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    かけはし2017.年11月13日号

  「ろうそくは継続される」と宣言


退陣行動記録記念委員会が記者会見

1周年大規模集会中心に数々の企画発表


 昨年の朴槿恵(パク・クネ)政権退陣を要求し、ロウソク集会を主導した労働者・市民団体が「ろうそくの炎であり、国民の命令である弊害の清算要求が受け入れられずにいる」と言い「何でもできる権力、朴槿恵を退陣させて拘束させたことと統制を受けない権力である財閥の象徴の李在鎔(イ・ジェヨン)を拘束したことなど皆ろうそくデモの力であったように弊害の清算と社会大改革に向けて再びろうそくを灯す」と宣言した。
 朴槿恵政権退陣の非常国民行動(退陣行動)記録記念委員会は23日午後、ソウル鍾路区世宗(セジョン)文化会館前で記者会見を開いて来る28日、ソウル光化門(クァンファムン)広場で「ろうそくは継続される」をテーマにしたろうそく集会を開催することを明らかにした。
 チェジョンジン退陣行動記録記念委員会共同代表(民主労総委員長職務代行)は「依然として労働者、民衆の生活は変わらないままだ。それでろうそく1年を迎え、私たちは再び要求する」、「露店取り締まりの中止、コメ価格保障、労働者の基本権、労働3権保障など弊害の清算することを要求するだろう。大統領を置き換えるのではなく、我々の人生を変える闘争を継続する」と話した。
 鄭康子(チョン・ガンジャ)退陣行動記録記念委員会共同代表(参与連帯代表)は「1700万ろうそく市民は、韓国の民主主義の歴史を塗り替え始めたが、弊害の清算に向けて掲げた10大分野100大課題がどれだけ実現されたかは疑問」とし、「ろうそくは継続されると宣言するしかない」と強調した。
 朴錫運(パク・ソクウン)退陣行動記録記念委員会共同代表(韓国進歩連帯常任代表)は「ろうそくが灯されてから1年にたらんとして政権が交代されてから6カ月が経ったが、解決された課題は2%に過ぎない」、「まだ具体化されていないこと、進捗しているが、まだ不十分な課題は52%となった」と伝えた。
 ろうそく集会は、国民の力で消えて行った民主主義を生き返らせた1700万の歴史的な抗争を記念して、ろうそく抗争の記録を盛り込んだ市民たちの証拠写真スライドと市民自由発言が続く。
 昨年のろうそくの舞台に立ったチョンイングォンバンド、イサンウン、市民と共にするミュージカル俳優たち(シハムミュ)、我が国、権眞媛(クォン・ジンウォン)と平和の木合唱団、416家族合唱団、民衆歌手たちと市民合唱団などのミュージシャンたちが参加する予定だ。
 また、昨年のろうそく集会当時、象徴でもあった「消灯パフォーマンス」も再び広がり、集会後は、大統領府周辺であるヒョウジャ治安センターと光化門・鐘路など都心の行進も進行する。
 ろうそく集会に先立ち、光化門(クァンファムン)と、普信閣、東亜(トンア)日報社前などで労働者団体と青年団体・障害者団体・性的少数者の団体・平和団体などが主催する事前集会が開かれ、独立映画専用映画館「インディーズスペース」では、ろうそく集会を記録した映画「広場」と「すべての日のろうそく」無料上映会が行われる。
 退陣行動は来年3月まで多様なろうそく1周年事業を展開する予定だ。2016年10月29日から2017年4月29日まで計23回のろうそく集会を記録したろうそく白書を年末までに制作し、全国公共図書館や大学図書館に配布して、電子ブックからも発行してオンラインに無料で提供する計画だ。
 12月9日には国会で実際、ろうそく集会に参加した市民が参加する討論会を、2018年2月頃には学術討論会を、3月には世界の集会デモの主役たちを招待した国際討論会を開催する。
 また、光化門広場には、各界各層が参加したろうそく抗争を記念するシンボルを制作することにして広場の地面に銅板の形で記念物を設置する計画だ。
 ドイツの社会民主主義の理念と基本価値を具現化することに注力しているフリードリヒ・アボット財団ではこのロウソク集会に対して、「民主的参加権の平和的行事を世界中の市民たちに刻み込ませてくれた契機になった」、労働、平和、人権、女性などの各部門で民主主義の実現に努めてきた団体や個人に授与する財団人権賞を「ろうそく国民」に授与する予定だ。授賞式は12月5日、ベルリンで開催されるが、退陣行動代表1人とろうそく、国民の代表1人が代表として出席する。
(労働と世界より)

10・28ろうそく1年労働者大会

非正規職のない世界を共に

非正規職問題こそ積弊中の積弊

 民主労総が組織する権利を妨げる法と制度を変えて、すべての非正規職労働者の権利を擁護して、未組織労働者たちの組織化に積極的に出て、非正規職のない平等な世の中を作る先頭に立つことを明らかにした。
 ろうそく1周年を迎えた28日、民主労総は「2017 非正規職のない世界作りの全国労働者大会」を開催して変わらないままの非正規職労働者たちの現実を暴露して、政府の善処ではなく、労働者の力で非正規職のない世の中を作るための闘争決議をした。
 民主労総は「新しい世界を願ったろうそくを熱望した核心課題の一つは非正規職撤廃、非正規職のない世界だった」、「政府が発表した公共部門の非正規職、正社員転換計画も以前の政府とは違って、一歩前進したが、非正規職ゼロ時代ではなく、半分時代だという憂慮を生む期待に及ばない計画」だと指摘した。
 さらに、「国際労働機関と人権委が何度も勧告した間接雇用、特殊雇用労働3権は足踏み状態で、移住労働者たちは、事業場を自由に移ることの自由も剥奪され、奴隷と同じ生活を営んでいる。また、世界最大の長時間労働、その中心には休日にも休むことができない非正規職たちがおり、ほとんどひき上げられなかった最低賃金は、使用者らのみみっちいやり口で阻まれている」と皮肉った。
 チェ・ジョンジン民主労総委員長職務代行は大会宣言を通じて「大統領を引き下げたろうそく、次が私の人生を変えるろうそくなら、それは非正規職のない世界」とし、「非正規職問題こそ、次の世代に渡してはならない積弊中の積弊だ。私たちは常時持続業務の例外のない正規職化と組織する権利を獲得しなければならない」と強調した。
 さらに、「非正規職労働組合加入率2%時代だ。正規職労働者が20%の権利を保障されているなら、非正規労働者はたった2%の権利を保障されている世の中」だとし、「非正規職闘争をこれ以上非正規職だけの寂しくて大変な戦いとすることはできない。『一緒に行こう』という今日のスローガンを言葉ではなく実践指針として作りだそう」と明らかにした。
 民主労総は△すべての常時持続業務の正規職の雇用△すべての労働者に組織する権利保障△組織する権利を妨げる労働法の全面改正△最低賃金への算入の範囲調整を通じた最低賃金の引き上げ効果無力化の試みの中断などを要求している。
 民主労総は「労働尊重社会を作るのだ、労働基本権を保障するという大統領の約束は守られているのか」と言い「私たちは自らの力でこのすべての権利を勝ち取ることをもう一度確認する」と伝えた。
 一方、本大会に先立ち、非正規職闘争の手本を示した個人または団体にイ・ヨンソク烈士賞の授賞式が行われた。東洋セメント支部と故チェ・ジョンボン烈士(金属労組、三星電子サービス支会)が選定された。
東洋セメント支部は間接雇用、非正規職労働者闘争の進展に重要な試金石の役割と民間部門の正規職化への転換の実現の分岐点を設けた。
(労働と世界より)

声明

新古里5・6号機公論化委員会の勧告案によせて

市民の安全は売り物ではない

 今日(10月20日)新古里5・6号機公論化委員会は3カ月間、公論化過程を終えて471人の市民参加団が決定したアンケート調査結果を発表した。工事は再開するものの、安全基準を強化し、今後原子力発電所政策は縮小しなければならないという矛盾的な勧告案だ。
 新古里5・6号機建設の白紙化は、文在寅(ムン・ジェイン)政府の公約だった。しかし、就任以後、社会的合意を名分に公論化委員会を構成し、政府は無責任に新古里5・6号基の建設に関する決定を公論化委員会に渡してしまった。公論化委員会の構成から原子力発電所近くの住民は排除・疎外しながら公共機関である韓国水力原子力は工事再開の側に公式参加するなど、多くの限界を持って出発した。
 政界は、公論化の過程が、熟議民主主義の良い事例になったとして挙げるが、機械的中立が民主主義ではない。その中で誰の利益を貫徹するかを直視しなければならない。これまで、いわゆる原子力専門家らと原子力発電所建設で利益を得た巨大資本、そして保守マスコミは一つになって「原子力の発展なくしては電気料金が高騰するだろう」と述べ、威嚇するなど全面的な攻勢を繰り広げた。
 専門家と大学教授らは核発電企業の株式を保有して研究を遂行するなど徹底的に資本と利害関係をともにしている。保守マスコミはこの利害関係の充実したスピーカーの役割をした。専門家たちの言葉をそのまま受けて少ないながらも、永久的な危険を引き起こしている使用済み核燃料問題、市民安全の問題については沈黙した。公論化委員会はこの原子力マフイアの前では無力だった。
 政府と資本はこの数十年間、原子力発電所が安全で、経済的だという一方的で制限的な情報のみを提供した。また、エネルギー政策も環境と人が共存する方式ではなく、資本がより多くの利益を残す方向で樹立してきた。工事再開の勧告案を発表後に原発建設に参加する企業が「安堵と歓迎」の反応を示し、準備に拍車をかける態度を示したのは原発建設が資本の利潤追求の手段であることを明白に示している。
 公論化委員会の勧告が文在寅政府の公約の後退や脱原発政策の後退の免罪符になってはならない。原子力発電所近くの住民は危険にさらされているが、彼らの存在は消えてしまい、密陽(ミルヤン)送電塔の争いも現在進行形だ。
 生命と安全を脅かして資本の利潤だけを増やす核発電所建設は中断しなければならない、脱原発政策は持続しなければならない。
 新古里5・6号機建設中断だけでなく、従来の稼働中の原発の稼働中止、追加原発建設計画の廃棄を論議しなければならない。社会変革労働者党は資本の利潤に向けた原子力発電所への没入政策の廃棄と脱原発に向け、共に連帯して闘争する。2017年10月20日

社会変革労働者党

コラム

アフガン戦争とカレー

 一〇月二二日は衆議院選の投票日。病院の昼食は「さんまのかばやき」であった。はしでさわると出されたさんまは冷凍であることが一目でわかった。しかし、食堂で私の隣りに座っているアメリカ人は「うなぎのかばやきだ! 看護師さんウスターソースを出してくれ」と叫んだ。彼はさんまをうなぎと勘違いしたのだ。彼は鯖の塩焼きにも、鳥のソテーでもウスターソースをかける。さんま・うなぎも同じなのだ。
 野菜のおひたしにはマヨネーズ、野菜の油いためにはケチャップとタバスコという具合で食事の時にはこれらの調味料が入っている袋を車イスにぶらさげている。そして朝食や夕食の白いごはんには、カレーの振りかけである。私たちは振りかけというと「のりたま」とか「さけ」「かつおぶし」を想像するのだが、彼は市販品の「カレーの振りかけ」を常備し、日本に来てスーパーマーケットで見つけたと教えてくれた。カレーの振りかけはカレーライスの次においしいと自慢する。そして「こんなおいしいものはない」と続ける。
 彼は見た目から四〇歳を超えたか超えないかという年齢である。彼は交通事故で左足を切断し、車イスに乗れるようになるためにリハビリ入院したが、車イスは一カ月で卒業し、今は松葉つえを使えるようになるためのリハビリにはげんでいる。両方合わせて三カ月で退院する計画だという。
 何回か話してわかったことだが、彼は二〇代の後半にアフガニスタンに出兵し、左足を負傷して退役したという。しかしその時は足を切断しなくてもよかったが、今回の交通事故で同じような場所をケガし、切断せざるを得なかったのだという。
 彼はいつもスマホを持ち歩き、仕事の件だけではなく新聞も英字で読んでいる。先日私がIS(イスラム国)の記事を読んでいると「シリアのイスラム国かい滅しただろう。ざまあみろだ」と声を掛けてきた。彼の心の中には今もアフガニスタン時代が鮮明に残っているのだ。それ以来彼と折に触れ、いろんな話をするようになった。
 ウスターソースやケチャップ、タバスコ、こしょうを持ち歩くようになったのは、アフガンの砂漠での野戦食以来だという。日本人はカレーをごはんにかけるが、「あれはパンにもあう。病院に入院する時、毎日カレーライスは食べれない」と聞いたら、カレーは「月一回だ」と言われ、がっかりしたらしい。
 彼の奥さんや会社の仲間が面会に来るとかならず「カレー」をタッパーに入れて持ってくる。そのたびに「食べてくれ」と差し出されるが食べたことはない。そして「福神漬はいらない。ウスターソースが必要だ。砂漠でカレーライスがあればもっとアフガンは楽しかった」という。  (武)


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