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    かけはし2018年1月29日号

成田空港 第3滑走路建設許すな


管制塔占拠闘争から40年

1.14

三里塚芝山連合空港反対同盟

2018年旗開きで決意新た

全国と結び全国に発信を



住民の声を全く
無視して強行!
 一月一四日、三里塚芝山連合空港反対同盟(代表世話人・柳川秀夫)は、横堀農業研修センターで「一八年反対同盟旗開き」を行い、四〇人が参加した。
 国交省・成田国際空港会社・千葉県・関係自治体が一体となって飛行制限時間緩和・成田空港「第3滑走路」計画を押し進めている。一八年度政府予算案では成田空港機能拡大に向けて五二億円を計上している。同時に「第3滑走路」計画の着手に向けて地元工作のバックアップを表明している。地元説明会は、すでに一二〇回行われている。「対話型説明会」と言っているが、推進派の一方的な押し付けであることが実態だ。住民に「説明した」という既成事実の積み上げでしかない。
 成田国際空港会社の夏目社長は「新年ご挨拶」で飛行制限時間緩和・成田空港「第3滑走路」計画推進に向けて「可能な限り速やかに更なる機能強化の最終的な結論が得られるよう最大限努力して参りたい」と述べている。説明会で明らかになった住民の不安・疑問・反対の声はほとんど無視し、強行突破する姿勢をあらためて示した。反対同盟は、このような推進派を糾弾し、年頭にあたってあらたな闘う決意を打固めた。

住民に広がる
反対の訴え
開催にあたって山崎宏さん(労闘―労活評/横堀地区)が次のように現地報告した。
「国交省・空港会社が一体となって第3滑走路計画を押し進めている。各地で説明会を行い、同意をとりつけようとしている。しかし、その中でも騒音で大きな被害を受ける地域から強い反発があり、絶対反対だという声もあがっている。とりわけ横芝光町の住民は、『騒音直下で騒音地域が拡大するばかりだ』『地元にはなんの利益もない』とかなり強い反発が噴出している。第3滑走路計画はデッドロツク状態だ」。
「一方、地元自治体は、国や空港会社から取れるものはどんどん取っておこうと地域振興策と引き換えに容認していこうとする動きがある。芝山町、成田市、多古町は前のめりになっている。私たちは第3滑走路計画に反対し、同時に飛行制限時間緩和に対しても反対の声を上げていこう」。
柳川秀夫さん(反対同盟代表世話人)は、冒頭、横堀の大鉄塔の一番高い部分が老朽化したので業者に頼んで撤去したことを報告し、今後も鉄塔防衛のために協力を呼びかけた。
さらに「第3滑走路問題は、結局、どんどん開発し、自分たちが潤っていくという考え方が根底にある。便利になっていくことを優先することは、昔から築いてきた価値を失ってしまうことになる。だからこそ新しい価値観と文明をもう一度きちっと作っていくことが問われている。空港反対の三里塚闘争から全国発信し続けていきたい」と強調した。
石井紀子さん(川上地区)は、「横堀研修センターがみんなで使うことによって支えられている。とりわけ田んぼくらぶの取り組みが重要だ」とアピール。
さらに「昨年、秋の長雨で野菜が作りにくい状況だった。四〇年、ほうれん草を作ってきたが、初めて失敗した。天候のせいだと言ってしまうと、それで終わりだ。なにが敗因かと考えたが、水はけ、芽の撒き方などあらゆる天候を想定しておかなければならなかった。闘いと同じです」。
「昨年一二月、『週刊金曜日』の依頼で東峰の小泉英政さん、平野靖識さん、私、萩原富夫さん、大森武徳さんの座談会を行った。島村昭治さんの息子の努君が『私がここで生きている理由』という文章を寄せてくれた。東峰で一番被害が大きい島村家の声が掲載されたことは、とても大きなことだ。しかもこれから農業を担っていく人の声だ。大森君もそうですが、これから闘争を引き継いでくれる人たちの声だ。新しい孫が生まれたが、本当に明るい未来を私たちが用意できるだろうか。私たちは何をしてきたのだろうか。これから何をしなければならないのか。そういうことをすごく考えています」と発言。

平野さん・加瀬
さんから報告
平野靖識さん(らっきょう工場・東峰地区)は、「今年は管制塔占拠闘争から四〇年。成田空港が開港してから四〇年、そしてらっきょう工場の三里塚物産を開業してから四〇年です。私は支援者として三里塚に来て、第一次、二次代執行があった一九七一年の後、三里塚のお百姓たちは、この闘いは長くなるだろうという見通しで自分たちの農業の見通しを立てた。農林省や農協が指導する大量生産、化学肥料・農薬使用の近代農業を拒否して有機農法へとチェンジしていった。この地域の人たちが作る有機農産物を加工していくのがらっきょう工場でした。らっきょう、落花生を加工し、三里塚を闘った人々によって支えられた」と述べた。
そして、「今年四月にらっきょう工場四〇周年の集いを行う。有機農業の力と世代の受け渡しをベースにした集まりです。若い人たちが三里塚でどのように生きていくか、そして地域力をつけていくためには何が必要なのかなどを考えていきたい」と訴えた。
加瀬勉さん(三里塚大地共有委員会代表)は、「国交省・千葉県・空港会社は市町村、地域、集落単位で一二〇回の空港機能拡大の説明会を開いた。会議では騒音問題を中心に不満が続出し、夜間飛行拡大に反対の声が続出した。横芝町長は騒音被害で空港利益をもたらさないし、四者協議会の離脱もありうると表明している。夏目空港会社長は、空港関連交付金が四一億円以上があるが、そのうち地域振興策のために二〇億円を積み上げて六〇億円も出すと表明した。また、地域振興基本プランも出し、四〜七万人の雇用計画も出してきた。四者協議会では、空港機能拡大に賛成しているが、市町村格差が増大し、交付金を増額せよと要求している。成田市長は、集団移転には責任は持てない、個人で解決してほしいと言っている。芝山町の相川町長は、三〇億円の交付金を要求し、移転については芝山に住んでよかったと思えるインフラ整備をすると公言している」と報告。
さらに「首長は温度差はあるが交付金に群がるハイエナである。権力の飼い犬にすぎない。空港で犠牲になる住民を生贄にしようとしている」と厳しく糾弾した。

三里塚の闘いは
沖縄につながる
清井礼司弁護士は、「かつて三里塚の地下壕はベトナムに繋がっていると言って闘った。現在は、沖縄に繋がっていると言って闘っていきたい」と決意表明した。 さらに高見圭司さん(スペース21)、日米安保終了を通告する会、中川憲一さん(元管制塔被告団)、渡邊充春さん(関西三里塚闘争に連帯する会 関西三里塚相談会)からアピール。
沖縄から参加した仲間は、稲嶺名護市長選の報告を行い辺野古新基地建設反対の闘いの連帯を訴えた。柘植書房新社は、加瀬勉さんの闘いの記録本の刊行準備が進められていることを報告した。
最後に団結頑張ろうを行い、交流会に入った。
旗開き終了後、東峰地区に移動し、三里塚空港に反対する連絡会の呼びかけによる東峰現地行動が取り組まれ、開拓道路から空港に向けて「成田空港粉砕!第3滑走路計画に反対!」のシュプレヒコールを行った。        (Y)

1.19

寒風の中で今年初の19日行動

9条改悪を絶対に許すな!

国会前集会に2000人


市民と野党の
協力強めよう
 一月一九日午後六時半から、国会前で今年一回目の「一九日行動」が寒さのつのる中で行われた。主催は安倍9条改憲NO!全国市民アクションと戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会。集会には二〇〇〇人が集まった。
 国会議員からの発言では、最初に共産党副委員長の山下芳生参院議員が発言。山下さんは、沖縄の選挙年でとりわけ重要なものの一つである二月名護市長選に絶対に勝利しよう、と呼びかけた。続いて民進党の杉尾秀哉参院議員(元TBSニュースキャスター)が発言。杉尾さんは二〇一六年参院選・一人区の長野選挙区において、野党共闘の力で当選した。杉尾さんは、希望の党と民進党の参院統一会派形成が流れたことに喜びを表し、「安倍改憲に手を貸してはならない。立憲民主党を中心に安倍改憲に断固反対する勢力を作ることが重要だ」「森友・加計疑惑を徹底追及しよう。『北朝鮮完全破壊』と公言するトランプ米大統領に追随する安倍を許すな。市民と野党の協力を広げよう」と呼びかけた。
 立憲民主党の阿久津幸彦衆院議員は、政治家は何よりも「感性」を磨き、安倍改憲の危険な本質を見抜くことが大事だと語った。社会民主党の福島みずほ参院議員は、「安倍内閣は二〇一八年中にも自衛隊を明記した改憲を発議し、九条三項に規定する自衛隊は集団的自衛権を行使することが可能な組織にしようとしている」と警鐘を鳴らし、絶対止めようと呼びかけた。

沖縄の闘いと
つながろう!
戦争をさせない一〇〇〇人委員会に続いて発言した沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックの青木初子さんは、相次ぐ米軍の事故を厳しく糾弾。基地のない沖縄をつくるためにも二月名護市長選など一連の自治体選挙に勝利し、一二月には翁長知事再選を、と呼びかけた(なお一月二一日投票の南城(なんじょう)市長選では、安倍政権支持で自民・公明・維新が推薦した現職の四選を阻止し、翁長知事を支持する島ぐるみ候補の瑞慶覧(ずけらん)長敏さんがわずか六五票差で勝利した!)。
三〇〇〇万人署名の活動報告では杉並と調布から、街頭や戸別訪問での対話を通した署名活動が成果を収めていることが報告された。続いて大阪から駆けつけた豊中市議の木村真さんが発言。「森友問題は、本当のところ『疑惑』ではなく、もう決まっている話だ。官庁の側の調査でもゼロに近づける払い下げ価格の不正が明らかだ。安倍昭恵さんを出廷させて、真実を語ってもらうしかない」と訴えた。
最後に「総がかり行動」を代表して、高田健さんがまとめの提起。「二〇一八年は改憲発議を阻止する決戦の年だ。三〇〇〇万人署名をはじめとして、あらゆる場で行動を積み上げ、改憲発議ができない状況を作り上げよう!」と呼びかけた。
一月二二日の臨時国会開会日行動に続き、一月三〇日には「あたりまえの政治を取りもどす」1・30シンポジウム(午後六時、日暮里サニーホール、シンポジスト:前川喜平、望月衣塑子、寺脇研)、三月六日には「総がかり行動」として初の「東アジアの平和を求める集会」(午後六時半、日本教育会館大ホール)、そして五月三日には有明・東京防災公園で「9条改憲NO! 平和といのちと人権を! 5・3憲法集会」(午前11時スタート)。
全力を上げて「二〇一八年改憲発議阻止へ!」            (K)

 



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