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    かけはし2017.年10月16日号

防衛省に怒りの抗議行動


9.11

6年連続の軍事予算拡大許すな

日米軍事一体化の推進やめろ



高校生の防災
訓練への動員
 九月一一日午後六時半から、防衛省に対して「六年連続の軍事予算増大、日米軍事一体化の推進、二〇一八年度概算要求に抗議・申し入れ」行動が行われた。
 呼びかけ:有事立法・治安弾圧を許すな!北部集会実行委昌会、立川自衛隊監視テット村、パトリオットミサイルはいらない!習志野基地行動実行委員会。協賛:新しい反安保行動をつくる実行委員会、武器輸出反対ネットワーク(NAJAT)戦争・治安・改憲NO!総行動。
 最初に、芝崎さん(有事立法・治安弾圧を許すな!北部実行委)が「北朝鮮が核実験・ミサイル発射を行っている。迷惑なことで、軍拡を促している。ただちに止めてほしい。年金を切り捨て、軍拡だけがされる。アジアの緊張をとく外交をすべきだ。大軍拡に反撃していく」と語った。
 大西さん(立川自衛隊監視テント村)は「九月三日、高校生二四〇人が『人間と社会』の授業として、防災訓練に動員された。許せない。九月五日、内閣官房などと政府交渉した。Jアラートは北海道―長野県など九つのブロックに分けている。今回北朝鮮のミサイル発射は東北方面と予想していた。おおざっぱにしかやっていない。迎撃ミサイルは三七回中二七回命中し、信頼性が高いと言ったが迎撃率は秘密で答えられないと言っていた。いいかげんなものだ。防災訓練反対運動の今後を展望する一〇・一二討論集会を予定している」と報告した。
 パトリオットミサイルはいらない!習志野基地行動実行委員会の吉沢さんは「自衛隊木更津駐屯地で沖縄のオスプレイ一機を整備している。陸自で五機購入し、木更津に配備する。岩国、横田、三沢でPAC3の訓練を行っている。そして、PAC3の発射実験をアメリカに持っていって行う。来年度予算で社会保障費を一三〇〇億円削って、軍拡予算を組もうとしている。許せない」と批判した。

先制攻撃可能
な武器も購入
協賛団体の武器輸出反対ネットワークの杉原さんは「高速滑空弾という射程の長いミサイルの研究費をつけた。先制攻撃できる兵器を持つことになる」と批判。京極さん(相模原からバスストップ基地ストップへ)は「八月以降、厚木基地の爆音がものすごい。第五次爆音訴訟が始まった。横浜港の中にある米軍ノースドックには北海道、沖縄、富士の演習のための武器が集められている。文科省の文章に、避難訓練の話が頻繁に出てくる。これにどう反対していくか、問われている」と提起した。
平和の声行動ネットワーク入間の仲間は、入間基地の強化に反対する行動の報告と子どもたちに向けた戦争反対の詩を朗読した。「戦争・治安・改憲NO!総行動」の仲間は「共和国の核・ミサイル開発を支持するわけではないが、話し合うしかない。安倍政権の軍拡・改憲に反対して九月二五日霞ヶ関デモを行う」と発言した。
軍拡予算に抗議する申し入れ書を防衛省に手渡し、シュプレヒコールを行った。        (M)

6年連続の軍事予算増大、日米軍事一体化の推進、2018年度概算要求に抗議する申入書

内閣総理大臣 安倍晋三殿 防衛大臣 小野寺五典殿 外務大臣 河野太郎殿

 政府は八月三一日、二〇一八年度概算要求を公表した。四年連続総額一〇〇兆円を超え、政策経費七七兆一三七二億円と過去最大となっている。そのうち「社会保障費」の当初予算比二・四%増は当然として、軍事費も二・五%増の過去最大の五兆二五五一億円に達し、第二次安倍政権発足以来、軍事費の増大は六年連続となることが確実となっている。私たちは、この社会的必要性皆無の軍事予算優遇に断固として抗議するものである。
本概算要求の特色は、二〇一三中期防の最終年度として、安倍政権が憲法を反故にしてまで一貫して強行してきた日米軍事一体化と現実性を欠いた軍事大固化路線の一定の区切りに加え、内外の危機を煽り、それを挺子にまさに焼け太りともいえるさらなる軍拡予算拡大を継続させるものであることである。
まず朝鮮民主主義人民共和国のミサイル実験と核開発を奇貨として、「イージス・アショア」の導入が目論まれている。しかも、先般の2+2において米国に対しあらかじめ購入を約束した上で、総額1600億円ともいわれる金額は明示しない「事項要求」にとどめるという国民を愚弄する姑息さをもってである。付け加えて「SM―6」導人も新設されており、これまで2兆円近い税金を投入しながら、有効性については一切証明されていない「ミサイル防衛」にさらに貴重な税金を空費させようとしているのである。そして、これに平仄を合わせるように、各地の自治体での「弾道ミサイル」を想定した時代錯誤の避難訓練の実施、横田、岩国、三沢基地でのPAC─3展開訓練と米国でのPAC─3発射実験を連続させるという、「総力戦体制」をあからさまにする政権の横暴さは目に余るものである。
同じく許しがたいのは、本来日本国憲法の法理からすれば断じて認められないはずの「敵基地攻撃能力」「先制攻撃能力」が、ミサイル防衛と「島嶼部防衛」の名目の下、公然と予算化されたことである。今回の概算要求には明記されてはいない攻撃型兵器の取得の研究予算がこれから付け加わる可能性も否定できない。陸自の「総隊制」移行、「水陸機動団」新設などドラスティックに自衛隊の運用体制が変わる中、「統合機動防衛力」とは「戦力としての自衛隊」の意味であることが露わになりつつある。日本国憲法の平和主義の理念のもとにある私たち主権者は、この暴挙を断じて許すことは出来ない。
最後に、巧妙に隠蔽されているが、軍事費「後年度負担」の異常なまでの増大にも納税者として抗議するものである。今後10年間で実に5兆2550億円と、概算要求額とほぼ同額の「つけ払い」が私たち納税者に押しつけられているのである。しかもここ数年の経緯からすれば、次期中期防が策定される来年度以降もその額が膨らんでいくことは明らかだ。
私たちは「基地の街」から反戦・平和・反基地を訴え続けてきた。軍拡予算は基地機能の強化を意味することを実感し抗議し続けてきている。安全保障の根幹をますます軍事優先とし、安全保障環境の変化、日米同盟、抑止力の名のもとに米追随の日米軍事一体化を推し進める、2018年度概算要求の抜本的な見直しを強く求めるものである。

 2017年9月11日
やめろ!大軍拡 戦争するな! 9・11対防衛省申し入れ行動

呼びかけ:有事立法・治安弾圧を許すな!北部集会実行委員会、立川自衛隊監視テント村、パトリオットミサイルはいらない!習志野基地行動実行委員会
協賛:新しい反安保行動をつくる実行委員会、武器輸出反対ネットワーク(NAJAT)、戦争・治安・改憲NO!総行動

参加者一同

9.28

安保法制の憲法違反を訴える集会

原告は7003人になった

日本国憲法の意義を照らし出す


 九月二八日夜、東京・神保町の日本教育会館で「私たちは戦争を許さない 安保法制の憲法違反を訴える市民大集会」が開かれた。主催は安保法制違憲訴訟の会。この日、臨時国会が召集され、即日解散となり、総選挙を焦点にして「希望の党」に民進党がなだれこむ動きが確実なものとなる緊張した情勢の中で、広いホールがほぼいっぱいになる大結集となった。
 二〇一五年、戦争法案が国会を連日のように取り巻く抗議の波の中で、戦争への道を再び歩ませてはならないという思いが多くの市民の中に広がっていった。この中で、多くの市民が各地で、「安保法制は違憲であり、廃止を」と訴え訴訟を始めることになった。この日の集会は、おりから九条改憲の決定的ステップとなりうる衆院解散が強行されるというもう一つの転換点にあたり、再び戦争への道を歩ませない市民の側からの意思表示の場となった。

現憲法の先駆性
忘れてはならぬ
内村涼子弁護士、棚橋桂介弁護士の司会で進められた集会は、最初に主催者あいさつを安保法制違憲訴訟の会共同代表の寺井一通弁護士が主催者あいさつ。寺井さんは、現在二一の裁判所で二四の訴訟が行われており、原告は七〇〇三人に達している。寺井さんは「戦争を絶対にさせないために、法律の違憲性を忘却することなく、この運動を広げよう」と訴えた。
基調講演は、寺井弁護士と同じく「違憲訴訟の会」の共同代表を勤める伊藤真弁護士。
伊藤さんは、神権国体思想に貫かれた明治憲法に基づいた国家が、ついに侵略戦争にまで突き進んだ結果として戦後憲法を作り出した意味を強調し、現憲法が「個人の尊重と人権保障」、「徹底した恒久平和主義」、「司法権の独立と違憲審査権」において先駆性を持っていることを強調。そうした先駆的流れを停止し、逆行させる意図に徹底して抗することを訴えた。
伊藤さんの講演の後、原告意見陳述として、東京大空襲で母と弟二人を失った河合節子さん、広島の被爆者である服部達子さん、外航船の船員でイラン・イラク戦争の時ペルシャ湾からの石油輸送にあたった元船員の本望隆司さん、元自衛隊レンジャー部隊員の井筒高雄さんが自らの体験を報告した。井筒さんは「安倍政権は現場の自衛隊員を無視している。リスクを語らない政府に踊らされてはならない」と強調した。

山城博治さんも
元気にアピール
続いて濱田邦夫さん(元最高裁判事)、青井美帆さん(学習院大教授)、柚木康子さん(安保法制違憲訴訟女の会)があいさつ。濱田さんは公聴会の公述人として二〇一五年に安保法制の違憲性について証言したことを報告。一九七二年当時、内閣法制局長官だった吉国一郎が「我が国は攻撃された場合の自衛権を認めているが海外派兵を認めているわけではない」と証言していることや、一九五九年の最高裁砂川判決は米大使にせっつかれて下したものであって日本の司法の汚点の一つだ、と述べた。
青井美帆さん(学習院大教授)は、この日の臨時国会開会即解散について、「臨時国会開催を要求しているのに開かず、開いた途端に解散というのは、国会の役割を果たしていない。国会が内閣を抑制できるのが立憲主義であって、私たちは憲法に政府を従わせなければいけない」と強調した。
最後に特別報告として、沖縄平和運動センター議長として不当な長期拘留を強いられてきた山城博治さんが大きな拍手に迎えられて発言。
「拘置所であなたは一人で孤立しているかもしれないが外ではみんながあなたとつながっている」とのメッセージをいただきうれしかった。この間、一九九七年の段階で、かりに辺野古に基地ができても滑走路が短いのでもう一つ三〇〇〇メートル滑走路ができないと普天間は返せない、と言っていたことが明らかになった。防衛省は今になって一九九七年の時からそう言っている、と主張しているがそんなことは誰も聞いていない。「今度の総選挙では沖縄の四人を全員当選させ、さらに一月の名護市長選で稲嶺市長を、秋の知事選で翁長知事を当選させよう。今こそ立ち上がろう、今こそ奮い立とう」。
この山城さんの叫びに、会場全体が熱烈な拍手で応えた。     (K)


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