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    かけはし2017.年10月16日号

1978年体制を超える闘いへ


スペイン/カタルーニャ

声明:10月1日の国民投票を終えて

アンティカピタリスタス



1.カタルーニャで一〇月一日に行われた国民投票は、一連の基本的諸問題の課題設定を日程に載せた。国民党(PP)政権と国家機構による残忍な抑圧は、民衆の民主的な要求に対する文明化されたやり方での対応があり得ない権威主義構想の実演にほかならない。全世界のメディアが取り上げ、ラホイ政権がばらまいたそのイメージは、われわれをフランコ体制末期の暗い時代に追いやるものだ。あらゆる本物の民主主義者は、投票権行使を求めた人びとを打ちすえ、投票箱を没収する警察の態度に、反感と恥じらいを感じるだろう。われわれは、この政府と国家機構の諸行為を厳しく非難する。そしてその中にアンティカピタリスタスの活動家たちも含まれる、数百人もの負傷者たちに共感を伝える。

2.カタルーニャの人びとは、一〇月一日とこの二、三週間の双方で、集団的意志と巨大な自己組織化の能力をはっきり示した。それは、大規模で平和的な市民的不服従運動を作り上げた。つまり、コミュニティに根付いている学校や専門学校の占拠、警察の挑発をものともしない自己抑制、国民投票防衛をめざす地域委員会といった、労働者階級と民衆の諸階級を含んだ幅広い動員であり、それは、公式の政策枠組みを超えて広がっている。
国民投票が成功のうちに行われたという事実は、われわれが政治のエリートによる単純な一組の作戦に対処しようとしているわけではない、ということをはっきり示している。われわれは、中央国家との間で維持したいと思う関係を決定する決意を、普通の人びとが表現した幅広い運動を前にしているのだ。
カタルーニャにおける主権確立運動は、課題設定に関し、否認することが一層難しくなろうとしている二つの要素を置くことになった。一方には、連邦(すなわち、さまざまな部分の自由意志と主権の容認)に向け憲法と一九七八年体制を改良することの不可能性が現れている。他方には、大衆的な市民的不服従の行使が唯一、勤労諸階級が制度的限界を超えて進むことのできる道具となる可能性がある、という証明がある。

3.PP―PSOE―シウダダノス〔アルベルト・リベラ率いるカタルーニャに起源をもつ政党〕という三党体制は、カタルーニャ民衆の要求に対し、民主的で平和的な解決策の提案を系統的に拒否した。彼らの戦略はみすぼらしい破綻となった。国民投票は、PP政権が対話の橋を壊すというシナリオの中で、今日ではますます数を増すカタルーニャ民衆が、現在のスペイン国家の中では「統合」〔連邦国家の中に統合されたカタルーニャ国家〕の可能性はまったくない、ということを理解することになったという結果を伴って、成功のうちに行われたのだ。
マリアノ・ラホイに対する従属的な支持の中にあるPSOEは、異なった道を提案することができなかった。ペドロ・サンチェスが提案したと言われている刷新は、PPの構想に対するオルタナティブな政治的提案にはならない、外面だけの変革以外の何ものでもない。

4.一〇月三日諸労組は、国家の抑圧を前に、そしてカタルーニャ民衆の決定権の防衛として、カタルーニャでのゼネストを呼びかけた。底辺の人びとの行動は、カタルーニャの憲法制定の歩みが少数にのみ利益となっている経済モデルに異議を突き付けることを確実にする上で、本質をなす。勤労階級と民衆諸階級が自分たちを見出すことになるのは、上層の人びとに反対するこの闘争の中でだ。そしてわれわれは彼らの側にいる。

5.スペインのエリートたちは、「カタルーニャ問題」を解決することに失敗してきた。彼らは、憎悪を扇動し、民主主義を弱め、普通の人々に敵対して残酷な力を使い、そうすることでものごとを悪くしたにすぎない。エリート内部では、民主的な形態と対話としてのカタルーニャ問題への解決策すべてをさえぎることを選択した、PPとマリアノ・ラホイ政権の重みは決定的だった。反動ブロックのこの立場は、危機の始まり以来われわれが経験し続けてきた、社会的権利、労働の権利、さらに環境上の権利における後退を打ち固める点で、スペイン国家の残余で、彼にとって役に立っている。
誰も間違ってはならない。カタルーニャ問題をめぐるマリアノ・ラホイの強化は、この国の残余におけるわれわれの諸権利の弱体化なのだ。これがカタルーニャの外での問題だ。

 もう一つの国は唯一、政府からPPを外すことで構築の可能性が生まれる。われわれはしたがって、今こそラホイをモンクロア〔スペイン政府の席〕からたたき出すために力を尽くさなければならない。
このディレンマを前に、サンチェスの対応は、ラホイ政権に対する煮え切らない防衛となってきた。そしてそれは、社会的多数を利するオルタナティブに向け活動する憲法ブロックを創出する上で彼に期待する政策に関し、具体的な限界をはっきり示している。これには、PSOEを「改革する」ための、またPPに立ち向かうための選択肢を彼に見た人びとを失望させる以外の可能性はない。
この状況においては、勤労諸階級のための新たな構想は、一九七八年体制を超えて進む憲法制定の歩みを推し進めることによってのみあり得るものとなるだろう、ということが一層明白になっている。
したがって現在、カタルーニャ民衆の決定に刻印された正統性を防衛する、またその中で同時にPPの反動的な攻撃に立ち向かう、そうした民主的な運動を推進することが緊急の課題だ。われわれはこのやり方の中でのみ、この体制には不可能なこと、すなわち、自由で統一された民主的な共存を建設する闘争を目的にした、抑圧や絶対的な遮断のない、同権をもつ者たちの間の対話、を行う能力のある社会的多数を作り上げることができるだろう。そしてその共存とは、底辺の者たちが主体であり、関係当事者の意志が相互関係の要素となる、そうしたあり方だ。二〇一七年一〇月三日、マドリード(「インターナショナルビューポイント」二〇一七年一〇月号)

カタルーニャ

アピール

ラホイ政権の抑圧に反対し
カタルーニャ民衆に連帯を

 

模範的対応示し
た民衆に正統性

 欧州の南部で一つの民主主義革命が始まった。われわれがカタルーニャで一〇月一日に切り抜けたその日、カタルーニャ、スペイン、あるいは欧州では、近代史上最大の非暴力の市民による決起と制度的な不服従を経験した。スペイン国家警察と一般警官による暴力的抑圧の極度の爆発〔八四四人の市民が負傷した〕にもかかわらず、二二六万二四六二人が彼らの投票権行使を何とかやり遂げ(注)、カタルーニャ共和国と民衆が参加する憲法制定への歩みの開始へと進む彼らの意志を、称賛に値するまた喜びに満ちたやり方で表した。
 スペイン国家はカタルーニャで、その正統性を決定的な形で失った。他方、投票所、街頭、諸々の都市や町における、警察の抑圧をものともしない、二〇〇万人以上の民衆の模範的な対応は、疑いなく国際的な正統性を勝ち取った。それは、これまで達成されてきた非常に高度な自己組織化と民衆的力量蓄積を明らかにする反応だ。そしてそれらは、自由と決定権の防衛に向けた、また社会権憲章を支持する、諸労組と社会諸組織の幅広い多数〔CGT、CCOO、UGT、ANC、オムニウム・カルチュラル、その他〕が呼びかけたカタルーニャにおける一〇月三日のゼネラルストライキと社会的ストライキを通じて、疑いなく職場に拡張されるだろう。
 スペイン政府と腐敗した国民党(PP)の頭目、マリアノ・ラホイ、そして社会労働党(PSOE)指導者、ペドロ・サンチェスの対応は、一〇月一日に彼らが喫した政治的敗北を認める意志の全面的な欠如を示し続けている。逆に彼らは、一九七八年憲法の原理主義的な防衛に固執し、一〇月一日に獲得された正統性に反する中味のない合法性への服従を求めるにすぎない。与党のPPは、権利と自由を軽視する選挙上の打算の中で、カタルーニャ民衆を無視すると決めた。

国際主義的
連帯今こそ


 今こそ、ラホイ政権による抑圧のエスカレーションとカタルーニャの自治に対する凍結という脅威を前に、カタルーニャ民衆に対する連帯と決起の時だ。賭けられているものは、カタルーニャ民衆の未来だけではなく、自由、民主主義、そしてあらゆる民衆の主権のための闘争におけるスペインと欧州の未来でもある。これこそが、一九七八年に基づく大きな権力をもつ者たちと大資本の連帯に対決する、労働者と民衆の国際主義的連帯をわれわれが訴える理由だ。
 一八九八年、スペイン帝国のキューバ、フィリピン、プエルトリコの喪失後に、カタルーニャの詩人、ホアン・マラガルは、「アデュー、エスパニャ」で終わる詩を書いた。今日、そのグッドバイは決定的な形で、スペインの民衆に対してではなく、一つの政権に対して、反民主的で親緊縮の体制に対して、カタルーニャ民衆の多数から現れようとしている。
 われわれは、カタルーニャですでに始まった民主的な決裂は疑いなく、この体制との決裂に向けた、そしてこの国中における民衆の行動を基礎とした憲法制定の歩みの開始に向けた、その動きを助けることになる、と確信している。なぜならば、これらの日々の諸々のデモにおいて聞かれた歌の一つ、反独裁運動の聖歌の一つ、リュイス・リャック(カタルーニャのシンガーソングライター、現カタルーニャ州議会議員:訳者)の「レスタカ」(杭)のように、われわれみんなが引っ張ればそれは倒れる、それはもう持ちこたえられない、それは倒れる、倒れる、倒れる、それはもうすっかり腐っているに違いない、そこであなたが引っ張り、そして私がここで引っ張れば、確実にそれは倒れる、倒れる、倒れる、そうすればわれわれは自分たちを自由にできる≠ゥらだ。

二〇一七年一〇月二日、バルセロナ、マドリード、アテネ、パリ

スペイン
ソニア・ファレ(アンティカピタリスタス、スペイン議会議員)
ミゲル・ウルバン(アンティカピタリスタス、EU議会議員)
ハイメ・パストル(アンティカピタリスタス)
フランス
オリビエ・ブザンスノー(NPAスポークスパーソン)
クリスティーヌ・プパン(同右)
フィリップ・プトー(同右)

ギリシャ
アントニス・ヌタヴァネロス(コミューン協会、DEAスポークスパーソン)
マリア・ボラリ(元シリザ議員、DEAメンバー)

以下新たな署名者
ポルトガル
ホアナ・モルタグア(左翼ブロック、ポルトガル議会議員)
ホルヘ・コスタ(左翼ブロック、ポルトガル議会議員)
イタリア
フランコ・トゥグリアット(シニストラ・アンティカピタリスタ、元上院議員)
チアラ・カラトゥ(シニストラ・アンティカピタリスタ、労組活動家)
スイス
ピノ・セルギ(社会主義運動〈MPS〉)
シャルル・アンドレ・ウドリー(同右)
ジュネヴィーヴ・デ・ラム(同右、労組活動家)
シュミット・フィリップ(同右〈BFS〉)

(注)結果は、イエスが二〇二万票強、ノーが一七万六〇〇〇票強、白票が四万票強、無効票が二万票強。四〇〇カ所の投票所が警察により閉鎖され、七七万人が投票できなかった。(「インターナショナルビューポイント」二〇一七年一〇月号)

 



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