沖縄報告:9月16日
朝鮮半島の緊迫に沖縄基地フル稼働
全県、全国から辺野古に大結集しよう!
沖縄 K・S
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10・10工事差し止め訴訟、10・25海上座り込みへ向けて
在日朝鮮人の友人が言った。「『北朝鮮』という言い方は間違いだ、『北朝鮮』は『南朝鮮』に対応する地域の概念だ、朝鮮民主主義人民共和国、あるいは真ん中をすべて省略して朝鮮国と言ってもいい」。もっともだ。南の韓国と北の朝鮮国。現在の朝鮮半島の軍事的緊張の激化において北の国を国家として正当に呼称しなければならない。
一番の問題は六七年前の一九五〇年に勃発した朝鮮戦争がまだ終わっていないことだ。一九五三年の休戦協定はあるが、戦争を終結させる講和はまだない。戦後アジアには三つの反共の火薬庫があった。ベトナム、台湾海峡、そして朝鮮半島だ。ベトナムの南北統一、台湾の民主化による台湾海峡危機の後退を経て、朝鮮半島だけが核危機にエスカレートして依然として続いている。米国、朝鮮国をはじめ関係国の講和条約により朝鮮戦争に終止符を打たなければならない。広島・長崎の被爆国として、原発事故を起こし収拾できていない国として、アジア侵略で多くの国の人々を死に至らしめた国として、そして戦争放棄の憲法第9条を持つ国として、日本こそが朝鮮半島の講和と平和のリーダーシップをとるべきだ。
朝鮮半島の危機のエスカレートに対応して沖縄基地は戦闘機、偵察機の離発着、海兵隊の訓練でフル稼働している。戦闘機・爆撃機の38度線付近への展開に続いて、米軍はまもなく横須賀基地を母港とする第7艦隊の原子力空母「ロナルド・レーガン」を朝鮮半島沖に派遣する。米軍は軍事挑発を止めて朝鮮国と戦争終結の協議を行なえ! 米軍のお先棒を担ぎ危機をあおって戦争への道に国民を動員する安倍を政権の座から引きずり下ろそう。
沖縄県が提訴した辺野古・大浦湾の埋立工事差し止め請求訴訟の第一回口頭弁論が一〇月一〇日に開かれる。沖縄現地の闘いはゲート前の座り込みを強化し、沖縄県、名護市の行政と固く連携して埋立工事のストップをめざして断固闘い抜く。一〇月二五日にはヘリ基地反対協議会がカヌー一〇〇艇による海上座り込みを行う。正念場だ。絶対に負けられない。全県、全国から辺野古へ大結集しよう!
9.16
辺野古土曜行動
国会議員をはじめ150人が座り込み
議員行動日の九・一六土曜行動には、照屋寛徳、赤嶺政賢、二人の衆院議員をはじめ、県議、市町村議を含め一五〇人がゲート前に座り込んだ。機動隊が配置されず、資材搬入の動きも見られないことから、途中からテントに移動して座り込みを続けた。
赤嶺政賢衆院議員は「国連で採択された核兵器禁止条約は五〇カ国以上の批准で有効になる。国際的な力で北の核・ミサイル開発、アメリカの核強化を抑えよう。防衛局は辺野古・大浦湾のサンゴの移植が七万八〇〇〇本以上になると計算している。実際はそれ以上だろう。ところが、ここにきて防衛局は、工事をすすめながら移植をすればいい、あるいは移植しなくてもいいと言い出している。辺野古は行き詰っている。辺野古は無理だということを安倍首相に認識させるために頑張る」と語った。
照屋寛徳衆院議員は「ペリー元米国防長官は一昨日の新聞報道で、普天間の県内移設は必然性のあるものではなく政治的な決定だ、と述べたという。日本政府が沖縄に基地を置きたがっているのだ。一緒に頑張ろう」と語った。立命館大の五人の学生は「沖縄は初めて。実際に来て見て目の前の米軍基地に恐怖を感じた」「基地は威圧感がある」「五年前修学旅行で来たことがある。今回二回目。本土では伝わらない沖縄の声を感じた」などと感想を述べた。
広島県尾道市の「退職教職員の会」の九人は「辺野古は初めて。皆さんの連日の抗議行動に敬意を表する。私たちの主張は、辺野古の海を守りたい。新基地建設を止めよう、ということ。私たちは微力だが無力ではない。一緒に闘いましょう」とアピールした。
うるま市島ぐるみの伊芸佑得事務局長は「今日は一五五回目の参加。一部は国頭の採石場に行っている。雨にも負けず安倍にも負けず行動するわれわれの闘いは新たなステージに入る。現場の工事はケーソンの取りやめなど大幅な工事の変更、翁長知事の承認撤回が近づいている。現場を守り抜くとともに、知事を支え,名護市長選、知事選に勝利し、安倍が辺野古新基地を断念するまで闘い抜こう」と述べた。島ぐるみ八重瀬は「闘いは正念場だ。島ぐるみの総力を結集し全国の支援の力も合わせて埋立阻止・新基地撤回を実現しよう」と訴えた。
八重瀬町議補欠選挙で二位当選した神谷信夫さんは「辺野古新基地反対を訴えて当選した。一四四〇票得た。翁長知事と共に地域から島ぐるみの運動を大きくしていきたい」と決意を語った。島ぐるみ那覇バスは「今日の参加は三〇人。台湾からも来ている」、北谷町議は「北谷町長選挙が一一月にある。野国現町長の再選に頑張る」と述べた。
台風一八号による荒天候のため海上行動が中止になったカヌーチームの代表二人は「七月二二日の海上座り込みは七一艇のカヌーが参加した。今度の一〇月二五日には一〇〇艇の海上行動を実現したい」と述べ、素晴らしいデザインの「辺野古・大浦湾をカヌー&船でうめつくそう!」とのチラシを配った。
ゲート前とトイレ、コンビニ、駐車場を行き来する送迎車に、県警のパトカーがしつこく「駐車違反」の取り締まりをするようになった。この日も「通報があった」と軽パトを含む二台のパトカーがテント前を行き来した。道路幅も比較的広く、交通量もそう多くないゲート前で送迎車の乗り降りは誰も迷惑を被っていない。警察庁から派遣された県警幹部による意図的な嫌がらせ、ゲート前座り込みに対する圧力以外の何物でもない。この間続く「道交法」逮捕・一泊釈放に示される警察力を行使した現場の抑え込みの一環だ。
9.13
水曜集中行動に150人
資材搬入阻止の攻防を3回貫徹
台風一八号が接近し強風雨が吹き荒れる中、南部、北部の島ぐるみと本土からの参加者を中心に一五〇人が集まりゲート前に座り込んだ。この日のマイク担当は平和市民連絡会の城間勝さん。はじめに「沖縄今こそ立ち上がろう」「座り込めここへ」を全員で歌ってゲート前の集会を始めた。島ぐるみ糸満の金城さんは「八・一二のあと、アメリカのジュゴン訴訟の一審破棄と差し戻し、ドイツの平和賞のオール沖縄会議への授与、など沖縄の闘いの国際的な評価が進んだ。四月下旬埋立着工のニュースが全国に流れたが工事は全部仮設だ。国は国民に対する印象操作を行っている。今日糸満島ぐるみは三三人で参加した。内五人は初めての参加だ。訴えれば必ず広がる。頑張ろう」と訴えた。
豊見城の新田さんは「スタンディングをしている時、二カ月に一度辺野古基金にカンパしていた支援者の一人が、本格工事が始まったのでもうだめだと諦めてカンパを取りやめたと言った。政府とマスコミの印象操作のせいだ。実は工事は進んでいない。その人は来月からまたカンパをやると言った」と報告した。埋立工事はレッドラインを越えたと誤解している人々が多い。埋立工事が進んでいるとの政府の宣伝と、辺野古の現状を報道しないマスコミに原因がある。
途中、ダンプが世富慶を通ったとの情報に、ゲート前をガッチリと固めて座り込んだ。キャンプ・シュワブの第1ゲートから出てきた機動隊が、指揮棒を持った隊長の「かかれ!」の合図で座り込みの排除にかかった。排除され、基地のフェンスと警察車両の間に囲い込まれている間に、ゲートの南北から、一〇トンダンプ、二〇トントレーラーなど約五〇台が砕石を主にコンクリート電柱やH鋼を運び込んだ。マイクからは継続して「違法工事を止めよ」「自然を守れ」「基地建設に加担するな」との訴えが響いた。
再開されたゲート前の集会では、「沖縄と連帯する島根の会」のメンバー一〇人が、「ありがとう」を出雲弁で「だんだん」ということを紹介しながら「沖縄の皆さん頑張って。島根も頑張る」とアピールした。早稲田大学のジャーナリズム関連ゼミの学生一五人は沖縄タイムスの阿部記者の話を聞くなどゲート前の様子を取材した。また、愛知県の金城学院大の学生一二人も授業の一環としてゲート前を訪れ、参加者の話を聞いた。
早めの昼食をとったあと、二回目の資材搬入に備えてゲート前で座り込み集会を続けた。本部町島ぐるみは「月水の週二回、ゲート前行動に参加している。今日は一〇人で参加した。ドイツの平和団体がオール沖縄に平和賞を授与したのは、沖縄の闘いが世界に認められたことを意味する。あらゆる知恵をしぼって勝ち抜こう」と述べた。しばらくして機動隊による座り込み排除と資材搬入が強行された。この日、合計三回の強制排除で合わせて一七二台の資材搬入が行われた。
9.15
沖縄総合事務局交渉
不法ダンプ運行許すな
平和市民、統一連など迫る
九月一五日午後、赤嶺政賢衆院議員の参加も得て、平和市民、統一連を中心に辺野古現場における不法ダンプの横行の実態に対し、沖縄総合事務局が責任を持って取り締まることを求める対運輸部交渉が行われた。事前に運輸部に提出していた、六〇枚以上の違反車両の証拠写真をもとに、平和市民の北上田毅さんは、「過積載」「番号表示不備」「整備不良」「荷台さし枠の取り付け」「突入防止装置の不備」等をあげ、「不正改造は犯罪だ。総合事務局の対応はハガキのみで全く実効性がない」と追及した。
嘉村徹也運輸部長は「写真だけでは違法と断定できない。法令違反がないよう指導していく」などと一般的に述べるだけにとどまった。@現地に行き違法ダンプを取り締まってほしい、A県警にも違法ダンプを無くすよう協力要請してほしい、との申し入れに対しても、運輸部は「仕事のやり方として現地に出向くことはしない」と答えるのみだった。これを「お役所仕事」というのだろう。当事者意識がまるでない官僚の事なかれ主義を目の当たりにして、日本の政治の「官僚の壁」を痛感した。
謝名元慶福監督
『いのちの海 辺野古大浦湾』
南風原上映会に80人
一昨年の『いのちの森 高江』の姉妹編『いのちの海 辺野古大浦湾』(七一分)が完成し、名護市と南風原町で上映された。謝名元監督が一〇人以上のカメラマンの協力を得て、一部ドローンを含む貴重な映像を通じて、いのちあふれる海がアメリカの戦争のために壊されようとする様を淡々と訴えるように描いたドキュメンタリー映画だ。何より映像が美しい。辺野古の歴史、鳩山元首相の回想、地元の反対運動の経緯なども分かりやすく編集されている。上映権付DVDが二〇〇〇円で販売中。なお、『いのちの森 高江』は一五〇〇円。申し込みは「文化工房慶」(携帯080-3225-1854。HPはbunkakoubou-kei.jp)
高江・辺野古弾圧裁判
10、11月の公判日程
山城博治さん、稲葉博さん、添田充啓さんが起訴された高江・辺野古弾圧裁判の期日は次の通り。公判の開始は午後一時半。一二時から那覇地裁前の城岳公園で集会が開かれる。結集し、無罪を勝ち取ろう。
一〇月三日(火)、二三日(月)、三〇日(月)、一一月八日(水)、一五日(水)、二〇日(月)
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