| 11・2全国ストライキへ! かけはし2001.11.5号より |
十月二十四日、シニアワーク東京で「NTT11万人合理化に反対する10・24集会」が開かれた。この集会は、「小泉改革」と連動して強行されようとしているNTT十一万人首切り合理化に対決して展開される11・2全国ストライキと、持ち株会社前座り込み行動を前にして、電通労組全国協議会・NTT関連合同分会・全労協の三者呼びかけで開かれ、会場には百五十三人の労働者が参加した。
集会の最初に、全労協藤崎議長が主催者を代表してあいさつに立ち、超優良企業であるNTTが脱法行為を重ねて強行しようとしているこの大リストラを許せば、首切り自由と賃下げ自由があらゆる職場に波及するとして、この攻撃をはね返すために全労協として全力で闘うという決意を表明した。
続いて弁護士の加藤晋介さんが、NTT十一万人合理化の経済的背景と労働運動に問われる課題について講演を行った。「有期雇用化の促進、派遣労働の全面自由化、変形労働も広げて残業手当もなくしてしまう。持ち株会社を作り、会社分割法で企業の支配と雇用関係を切り離す。整理解雇四要件も解雇権の乱用規制もなくして切り捨て自由にする。賃金は能力給にして賃下げする」。
小泉政権下で進む労働者への攻撃をこのように整理した加藤さんは、闘う労働者の課題について提起した。「NTTでやろうとしていることも同じことだ。しかし会社分割法を使えばそれまでの労働条件が残ってしまう。だからNTTは、『同意』のもとにアウトソーシング会社に移ってほしいと言っている。国鉄分割民営化では、国労という強い組合があったから、国鉄改革法という新法でむりやり進める必要があったが、NTT労組は物分かりがいいからその必要はなかった。欧米の労組の強いところは産業別組合であることで、雇用も労働条件も全体で守るために闘っている。企業別組合である日本では、企業を守るために合理化も出向もすべて飲んで過労死労働をやってきたが、もうそれで首を守れる時代ではなくなった。向こうの体制に対抗する体制と組合を作り、横につながるだけでなく海外の労働者ともつながって雇用を守らなければならない」。
「NTT職場からの訴えと闘い」では、電通労組全国協議会の高橋事務局長、全国一般東京労組NTT関連合同分会の石原分会長、NTT労組内で闘う「旗」編集委員会の加藤さんが、それぞれ闘いの決意を表明した。高橋事務局長は訴えた。「NTTは労基法を踏みにじり、会社分割法の制限をかいくぐる脱法行為、違法行為で十一万人の大リストラを強行しようとしている。あらゆる経営者が注目している。超優良企業のNTTでもしこれを許せば、ほとんどの企業が真似をするだろう。われわれはNTTが強要する不当な選択を拒否し、労働契約を切らせず、不当配転拒否で闘う。十一月二日には全国統一ストライキを打ち、持ち株会社の前で闘って全国闘争の烽火を上げる」。
NTT関連合同分会の石原さんは、「NTTに残って闘えば、かつての国鉄の人材活用センターのような収容所に入れられるかもしれない。職場では、五十歳になったら辞めなければならないのかというあきらめが広がっているが、あきらめずに頑張ろう」と訴えた。NTT労組のなかで闘う加藤さんは、多くの仲間が次々に「希望退職」に応じていることについて「NTT労組がまったく闘おうとしないことによるあきらめの結果だ」として、「闘い続ける体制を確立しよう」と訴えた。
連帯のあいさつに立った郵政全労協の棣棠事務局長は、郵政民営化を前にして職場の非正規化が急速に進行しているなかで、パート、派遣、アルバイトや下請けの労働者を組織化し、出発時に二百人足らずだった組合員が現在六百人に急増していることを報告した。東京清掃労組の矢島さんは、清掃の区移管以降、民営化の圧力がますます強まっているなかで、NTTで闘う仲間とともに攻撃を打破したいとアピールした。
国労闘争団の田島さんは、組合つぶし・採用差別の激しい攻撃が繰り広げられ九万人が首を切られた国鉄分割民営化当時の闘いを思い起しながら、「NTTの闘う仲間もあきらめずに闘うと言った。私たちもあきらめずに解雇撤回まで闘い続ける」と、連帯の思いを語った。
最後に、電通労組全国協議会の前田祐悟さんがまとめと行動提起。「この攻撃を許してしまえば、もうかっているところだけを切り離し不採算部門を切り捨てる動きはどんどん波及するだろう。JRでは新幹線だけを切り離すことになるだろう。もちろん郵政にも波及するだろう。公共サービスでもうけようとするのが間違っている」。このように述べた前田さんは、十一月二日の全国ストライキと持ち株会社前での闘いへの結集を呼びかけ、「社会の在り方を変える闘いとして全力で闘いぬこう」と訴えた。 (I)
解説
NTT十一万人合理化とは
国が四六%の株式を保有する持ち株会社日本電信電話株式会社(NTT)は、すべてのNTTで働く労働者に十一万人大リストラ計画を突きつけ、この十二月から実施に移そうとしている。その内容は、@機械設備の保守・故障修理、電話受付、営業窓口などの業務をすべて県別に「新設」する別会社(アウトソーシング会社)に移管し、社員十一万人を退職(解雇)させてこのアウトソーシング会社に再就職させるが、賃金は二割から三割引き下げるAこの一方的で労働者にきわめて重大な不利益をもたらす移籍に同意しない労働者には、いままでの仕事はなく、勤務地も本人や家族の事情を考慮することなく大幅に変更する\\というすさまじいものだ。
それは、労働協約を無視した労働条件の不利益変更の強要である。五十歳以上の労働者すべてにそれを適用することは、事実上の五十歳定年制導入であり、年齢を理由にした解雇と労働条件の大幅切り下げは憲法にも労基法にも「高齢者等の雇用の安定等に関する法律」にも違反し、従来通りの労働条件で転籍させることを義務づけた「会社分割に伴う労働契約の継承に関する法律」にも違反する違法行為である。だからこそNTTは、「拒否すれば仕事がなくなるぞ。どんな遠くへ飛ばされるか分からないぞ」という脅しで、「本人の同意と希望の上の自主退職」という形式を整えようと必死になっているのである。
五十歳以下で退職と再雇用を希望しない労働者も、NTTからの在籍出向でアウトソーシング会社へ移行するとされている。
アウトソーシング会社のNTT委託業務費は逓減化(毎年五%程度減額)されることになっており、しかも独立採算で業績がすべてに最優先される。賃金の三割カットどころか、労働条件の再引き下げ、そして会社そのものがNTTに切り捨てられて消滅する可能性もある。不採算部門を切り捨てる究極のリストラである。
そして労使一体化の道を突き進んできたNTT労組は、職場に広がる不安と圧倒的な「反対」の意思を一切かえりみることなく、この大リストラ計画に同意してしまった。NTT労組は「全体の雇用を守るには痛みを分かち合うしかない」という。しかしNTTは、二〇〇〇年度連結営業利益八千九百八十三億円という超優良企業である。これほど大儲けしている企業でこれほどデタラメなリストラが許されれば、すべての企業がそれに従うだろう。それは文字通り「日本企業のリストラのモデルケース」(朝日新聞9月7日)なのであり、「小泉改革」が労働者にもたらすものの象徴である。
電通労組全国協議会は、全国一般東京労組NTT関連分会やNTT労組内で闘う労働者と連携し、この合理化攻撃をはね返すために闘いぬこうとしている。NTTは労働者に強制することはできない。それは公然たる違法行為であるからだ。だからNTTは、「NTTに残っても仕事はない」「どこへ飛ばされるか分からない」と労働者を脅迫する一方で、「会社は強制的に選ばせる考えはない」「労働者にお願いする」と言わざるをえないのである。
「退職を拒否する。NTTの職員として今まで通りの仕事を続ける。不当配転を拒否する」。このように主張して闘うことは可能だ。電通労組全国協議会とともに十一万人合理化攻撃を打ち破ろう。 (I) |