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    かけはし2017.年12月4日号

稲嶺再選で基地計画に引導を


11.22

名護から市議迎え集会

辺野古の海にも陸にも
基地はつくらせない!

 一一月二二日午後七時から、東京・文京区民センターで「沖縄・辺野古 海にも陸にも基地を造らせない11・22集会」が同実行委主催で開かれた。
 辺野古基地建設反対闘争の記録映画が集会の前段で流され、改めて闘いの意義を確認した。
 青木初子さん(沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック)が「一一月一六日、米軍海兵隊員が飲酒運転で日本人男性を死亡させる事故を起こした。その証拠の車は基地に持ち帰った。昨年、強姦・殺人犯の米軍属の男は証拠品を嘉手納基地に捨て、それ以上の捜査をできなくさせた。こんな米軍の横暴を許さない。大浦湾での辺野古新基地建設、防衛局は岩石の海上輸送を始めた。子どもたちの未来のために、命をかけた反対の闘いを。日米政府に怒りを投げかける闘いを。来年二月の名護市長選で稲嶺進さんの再選を勝ちとるために東京から支援を強めよう」と主催あいさつをした。
 
市長選勝利へ
奮闘誓い合う 
 次に翁長久美子さん(名護市議)が「名護市民の闘いと稲嶺市政」について報告した(別掲)。さらに各団体の連帯あいさつが行われた。
 安保破棄中央実行委の東森事務局長は名護市長選にむけて、全国から支援を行うと表明した。警視庁機動隊の沖縄派遣中止を求める住民監査請求実行委は「本日第四回公判があり、七回目まで公判日程が決まった。これから、現地で機動隊が何をしたのかを明らかにするチャンスが訪れた。沖縄から証人に立ってもらう。機動隊派遣は違法であり、派遣を許してはならない」と報告した。
 辺野古実の尾沢さんは「一二月二日午後六時半から、辺野古に行こう!新基地建設阻止―名護市長選勝利をめざして―集会を行う。そして一二月五日〜八日まで第一陣の派遣団を送り、それから何派か送る」と支援を明らかにした。発言は平和フォーラム、全労協、ジュゴン保護キャンペーンセンターも行った。
 大仲尊さん(沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック)が、「海からも土砂を運ぶ動きになっている。辺野古に行き、座り込みをすることは、その分だけ名護市長選に他の仲間が動けることになる。辺野古に行こう。そして、後援会へのカンパを協力してほしい」と行動提起をした。集会は椅子席を増やす程の盛況であり、全体で稲嶺さん市長選勝利のために奮闘を誓い合った。        (M)

翁長久美子名護市議の報告


  二〇一〇年に初当選し現在二期目。ゲート前で寝袋で泊まり込みをするため寝袋議員と言われている。辺野古基地建設の工事が進んでいるとメディアは書くがまだ本体工事に入っていない。一一月一七日、石材が運ばれた。ゲート前は座り込みを機動隊が排除するので時間がかかってなかなか車両が入れない。そこで、石材を多く運ぶために海を使う。そのために護岸工事をやってきた。
 自分のことを最初に紹介したい。七年間市議会議員をやっている。その前は自民党を応援していた。最初補選に何の準備もなく立候補したが落選した。基地は作らせないという稲嶺市長が当選した時に一五〇〇票の白票があり、それが私の方にもマイナスになり落選した。その後の本選では七位で当選した。
 最初に辺野古に行った時、「なんで座り込みしなきゃいけないのか」と思っていた。その時は簡易テントで座り込みが終わると折りたたんで片づけていた。座り込みをしている人たちは人情があり温かく、とても良い人たちだった。それから辺野古に行くのが楽しくなった。三六五日座り込みに行った。機動隊に背中からパンチを受けて肋骨を骨折したこともあった。考えが真ん中に寄った。右や左ではなく、県民・名護市民のために何が正しいのか。基地建設はマイナスであり、絶対に止めなければならない。

稲嶺市長の実績
は誇るべき水準
稲嶺さんの一期目の選挙の時、石破自民党幹事長や小泉進次郎議員が選挙応援に入り、自民党候補が当選すれば五〇〇億円を振興策として出すと約束した。二期目の時は、菅官房長官がユニバーサルシティーを誘致するとぶち上げた。しかし、四五〇〇票差で稲嶺さんが当選した。
全国の自治体の首長で選挙公約を実現している人はほとんどいないが、名護稲嶺市長はほとんどの公約を実現してきた。例えば、子育て・学校環境の改善。県内一一市の小・中学校の中で、トイレを和式から洋式にすべて変えたのは名護市だけだ。学校耐震化について、国は八年で達成しろとしているが名護市は三年で九八%を実現している。給食費の無料化、保育について、認可外にも補助を入れ、二人目半額、三人目無料にした。

あきらめなけれ
ば止められる!
米軍再編に賛成している自治体への交付金の支給について。基地に反対しているので、二〇一二年一二月二七日にFAX一本で政府は交付金を打ち切った。二六の事業がやられていて、途中の工事もあり、どうするのか闘いだった。予算をどこから、どのメニューでとってくるのか。代替予算を取ってきた。事業はすべて完了させた。補助金が打ち切られたおかげで、職員が惰性でなく、知恵を出し全力で取り組んだ。基地交付金がなくても財政は安定しているし、前市長の時よりも基金は倍になっている。
市長選の相手候補者になろうとした宮里医師は子どもが辺野古に反対しているというので立候補を断念し、後援会長になった。彼をはじめ、自民党県連会長、仲井真元知事、島尻前沖縄担当大臣など、辺野古問題には一切触れないようにし、稲嶺市長を誹謗するばかりだ。
稲嶺市長はフルマラソンを走り、交通安全指導もし、子どもたちから「ススムさん」と言われる程、人気が高い。前回の市長選で公明党は告示の前日に自主投票になった。しかし、今回中央の圧力で自主投票にならないかもしれない。大丈夫だという人はいるがそれは違う。
衆院議の玉城デニーさんの選挙区で、前回は四五〇〇票差、今回は三〇〇〇票差になっており、厳しい現実がある。様々な支援の活動ができる。辺野古に来て、機動隊の汚いやり方を見てほしい。そして運動を広げてほしい。市長選挙、絶対に負けられない。辺野古基地建設は本体工事に入っていない。海に石材を投げ込むことによって、闘いをあきらめさせるためだ。市長・知事の思いを理解すればあきらめないことだ。がんばり、座り込みで基地建設を止められる。(発言要旨、文責編集部)

11・24〜25

山城博治さん沖縄講演会

北上、盛岡で大きな反響

「きたかみ平和フォーラム」が奮闘

 【岩手】一一月二四日―二五日と岩手で山城博治さんの講演会があった。岩手県内で安倍内閣に反対する勢力の多くが実行委員会を構成した。北上市(二四日)では二〇〇人を超える人々が集まり、盛岡市(二五日)では約五〇〇人の人々が参加した。昨年の参院選挙のときに安倍内閣に反対する統一候補を求めて結成された「きたかみ平和フォーラム」がこのような大きな集会になる推進力になった。
 また別の側面から、今回の企画の導火線になった運動も伝えなければならない。岩手県の中で、沖縄の反基地の闘いに共感し連帯していこうとする人々やいくつかの団体があった。その中で「沖縄とつながる岩手の会」が生まれた。会員は現在四〇数人とのこと。この会に積極的に参加した組織の一つの「共生ユニオンいわて」と「岩手の会」が企画したことから始まった。このことは講演会当日のパネル・スライド・資料などの販売などの準備・取り組みの報告(盛岡)などにも反映されていた。
 山城さんのお話には、その温かい人柄と相まって大きな共感の渦が広がった。(I)

投稿

メディアのロシア革命評価によせて

日本共産党の論点
にも大きな問題が

S・M


 メディアはロシア革命を否定的に評価している。「ロシア革命は悲劇的な実験だった」(11月9日『東京新聞』朝刊)。「革命はよくない」「革命を経るのではなく、進歩によって徐々に発展するのではいけなかったのだろうか」(11月4日『朝日新聞』朝刊)。「12人の同志殺しを起こした連合赤軍事件で殺人などの罪で懲役20年の判決を受け服役した植垣康博さん(68)は『私たちの過ちは、ロシア革命までさかのぼって考えないといけない』と振り返る」「一〇〇周年でもロシア革命関連本はあまり刊行されていない」(10月11日『朝日新聞』夕刊)。「ロシア革命は『過ち』」(11月7日『毎日新聞』朝刊)。「ロシア革命は負の歴史だと思う」(11月17日『読売新聞』朝刊)。「『異論派』兄弟が見た一〇〇年 第一回『一〇月革命』はロシアの人々に幸福をもたらさなかった」(『週刊金曜日』2017年11月3日号)。こういった具合だ。

「赤旗」論評
に疑問点数々
一一月七日の『しんぶん赤旗』四面〜五面に掲載された「ロシア革命一〇〇年と社会主義を考える」という無署名論文はどうか。『しんぶん赤旗』が述べていることは何か。
「ロシア革命はその後の世界に持続的影響を与える世界史的意義をもつ出来事となった」が、ソ連社会は「スターリンによって変質させられ、崩壊する」にいたった、ということだ。
『しんぶん赤旗』は「ソ連などの解体後、「資本主義万歳」論が一時的に流行しましたが、資本主義の優位性を示すことはできませんでした。逆に、現在の世界では、貧富の格差の拡大、不況と大量失業、金融投機の横行、環境の地球的規模での破壊など、資本主義制度の存続の是非が問われるような深刻な危機が進行しています」「社会主義・共産主義の日本では、民主主義と自由の成果をはじめ、資本主義時代の価値ある成果のすべてが、受けつがれ、いっそう発展させられるでしょう」とも言っている。
これだけ見ると、さすが『しんぶん赤旗』は他のメディアとは違う、いいことをいっているではないか、と思えるかも知れない。たしかに『しんぶん赤旗』には他のメディアよりも進歩的な面がある。だが、私には『しんぶん赤旗』には問題もあるように思える。第一に、『しんぶん赤旗』はトロツキー暗殺やプロレタリア民主主義などのためのトロツキーらのたたかいについていっさい触れていない。
『しんぶん赤旗』はトロツキー暗殺を容認しているのではないかといったら言い過ぎだろうか。プロレタリア民主主義などのためのトロツキーらのたたかいについても知らないのではないかといったら言い過ぎだろうか。
第二に、『しんぶん赤旗』はソ連による千島列島や歯舞・色丹の占領について触れているが、アイヌ民族が北方諸島の先住民族であることについてはひとことも触れていない。アイヌ民族は、北方諸島の先住民族だ。北方領土返還交渉は「ドロボウ同士の縄張り争い」にすぎないと思っているアイヌ民族の人々は『しんぶん赤旗』の報道をどう思うだろうか。
第三に、『しんぶん赤旗』は日本共産党がソ連共産党の解体を「もろ手をあげて歓迎すべき歴史的出来事である」と表明したとして自画自賛している。私としては、ソ連共産党の解体が労働者国家の革命的再生に結びついていたなら良いが、資本主義の復活に結びついたのだから「もろ手をあげて歓迎」する気にはなれない。
第四に、『しんぶん赤旗』は日本共産党とスターリン主義とはまったく関係がなかったかのようにいうことで歴史を偽造している。『しんぶん赤旗』は「スターリン(一八七八〜一九五三年)とその後継者」をまったくの他人のように批判するが、スターリン主義という言葉を使うことが出来ない。天皇主義者が天皇制という言葉を使うことが出来ないように、だ。『しんぶん赤旗』は分派の禁止が民主主義に反するということについても、分派の禁止がスターリン派による独裁をまねいた原因の一つだということについても触れることが出来ない。
第五に、『しんぶん赤旗』はベトナム、キューバとともに中国を「社会主義をめざす国ぐに」の一つとしている。『しんぶん赤旗』は天安門事件について何も触れていない。『しんぶん赤旗』は天安門事件を容認しているのではないかといったら言い過ぎだろうか。
第六に、『しんぶん赤旗』は「社会主義をめざす国ぐに」が「旧ソ連のような致命的な誤りを絶対に再現させないことを願っている」「中国やベトナム、キューバが資本主義国との対比において、『社会主義をめざす新しい探究が開始』された国ならではの先駆性を発揮することを、心から願うものである」といっている。

中国共産党の体
制への対応は?
ここには二つ問題がある。@トロツキストは、私の誤解でなければ、「悪質なスターリン主義体制」の場合はその革命的打倒によって労働者国家を再生させ、「まだましなスターリン主義体制」の場合はその革命的改革によって労働者国家を再生させようとして来た。『しんぶん赤旗』は「心の中での願い」によって労働者国家を再生させるべきだと主張するのだろうか。A第五とも関連するが、今の中国共産党の体制を「まだましな体制」と考えることが出来るのだろうか。『しんぶん赤旗』は中国における資本主義化や「民主主義の抑圧」などを肯定的に評価しているのだろうか。どこが「社会主義をめざす新しい探究」だというのだろうか。
以上、私のようなシロウトから見ても『しんぶん赤旗』には六つの点で問題があるように見える。『しんぶん赤旗』の「ロシア革命一〇〇年と社会主義を考える」という論文を批判した。私としては、もっとふさわしい人がこの問題を論じることに期待する。日本共産党にはスターリン主義を革命的に克服することが出来るのか否か。それは私には分からない。



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