北米
GMの工場閉鎖反対!
資本の偽善を許すな
ウェンディ・トンプソン
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GMが北米で稼動している五つの工場の閉鎖を発表し、カナダの自動車労働者は即座に閉鎖反対の闘争に入った。GMが挙げた閉鎖理由はこの企業を環境対応企業に転換するため、ということだったが、以下で明らかにされているように、この理由はまったく偽善的なものだ。このGMの発表は、米国に職を戻す、というトランプの公約と衝突するという問題も抱えている。以下では、労働者の閉鎖反対闘争に、GMの公式的閉鎖理由も考慮した一つの方向性を提起している。(「かけはし」編集部)
1万4000
の職奪う計画
問題の組み立て・トランスミッション工場の稼動を維持するためには何が必要となるのだろうか?
自動車労働者が二〇一九年の契約交渉に向けて諸要求を確定し始めていた中で、GMは、工場閉鎖ですでに失われた二〇〇万の製造業の職に加える形で、三つの組み立て工場と二つのトランスミッション工場の閉鎖で一万四〇〇〇の職をなくすことを公表し、そのことで目前の協約交渉の賭け金を引き上げた。オンタリオ工場、オシャワの労働者はすぐさま仕事を放棄し、彼らの闘いをこの都市の街頭に引き出した。この日彼らはその後、彼らの地方支部本部で集会を開き、そこでユニフォー(カナダの自動車労働者を代表する労組:訳者)代表のジェリー・ディアスは、工場の稼働を維持するために闘うと誓った。
さまざまな動きの反対側では、何人かの政治家がすでにGMに、あたかも労組のもっと多くの譲歩がこれらの職を救い出すことになるかのように、また二〇一八年第三四半期におけるGMの二五億ドルに上る利益にもかかわらず、彼らの義務は労働者の同意を得るためになされるべきことを労働者に尋ねることだけだ、と語っている。これらの組み立て・トランスミッション工場の稼動を維持するためには何が必要になるのだろうか?
GMの狙いは
環境配慮と無縁
GMのCEO、マリー・バラは、この企業をもはや自動車会社と考えてはならず、「CO2排出ゼロに基づく世界というビジョン」にしたがった、電気化と自動運転技術を基礎に転換される企業になる、と説明した。しかしながら現在、このビジョンに適合する製品は一つもない。そしてGMは、問題の工場の閉鎖によって二〇二〇年末までに六〇億ドルを節約できる。
そして皮肉なことだが、今回の閉鎖で除かれようとしている自動車は、先のビジョンに対する現実の一つの貢献である電気自動車の新しい形態のボルトなのだ。GMはその代わりに、完全な偽善をあらわにする形で、SUV(化石燃料を多量に消費する多目的スポーツ車:訳者)とトラックを推進し続けるだろう。
バラの公表に込められた傲慢さと決意は、この企業の戦略を示している。第一に彼らは、労働者にはこれからの契約で何らかのより良い雇用条件を追求する力がある、との考えを起こさせないようにしようともくろんでいる。第二に彼らは、この企業の再編を労働者を踏み台にして考えている。今回の公表のおかげで六%上昇するGM株を保有すること以上に、ウォールストリートが大事だと考えていることをはっきりさせるものはあり得ないだろう。
これらの閉鎖は、GMがこれまで受けてきて、これからも受け続けることになる巨額の税控除にもかかわらず計画されている。彼らが今閉鎖されようとしている工場を建設した時でも、デトロイトでは、至高の所有権を通したコミュニティ全体の破壊があった。その場には今、更地を完璧にするために脅かされているひとかたまりの区域があり、自動車産業が原因の職の喪失という多年の先立つ年月からデトロイトで続いている荒廃がある。オシャワ、バルチモア、ローズタウンのコミュニティさらに他も、等しく傷を負うことになるだろう。
労組の既存路線
無益さが明確に
GMはこの工場閉鎖を、UAW(全米自動車労組)やカナダの組合指導者に事前の通知もせずに一般公表した。これらの閉鎖は、交渉済みの契約文言の侵犯だ。自動車会社に関して両労組が採用してきた共同の取り組み方は、あらためて完全に無価値だと理解されてよい。
下部労働者たちが彼ら自身と彼らの家族の生活を満たすことに導くために彼らが必要とする不可欠なものと保護策を要求し続けてきた一方で、UAWの指導者たちは、会社の必要に合わせる協力の準備を整えてきた。そして彼らは、いわゆる交渉を経た共同基金をはぎ取り、個人単位の手当を受け入れてきた。実際に過去の譲歩は、設備保全や部材手配といった工場の部署の外注化まで容認し、諸々の職を減らした。
一〇年前米国とカナダの政府はGMを公金投入で救済した。ワシントンの諸条件は同時に、企業の決定には何の発言権もなかった自動車労働者が、賃金と手当全部をひとつにまとめるよう求めた。ちなみにこのひとまとめは、非組織労働者のそれより大きなものではまったくなかった。
国境の両側の組合官僚がこの公金での救済を支持する中で、自動車労働者と退職者が結集した「自動車労働者キャラバン」は車でワシントンDCまで乗り付け、代わりの計画を提唱した。彼らは労働者が企業の犠牲になる条項に反対し、化石燃料への依存を抜本的に引き下げることが可能になると思われる大量輸送システムの確立を求めた。
稼動を止めたあらゆる工場は、バス、列車、あるいは風車のような代わりのエネルギー源への転換に必要となる製品の製造へと、転換可能だろう。彼らは、先の計画が数カ月以内に開始可能であることを示すために、世界大戦中自動車会社がどれほど迅速に戦争の生産に転換されたか、を指摘した。
救済の代わりとしてGMに求められたことは何もなかった。そしてGMは急速に回復を遂げた。しかし転換される可能性のあった諸工場は取り壊され、潜在的に可能だった職は何千と取り除かれた。
まともな職へ
決断の時迫る
GMはクライスラーやフォード同様一〇年にわたって、その従業員に厳しい条件を押しつけた。新しく雇用された者は、以前から雇用されていた者と比べて、賃金は半分、手当の数も少ないが、もっと頻繁なこととして「臨時」として雇用された。ある種二段重ねの労働力を積み上げるこの過程は組合を弱体化した。別の者に次いで働く次の者には、相当程度稼ぎが小さくなり、医療給付ももっと少なくなり、職の保障はほとんどなく、定年退職時の年金や医療ケアのない未来に直面するという、こうした可能性があるからだ。
二〇一五年の交渉に際して労働者たちがこのようなやり方を終わりにするよう要求した時、企業とUAWの官僚たちは、賃金の四年一括契約に代えて八年をまたぐ方策をひねり出した。この契約の承認は僅差だった。否認に票を投じた労働者たちは、この方策では低賃金労働者の手当を高めることにも、賃金協約に生計費調整を戻すことにも、さらに定年退職者に医療ケアを提供することにもならない、と指摘した。この契約はまた、労働者を臨時の地位にとどめ、あるいは外注企業を通じて労働者を雇う、そうした企業の能力を縛ってもいなかった。
クライスラーやフォードがすでに実行中のビッグスリーの再編を前提とすれば、労働者は一つの決断を行わなければならない。つまり、まともな職に対する彼らの権利のために闘うか、それともさらなる解雇と譲歩した協約に甘んじるか、だ。
反攻戦略討論に
環境視点で対応
オシャワの労働者が差し迫った彼らの解雇に反対する決意を街頭で明らかにした後、すぐさま組織された労組集会は戦略の討論を開始した。ある者たちは工場引き継ぎの可能性という考えを提起した。反攻委員会の組織化が進行中だ。ジェリー・ディアスは、すでにUAWとの統一戦略を求めている。そして影響を受ける諸支部間では、闘争の構築方法に関する考え方を共有するために、さまざまな結びつきが確立されつつある。明らかにどのような戦略も、二一世紀に役立つ何かを建設するために、労働者の経験と能力をいかに活用できるか、に結びつけられる必要がある。
自動車労働者が建設できる大量輸送システムの発展に対する要求以上によい要求はまったくない。GMのような企業はもちろん、CO2排出ゼロへの移行について単にリップサービスをしているにすぎない。それでも民衆的支持と組合の支持は、諸工場の稼動を維持する必要に適切に向けられる可能性がある。
われわれがもしすでに見えるものになっている極端な気候の兆候に対処すべきであるとすれば、地球を救うために必要な製品でこれらの工場を満たすことは、前に向かう具体的な道を提供するのだ。われわれは大衆の移動のためにバスを要求する必要がある。そしてGMがそれに関心がないのであればその時は、連邦と国家のマネー(あるいはオンタリオの場合は、州のマネー)が、北米が必要とする大量輸送システムを建設するために、あらためて手段となり得る。
これらの工場の引き継ぎと再組織化を完遂するためには、北米すべての――メキシコを含む――自動車労働者と彼らのコミュニティのエネルギーが必要になるだろう。暮らしとまさにわれわれの地球はそれにかかっている!(二〇一八年一二月一八日、「アゲンスト・ザ・カレント」より)
▼筆者は、UAWローカル二二の元代表、またUAWローカル二三五、アメリカン・アクスル、デトロイト・ギア&アクスルにも所属した。彼女は、最初の二二年間GM工場であり、その後一九九四年にアメリカン・アクスルに売却された一つの工場で三三年間働いた。この工場は今閉鎖されている。(「インターナショナルビューポイント」二〇一九年一月号)
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