10.11
頻発する米軍機事故
沖縄から「本土」から今こそ
平和・連帯・自治の訴えを
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10.11
米軍ヘリが高江で墜落・炎上
防衛省の責任も重大だ
なぜ飛行停止を求めないのか
一〇月一一日午後五時三五分ごろ、沖縄・東村高江で米軍ヘリCH53が墜落炎上した。米軍北部訓練場近くの民間の牧草地だった。住宅からわずか三〇〇メートルの位置。
何回も繰り返される墜落事故に対して、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックが防衛省抗議行動を呼びかけた。一〇月一二日午後六時半から、防衛省に対して緊急に抗議・申し入れ行動が行われた。
外間さん(沖縄一坪反戦地主会・関東ブロック共同代表)が怒りの発言をした。
「共に怒りを込めて、防衛省へ抗議したい。沖縄を何だと思っているのか。日米安保で基地が必要というなら、沖縄に閉じ込めるのではなく千代田区におけ。仏の顔も三度と言うが沖縄は七二年間虐げられてきた。防衛相は事故を遺憾だと言うが飛行停止を求めない。犠牲なんてなりたくない。邪悪な支配者は出ていけ。退出するまで闘う」。
次に参加者がリレートークを行った。ウチナンチュの島袋さん。「無茶苦茶で腹立たしい。米軍のニコルソンは『事故ではなく着陸だ』と言っている。高江で訓練をすることがどんなに地域住民の生活を破壊していることか。米軍ヘリの事故が続いている。日本が独立国なのか疑われる。八王子で山城博治さんを呼んで一〇〇〇人規模の集会を予定している」。
相次ぐ事故
軍事植民地の姿
神奈川の仲間。「沖縄でも同じ時刻に抗議集会を行っている。一〇月一一日、沖縄で何が起きていたのか。うるま市で中止を求められているパラシュート落下訓練を行った。キャンプ・ハンセンで山火事があった。嘉手納基地でF35が緊急着陸した。そして高江でのヘリ墜落事故。沖縄が軍事植民地となっている象徴的な出来事だ」。
「事故現場は牧草地で養豚場から一〇〇メートルでそこでは作業をやっていた。三〇〇メートル先には民家がある。高江では低空飛行訓練が行われ、夜も眠れない。騒音は一二倍に増え、夜間では一六倍になっている。いつ事故が起きるか不安でしょうがない。二〇〇四年、沖縄国際大学にCH53が墜落した時、ストロンチウム95が放出して問題になった。今回はそれよりも激しく爆発炎上しているので、もっと危険な状態ではないか。日本の警察などが事故現場に入れず、測定が阻止されている。CH53は今年になって不具合が四回あった。起こるべくして起きた事故だ。まったくけしからん」。
自衛隊は米軍
の下部組織だ
環境NGO・ジュゴン裁判の花輪さんは次のように語った。
「一九七二年から二〇一六年までに、米軍の事故は七〇九件、そのうち墜落事故が四七件だ。一年に一回は起きている。防衛省は訓練の中止を求めない。日米安保・地位協定によって自衛隊は米軍の下部組織になりさがっている。二〇〇四年、沖縄国際大学への墜落事故の時も、日本は一切手を触れられなかった。主権はどこにあるのか。これは沖縄だけの問題ではない。日本全国同じだ。総選挙で沖縄問題を争点にしよう」。
沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックが防衛省に抗議申し入れを行った(別掲)。最後に、一〇・一八防衛省、オスプレイ事故抗議申し入れ、一一月二二日、文京区民センター、海にも陸にも基地を造らせない集会への参加と、「衆院選での沖縄四区での全員の当選を、そして、名護市長選、沖縄県知事選の勝利のために奮闘しよう」と呼びかけられた。(M)
抗議文
防衛大臣 小野寺五典 様
沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック
2017年10月12日
2017年10月11日、東村高江の民有地に、米軍の大型輸送ヘリCH53が墜落・炎上した。CH53は2004年に沖縄国際大学に墜落したヘリと同系統の機種で、1999年4月19日に沖縄県国頭村大崎沖で墜落し、乗員4人が死亡する事故も起こしている。昨年12月13日、普天間飛行場所属の米軍機オスプレイが、名護市安部海岸に墜落、大破した。安部地区は「オスプレイの配備撤回、オスプレイの残骸の完全な回収」を決議し、稲田朋美防衛大臣(当時)に決議文を送っている。今回の「墜落・炎上」は、安部海岸の「墜落事故」から1年も経たず発生している。
米軍機オスプレイは、今年6月6日、米軍伊江島補助飛行場に緊急着陸、6月10日、奄美空港に緊急着陸、そして8月5日、オーストラリア東部の沖合に墜落し、3人が死亡する惨事にいたった。普天間飛行場所属の24機のオスプレイの2機もが墜落したのである。米国海兵隊は、沖縄住民の募る不安を一顧だにせず、オスプレイの飛行を事故から6日後に再開し、防衛省はこれを追認した。沖縄県議会は8月28日、オスプレイの配備撤回や沖縄の海兵隊撤退を求める抗議決議と意見書を可決したが、8月29日に大分空港にオスプレイが緊急着陸している。
防衛省は、事故のたびに「再発防止に努めるように、米軍に要請する」と繰り返すが、いっこうに事故はなくならない。これまで事件・事故の責任をとった防衛省幹部はだれもいないのではないか。軍事力世界ランキング第7位(米国機関グローバル・ファイアーパワー調べ)、約25万人にもおよぶ防衛省幹部・職員、自衛官はいったい、だれからだれを「防衛」しているのか。沖縄住民は防衛するに値しないとでもいうのだろうか。
1972年の「沖縄返還」以降、米軍航空機関連事故は2011年末までに522件、そのうち基地外での発生が143件。演習による原野火災等は同時期に528件。米軍関係者が第一当事者である交通人身事故は、1981年から2011年までに2764件発生している。さらに1972年から2014年までの米軍人・軍属とその家族による刑法犯罪の検挙件数は5862件。殺人、強盗、放火、強姦(ごうかん)の凶悪事件は571件で737人が検挙されている。強姦事件は、検挙されただけで129件に上る(沖縄タイムス、2016年5月20日)。
昨年4月、沖縄女性が強姦、殺人、死体遺棄の犠牲になり、被告人は元海兵隊員の米軍属である。この事件を覚えている防衛省幹部は何人いるだろうか。もはや防衛省には米軍の事件、事故を防止する能力はなく、にもかかわらず、ありもしない「北朝鮮・中国脅威論」を煽り、辺野古への新基地建設を強行し、奄美から与那国島まで自衛隊を配備するという省益拡大に猪突猛進しているといわざるを得ない。
私たちは満身の怒りを込めて今回の事故に抗議するとともに、徹底した原因究明とそれまでの飛行中止、責任の所在を明らかにすることを求める。
あわせて、高江のヘリパッドの撤去と、辺野古への新基地建設の中止を強く求める。
10.2
辺野古実・月例防衛省行動
米国でのジュゴン訴訟
サンフランシスコ高裁で勝利
一〇月二日午後六時半から、辺野古への基地建設を許さない実行委員会の呼びかけによる、防衛省に対して辺野古に新基地建設を止めるよう求める定例の申し入れ行動を行った。
最初に、ジュゴン訴訟の仲間が米サンフランシスコ裁判所での訴訟について報告した。「米国のサンフランシスコ高裁で勝利した。審理が不充分ということで再度審理をやりなおすことになった。争点は@ジュゴン保護をやっているのかA充分調査できたのか。仲井間前知事は環境アセスが完了したとして、埋め立て承認をし、工事を強行してきた。今後、裁判の行方によっては基地建設を中止せざるをえない。この裁判は闘いをバックアップするものだ」。
次に警視庁の沖縄派遣に反対する住民訴訟の仲間は「訴訟期日が三月まで入っている。裁判所に実態審理を行わせ、機動隊の派遣がどういったものだったのかを明らかにさせる。これは東京だけの闘いではなく、全国で闘われている。沖縄に弾圧のための機動隊を派遣させない重要な闘いだ。裁判支援・傍聴をお願いしたい」と訴えた。
山城さんと共に
防衛省交渉へ
続いて、安次富浩さん(ヘリ基地反対協)が電話でメッセージを寄せた。
「安倍が衆院を解散し、総選挙になった。希望の党の出現により、民進党が分裂させられた。希望の党の出現はわれわれを失望させるものだ。しかし、沖縄では再び、小選挙区で自民党を落選させ、比例で復活させない。そして、名護市長選、県知事選の勝利に向けた大きな手掛かりを作る」。
「先日、オスプレイが新石垣空港に緊急着陸した。民主党時代に防衛相だった森本敏は辺野古新基地に一〇〇機のオスプレイを配備すべきだと言っている。とんでもない話だ。欠陥機オスプレイを全国に飛び回らせるな。それを総選挙の争点の一つにすべきだ」。
「大きな統一戦線で安倍と闘うべきだ。野党と市民が団結して勝利する。ひるむことなく、平和な民主的国家に作り上げていこう」。
次に、九月二八日の防衛省交渉について、辺野古実の中村利也さんが報告した。
「山城博治さん、北上田毅さんらが参加して交渉は行われた。七項目にわたる詳細にわたるものだった。主なやりとりを紹介する。@K9護岸工事が一〇〇メートルで止まっているが今後どうするのか。海上から運ぼうとする計画が進んでいるのではないか。防衛省は具体的に決まっていないとの答え。Aケーソンを投入する予定の大浦湾は鍾乳洞などがあり、複雑な地形だ。これはどうなっているのか。防衛省は答えない。B普天間基地の閉鎖問題について。小野寺防衛相は『基地の返還は代替基地がなければ返さない』と言い始めている。SACO合意ではそんなことはうたっていない。約束違反だと追及した。今回の交渉でいろいろな問題が明らかになった。今後詳細を明らかにしたい」。
正念場の行動
に全力挙げよう
東京MX沖縄差別報道問題について発言があった。「九月三〇日、MXテレビで沖縄問題の報道がなされた。この番組は沖縄の現実をとらえるものでよかった。しかし、MXテレビがニュース女子で行った差別報道についての検証番組という位置づけでもなく、謝罪していない。今後とも追及していく」。
戦争に協力しない!させない!練馬アクションと沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックの仲間が防衛省に申し入れを行った。その後、行動提起が行われた。一〇・四日比谷野外音楽堂での沖縄連帯集会、一一月二二日午後七時〜、東京・文京区民センター「沖縄・辺野古海にも陸にも基地を造らせない」集会、一一月六日午後六時半定例防衛省申し入れ行動。最後に防衛省に向けて、「基地建設を止めろ」とシュプレヒコールを行った。 (M)
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