動が終日展開された。この行動は、大民間労組の闘争放棄に抗して官庁と大企業本社が集中する都心一帯に労働者の闘いを登場させる挑戦としても、毎年重ねられてきた。
今年は、労災罹患者でありながら労災を認定されず東京都から解雇された労働者に対する、労災公正審査を求める総務省行動を皮切りに、フィリピントヨタ労組に対する不当労働行為の解決を求めるトヨタ本社に対する抗議・要請行動まで、一二ヵ所の行動が連続的につなげられた。その中には、韓国徴用工に対する法的責任を追及する新日鉄本社行動も組み込まれていた。この日は韓国から来日した弁護団が新日鉄本社に面談を求めた日と重なり、けんり総行動はくしくもこの弁護団に連帯する行動ともなった。

日本経団連に
闘いを宣言!
この総行動で最大の山場は日本経団連に対する抗議行動。午前の各行動から、また職場から、日本経団連会館前に労働者が続々と結集し組合旗が林立する中、午後一二時一〇分、19けんり春闘全国実行委員会共同代表の渡邉洋全労協議長が発言の口火を切り、抗議集会が定刻通り始まった。
渡邉さんはまず、春闘不要を表明した日本経団連トップに対し、どう闘うかはわれわれが決める、と闘いを宣言、その上で四月から施行される改悪労働基準法、改悪入管法への具体的要求を対置した権利破壊を許さない闘いの貫徹を呼びかけた。そして、今話題の統計不正を皮肉りつつ、われわれはあくまで暮らしの実感から要求する、今こそ八時間働けば暮らせる社会の要求を広範な声とし、労働者一丸となって闘う春闘を作り上げる先頭に立とう、と訴えた。
これに応え、郵政産業労働者ユニオン、国労、中小ネット、東京東部労組メトロコマース支部、全造船関東地協、東水労、JAL争議団の代表が、各々自らの闘いを報告し相互の連帯を訴えると共に、さらに闘いを進める決意を表明した。

移住労働者の
要求を共に!
中で郵政産業労働者ユニオンの日巻委員長は、まず改憲阻止を呼びかけた上で、日本郵政本社が大企業本社が集中する大手町に移転し利益追求に拍車がかかると指摘し、非正規の仲間の均等待遇追求の闘いに加え、公共サービスを守る闘いをより意識的に追求すると決意を述べた。
また中小ネットの鳥井一平さんは、特に移住労働者問題を取り上げ、日本経団連会長企業である日立製作所が技能実習生に違法な労働をさせ摘発されていること、しかも摘発後適法な労働を用意せず解雇し強制帰国させていることを指摘、技能実習生を安価な労働力として利用する偽装の張本人はここにいる、と日本経団連を厳しく糾弾した。そして、ともかくも四月から大勢の移住労働者が日本に来る今こそ、けんり春闘が移住労働者を闘う仲間として迎え入れてきた二五年の経験を生かす時だ、春闘をチャンスに彼らを闘う仲間として大胆に迎え入れようと呼びかけた。
また神奈川シティユニオンに結集するラテンアメリカ出身の移住労働者の仲間たちは、インターナショナルや、団結する労働者は負けない、とする歌をスペイン語で高らかに歌い上げ、結集した労働者を鼓舞すると共に、通りを行き交う人々からの注目を引きつけた。

関生労組への
弾圧許さない
集約発言は、19けんり春闘全国実行委員会共同代表の垣沼陽輔大阪ユニオンネット代表。垣沼さんは大阪での行動を紹介しつつ、全国から力を寄せ合い、労働者総体の生活と権利向上を図る春闘再生をめざそうと呼びかけた。合わせて今全日建関西生コン支部にかけられている大弾圧にふれ、まさに労働運動総体への弾圧、国家的不当労働行為が行われていると指摘、この弾圧に対する特に春闘の中での総掛かり的対決を訴えた。
日本経団連前の集会は、これらの発言を共通の決意と確認するシュプレヒコールで閉じ、結集した労働者は直ちに午後の行動へと移った。なおこの集会には昨年を上回る二五〇人の仲間が結集した。例年より若い組合員が増えていることも特徴だ。
日本最大の労働団体である連合が今年はついに産別自決まで放棄し春闘の形骸化を自ら進める中で、労働者総体の生活と権利を守る闘いを再生することが切実な課題となっている。まさに現場からの自立的な闘争の積み上げが求められている。けんり春闘には、また闘いを共にしてきたわれわれにも、貪欲に新しい仲間を迎え入れる挑戦を含め、間違いなくその一翼を担う課題が課せられている。(神谷) 

2.23

全国フォーラム・東京2019

プレフォーラム「私も言いたい移民政策
〜外国人労働者受入れ政策を問う〜」

 二月二三日午後二時から、明治大学リバティタワー六階教室で、【全国フォーラム・東京2019】プレフォーラム「私も言いたい移民政策〜外国人労働者受入れ政策を問う〜」が主催:移住者と連帯する全国フォーラム・東京2019実行委員会、共催:明治大学労働教育メディアセンター・移住連で行われた。この集いには一九九人の参加があった。半数以上が女性、若者たちであり、外国人労働者の参加もあった。

6月全国フォー
ラムに向けて
最初に、西川晋司さん(都労連委員長、フォーラム共同代表)が開会の趣旨を述べた。
「二〇一九年六月一日〜二日の二日間にわたり、『移住者と連帯する全国フォーラム・東京2019』を開催する。今日のプレフォーラムの焦点は、日本の移住者の『現場』。今の日本社会が直面している課題の現状を明らかにしたあと、『技能実習』や『留学』、『定住者』などの在留資格で活躍する経験をもつ移住者ご自身からその体験を話していただきます。それを踏まえて支援現場や医療機関、人材派遣業、自治会等の方々と意見交換をし、草の根から日本の外国人労働者受入れ政策について考えるものです」。
次に、鳥井一平さん(移住者と連帯する全国ネットワーク代表理事)が討論の導入に向けた提起を行った。
私たちが求める移民政策、受入れ政策。労使対等原則が担保された多民族・多文化共生社会へ。二〇一八年秋の臨時国会で明らかになったこと。すでに外国人労働者がこの社会の経済活動、地域活動を担っていることは事実であり、積極的な移民政策、まっとうな移民政策の確立を求めていくことが重要である。われわれにはこの問題に取り組んできた三〇年間の経験、教訓がある。
偽装する政府,私たちの社会。政府の歪んだ移民政策は、在留資格としては、二〇一二年の外国人住民票の導入を経ながらも、戦後入管体制を引き継ぐもので、依然として外国人を監視、管理の対象とするものだ。一九八〇年代はオーバーステイの容認。一九九〇年日系労働者の導入。二〇一〇年、外国人技能実習制度の固定化、拡大。基本的には「期間限定労働力」=「外国人使い捨て」というべき政策に終始してきた。頻発する労働問題、人権侵害が事実として如実に物語っており、国際社会から、人身売買構造、奴隷労働として厳しく指摘されてきた。
外国人労働者総数約一四六万人のうち、労働者としての在留資格での入国は全体の一九%に過ぎず、技能実習生と留学生で四〇%を超えている。産業別にみると、農業で七九%、建設で六七%が技能実習生。地方においては大半が技能実習生。「技術移転」や国際貢献とは何ら縁のない仕事であり、もっぱら日本の人手不足に対応している。
ブローカーなど送り出し国の取り締まり強化の論調があるが、偽装しているのは私たちなのであり、すべての要因はこの社会にある。
まっとうな移民政策を。労働者が労働者として移動できるということに尽きる。国際規範、基準に則り、労使対等原則が担保された「受入れ制度」でなければならない。移民、外国人労働者、その家族はこの社会の基盤をともにつくる仲間、隣人としてすでに活躍しており、この社会の展望の可能性を大きく広げている。
多民族・多文化共生社会へすすむための移民政策こそがこれからの社会に求められている。そこにこそ民主主義の深化の道がある。分断ではなく共生を。

移住労働者の
切実なアピール
次に日本で働く経験を持つ移住者の方々から発言があった。
アラスさん(フィリピン出身、ホテル清掃業)、「二〇一七年六月からホテルの清掃をアルバイトでやっている。給料が上がらない、休憩なしだった。そこで昨年九月に全統一労組に相談した。そうすると残業代が払われていない。最賃制以下で働かされていたことが分かった。六人で組合を結成した。差別されているのが悔しい。ちゃんと給料や法律を守ってほしい。私は人間です。尊重してほしい。楽しく働きたい」。
トゥーリアさん(ペルー出身、シングルマザー)、「子どもと夫を残して、おカネを送っていた。連れ合いとケンカになり、子どもを二人呼び寄せた。子どもたちは日本の学校でがんばり、自分で生活できるようになった。日本の社会は冷たかった。一八〜一九時間働いてようやく三〇分の休憩。それでもがまんした。人間らしく扱ってほしい」。
ノクさん(カンボジア出身・元技能実習生)、「二〇一四年技能実習生として日本に来て、下水道工事をやった。たいへんつらい仕事だった。昼休憩なし。あほ・ばか、仕事ができないと暴言を受けた。そして指を切断した。姉に相談し、全統一組合に助けられた。労災を認められた。とても感謝している。日本は大好きだ。長く夢を持ちがんばりたい。外国人差別してほしくない。『国に帰れ』と言われるのがつらかった」。

分断はねのけ
共に働き生きる
次に、パネラーによる問題提起が行われた。岡崎広樹さん(芝園団地自治会事務局長)、定松文さん(恵泉女学園大学 教授)、沢田貴志さん(港町診療所所長/シェア=国際保健協力市民の会副代表)、林隆春さん(アバンセコーポレーション 代表取締役社長)。ファシリテーターをアンジェロ・イシさん(武蔵大学教授)が行った。
芝園団地自治会で活動する岡崎さんの話。
芝園町の人口四九七六人のうち外国人が二七二八人でその九割が中国人。騒音やゴミ捨て問題でトラブルが起きた。そこで、住民交流を促進して心の国境に橋を架けつつ、誰もが住みやすく、外国人も活躍する地域づくりを進めている。
共存から共生へ。静かに暮らせる関係から協力できる関係へ。日本と母国との生活習慣の違いが、日本人住民にとっての生活トラブルになりやすい。生活習慣の違いがちゃんと伝わる機会を設けること。人間関係は自然にはできない。日本人住民と外国人住民の間を橋渡しする第三者を地域に配置すること。
定松文さんの提起。日本では、個人での雇用の家事労働者は労働基準法の適用除外。介護において、在宅介護における生活支援はILO―C189の家事労働に含まれる。雇用契約、在留資格、専門職によって分断された「家事労働者」。全国レベルでの家事労働者組合がない。連合、ILOへの働きかけができない。まずは、定住している移住家事・介護労働者への権利保障を。
港町診療所所長の沢田貴志さんの提起。すべての働き手に平等な医療の確保を。外国人労働者にとって、長くいると健康が悪化する。やさしい医療ではない。通訳がないことがまずは一番の問題。外国人労働者の間で結核が増えている。これは生活環境が悪いと増える。困った時に支え合う社会、その瀬戸際にきている。
地域の健康を守るためには外国人を含むすべての人にアクセスを。通訳体制の整備でかかりやすさの保障。ソーシャルワーカーへの相談を容易に。緊急医療の制度的保障。母国側の医療情報の把握と連携。外国人社会への情報提供で早期受診を。
派遣会社を経営する一方、外国人相談、一時保護所、炊き出しなどの支援を行っている林隆春さんの提起。出雲市などで、日常トラブル相談受付、日本語教室、外国人向け技術者育成スクール、外国人対応可能の保育・学童施設建設を行っている。地方では中小企業がどんどん廃業に追い込まれている。その地方に外国人労働者に移住してもらい、町の産業を起こし、定住してもらう実証実験を行っている。
パネラーとの質疑応答で、外国人差別をどのように変えていくのか活発な討論が行われた。最後に、六月フォーラムへの参加が呼びかけられた。 (M)

 



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