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    かけはし2018年8月13日号

沖縄県の埋め立て承認撤回断固支持!


沖縄報告 8月4日

翁長知事を支持し県民ぐるみで日本政府に対決

沖縄K・S

防衛局が破廉恥にも聴聞延期を要請

 翁長知事が七月二七日埋め立て承認の撤回を表明し七月三一日、八月九日に聴聞を実施するとの通知書を沖縄防衛局に交付したのに対し、沖縄防衛局は八月三日金曜日の午後六時半頃、県の海岸防災課を訪れ、聴聞期日を一カ月後の九月三日以後にして欲しいという「聴聞等変更申出書」を提出した。八月一七日の土砂投入のあとに聴聞期日を設定するということは、それまで工事を進めるという魂胆だ。それにしても、通常業務の終わった週末の夕方に申し入れ書を届けるとはずるい連中だ。ウソと詭弁の安倍政治の一端を見る思いだ。
 防衛局は申出書で「通知から聴聞期日まで九日間というのは短すぎる」と述べた。三年前の埋め立て承認取り消しの際も聴聞期日は通知から九日後だったが、防衛局は早々と聴聞欠席を明らかにし聴聞会場に姿を現さなかった。九日後の聴聞期日は短くはない。防衛局にはまじめに聴聞に応じようとの姿勢がないだけだ。直ちにすべての埋め立て工事を中止し、フロートを撤去し工事車両、工事船を撤収させよ! 工事を強行しながら聴聞期日だけを延期せよとは、安倍政権に似つかわしい鉄面皮の欺瞞だ。
 県は聴聞を予定通り実施し、堂々と埋め立て承認の撤回に踏み切ればよい。

8.4

辺野古ゲート前座り込み

第一土曜日県民大行動に600人

 警察機動隊の配置や資材搬入の動きがない中、八月四日のゲート前座り込みはいつものように朝八時半からスタートした。はじめに、泰さんが「安保廃棄、沖縄かえせ」など数曲を元気よく歌った。続いて「辺野古への基地建設を許さない実行委員会」の中村利也さんが「猛暑の東京からやってきた。8・11県民大会に呼応し東京でも集会・デモをやる」と活動を紹介した。
山城博治さんは「一九九
六年のSACO合意から二二年。闘いはいよいよ正念場だ。厳しい局面を迎えるかも知れないが、何が大事かが問われている。自分が何者で何をするのか。未来に何を残すのか。誇りを持って中央政府に抗おう。県民が団結すればできない筈がない。安倍、麻生、菅は高笑いしていることだろう。連中の鼻をへし折ってやろう。勇気を振り絞り団結を固めて埋め立てを止めよう」と訴えた。
大城敬人名護市議は「SACO合意のとき新基地反対の決議を持って上京した。過去四〇年間の議員生活を経て、九月には七八歳になる。名護市議会で最高齢だ。九月市議選では定数二六のところ新基地反対派は一四人立っている。全員当選で過半数を制する」と述べた。大城さんは一日の活動を辺野古ゲート前から始める。過去に二度心筋梗塞で倒れたが、ゲート前に通うことがリハビリとばかり辺野古の活動を続けた。大城さんのような議員こそ権力に対する抵抗の砦だ。是非選挙戦を勝ち抜いてほしい。
辺野古弁護団の三宅俊司弁護士は山城さん、稲葉さんと共に前に立ち、「まもなく控訴審が始まる。一審では沖縄の歴史、現実を何も審理せず、国連の報告も無視し、ブロック積みという行為のみを判断した。控訴審では、形式的な判決には納得しないことを示す。『非国民』の二人の支援をどうかよろしく」と話した。そのあと、労組代表として、北部地区労、国公労が発言したのち、全員テントに移動した。
テントに移動してしばらくすると、糸満市、沖縄市、うるま市、豊見城市などの島ぐるみのバスが続々と到着。テントはたちまち満席となり、人々は周辺の斜面にまであふれる中、各地の島ぐるみの発言が続いた。本部町島ぐるみは「昨日ダンプ三八〇台分の土砂が台船に積み込まれた。土砂を積んだ船と台船は辺野古へ行かず沖合に停泊している。防衛局は職員五〇人を動員し警備にあたっている。県警は常時ビデオ撮影しわれわれをチェックしている。現場は日陰をつくるテントもない厳しい環境だが、土砂を入れないでくださいと訴え続けている」と塩川での抗議行動を報告した。

北上田さん「工事は必ず頓挫する」
北上田毅さんは「先週東京で対防衛省交渉を行った。辺野古側のA―1とより広いAの海域が護岸で囲われたが、土砂投入の開始を八月一七日としたのは六月二二日に手続きが開始されたA―1の部分だけで、Aの方はまだ手続きが始まっていない。手続きは最低四五日かかる。また、護岸の高さが完成時の高さに比べて六mも低い。防衛局はかさ上げのためコンクリートブロックを置き砕石袋を積み上げるという。まだまだ時間がかかる。防衛局は焦っている。準備が整わなくても、それこそ防衛省の幹部が言うように、知事選までにバケツ一杯分の土砂を入れるため、卑劣な手段を講じてくる可能性がある。海上輸送のK9護岸はせいぜい一日ダンプ二〇〇台分が限度だ。船がたくさんあっても搬入できない。陸上輸送がないかどうか厳重にチェックしてほしい。県民投票の署名が一〇万人集まった。県民投票で圧倒的な民意が明らかになれば、違法工事を主とした理由の今回の撤回とは別に、再び公益上の撤回ができる。たとえ今回工事が続けられても、大浦湾の軟弱地盤は致命的だ。変更申請をするしかない。県が許可しなければ工事はストップする。今後紆余曲折があろうとも確信をもって現場の闘いをやり抜こう」と呼びかけた。
そのあと、糸満、八重瀬、沖縄、宜野湾、那覇、豊見城、浦添の各島ぐるみのあいさつが続いた。一二時からの集会は、大城悟さんのリードで「埋め立てやめろ」「美ら海壊すな」などのシュプレヒコールで始まった。オール沖縄会議共同代表の高良鉄美さん「新基地を県民ぐるみで止めていく。広げることが大事。基地に使わなければ予算は福祉教育に回すことができる。若者に訴えかけよう」。稲嶺進さん「翁長知事が知事である限り新基地はできない。もしやったら日本に民主主義も地方自治もない、軍事優先の国になってしまう。暴走を止めよう」。

5人の国会議員
が怒りの発言
照屋寛徳さん「朝から脳梗塞が再発するんじゃないかというくらいワジワジ―している。防衛局の聴聞延期の理由は理由にならない。何を言っているんだ。国には県の弁護団の何倍もの法曹関係者がいる。全く動機において不純だ。土砂投入を即刻止めるべき」。
赤嶺政賢さん「国は知事選で、宜野湾市長に普天間返還のため辺野古基地推進を言わせようとしている。何というこそくな人選か。かつての名護の比嘉市長と同じだ。普天間が危険だというならなぜ五年で閉鎖せず放置している安倍と闘わないのか」。
玉城デニーさん「仲井真前知事の悪行を忘れない。今度の知事選、もし翁長知事が負ければ仲井真に負けることになる。怒りのベクトルを忘れてはいけない。相手の顔が替わっても同じだ。翁長さんがやつれてかわいそう、もういいんじゃないかという人がいる。私は翁長さんの目を見て欲しいと言う。沖縄には目の芯が立っているということわざがある。翁長さんはまさにそうだ」。
糸数慶子さん「私の目はどうでしょうか。名護市、宜野湾市の大学生十数人と話をしたが、今の日本の政治が間違っているとハッキリ述べていた。感動した。実に頼もしい。若い人たちも怒りを国に向けている。最悪の政権・安倍に対する沖縄の闘いに世界が注目している」。
伊波洋一さん「参院外交委員会で辺野古の問題を六回取り上げた。埋め立て工事の問題はたくさんあるが、中でも海草藻場は大問題だ。承認願書で、藻場の移植が明記されているにもかかわらず、防衛局は何もしていない。全くのペテンだ。直ちに承認撤回できる。飛行場をつくってから移植するなどということは許されないことだ。絶対に譲れない」。
最後に統一連の中村さんが閉会宣言をした。そのあと、辺野古の浜での海上行動チームとの連帯集会が行われた。

8.1

水曜ゲート前行動

大雨をついて100人結集

 土砂降りの雨の中、雨具をつけ傘をさして約五〇人でフェンスとバリロードという名の赤白ポリタンクの狭い空間に座り込んでゲート前の行動がスタートした。警察機動隊の態度はますます高圧的になってきている。ゴボー抜きに際して、腕をねじっても素知らぬ顔。とにかく排除のスピードだけを競っている。両足を広げると「足を広げない」、少しでも動くと「暴れない」など、機動隊に共通する高圧的な態度は警察内部の上からの教育の徹底を物語る。
激しい雨の中の排除の最中、大音響とともに雷が落ちた。一q内に落雷があったらしい。工事車両がまだ列をなす中、機動隊はそそくさと撤収を始めた。そしてマイクで「近くで落雷がありました。危険ですのでみなさんも避難してください」と放送。われわれも移動しテントへ向かった。
テント前での集会で、平和運動センターの大城さんは「県民大会に知事が出席する。知事選にも出ると確信している。政府はありったけの権力で沖縄をつぶしにかかっている。われわれは決して負けない」とアピールした。島ぐるみの発言は、ゲート前の宜野座に続いて、北中城、糸満、カヌーチーム、八重瀬、那覇バスなどがスピーチした。VFPのダグラス・ラミスさんは「米国でのVFP大会に沖縄から二人出席する。カンパをお願いしたい」と訴えた。
毎週水曜日、全国各地からやってくる救護班の看護師はこの日、滋賀県と和歌山県からの女性二人。和歌山の人は沖縄が初めてとのことだ。民医連の継続する取り組みに敬意を表する。

県民投票署名10万筆を突破

次は県議会での条例制定


二カ月間にわたって進められた「辺野古埋め立ての賛否を問う県民投票条例の制定を求める」署名運動は七月二三日で締め切られ、署名総数が法定数の有権者の二%、約二万四千筆をはるかに上回り、一〇万筆を越えた。県の有権者数一一五万八五二三、署名総数一〇万〇九七九、署名の割合八・七二%とのことだ。市部で最も比率が高いのは糸満市一一・五九%、町部では八重瀬町一一・六二%、村部は渡名喜村三一・五二%、沖縄島に限れば大宜味村二六・九七%。逆に比率が低いのは市部では石垣市六・二六%、宜野湾市六・八七%、町部では竹富町二・九三%、嘉手納町五・〇%、村部では伊是名村二・四三%、伊江村三・二一%などであった。
辺野古県民投票の会は七月三〇日、元山仁士郎代表、新垣勉副代表など十数人が記者会見して声明文を発表し、「次のステージは県議会での条例制定だ。県民投票の目的は辺野古埋め立ての賛否を問うという一点にある。民主主義社会において民意を無視した政治が行われていいのか」と主張した。今後三週間で各市町村選管のチェックを経て、条例制定を県に請求、県議会で審議する段取りになる。
辺野古埋め立てをめぐる県民投票の実施は画期的だ。中央政府は重要な国策であればあるほど、地域の住民が広く議論し主張する機会を奪い、中央政府の政策を国家権力の主に財政力と警察・司法力を動員し、力で押し付けてきた。ノーだ。住民の声をきけ! 沖縄県民の声をきけ! 「安保・外交は国の専管事項」という言い訳は通用しない。戦争するのも「国の専管事項」か? 重要な国策であればあるほど県民の命と暮らしに直結する。国策にこそ県民の声が反映されなければならない。県民投票は県民の自己決定権の実践だ。辺野古NO!の民意を単純明快に示す法的方法だ。
署名は主に@家族および友人、A街頭、B各戸訪問の三つのルートで行われた。実際に署名に取り組んで、県民投票に対する広範な県民の熱意を感じた。短期間で一〇万以上の署名を集めることができたのもそのためだ。ハナから「署名やりません」「土砂を入れればいい」などと言いながら通り過ぎる人もいるが、多数は「辺野古に基地を造らせてはいけない」「頑張ってね」などと言いながら署名してくれる。県民投票を通じて、辺野古NO!民意を確固として表明していこう。

県民投票の会声明文の抜粋

 私たちの署名運動は「住民投票」という直接民主主義の歴史に新たな実績を刻むこととなった。……私たちは運動の中で県民が県民投票を強く望んでいることを実感した。また運動の中で、県民投票に対する誤解を解消し、意見の対立を克服するための議論を深めることができた。その意義は大きい。なぜなら、国策に抗する王道は「民意」をより明確に示すことにあるからである。……県民投票は直接民主主義に基づき「民意」を明確に表明する法で認められた手続きであるとともに、憲法第95条の趣旨に沿うものである。……日本政府に対しては、県民投票の重要性を踏まえ、県民投票が実施されるまで辺野古埋め立て工事を中止するよう強く要請する。



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