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パキスタン                        かけはし2001.11.19号より

帝国主義と宗教的原理主義に反対し八千人が反戦デモ

アメリカは爆撃を即時中止せよ

 十一月六日、パキスタン・ラワルピンジーで、帝国主義のアフガニスタン侵略戦争と宗教的原理主義のテロに反対し、ブッシュ政権に加担するムシャラフ軍事政権に対決する八千人の反戦デモが行われた。以下は、第四インターナショナルと連携するパキスタン労働党のホームページから。


 今日(十一月六日)、ラワルピンジーで数千人の平和運動活動家がデモを行った。このデモは、米国によるアフガニスタンへの爆撃の即時中止を要求し、戦争の中止を要求した。また、原理主義宗派によるテロを非難した。デモを組織したのは、「平和と公正のための連合」である。この団体は、数百の市民団体と、パキスタン労働党などの左翼政党が結集して結成された。
 活動家たちは、ラワルピンジー・プレスクラブに集まり、大通りを行進した。デモは一キロあまり続き、数百の横断幕が掲げられた。警察は参加者を五千人以上と発表したが、主催者によると参加者の数は八千人以上だった。バルチスタンやシンドなどの遠隔地を含めて、全国から活動家たちが結集した。参加者の多くは、北西辺境州やパンジャブ州から来ていた。
 パキスタン労働党のラワルピンジーのグループは、労働者地区から十二台のバスで五百人の労働者を動員した。ほかの大多数の参加者は鉄道を利用した。
 デモの最初に、次のようなスローガンが叫ばれた。「アメリカ帝国主義はアフガニスタン爆撃を中止せよ」、「ブッシュは爆撃を中止せよ」、「宗教テロ反対」、「戦争反対」、「闘いこそわれわれの進む道だ」、「アメリカ帝国主義の協力者は、人民の友ではない」、「宗教的排他主義を中止せよ」、「ムシャラフ軍事政権反対」、「戦争ではなく平和を」、「戦争は解決ではない」。多くの女性がこの歴史的な平和デモに参加した。
 デモの終わりに、「平和と公正のための連合」の代表のイルファン・ムフティ氏は、「これは始まりだ。われわれは米国のアフガニスタンへの爆撃の即時中止を要求する」と述べた。彼は、「われわれは宗教原理主義には何の共感も抱いていない。われわれは宗教的排他主義のテロに全面的に反対だが、アフガンの都市を無差別に爆撃するアメリカ帝国主義に加担することはできない。多くの罪のない人たちが死んでいる」と付け加えた。
 ラワルピンジーで活動している労働党パンジャブ州評議会のメンバー、バシル・ブッター氏はこのデモを、「歴史的な出来事であり、パキスタンにおける新しい平和運動の始まりである」と評価した。彼はすべての労働組合活動家が「平和と公正のための連合」に参加して、パキスタンにおける進歩的勢力のより広範な連合を実現するよう呼びかけた。
 デモの後、ラワルピンジー・プレスクラブで行われた集会で、労働党のファルーク・タリク書記長は、次のように述べた。
 「われわれは、宗教原理主義グループが米国のアフガニスタン爆撃に反対する街頭デモを独占している状況を打ち破った。この原理主義者たちはアメリカ帝国主義が生み出したものであり、平和のために街頭に繰り出しているのではない。彼らは戦争を拡大し、罪のない市民に対するテロを拡大するために街頭に出ているのだ。彼らのデモは平和デモではなく、流血拡大のためのデモだ。今日のデモは、パキスタンで最初の大きな平和デモだ。われわれは(原理主義者と米国の)両方を非難する。われわれはアメリカ帝国主義を打ち負かすことを望んでいるが、それは宗教原理主義と連携することによっては実現できない。われわれは独自の平和運動を作り上げなければならない」。
 彼は、全国でさらに多くのデモを組織することを呼びかけた。「パキスタンと全世界における平和運動だけが、アメリカ帝国主義による攻撃を中止させることができる」と彼は述べた。彼は、アメリカ帝国主義は世界最悪のテロリストであり、全世界のテロリストたちを支援してきたと指摘した。彼は最後に、「われわれパキスタンの労働者階級は、宗教的排他主義とアメリカ帝国主義を打ち負かすための国際的連帯の運動を作り出すだろう」と述べた。
 デモは平和的に終わった。このデモはすべての参加者たちに多くの勇気と、何かができる、われわれは団結しなければならないという確信を与えた。

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