もどる

    かけはし2018年3月5日号

不当解雇者98人全員復職へ


鉄道労組電撃合意発表

安全対策や勤務環境改善など今後協議

 公共運輸労組、全国鉄道労働組合は2月8日午前、鉄道労使懇談会で、鉄道労組の解雇者98人に対する復職を電撃合意したと明らかにした。
 主な合意内容は▲鉄道発展委員会構成▲安全対策や勤務環境改善▲平昌五輪成功的開催などであり、現在、工事と復職の具体的な案に対する後続実務協議を進めている。
 また、専門家、市民社会などとともに鉄道発展委員会(仮称)を構成して鉄道再跳躍に向けた活動に乗り出すことにした。若者の雇用創出と鉄道組合員の安全対策作りと勤務環境改善にも意見を共にした。特に労使葛藤をもたらした各種懸案と課題も対話と妥協で円満に解決することにし、以前の対立と葛藤の労使関係を清算し、新たな転機を設けることで合意した。また、平昌五輪の成功的な開催のために相互努力することで合意した。
 クアンチョル鉄道労組委員長は今年を鉄道が一段階跳躍する重要な時期と言って、鉄道民営化を防ぎ、公共性を守るために犠牲を払った組合員の名誉回復と解雇組合員の復職を促した。さらに、賃金と団体協約の更新、理不尽な人事など各種制度を円満に改善して勤務中に死亡する組合員がないように安全な鉄道を作っていこうと提案した。
 呉泳食(オ・ヨンシク)新任社長は「解雇者問題は、労使関係と鉄道の発展の妨げとなっている」、「速やかに解決して対話と疎通、相互信頼を基本にした労使関係を作っていく」と明らかにした。円満な労使関係の復元を「国民の命令であり、要求」ともした。
 続いた懇談会で公社は、鉄道労組の要求を突然受け入れた。労使は15年間引きずってきた解雇組合員の復職と平昌五輪の成功的な開催、若者の雇用創出などの6つの主要項目に合意して、具体的な実行案は実務協議で議論することにした。

民営化での解雇者全員復職実現

 コレイル(鉄道公社)の労使が鉄道民営化と公企業の構造調整などに抵抗していたが解雇された労働者らを全員復職させることで合意した。長くは15年間解雇の状態で務めた労働者98人が職場に復帰することになった。
8日午後、コレイルと全国鉄道労組は、大田(テジョン)本社で労使代表者懇談会を開き、「これまでの鉄道政策の限界で惹起されたストなどによって発生した解雇者に対して早急な復職措置を施行して、具体的履行案を推進する」と合意した。……(略)
クアンチョル鉄道労組委員長は「復職合意が長くは15年、リストラの歳月をすべて補償してあげることはできないけど、これまでの痛みを治癒する第一歩になることを願う」、「ただ、鉄道の公共性を守るために闘ってきたこの努力が決して無駄にならなかったことを今日の復職の合意で証明した」と明らかにした。
これによって、短くは5年から長くは15年まで解雇生活をしてきた労働者たちは、近いうちに職場に戻る。
鉄道労組は、歴代政府の鉄道産業構造改編と民営化政策などに反対し、数回ストを繰り返してきた。この過程で、組合員約数百人が懲戒処分や解任、罷免を受けた。今まで復職しなかった組合員は、計98人だ。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府時代の2003年、鉄道庁→鉄道公社への転換に反対する40人が解雇された。
2007年〜2008年、外注化構造調整に反対した4人が解雇処分を受けた。2009年には李明博(イ・ミョンバク)政府がいわゆる「公企業先進化政策」を推し進めようとしたことに対して行われたストで最も多い44人が職場から追い出された。
朴槿恵(パク・クネ)政府の時の2013年には首都圏高速鉄道(SR)の分離や民営化に反発してストを主導した労組幹部ら10人が解雇された。ほとんどの解雇者が長期間生計はもちろん、うつ病や家庭崩壊などの困難を経験してきた。2011年には解雇者1人が自ら命を絶ったりもした。
文在寅(ムン・ジェイン)大統領は候補時代、かれらを本来の職場に送り返すと約束した。金賢美(キム・ヒョンミ)国土部長官も「コレイル社長が決定されれば、労使合意の手続きを通じ、復職できるようにする」とした。
今回の復職の合意は呉泳食社長が去る6日、就任初の振る舞いとして本社前の解雇者のハンスト場を訪れ、「早いうち復職できるようにする」と約束してから2日ぶりに行われたものだ。
クアンチョル労組委員長は「これまで鉄道民営化など、誤った政府政策に対抗して、鉄道の公共性を守ろうとした組合員たちの不断の努力と犠牲があった」と言い「苦痛な解雇の日々をそばでともに守ってくれた解雇者たちの家族たちにも感謝する」と明らかにした。
コレイルの復職合意が公共部門全般にわたっている解雇者問題を解決する信号弾になるか注目される。 民主労総によると、公共部門で約330人余りが解雇状態だ。労組活動を理由に解雇された公務員が136人、法外労組弾圧反対で解任された教師が60人余りだ。公共機関では、鉄道労組のほかに発電労組と地下鉄労組など基幹産業の民営化や、成果年収制推進などに反対していたが解雇された人が多い。
さらに、2006年の不法派遣に反対する職場を失ったKTXの乗務員33人の復職問題はまだ現在進行形だ。2015年、最高裁判所がこれらの不法派遣を認めた下級審を曲げて生じた数億ウォン台の返還金問題は最近、宗教界の仲裁で解決された。
コレイルの労使は乗務員の復職問題を公共部門の正規職化政策の延長線上で解決していくことになる。昨年からの労・使・専門家協議会を開き、KTX乗務サービス業務を委託された子会社「コレイル観光開発」労働者たちを直接雇用に転換するかどうかを議論しているが、まだ結論は出なかった。(「労働と世界」より)

最低賃金違反申告センター開設

最賃引き上げ逃れ横行の実態公表

構造調整で解雇される非正規職労働者


 民主労総が「新年が始まるとともに最低賃金で多くの労働者らが苦痛を受けている」とし、民主労総の事業場内で行われている最低賃金の引き上げによる構造調整、解雇、小細工を使った労働時間短縮、賞与金割れなど、各種の被害事例を発表した。
 民主労総は1月23日午前、ソウル中区貞洞(チュング・チョンドン)のフランチェスコ会館で「民主労総、最低賃金違反申告センター(1577―2260)相談内容・被害事例発表及び対応の記者懇談会」を開き、「最低賃金には罪がない。最低賃金を受けている当事者にも罪がない」とし、昨年の11月から今年1月15日までの約70日あまりの間、15の地域労働相談所、労働の法律支援センター、労働センターなど民主労総、最低賃金違反申告センターに寄せられた類型別の相談内容を発表して、最低賃金制度の改悪阻止と最低賃金の引き上げ無力化の使用者の小細工、民主労総の要求案説明と計画への対応方向を伝えた。
 金明煥(キム・ミョンファン)民主労総委員長はあいさつの言葉を通して「過去数十年間で最低賃金が上がってきたが、今回は最低賃金が大幅に上がったからといって、あたかも我々の社会が亡びるように噂されている」、「最低賃金の引き上げで恩恵を享受する人たちが罪人扱いを受けている」と指摘した。
 さらに、「新年からそんなに(最低賃金の引き上げに対する歪曲)報道するマスコミは、どのような権限を持ってそうするのか」、「私はこれが韓国社会に蔓延している弱者を蔑視する観点と態度と見ている。弱者を食いちぎって無視する論調の報道を自制してほしい」と強調し、「最低賃金の恩恵者たちは我が社会の内需活性化と経済の活性化の主役になるはず」と付け加えた。

大学での人員
削減、解雇攻撃
さらに、最低賃金引き上げによる現場の被害事例の証言が続いた。弘益大学で10年余り掃除労働者として働いたユンチュンスン・公共運輸労組ソギョン支部弘益(ホンイク)大学支部組合員は大学や用役会社で最低賃金の引き上げによる費用の増加が財政に負担になるという理由で解雇された。ユン組合員は「先月29日、いきなり解雇になった」、「10年以上も働いた人たちをどのように一言もなく辞めろというのかとても悔しい」と涙を流したりもした。
李m子(イ・ギョンジャ)公共運輸労組ソギョン支部、延世(ヨンセ)大分会長は「延世大学側が去る2日から離れた定年退職者らの空白を新しく埋めてくれていないため、8日目のストを行っている」、「5日前から立てこもっている大学本館1階に温水と暖房も途絶えた状態」と訴えた。
ソンスンフヮン・公共運輸労組ソギョン支部組織部長は「政府は、良質の雇用を創出し、非正規職を減らしていきたいとしているが、教育機関である大学から構造調整を行っている。添付資料にもあるが、これは昨年から計画されていた」と指摘した。
さらに、「大学は、支払能力がないことはない。 毎年積立金を積んできている。支払能力がある大学が最低賃金の引き上げで人員を削減している」、「最低賃金の引き上げの無力化と共にコスト削減に向けての長期的な構造調整計画としてみなければならない」と批判した。
現在、ソウル市内の主要大学をはじめビルで働いている清掃労働者(37人)、警備労働者(21人)、施設労働者(2人)など計60人が人員削減および構造調整で解雇された状態だ。
一般連盟ソウル一般労組、東国(トングク)大学の分会と崇実(スンシル)大学の分会など、大学でも同様の問題が発生した。特に東国大学では掃除労働者が抜けた席を在学生を相手に清掃労働業務を遂行する奨学生選抜の公告が掲示された。
大型マートでも最低賃金のルール違反が発生した。同日、参加したチョンジュンモサービス連盟スーパー労組ノードソン局長は「労働時間短縮を意図して、労働者を欺瞞した」、「低賃金労働者の同意のない労働時間短縮は、賃金削減であるだけ」と主張した。
チョンジュンモ教宣局長によると、イーマートは、ここ数年、2400人余りの人材を減らしてきた。イーマート支部は増員なしで労働時間を短縮すれば、労働強度が強化されて、労働者たちが大変になると憂慮していたが、新年に入って、イーマートは、労働時間を週40時間から週35時間に短縮した。労働時間が減ったのではなく休憩時間が減った。化粧室に行くことすら機嫌をうかがうようにしていて、1時間ご飯食べる時間を30分に分けて、その30分を割いて休むようにしている。
マート労組のある組合員は「8時間勤務で7時間に減ったら業務量も減少しなければならないが、むしろさらに増えた。8時間にしなければならないことを7時間以内にする。8時間以内にしなければならないことも時間が足りなかった」、「業務時間が減ったら業務強度のために人を募集しなければならないが、むしろ減らしており、人が減って生じることまで業務処理をしている。このような問題として、良質の暮らしに向けて生きることのできる人生とは言えない」と糾弾した。
以降、製造事業場で発生した事例につながった。ヤンキチャン金属労組副委員長は「最低賃金引き上げ問題が雇用不安に拡大されている」、「最低賃金の引き上げの無力化を狙う企業の違法、不法問題が深刻だ」と話した。
さらに、自動車チャイルドシートカバーを製作するソンジンシーエスの事例を挙げ、「2018年最低賃金の値上げ以降、会社が無償提供中華料理を有償に変えて、公休日を年次休暇に振替えて休日制として実施した」と打ち明けた。さらに、「会社側が一方的に労働条件を変えようとすると、労働者らは、金属労組に加入し、その後、会社側はすべてを原状に復旧すると言ったが納入単価に最低賃金引上げ分が含まれていないとし、廃業を発表した」と伝えた。

最低賃金法の実効性の確保に向けて
「最低賃金違反申告センター」に寄せられた相談の結果を確認した結果、約15%が最低賃金と関連した相談だった。特に、民主労総は2163件の相談を確認した結果、労働時間短縮、ボーナスの基本給化、不当解雇など事例が蔓延したと主張した。
最低賃金相談の類型で最も多くの事例は賞与金、食事代、交通費など最低賃金への算入対象がない賃金項目を基本給化する方式だった。裁判所は労働契約書に明示された賃金項目、賃金支給方法について不利益変更する場合、就業規則不利益変更手続きだけでなく、勤労契約書の内容変更のために個々の労働者の同意も経なければならないと判示している。
朴主永、民主労総・法律院労務士は「個別労働者の変更なしに勤労契約書上の賃金項目を任意に廃止、基本給に変更することは無効」と強調した。
さらに、「特に、就業規則不利益変更に同意しなければ、退職強要または整理解雇をするしかないとか会社廃業を行うと脅かして同意を督促する事例が頻発する」、「労使協議会の合意だけでは就業規則不利益変更が不可能であることもまるで労使協議会ですでに合意され、基本給化されることを既成事実のようにだまして労働者に個別同意書に署名することを要求するのは違法行動として厳しい制裁が必要だ」と話した。
民主労総は最低賃金法の実効性の確保に向けて△監督強化のための専担勤労監督官制度の導入及び名誉勤労監督官運営△懲罰的損害賠償制度、常習最低賃金違反事業場の処罰強化△、最低賃金違反申告の簡素化、最低賃金遵守イプジュン責任を労働者で使用者に転換△最低賃金未払い賃金労働部、前払い、後代位権行使など、制度の見直し△公共部門の最低賃金遵守対策の提示など法制度改善を行わなければならないと主張した。
(「労働と世界」より)

朝鮮半島通信

▲大韓民国(以下、韓国)の宋永武国防相は2月20日、延期していたアメリカと韓国による合同軍事演習の実施時期を、「3月中に発表する」と述べた。合同軍事演習については2月19日、朝鮮民主主義人民共和国(以下、朝鮮)の労働新聞が「情勢を激化させる戦争狂信者たちの挑発行為」と題する個人名の論評で、「アメリカ政府は、韓国との軍事演習の実施により、南北朝鮮の改善に向かっている関係にダメージを与えるだろう」「再び核実験を行うことになる」と警告している。
▲韓国統一省は2月22日、朝鮮が平昌冬季五輪の閉会式に対韓国政策を統括する朝鮮労働党の金英哲中央委員会副委員長・統一戦線部長を派遣すると通知してきたことを明らかにした。
▲産経新聞元ソウル支局長が記事で韓国の朴槿恵大統領(当時)の名誉を傷つけたとして罪に問われた裁判を巡り、ソウル中央地裁は20日までに、韓国政府に対して、無罪判決を受けた元支局長に刑事補償金700万ウォンを支払うよう命じた。
▲ソウル東部地検「ダース捜査チーム」は2月19日、
中間捜査結果を発表した。中間捜査結果は、李元大統領一家の秘密資金造成が「2008年2〜3月まで続いていたことを確認した」としている。



もどる

Back