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    かけはし2018年4月30日号

「絶対に止める」の意思貫く


沖縄報告 4月23日

海を殺すな! 資材搬入STOP!

沖縄 K・S


4.23

1週間連続ゲート前行動

初日4・23、700人で
終日ゲート前を占拠

 一週間連続で五〇〇人がゲート前に座り込み資材搬入を阻止する行動の初日、全県、全国から集まった人々がキャンプ・シュワブの工事用ゲート前を埋め尽くした。平日にもかかわらず、午前八時半ですでに四〇〇人を超え、その後も参加者は増え続け、最大七〇〇人に至った。文字通り人の海だ。全県各地の島ぐるみのバスに加えて、個人やグループのワンボックス車や乗用車、さらに全国各地の参加者のレンタカーも辺野古ゲート前に結集した。
 マスコミの注目も集まった。朝から新聞社、テレビ局の取材陣が張り付いている。月曜日の進行担当は統一連事務局長の瀬長和夫さん。辺野古ゲート前連続六日間五〇〇人集中行動実行委員会・共同代表の奥間政則さんと儀保昇さんが前に立ち、「海も陸も工事を止め、辺野古新基地を止めよう」と檄を飛ばした。県議・市町村議に加え、参議院議員の糸数慶子さんと伊波洋一さん、衆院の赤嶺政賢議員も座り込みに参加した。救護班、弁護士、送迎車も万全だ。
 朝から装甲車両数台を基地内に待機させていた警察機動隊は、ゲート前の人海を軽く見たのか、自分たちの警備力を過信したのか、いつものように午前九時前に座り込みの現場に現われたのち、ゴボウ抜きを始めた。座り込む人々の抵抗はいつにもまして粘り強い。警官がたじたじとなり手を焼いている。ゴボウ抜きが繰り返されてもなかなか座り込みの人が減らないと思えるほど、ゲート前は人波であふれかえり、排除されたらまたゲート前の別の所で座り込みの輪が広がった。
 ゲート前には南の久志方面から砂を積んだダンプやコンクリートパイルを積んだトラックなどが列をなし、北の二見方面からは砕石を積んだダンプや生コン車などが列をなしたまま動けない。警察機動隊が座り込みを排除しゲート前に停車させている警察車両を移動しゲートを開けない限り、工事車両は入れない。
 午前一一時。ゴボウ抜きの開始から二時間たってもゲート前の座り込みは続いている。VFP(ベテランズ・フォー・ピース、平和のための退役軍人の会)のメンバーは「高江ヘリパッドNO!普天間飛行場閉鎖、辺野古新基地NO!」と英語で書いた横断幕を広げて「今日の行動に参加するためにアメリカからやってきた。絶対に勝ちましょう」とアピールした。マイクに合わせて座り込み参加者から「警察は撤収せよ」「県警はいつから基地を守る警察になったのか」「機動隊帰れ」「弾圧ヤメロ」などの掛け声が途切れることなく鳴り響いた。
 警察機動隊の乱暴な排除でけがをしたり体調を崩したりして救急車が二度も到着した。常識的に考えて、ゲート前の五〇〇人をこえる座り込みを県警が排除するのはそもそも無理だった。県警は時宜を失せず排除をあきらめて撤収の決断を下すべきだった。ところが、安倍官邸の意向を忖度したのか、あるいは直接の指示があったのか、それとも座り込みに負けたとなると警察のメンツを失うことを恐れたのか、あるいは防衛局が資材を積んだ工事車両を一度はゲート前に待機させた後無為に帰したくなかったのか、県警は座り込み排除にこだわり続けた。その結果、国道三二九号線は朝から大渋滞。三時間経っても四時間経っても座り込みが続き、ゲートが開かない。工事車両は動かない。ゲート前連続行動の初日は成功した。座り込み参加者の意気はいやがうえにも高い。あちこちで「やったね」「大成功だ」と笑顔で言葉をかけ合う姿が見られた。
 午後一時、業を煮やした防衛局と県警はあろうことか、警官による細い通路を確保して人があふれるゲート前に無理やり工事車両を通そうとした。案の定ゲート前は座り込みの人波とガードマン、警官入り乱れての押し合い、大混乱の中,工事車両は立ち往生した。この中で押されて倒れ肋骨や鎖骨を折るなどケガ人が続出した。最終的に三時前後までに朝から行列をつくっていた工事車両の搬入が行われた。
 ゲート前に人が集まれば資材搬入はできない!ということを結集した一人ひとりの意思で示した。埋立を止めるまで何度でもゲート封鎖の連続行動をやり抜こう。政府の意思が勝つか県民の意思が勝つかの分かれ道だ。全力をつくして、護岸工事に続く土砂投入を止め、基地のない沖縄の未来をこじ開けよう。

4.21

辺野古ゲート前に150人

警察の排除・資材搬入は終日なし

 四月二一日土曜日の辺野古現地行動は全県各地から一五〇人が結集しキャンプ・シュワブゲート前に座り込んだ。県警の強制排除・資材搬入は終日なかった。
この日の進行担当は平和運動センターの大城悟事務局長。はじめに山城博治さんのリードにより全員立ち上がり、「沖縄今こそ立ち上がろう」「座り込めここへ」を力いっぱい歌って座り込みを開始した。新報、タイムスに加えて、テレビ局のRBCとNHKの取材クルーも張り付き、緊張感が漂う中、まず、ヘリ基地反対協の安次富浩さんが次のように発言した。
「今日の夕方、名護市内で、サンゴ移植をテーマにしたシンポジウムがある。サンゴの生物学の専門家・大久保奈弥東経大准教授をはじめ、日本自然保護協会の安部真理子さん、平和市民連絡会の真喜志好一さん、地元名護の浦島悦子さんが発言し意見交換する。サンゴの移植はサンゴを殺す。やってはいけない。この間新基地のさ制限の問題が明らかになったが、これまでずっと隠してきた。都合の悪いものは隠蔽するという安倍政治がここでも明らかになった。東清琉大教授をはじめ環境監視等委員会の三人の委員の辞任は学者としてのプライドをかけたものだ。防衛局のやっている委員会は防衛局にお墨付きを与えるだけの御用機関にすぎない。デタラメな新基地建設ができないことをもっと強く訴えていく」。
続いて発言に立った山城さんは「四・二三〜二八の一週間行動に協力しよう。多くの人がゲート前に座り込んでトラックを止める。整然とやる。勝利に向かっての一週間にしよう。辺野古へ。ゲート前へ。座り込んでトラックを止め、基地建設を止めよう。二〇年来の辺野古の闘いの正念場だ。七月の土砂投入という差し迫った事態に、運動を分裂させ現場を混乱させることは止めて欲しい。今大事なことは座り込むこと。県民投票は翁長さんを再選させた後にやればいい。承認撤回が二、三週間で政府によって執行停止されても落胆することはない。また闘い抜けばいい。県知事の権限があれば基地建設を止めることは可能だ。県民投票に負けたら基地建設に賛成するなどというのは裏切りだ。腹が立って仕方がない。現場がカギだ。六月まで最大の闘いをつくっていこう」と呼びかけた。
山城さんはまた、乗松聡子さん編著の『沖縄は孤立していない』(金曜日)の出版記念シンポジウムに出席してきたことに触れ、「キャサリン・ミュージックさんやオリバー・ストーンさんなど沖縄に思いを持つ世界の人々が発言している。多くの人にぜひ手に取り読んで欲しい」と述べた。
稲嶺進前名護市長は「私は安次富さんや山城さんのように激しく訴えることはできないが、八年間静かに抵抗してきた。しかし椅子に座る人が替わったので今後に関し危惧している。沖縄は依然として七〜八割の人びとが新基地に反対している。ゴボー抜きされてもまた戻ってきて続ける。しっかりと意思表示を続けることが大事だ。昨日東海岸漁協の総会が行われた。私は顧問になっている。名護漁協は金で漁業権を売り渡したが、海は一部の人たちのものではない。みんなのものだ。山の入会権を考えれば明らかだ。海も同じこと。新たな漁協は既存の組合とは違う取り組みをする。みんなで座り込んで頑張ろう」と訴えた。
生物学者の屋冨祖昌子さんは辺野古の海岸に打ち上げられたハマサンゴの骨格死骸を手に取って、「辺野古・大浦湾の小さな場所に世界中でここだけという固有種が多く生息する。貴重な海だ。辺野古の護岸が囲われたら底生生物は死滅する。貝だけで一〇〇〇種近く生息する生物多様性の海を埋めてはいけない。沖縄県の行政権限を使えば埋立は止められる」と訴えた。
平和市民連絡会の城間勝さんは四月二九日の「六月土砂投入までに撤回を―繰り返される違法な埋立て行為と即時承認撤回の法的根拠を考える―」との講演会への結集を訴えた。講演会では、行政法・地方自治法の専門家の本多博利元愛媛大教授が「二つのタイプの撤回―取り消し撤回こそ先決」と題して、岩国市議の田村順玄さんが「岩国市民をだまし市民生活を破壊する岩国基地の沖合展開」と題して、平和市民連絡会の北上田毅さんが「もう許されない―防衛局の数々の違反行為を問う」と題して講演を行う。
埼玉から参加の杉浦さんは「二〇〇七年から辺野古に通っている。六〇年安保の時は学生自治会のリーダーとして参加した。安保に反対したのは戦争に反対だから。沖縄の空気も水も土地もアメリカのものではない」と述べて、『沖縄を返せ』を熱唱した。
また、山口県から参加の女性が、原発に反対する上関町民の会や上関原発を建てさせない祝島島民の会などが呼びかける上関原発新規立地中止を求める署名を行った。

4.21

サンゴ移植シンポジウム

大久保准教授
「防衛局は論文を曲解」

 名護市内で開かれたシンポジウム「サンゴ移植は環境保全措置となりうるか」(ヘリ基地反対協議会主催)で、大久保奈弥准教授は、沖縄防衛局が大久保准教授の実験データをもとに作成された県のマニュアルをもとに四月末までのサンゴ移植をめざしていることについて「防衛局は論文を曲解している。怒り心頭だ。この時期はサンゴの産卵前の臨月でストレスを与えるべきではないとはっきり言っている。県は防衛局に許可を出すべきではない」と述べた。

4.18

辺野古ゲート前に100人

機動隊の排除がますます乱暴に

 四月一八日水曜日のゲート前座り込みは那覇南部、北部地域の島ぐるみを中心に一〇〇人が結集し、朝昼午後三回の強制排除・資材搬入に対し果敢に闘い抜いた。警察機動隊による強制排除は乱暴の度合いを増している。警官たちは、ゲート前に座り込む人々を道路交通法に違反する不法の輩くらいにしか認識していないのだろう。警察官たちの排除の際の節度のなさは目に余る。この日の救護班は、群馬からの女性と新潟からの男性の二人が務めた。
一回目と二回目の資材搬入の合間にテント前で集会がもたれた。平和市民連絡会の高里鈴代さんが進行役を務め、北部地区労、糸満、南風原、八重瀬、今帰仁、名護などの島ぐるみが活動報告と決意表明に立った。いーなぐ会の浦島悦子さんは「いーなぐ会の総会を明後日開き、名称を『稲嶺市政を支える女性の会』から『名護市政を考える女性の会』に変える。略称のいーなぐ会に変更はない。辺野古弾薬庫の改修が進んだ。トランプは沖縄に核を持ち込む考えを持っている。二見以北10区の会では、防衛局長を読んで説明会を開く計画だ」と述べた。
熊本の劇団天然木のメンバーの女性は、「先週一〇日から辺野古にいる」と切り出し、父(舞台美術)母(脚本、音楽)長女(振付)次女(脚本)そして全員役者という劇団の紹介をした後、日帰りで天国に行って帰ってきた人をテーマにしたミュージカルの一部を演じた。そして、森が火事になった時みんな逃げ出した中で水を一滴一滴運ぶという「ハチドリの歌」を歌った。



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