10.18
オスプレイの即時配備撤回を
反基地の声を防衛省に届ける
「空飛ぶ棺おけ」はどこにもいらない
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沖縄にもヤマト
にもいらない!
一〇月一八日午後六時半、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックが呼びかけて、「空飛ぶ棺おけ」オスプレイは沖縄にも、全国どこにもいらない!即時配備撤回せよ!防衛省前行動が行われた。オスプレイ飛来・配備に反対している基地周辺住民の団体から発言と抗議・申し入れが行われた。
最初に、大仲尊さん(沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック)がオスプレイ配備の経過とその問題点を提起した。
「二〇一〇年に沖縄・普天間基地に配備されてから五年になる。一九九六年、SACO合意にはオスプレイ配備の話はなかった。その後、隠し続けてきたがゲーツ米国防大臣と北沢防衛相との会談で明らかにされた。二〇一二年九月、一〇万一千人で抗議集会を開いた。それを無視して一〇月一日に強行配備した。普天間基地ゲート前に座り込んで抗議した。その後、二四機が配備されたが墜落が相次ぎ、構造的欠陥機であることがはっきりしている」。
「夜間飛行で住民は騒音・低周波の被害に苦しみ、おびえている。人権が侵害されている。辺野古に新基地が作られると百機配備すると言われている。北部訓練場、伊江島、高江とオスプレイの訓練が行われ、被害が拡大している。即時にオスプレイを撤去しろ」。
横田基地被害
をなくす会から
次に、横田・基地被害をなくす会代表の大澤豊さん(立川市議)が米・横田空軍基地問題について報告した。
「横田基地には大きな問題がある。物資の輸送中継基地としてしばらく使われてきたが、今はオスプレイや戦闘機が飛来するようになった。最近では韓国の戦闘機がたくさん飛来した。三沢から偵察機のグローバルホーク五機がきた。飛行機の部品や実弾の入っている箱が落下したこともある」。
「米軍の秘密を暴露したエドガー・スノーデンは二〇一〇年、二年間横田に勤務していた。そこで世界的な情報を収集していた。そこからすると防衛省も同じことをやっているのではないか。共謀罪の拠点になっている。今後、CV―22の配備と海兵隊がセットになってやってくる計画がある」。
「憲法改正問題が本格化しているが、日本が米国の属国のようになっている現実こそ変えるべきだ。日米地位協定の見直し、日本の調査権を認めよ」。
次に、矢野さん(原子力空母の母港化に反対し基地のない神奈川をめざす県央共闘会議)は、「厚木基地の爆音が住民に甚大な被害を強いていること、そして基地で訓練をしている空母艦載機が北東アジアの平和構築の障害となっていることを訴え、基地撤去を求める運動をしている。また、オスプレイと飛行訓練に反対する東日本連絡会に参加し、オスプレイの構造や、飛行訓練の根拠について防衛省、外務省に何度も申し入れを行っている」ことを報告し、オスプレイの構造的欠陥・事故率を明らかにして撤去を求めた。
米軍も政府も
住民の声を聞け
吉沢さん(パトリオットはいらない、習志野基地行動実)は「航空自衛隊木更津駐屯地で七月三一日からMV―22の定期点検を行っている。五年で提起整備が必要になり、普天間基地の二二機が順番にやってくる。超低空の試験飛行を行う。自衛隊がオスプレイ一七機を買う。来年度に五機が納入される。佐賀空港配備に地元が反対しているので、木更津に暫定的に配備されるだろう。そして、日米で共同運営する。オスプレイは犯罪飛行機だ。配備を撤回せよ」と訴えた。
申し入れを横田・基地被害をなくす会など三団体が行い(別掲)、全員で防衛省に抗議のシュプレヒコールをたたきつけた。 (M)
申し入れ書
防衛大臣 小野寺五典 殿
オスプレイの横田基地への飛来・配備に反対する要請
東京都多摩地区にある横田基地は、戦後70年にわたり、米空軍の基地として使われてきました。この間、横田基地は、朝鮮戦争・ベトナム戦争・イラク戦争など米軍が行ってきた戦争の出撃基地として、さらに平時においても訓練基地・輸送中継基地として使われ、日夜にわたる騒音その他の被害が、周辺住民の平和な生活を脅かしてきました。また、近年では、飛行回数の増加と相まって、パラシュート降下訓練が行われたり、ことあるごとに戦闘機が大量に終結したり、MV―22オスプレイの訓練拠点となったりで、周辺住民の危険度はますます高まっています。
一方、横田基地を離着陸する航空機の騒音を主とする基地被害からの救済を求めて周辺住民が起こした訴訟では、裁判所が騒音被害を「違法なものである」と10回以上も断罪しているにもかかわらず、日本政府が抜本的な対策を講じようとしないために、40年以上も裁判が繰り返され、いまだに継続中です。
このような状況の中で、2015年5月11日、米軍は突然CV―22オスプレイの横田基地配備を発表しました。そして、その後配備時期の延期が発表されましたが、この間に同型機であるMV―22は、ハワイで墜落事故(2015年5月18日)、沖縄県名護市沖で墜落事故(2016年12月13日)、オーストラリア東部沖で墜落事故(2017年8月5日)、シリアで墜落事故(9月29日)などを起こしました。また、今年になって機体のトラブルで何度も緊急着陸を繰り返しており、オスプレイが飛来・通過する下で暮らす住民に不安が広がっています。オスプレイは日本政府が説明するように「運用時間が延びれば事故率が下がる」ことは一向になく、犠牲者・事故が増えるばかりです。
また、日本政府は横田基地へのCV―22配備にあたって、「横田基地周辺で、夜間・低空飛行、編隊飛行、パラシュート降下等の(危険な)訓練を実施する」ことを明らかにしました。さらに、CV―22はMV―22より過酷な作戦に従事するためにMV―22より事故率が高いことが判明しています。
横田基地は、世界一危険な基地といわれる沖縄・普天間基地同様、市街地のまん中に位置しています。周辺には、学校や幼稚園・保育園、病院、老人施設などが多数あり、事故が起きれば大惨事となることは必至です。
私たちは、日本政府が横田基地周辺住民の安全・安心を守り、基地負担軽減をはかるという観点で、米国政府に対し、以下のことを求めるよう要請します。
1.CV―22オスプレイの横地基地への配備計画を取り消すこと。
2.MV―22オスプレイの全国各地への飛行をやめ、MV―22を普天間基地や沖縄県から撤去すること。
また、自衛隊員や私たち市民の命を守るために、日本政府に以下のことを求めます。
1.自衛隊のオスプレイ購入計画を取り消すこと。
2017年10月18日
横田・基地被害をなくす会 代表 大澤 豊
第9次横田基地公害訴訟原告団 団長 福本道夫
10.14
朝鮮半島の平和を!集会
停戦協定を終結させ
平和協定の締結を
【愛知】一〇月一四日、名古屋市の日本特殊陶業市民会館で「朝鮮半島と東アジアの平和のために〜安倍政権の朝鮮半島政策を問う」渡辺健樹さん(日韓民衆連帯全国ネットワーク共同代表)講演集会が不戦へのネットワークの主催で行われた。選挙の一週間前であり、参加者は少なかったが朝鮮半島の軍事緊張を煽り、改憲、軍拡に進む安倍政権を打倒すべく意欲に燃えた労働者、市民、在日朝鮮人ら四二人が参加して成功した。
朝鮮訪問報告と
核兵器について
集会は山本みはぎさんの司会者あいさつで始まり、最初に不戦ネットの藤井さんから朝鮮訪問報告が行われた。この訪朝は「日朝教育・文化交流を進める愛知の会」が計画したものであり藤井さんを含めて三人が参加した。藤井さんは現地の人々との交流や意見交換したことを報告し、平壌の街並みなどの写真をスライド上映しながら現地の人々の生活の様子を伝えた。
一日目の歓迎宴で藤井さんが「日本は広島・長崎を経験し核兵器禁止の願いが強い。共和国が核兵器の核実験をおこなったことについては賛成できないことを理解して頂きたい」と述べた。それに対し、受け入れ団体の朝鮮対外文化連絡協会日本局長が「日本人が広島・長崎を経験したというが朝鮮人も同じように被曝している。しかしそのことは無視されている。理解してほしいというが朝鮮がなぜ核兵器開発をしなければいけないかということも十分理解して頂きたい。アメリカを中心とする敵対勢力が朝鮮を敵視することがなくなればこういうことにはならない」と厳しい口調で応答したと述べた。
日本の責任、
私の責任を問う
日本側の団長は「朝鮮の核兵器は他国を攻撃するものではなく国を防衛するものと理解している」と述べ、最後に藤井さんが「朝鮮の自立、自主権が脅かされている状況にあり休戦協定から平和条約を目指してアメリカに話し合い交渉を求めていると理解している。朝鮮半島を分断した責任は日本にあると考えている。私自身も責任があると考えている」と述べたことを報告した。
平壌の街を訪
れ市民と会話
平壌の街並みについて藤井さんは、「いろいろな所を案内してもらった。平壌は急速に変わっていくようだ。かなり広い範囲で高層ビルがたくさんあり、タクシーも多く走っていた。人民軍兵士以外なら自由に写真を撮ることができた」と報告した。
このときの対話で「大都市と農村の格差について課題があるのでは?」という問いに対し「前からの課題です。社会主義といってもそれぞれの国のやり方がある」と答えた。最後に藤井さんは「経済制裁の影響は、現在では変わりはないが今後はどうなるのだろうか。アメリカは早く話し合いを行い休戦協定を恒久的な平和協定にする条約を結んでほしい。平和憲法をもつ日本は本来アメリカにそのように働きかけるべきなのだ。日本は朝鮮半島の統一を決して妨害してはならない」と述べて報告を終えた。
続いて渡辺健樹さんの講演が行われた(講演要旨別掲)。講演後、朝鮮高校無償化裁判を闘う弁護士からアピールが行われ、名古屋における裁判闘争支援と朝鮮学校の公開参観、交流への参加が呼びかけられた。(越中)
渡辺健樹さんの講演から
友好・交流を深め
対話を広げる必要
朝鮮半島の軍事
的緊張の背景は
「朝鮮の核実験による軍事的緊張をめぐる議論の特徴は朝鮮半島の歴史についての視点が欠落していること。朝鮮に核兵器放棄のみを要求し、アメリカへの批判はない。日米韓同盟の強化と中国頼みの制裁強化論しかでてこない。朝鮮半島の平和を創るにはどうすればいいのかを考えたとき、朝鮮はなぜ分断されたのか? 朝鮮戦争はどんな戦争だったのか? を知らなければいけない。一九五三年の停戦協定以降、六四年も経過しているのに停戦状態であることが異常だ。朝鮮半島の核問題は一九五〇年代から始まった米軍の核配備からで北の核問題は一九九四年の核疑惑以降の二五年にすぎない。この状態を解決するには朝鮮半島問題の歴史的、構造的解決こそが必要であり、日本はどんな役割を果たさなければならないかを考えなければいけない」。
最初の原因は日
本の植民地支配
「そもそも朝鮮半島の緊張の根源は日本の朝鮮植民地支配からだ。一九四五年七月二六日に発せられたポツダム宣言の受け入れを引き延ばした結果、対日参戦してきたソ連軍が朝鮮全土を占領しかねない状況になっていた。そして日本のポツダム宣言受諾後、米ソの間で南北朝鮮の分断占領が始まり現在に至ることになる。当時の米ソの利害関係が起因しているとしても日本の植民地支配が南北の分断をもたらしたことを日本人は思いを致すべきと思う」。
朝鮮戦争そして
軍事演習
「その後、大韓民国の一方的な発足と南北の軍民合わせて一二六万人が犠牲になった朝鮮戦争。そして停戦協定と続くがアメリカは外国軍の撤退を行うはずの協定を破壊し韓国に米軍を居座り続け、一九五六年には核兵器をもちこむことになると主張し一九五八年に配備させている。さらにその後も大規模な軍事演習をくりかえし続けている」。
対話を破壊
したブッシュ
「朝鮮半島の平和への道は停戦状態を終結させ、平和協定を締結させることだ。九四年の核疑惑のとき、戦争になれば多大な犠牲が出るとシミューレーション結果が出たためアメリカは思いとどまり対話路線を進めた。だがこれを破たんさせたのがジョージ・ブッシュだった。二〇〇一年九月一一日のテロとアフガニスタン侵攻、イラク侵略戦争と続くなかでイラン・イラク・北朝鮮を悪の枢軸ときめつけた。破たんした対話路線の後も米中朝三カ国会談の合意を経て六者協議会が始まったがその後も米韓軍事演習は継続され、アメリカによるバンコ・デルタアジアの朝鮮関連口座を凍結させるなどの問題をおこした。この過程で二〇〇六年一〇月九日、朝鮮の最初の核実験が行われた」。
停戦協定を
平和協定へ
「この間の対話は朝鮮の非核化ありきで朝鮮の体制保障や朝鮮半島の恒久的平和体制への転換問題は付随的にしか扱われていないことが問題だ。六四年に及ぶ停戦状態を平和協定に転換する問題を主としながらその中で朝鮮半島の非核化も追求されるべきだと考える。
この中で日本の平和勢力の課題は安倍の暴走政治を一刻も早く終わらせ、9条改憲を阻止することなど国交正常化をめざし、何よりもアメリカに対話と平和協定締結を促し、韓国・朝鮮の人々との友好と交流を深め、広げていくことだ」。
(発言要旨、文責編集部)
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