二〇一七年九月二四日の、アンゲラ・メルケル(CDU)首相の下で現在まで統治のための大連合を形成している、キリスト教保守派政党のCDU(キリスト教民主同盟)/CSU(キリスト教社会同盟)および社会民主主義政党のSPD(社会民主党)の劇的敗北、そして民族主義、レイシスト、ウルトラ保守、さらに極右の相貌をもつAfD(ドイツのための選択肢)の劇的な勝利が、連邦議会に向けた最新選挙結果の特筆点だ。
既成二大政党
劇的に票失う
実際、CDU/CSUは得票率三三%をもって二〇一三年(前回総選挙)比で八・五%の下落を見、SPDは五・二%を失い、得票率は二〇・五%までに低落した。それは、SPDのゲルハルト・シュレーダー首相の下での、SPD/緑の党政権の二〇一〇アジェンダに含められた反社会的反改良の実行以来進んだ、社会民主派支持者の明々白々となっている抑えようもない腐食の表現だ。
AfDは、二〇一三年の四・七%に対し、一二・六%に達した。そして九四議席をもって連邦議会の第三勢力になっている。さらにAfDはザクセン州では、CDUの二六・九%に対し二七%をもって第一党に、そして全体として、東ドイツの新たな州の男性有権者中では、第一勢力になっている。バイエルン州では、AfDは多くの選挙区でCSUに次ぐ第二位に到達している。
AfDは、CDU/CSUから一〇〇万票以上を、SPDからほぼ五〇万票を、さらに左翼党から約四〇万票を獲得でき、さらに、二〇一三年の投票率七一・五%に比べ今回の投票率が七六・二%になったという枠組みの中で、二〇一三年には投票所に向かおうとしなかった一〇〇万人以上の人びとを動員できた。
しかしAfDの頂点では、選挙の大成功にもかかわらず今回の選挙後対立が支配している。ザクセン州での小選挙区で直接選出された、そして党候補者名簿第一位のアレクサンダー・ガウラントとアリス・ヴァイデルよりも「穏健な」相貌をもつ党共同代表のフラウケ・ペトリは、つい今しがた、新しい連邦議会のAfD議会会派に入るつもりはない、と公表した。「メルケル狩りを始める」と公言しているアレクサンダー・ガウラントの言葉と、そのファシストばりの言葉による挑発が彼女を怒らせた。
この選挙のもう一つの劇的な結果は、自由主義派FDP(自由民主党)の成功だった。この党は二〇一三年には五%の議席獲得要件を突破できなかったのだが、今や一〇・七%と八〇議席をもって再び連邦議会に入っている。FDPは、CDU/CSUから一三〇万票を、SPDから四三万票を、さらに左翼党からさえも七万票を獲得できた。
緑の党は、AfDには一人の支持者も渡すことなく、二〇一三年の八・四%に比べ八・九%に達した。彼らは、二〇一三年比で〇・六%を上乗せし九・二%を得た左翼党(六九議席を得ている)に僅かの差で「敗北」した。左翼党はまた、絶対数でも票を上積みしている(その最良の結果は、得票率が一一・九%だった二〇〇九年のもの)。
今後の展開は
極度に不透明
SPDの首相候補だったマルティン・シュルツは開票日の夜、これまでの、そしておそらく再びそうなると思われる新たなアンゲラ・メルケル首相の下での、CDU/CSUの下位に立つ「大連合」の継続を彼の党は拒否する、と語った。彼は、民主主義の諸々の価値と「社会的公正」を守るというテーマを強調することにより、野党の役割の中でSPDを再生させたいと思っている。
SPDがこの決定を逆転しない場合、連邦議会多数派としての、CDU/CSUとの連立政府の形勢は難しい。論理的に唯一残っている可能性は、キリスト教政党と自由主義派のFDPと緑の党による、いわゆる「ジャマイカ」連立だ。しかしあり得る妥協を知ることは困難だ。たとえばそれは気候政策の中にあり、FDPにとってそれは、「自由市場」諸方策によってのみ遂行されなければならないものなのだ。
排除できるものは何もない――われわれは、何が起きるかを今後の二、三ヵ月のうちに知ることになるだろう――とはいえ、この連邦議会選結果は、新たな時ならぬ連邦選挙に導くことも排除できない、そうした政治的危機と政党危機に結果するように見える。
左翼党にとって賭けられているものは巨大だ。すなわち、極右に対決する統一行動を求めて妥協なく闘う課題であり、その中で確立された親資本主義かつ新自由主義の諸政策に対する本物の反対勢力として自身を存在させる任務だ。(二〇一七年九月二五日)
▼筆者はソツ紙編集者であると共に、左翼党メンバー、かつISO(第四インターナショナルドイツ支部)メンバー。
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