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    かけはし2018年5月28日号

職員連帯呼びかけの下街頭へ


韓国財閥一家のパワハラに反撃始まる

趙亮鎬(チョ・ヤンホ)会長一家の退陣!


ろうそく集会で次々糾弾の声


 大韓航空、前職・現職の職員たちが趙亮鎬(チョ・ヤンホ)韓進(ハンジン)グループ会長一家のパワハラをこれ以上看過できないと街頭に出てろうそくを持ってのオーナー一家や経営陣の退陣を促した。
 大韓航空の職員連帯は5月4日午後7時、光化門世宗(セジョン)文化会館の階段で「趙亮鎬会長一家の退陣とパワハラの根絶に向けた第1度目のろうそく集会」を開催して「趙亮鎬は辞任せよ」、「パワハラのセット趙顯娥(チョ・ヒョンア)趙顯?(チョ・ヒョンミン)を追放せよ」、「パワハラ暴行、李明煕(イ・ミョンヒ)を逮捕せよ」、「趙氏一家奸臣の輩ら辞任せよ」、「チョ氏一家悪口パワハラたまらない」などのスローガンを叫びながらトップ一家の暴言や暴力などを糾弾した。
 ろうそく集会は自由発言の形式で行われた。大韓航空の職員連帯は「チョ氏一家のパワハラを断ち切って正常化する最後のチャンス」と互いを督励して、市民たちは大韓航空の社員たちを応援した。
 司会を務めた「ピーナッツリターン」被害者パク・チャンジン元大韓航空事務長は「2014年ピーナッツリターン事件後、心の中に重荷が生じ、飛行する度にユニフォームの中にいつも亡くなった父の写真を持って通っている。これは私にとって私も一家族の一員であり、愛される存在で、一人の人間として尊重されている人で、たとえ亡き父だが、私にも愛する家族たちがいるという意味だ。この席に出席した職員すべての方々も愛する家族がおり、自分の尊厳性、権利を考えながら会社に出勤をしているのだ。ところで今の現実はそうでないためにこの場に私たちがまた出てきたのだ」と話した。
 元大韓航空操縦士のハヒョヨル氏は自由発言を通じて「17年前に大韓航空を変えようと労組を作っていたが解雇された。その時、まともに出来なくて皆さんが仮面までかぶってここまできた。仮面をかぶった皆さんの笑う顔を見ると、大韓航空が新しく生まれ変わることができるという希望に満ちた心を持つようになる」、「趙亮鎬は辞任せよ」と叫んだ。
 始興(キョンギド・シフン)から来たというある市民は「今日すべての日程を取り消し、皆さんと共にするため、この席を訪れた。皆さんの勇気と実践力に尊敬を表して、すぐには変化させることができないが、わたしたちの未来世代に向けてもっといい世の中と企業文化を譲る上で、皆さんらが大きな役割をするものと思う。勇気を失わずに趙亮鎬一家が退陣するその日まで続けることを応援する」と話した。
 夫が大韓航空の職員と紹介したチョン・インヨン氏は労組活動で解雇されて復職したと明らかにし、「多くの職員が大韓航空の社主らのパワハラと横暴にどれほど苦しみぬいているか知らずにいる。一緒に働く人々が良い会社を作ってみようと乗り出したとき、彼らが絶対に寂しくないようにそばで戦ってくださる方たちになったらいいと思います」と話した。

仮面つけ会社側の弾圧に備える


 匿名オープンチャットルームで「無所有」というニックネームで活動しているという大韓航空客室乗務員は「ピーナッツ事件に続き、今回の事件で、皆が惨憺たる気持ちになった」とし、「今回チョ容疑者一家を退かせなければ、再来年には、趙顯?の復讐するという言葉のように、職員たちに過酷な仕事と労働で復讐すると思う。今回の機会に大韓航空の主人は職員だと想起させてやらなければならない。 海外支店、運航、整備など皆が心を合わせて一緒に取り組んでほしい」と声を高めた。
 彼らは自由発言の合間合間に「大韓航空」を入れて改詞した歌「ああ、大韓民国」を合唱したり、「誇らしい大韓航空、恋をする大韓航空、守るぞ大韓航空」を連呼し、掛け声を叫んだ。
 集会、行動ではオーナー一族を批判する「CHO、You are FIRED!」、「No Mercy」ような文句をはじめ、「I KAL」、「Proud of Korean Air」のような愛情のこもった言葉もあった。
 この日、大韓航空、前職・現職の職員、韓進(ハンジン)グループ系列会社の職員と家族たちをはじめ、一般市民など500人余りが世宗(セジョン)文化会館の階段をいっぱいに埋め仮面をかぶって集会場所に集まった大韓航空の社員たちが目に付いた。
 大韓航空の職員連帯は、趙会長一家の強気と違法行為を収集・告発してきたカカオトーク匿名チャットを通じて、ろうそく集会の日程を告知しながら、会社側が集会参加者を撮影し捜索して、人事などの不利益を与えないかと言う憂慮の中で「仮面やマスクで顔を隠して集会に行こう」、「集会が終わってもすぐマスクを脱いだり、まっすぐ家に行かないで」、「知らない人物とできるだけ対話を自制せよ」などの指針を共有した。
 カカオトークオープンチャットルームを作って集会を企画した管理者は司会者を通じて意見を伝えた。管理者は「今日、私たちがこの場に集まった目的は、趙亮鎬会長一家と無能な経営陣の一括退陣やパワハラ行動の根絶のためだ。彼らの非人間的で不合理な行為をこれ以上黙認できない。このように望んだ人がまず世の中と会社のためこの場から始まる」、「私はチャット部屋に隠れているが、皆さんの心一つ一つの勇気から得た力を尽くして皆さんと共にいる。私たち皆は大韓航空を愛する気持ちでこの場にいる」と明らかにした。
 この日のろうそく集会は、大韓航空3つの労組をはじめ、外部団体と連携なしに単独で集会が進行され、第2度目のろうそく集会も予告した。
(労働と世界より)

高速鉄道統合へ国民運動本部発足

外注化・非正規化逆転し公共性強化を

オムギルヨン(ソウル)

 今年2月8日、全国鉄道労働組合は韓国鉄道公社とこれまでのストなどで短くて4年長くて14年の解雇者98人の復職に合意した。これまでパク・クネが進めた分割民営化の弾圧を押し返す勝利だった。しかし、鉄道労組はすぐさま新自由主義の下で推し進められた民営化、外注化による職場の分断を一つに戻す運動を進めている。この闘いは非正規の労働者とともに闘おうとするものだ。(「かけはし」編集部)
 2013年12月22日。その日あった警察の民主労総事務室への侵入を私たちははっきり覚えている。鉄道労組指導部を逮捕するという名目で当時、約5千人の警察兵力が動員され民主労総事務室がある京郷新聞社に警察が乱入する過程で出入り口のガラスをハンマーでばらばらにした場面がまた記憶から冷酷によみがえる。
 このように鉄道ストを必ず止めるという朴槿恵(パク・クネ)政府の一念は「民主労総事務室に対する公権力投入」という史上初の弾圧につながった。周知のとおり当時、鉄道ストの理由は水西発KTXの民営化反対だった。
 異例的に国民の多数が、鉄道労働者の闘争に惜しみない支持と激励を送ってきており、鉄道労働者たちにも列車を止めて民営化を止めるという意志が充満した。しかし、朴槿恵政府は「不法ストへの厳しい処罰」を云々し、弾圧一辺倒に出ており、結局、水西(スソ)発高速鉄道SRT分割民営化(鉄道公社一部民営化)が強行された。
 それから4年余りが経った今、これまでの至難な闘争の延長線で「高速鉄道は一つに、国民運動本部」が作られて、高速鉄道の再統合運動を本格化している。

分離民営化口実
嘘が白日の下に
鉄道は競争と利潤追求の対象ではなく、誰でも簡単かつ便利に、そして安価で利用することができなければならない。だから2013年末から行われた23日間の鉄道スト、至難なほど続きに続いた鉄道民営化反対闘争は、鉄道労働者だけでなく、鉄道を利用する市民のための闘いでもあった。
朴槿恵政府が水西発高速鉄道の分離(「親会社」のコレールから水西発KTX「子会社」設立)の理由に掲げた主要な論拠は「競争体制導入によるサービス向上」と「料金引き下げ」だった。
しかし、このような主張は、すべて嘘であることが発覚した。鉄道の特性上、競争体制導入自体がそもそも成立可能な構造ではないためだ。たとえば、ソウル地下鉄と都市鉄道そして鉄道の広域電車は、相互競争によって相対的にサービスの品質が優秀なところを選択して利用するのではない。大多数の利用客たちが最も優先的に考慮する事項は出発地や到着地を基準にアクセスに便利な汽車駅を選択するものだ。
したがって、高速鉄道発足で、鉄道競争体制導入を通じてサービス改善の効果が出たという朴槿恵政府の主張は全く事実ではない。さらに、料金引き下げの内幕も政府の民営化政策を正当化するための方便であるだけだった。
料金が高い優良路線だけ運営するSRは料金を引き下げてもすぐには営業収益に大きな打撃がない。もし、既存の高速鉄道(コレイル)がSRと同様に収益が担保される路線だけ運営して貨物、支線、セマウル号・ムグンファ号などを運営しなければ、現行より料金を相当水準引き下げすることができるだろう。
しかし、鉄道は国民の移動権を保障し、交通弱者を保護するなど、普遍的サービスとして、公共交通としての目的を充実しなければならない交通手段である。収益性が落ちるという理由で都心の外の山間僻地路線を廃止したり、貨物列車、広域電車、セマウル号、ムグンファ号などの運営を縮小したらどうなるか?
実際、民営化されたSRの黒字が大きくなるほど、コレイルの赤字も急速に膨れ上がっていて、これはそのまま一般列車の運行の縮小または赤字路線の廃止などサービスの質の低下につながっている。このような事実だけを見ても、コレイルとSRの二元化された運営が鉄道の公共性を毀損していることは明白だ。

民営化の弊害を
復旧する闘争へ
今、進行される高速鉄道統合運動はタイトルそのまま「SRの再統合」だけに限られている。しかし、高速鉄道分割に劣らず多くの業務の外注、委託化、そして非正規職(子会社)化がすでにあちこちで行われた。これを戻す闘争をしないまま公共鉄道について話すことは、自家撞着である。よく問題点が知られたKTXの乗務員だけでなく、出札業務も鉄道公社の職員の業務にはない。 整備業務の相当部分もすでに外注化されている。そしてこのように分割された鉄道労働者らの労働条件は劣悪極まりない。
今ソウル駅では「非正規職撤廃、完全な正規職化を勝ち取る」を掲げて籠城闘争を行った同志たちがいる。 このような闘争を更に拡大して強化しなければならない。高速鉄道統合運動とともに、民営化政策の弊害を戻す闘争を積極的に組織して拡大しなければならない。
これはすぐに鉄道の公共性を強化する道に違いなく、これまで行われた民営化阻止闘争の実を作ることでもある。一歩進んで政府と資本が、この十数年間持続してきた新自由主義政策の廃絶の一助となる闘争になるだろう。
(社会変革労働者党「変革政治64号」より)

朝鮮半島通信

▲朝鮮中央通信は5月16日未明、板門店で同日予定していた朝鮮と韓国の高官会談を中止すると発表した。
▲韓国の聯合ニュースは5月19日、黄海の南北境界に近い韓国領・白?島付近の沖合で同日未明、韓国軍が小型の木造船に乗った朝鮮の40代の男性2人を保護し、2人が亡命の意思を示したと報じた。
▲朝鮮中央通信は5月18日、党中央軍事委員会第7期第1回拡大会議が開かれたと伝えた。会議開催の日時は報じられていない。朝鮮中央テレビは、同会議で発言する金正恩朝鮮労働党委員長の様子を報じた。
▲朝鮮赤十字会の報道官は5月19日、2016年4月に中国のレストランから韓国に集団亡命したと韓国が主張する朝鮮人女性従業員12人の送還を要求した。
▲朴槿恵前大統領の友人の崔順実氏が娘を名門大学に不正に入学させたとして業務妨害罪などに問われた裁判で、韓国の最高裁は5月15日、崔氏に懲役3年を言い渡した。一連の事件で実刑が確定したのは初めて。

コラム

見果てぬ夢

 連休中に光州蜂起を題材にした「タクシー運転手」を新宿の映画館で立ち見で観た。5・3憲法集会に行くバスの中で、女性二人がこの映画について話していた。昨年の韓国キャンドル革命の影響は確実に日本の運動圏にも届いている。
 韓国では光州蜂起で最後の市民軍放送をした女性が逮捕され、有罪判決を受けたが、最近大法院で再審無罪が確定した。また当時の映像が発見されるなど、光州蜂起の意義が深められている。五年後にまとめられた「全記録光州蜂起」(柘植書房)をぜひ読んでほしい。
 四月の南北首脳会談によって、「朝鮮戦争の休戦協定を平和条約にする。二度と戦争を起こさない」という板門店宣言は多くの人の共感を呼び、今後への期待を持たせている。
 朝鮮戦争は極東アジアに極端な軍事体制を残した。百万人近い軍隊をもつ国家がにらみ合うことになり、北における官僚的専制労働者国家、南における反共軍事国家が成立した。日米安保体制、米国による沖縄の軍事植民地化の確立。
 今回の南北首脳会談は、半年前まで、核実験、弾道ミサイル発射を繰り返していた金正恩が対話にかじを切ったことにより行われた。その根底には韓国のキャンドル革命による文在寅政権の成立があった。パク・クネが政権を継続していたらありえなかっただろう。韓国民衆の力が基底にあり情勢を動かしている。
 しかし、文政権は在韓米軍の撤退やサードの撤去をしようとしていない。今後、南北の大幅な軍縮や民衆の自由往来、韓国国家保安法の廃止、北における人権の確立・自由選挙などを実現していかなければならない。
 映画を観るのと同時に、「アリランの歌―ある朝鮮革命家の生涯」(ニム・ウエルズ著、岩波文庫)を読んだ。一九一九年三・一独立運動から中国における広州蜂起、上海や「満州」における抗日運動と一九三〇年代の中国、朝鮮、日本をまたにかけた活動を行ったキム サン・朝鮮革命家の伝記である。彼らの革命運動は国境を超えたアジア規模の革命をめざす壮大なものだった。
 今、朝鮮半島・東アジアで起きている地殻変動も、為政者間の取引きにまかせるのではなく、かつて見果てぬ夢に終ったキムさんらの夢の実現に向けた闘いを引き継がなければならないだろう。
 沖縄・辺野古の闘いに韓国の反基地団体が参加し、交流が始まっている。民衆の反帝国主義・専制独裁との熱い闘いによってこそ、民衆のアジアは実現されるだろう。(滝)



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