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    かけはし2019年2月25日号

沖縄県民投票で圧倒的に勝つ


2.18

山城博治さん「緊急独演会」

辺野古基地建設強行の猛威に屈しない


 二月一八日午後六時半から、文京シビックセンター会議室で「山城博治さん(沖縄平和運動センター議長)の独演会」が沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックの呼びかけで行われた。山城さんは「安倍政権の辺野古基地建設強行の猛威に屈しない沖縄の闘いの現状」について、闘う歌を披露しながら二時間に渡って講演を行った。沖縄の闘いに応えよう。       (M)

山城さんの講演から

沖縄でも全国でも
素晴らしい反応だ


 つい先日、大阪に行ってきた。大阪では沖縄派遣基金を作ることを決めた。街頭での模擬投票(辺野古埋め立て賛成か反対か)に三〇〇人が投票する日もあり、非常に反応が良い。県民投票に模した投票が全国各地で行われている。辺野古への土砂投入をニュースで知って、「ひどいことをやっている。やりすぎだ」という声が広がり、大きな輪となっている。沖縄では辺野古埋立てに反対が六七%、投票に行くが九四%だ。住民投票を止められなかった安倍政権は、住民投票の結果に拘泥されることなく、埋立てを続けると表明している。こうした政府の態度に対して、大きな波乱が起きる可能性がある。
 いま辺野古に投入されている土砂は岩ずりではなく、琉球セメントの山の赤土だ。赤土はトン当たり二〇〇〇〜三〇〇〇円。岩ずりだと一万二〇〇〇円。一日一〇トンダンプ一〇〇台だと一二〇〇万円にもなる。なぜ、こんな県民の意思に背いてぼろもうけをするのか。琉球セメントのバックには宇部興産があり、利権の塊りだ。沖縄を食い物にするな。

若者たちの
発意の産物
辺野古の座り込みの現場では、県民投票をやれとは言わなかった。現場で止めて、翁長知事に止める決断を促す行動を優先していた。翁長さんが日本政府に命を取られた。その結果知事選は圧勝した。玉城選挙に入ってきた若者たちの決意として県民投票を勝ちとる行動をとった。それまで、辺野古の闘いに若者たちは入りずらかったのだろう。若者たちが県民投票条例を勝ちとる署名行動を力強く進めた。今後も塊りとなって闘いを継続してほしい。
県民投票で基地反対派が勝っても政府はそれを無視し、工事を強行するだろう。三月二五日から、第二工区へ土砂投入を始めると宣言している。この工区は一二九立方mあり、一〇トントラックで一二万九〇〇〇台分。これを止めなければならない。今埋め立てているのは埋立ての四%だが、今度はただごとではない。
大浦の海域に七万六〇〇〇本の杭を、一〇〇mの推進の所に埋める。そうしたら、マヨネーズ状の土砂が攪乱する。代替で移したサンゴは全部死んでしまう。移植も深すぎて無理だ。サンゴ礁・大浦湾の海は人類の宝だ。それをつぶすアベを許せない。

広がる国際的
ネットワーク
中国・朝鮮は本当に脅威なのか。第二回目の米朝会談が行われ、朝鮮戦争の終結宣言もありうる。アベはトランプにノーベル平和賞を与えるように推薦した。次はアベがもらう、そうした筋書きだ。腹立たしい。腐りきった政治を正さなければならない。
二月二〇日にウチナーで四世のロブ・カジワラさんが来日し、議員会館で集会を持つ。彼は辺野古の埋立てを止めてというアメリカ大統領あての署名を全世界に呼びかけ、一〇万筆を超える署名が集まった。大統領はこれに目を通してコメントをしなければならないとなっている。ハワイと米本土、沖縄と日本はよく似ている。
アイルランドに渡った沖縄の人が沖縄とアイルランド(イギリスの抑圧)は似ていると言っている。琉球・沖縄のアイデンティティとは何かと問うている。中央政府の無謀な圧力に抗するために、国際的ネットワークを広げ、世界沖縄協会を作った。

負けるわけに
いかない闘い
県民投票で、五市の首長は絶対反対した。そうしたらうるま市(人口12万人)に対して一日千件以上の抗議電話があった。県条例は法令で、市が拒否できない。市が拒否したら、私たちの権利はどうしてくれると詰め寄られると答えられない。自民党の宮崎国会議員が県条例を拒否できると指南した。拒否の首長が自民党県連会長に泣きついた。会長は二択ではなく、「しかたがない」とする三択を提案したが、与党がはねつけた。そこで「どちらでもない」とし、五市の首長も受け入れた。自民党の一部議員がこれに反対し、官邸ものれないとなり、照屋会長が会長職を追われた。大きな揺れが起きている。これは仲井真元知事が辺野古埋立て承認に走った時、沖縄選出の五人の自民党国会議員も裏切ったとき以来の事態だ。
負けるわけにはいかない。一九五〇年代の島ぐるみの闘争のようにやりましょう。デニー知事はもう一回埋立てを撤回すべきだ。県政が問われる。決意してほしい。われわれは支えたい。四月二一日、衆院議員補欠選挙がある。自民党の国会議員・島尻あいこが出馬する。絶対に勝ち抜く。こうした大きな流れは自治・少数派の権利・民主主義の根本の問題が問われている。この日本の未来を指し示すものだ。誇りをもって闘う。国内・国際連帯で闘う。勇気を持って立ち向かおう。

宮古・石垣で
の人々の反応
宮古島・石垣島で自衛隊基地建設反対の闘いに行ってきた。宮古島の千代田カントリークラブ跡に自衛隊基地が作られている。八〇〇人の自衛隊のうち、来月三〇〇人が先遣隊で来る。保良地区に弾薬庫が作られる。二〇〇m近くに集落がある。嘉手納弾薬庫でさえ、民家から遠い所にある。中国大陸、鹿児島から七〇〇qしか離れていない。仮に戦争になれば、中国大陸から直接ミサイルが飛んでくる。これを防ぐことはできない。日本の防衛の盾にされている。石垣島の於茂登岳(おもとだけ)の麓に沖縄戦の時、沖縄本島などから土地を接収された人々が追われて移り住んだ。今度は自衛隊に追われようとしている。
石垣島の中山市長は日本会議の出身だ。人口三万五〇〇〇人の人口で、住民の四割の一万四〇〇〇人が自衛隊基地建設の是非を問う住民投票を求めて署名を集めた。議会は同数で公明党の議長がそれを拒否した。野党議員は議員発議で条例案を出そうとしている。沖縄本島だけでなく、ウチナー全県民が救われなければならない。先島の声が那覇に届いていない。

新たな土砂投入
を絶対止めよう
住民投票で注目の三つの数字。有権者一一五万人。過半数五七万八一四八人、玉城デニー票三九万六六三二を超えるか、投票成立は四分の一、二八万九〇七四票を超えるか。
県民投票を終えて、三月二五日の新たな土砂投入を阻止するために、三月一六日、万余の県民大会を那覇新都心公園で行うことをオール沖縄などで決めた。
今、安和で徹底した順法闘争でトラックの速度を遅くし、カヌー隊が船にロープをつなぎ、動きをにぶらしている。そうした必死の抵抗闘争によって、土砂投入を少なくさせている。今後も埋立てを絶対に止めよう。必ず勝利する。(発言要旨、文責編集部)

コラム

ゲノム編集

 昨年一一月二六日に中国の研究者である賀建奎が、ゲノム編集した受精卵から双子の赤ちゃんを誕生させたことを発表した。これまでも血液や筋肉などの遺伝子疾患に対して、ゲノム編集した遺伝子を患者の体内に入れるという治療は行われてはいたが、受精卵の遺伝子操作による「GM(遺伝子組み換え)キッズ」誕生は知る限りにおいては世界初のことであった。
 今回のケースでは父親がHIV陽性だということで、受精卵を遺伝子操作してHIVが細胞の中に侵入できないようにするために、細胞の入り口を作るCCR遺伝子を除去するというゲノム編集が行われたのであった。しかしそもそも身近にHIV患者がいるということだけで、今回のような遺伝子操作をする必要があったのだろうか。しかも双子それぞれに異なったゲノム編集が行われていることや、夫婦には四五〇万円が支払われたとされていることなどを考えると、今回の「GMキッズ」の誕生は賀らが無責任な人体実験を行ったとしか考えられないのである。
 これまでにも遺伝子組み換えの大豆・トウモロコシ・菜種などが開発されて流通してきた。一八年現在で三一八品種が認可されているという。その多くは除草剤や害虫による影響を抑えようとするものだ。米国の農家は「除草剤や殺虫剤を大量散布するよりも安全だ」と主張する。これは遺伝子組み換え作物の八割の特許を支配するバイオメジャーのモンサントの論理に他ならない。そして農家は毎年、高い価格で種子や農薬を買わされ続けてきたのである。
 こうした従来の遺伝子組み換えとゲノム編集とは何が違うのであろうか。従来の遺伝子組み換えは、他の生物が持つ遺伝子を加えるという操作を行ってきたのに対して、ゲノム編集はその生物が持つ遺伝情報そのものを、人為的に機械的に変異させるという方法である。それは「クリスパー・キャス9」という技術の獲得によって飛躍的に効率が高まり、簡単にしかも安くできるようになった。
 生物の遺伝情報を担っているのはDNA(デオキシリボ核酸)だ。そこにはATGCの四種の塩基というものが二対になってずらりと並ぶ。一対は♀からで、もう一対は♂から受け継いだものである。人の塩基数は約三〇億個だが、そのなかで遺伝子にかかわる塩基の集合体は約二万個と考えられている。それは塩基全体の数%にすぎない。またATGCの四種の塩基は、何故だか良くわからないがAとT、GとCだけが結合するという性質を持っている。だから♀からATGCという配列の塩基を受けると、♂から受けた塩基はTACGという並びで結合するということになる。また塩基は三つの並びがひとつのアミノ酸を指定する遺伝暗号となっていて、「遺伝子」とは複雑なアミノ酸(たんぱく質)の塊を作り出すための遺伝暗号の集合体だということができる。
 ゲノム編集とはこうした塩基の配列を除去したり、違った配列のものを組み込んだりするというものである。問題はそれをどのようにすればやれるのかということだ。それは生物が現に持っているDNAを修復したり、付け加えたりする仕組みを利用するという方法によってである。
 生物の細胞のDNAは自然界でも放射線や化学物質、あるいは火傷やケガなどでいくらでも傷つく。そしてすべての生物は傷ついた塩基部分をカットしてDNAを修復する能力を持っている。また有害なウィルスや細菌に対しては、それと闘って免疫力を獲得するわけだが、それは敵の有害な塩基配列を読み取って遺伝子情報としてそれをDNAに付け加えているのである。ゲノム編集はこうした生物が持つ仕組みを利用する「合成生物学」なのだ。
 こうした技術は、資本主義のもとでは安全性も検証されないまま、金儲けの手段としてバイオメジャーや金持ちのために医療機関に独占されるて行くのだろう。ゲノム編集の世界でも「システム・チェンジ」が問われている。        (星)

 



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