8.19
労働法制改悪阻止国会前行動
残業代ゼロ絶対阻止
悪天候ついて2000人
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八月一九日午後四時から、労働法制改悪阻止、安倍政権打倒を掲げ、日本労働弁護団が呼びかけた国会前行動が行われた。労働弁護団が国会前の行動を呼びかけたのは初めてだという。高度プロフェッショナル制度の導入や裁量労働制拡張など、多方面からの批判に背を向けあくまで労働規制の解体を強行しようとする安倍政権に対し、臨時国会を前に闘争宣言を突きつける並々ならぬ意欲が込められた。
この呼びかけに込められた思いは、時間と共に強くなる雨足をものともせず数を増す参加者の形でしっかり受け止められた。連合、全労連、全労協の各ナショナルセンター傘下の労組、さらにどのナショナルセンターにも加わっていない労組の組合員、また市民が、数多くの組合旗、横断幕、デコレーションと共に、衆院第一、第二議員会館前の歩道を埋めた。結集は主催者発表で二〇〇〇人。派遣法改悪を始め安倍政権が次々に繰り出す労働政策に関する悪政に対し、この間数多くの国会前行動が労働組合を中心に重ねられてきたが、おそらく今回はその中で群を抜いて最大規模の行動となった。
デタラメきわ
まる一括審議
行動は、戦争させない・九条壊すな総がかり行動でおなじみの菱山南帆子さんの音頭による、残業代ゼロ認めない、政府は市民・労働者の声を聞け、安倍政権を打倒するぞ、などの首相官邸に向けたコールで始まった。菱山さんは、今日は福祉労働者の一人として声を上げると、当事者の一人としての決意を明らかにした。
次いで日本労働弁護団幹事長の棗一郎さんが主催者あいさつに立ち、今回の行動は労働弁護団としては初めての国会前行動だと紹介しつつ、今日は全国からの参加者を交え、市民との共闘として闘争を発展させる出発点だと語り、大きな社会的共同として安倍政権に立ち向かおうと呼びかけた。その上で、イカサマ「働き方改革」と労働基準法改悪を一本化し一括審議に持ち込もうとする動きについて、うたい文句としては規制強化であるはずの「働き改革」と規制解体である基準法改悪では方向が逆、その一本化など本来あり得ない、そのようなデタラメなやり方は絶対許されない、と力説、八月末と観測される労政審を含め、まずこのような道理のない一括審議狙いを徹底して打ち砕こう、そしてそのような悪政を重ねる安倍政権を連帯して打倒しよう、と訴えた。
ブラック企業
の増殖推進法
この棗さんの訴えに応えて、結集した団体・労組や国会議員が次々に発言に立ち、労働法制改悪を阻止し、安倍の打倒に立ち上がる決意を明らかにした。発言団体は、ブラック企業被害対策弁護団(市橋耕太弁護士)、かえせ☆生活時間プロジェクト(圷由美子弁護士)、総がかり行動実行委員会、雇用共同アクション(黒部清明農協労連委員長)、ユニオン三重、全日建連帯、全労金。国会議員は民進党の初鹿明博衆院議員と小川敏夫参院議員、日本共産党の山添拓参院議員。他に、社民党と自由党からメッセージが届いていることが報告された。
中で市橋さんは、割り増しの残業代は本来は禁止であるはずの残業に対するペナルティ、それをゼロにすることはペナルティの取り消しであり、ブラック企業増殖推進にほかならないと厳しく批判、労働者にとって自由時間が不可欠であることは人であることの基本、その基本的人権の問題として市民運動と労働運動の共闘を発展させようと力を込めた。また圷さんも、労働時間規制は、いのち、健康、人間らしさを守る防波堤だと指摘、安倍の言うドリルは民主主義破壊のドリルだと鋭くえぐり出し、安倍政権との徹底対決を訴えた。
労働団体側からは、労政審の三者構成原則が形骸化されようとしていることや、長時間労働規制を謳いつつ実体はその野放しでしかないまさに侮蔑としか言いようのない姿勢への怒りが表明され、その阻止に向け大きな共闘を共に作り上げる、との決意が各々明らかにされた。
この日の行動を文字通り出発点に、さらに大きな安倍政権を包囲する民衆の輪を作り出し、安倍政権もろともに労働の規制解体策動を打ち砕こう。 (神谷)
8.6
日米2プラス2に強い怒り
安倍内閣は直ちに退陣!
総がかり行動も国会前行動
トランプの軍事
冒険に追随するな
八月一九日、午後四時からの「労働法制改悪に反対する国会前行動」に続き、午後五時から毎月の一九日行動として、「安倍内閣退陣」を求める国会前行動が「総がかり行動」実行委員会の呼びかけで開催された。二四〇〇人が参加した。
激しい雷雨の中で全身ズブ濡れになりながら、参加者たちは、朝鮮半島の核戦争危機に対する米日「2プラス2」(外務・防衛担当閣僚会議)のきわめて挑発的・攻撃的対応にあらためて強い怒りを表明した。
一基八〇〇億円とされる陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の米国からの購入・配備、「宇宙部隊」の創設と日米の宇宙監視システムの構築検討、中期防(中期防衛力整備計画)や防衛計画大綱の改訂など、日米間の軍事的「前のめり」の姿勢が、軍事予算の拡大、戦略上の重大な変更をふくめて、どのような事前の説明や論議もないまま進められてしまったのは、とんでもないことだ。
米軍制服組トップだったマレン元統合参謀本部議長も、トランプ大統領の「瀬戸際外交」が「指導者の選択肢を奪い、戦術の余地を狭める」「意図せぬ結果や誤解を招き、即座に制御不能に陥る可能性がある」と批判している(「朝日」八月一九日朝刊)。小野寺防衛相、河野外相は、こうしたトランプの「思い付き的」とも言える軍事的エスカレートに、いかなる事前の説明もないまま無批判的に追随してしまったのである。
集会では、小田川義和共同代表が、朝鮮半島の核戦争危機を背景にした「日米2プラス2」での軍拡・挑発の動きを批判するとともに、改憲への前のめり姿勢を再度あらわにした安倍政権への打倒を訴えた。さらに福山真劫共同代表も行動提起の中で、九月八日の「安倍9条改憲NO! 全国市民アクションキックオフ集会」(午後六時半、中野ゼロホール)、九月一八日の「ともに生きる未来を さようなら原発・さようなら戦争全国集会」(正午、代々木公園)、九月一九日の「戦争法採決から2年・戦争法廃止と安倍内閣退陣を求める国会正門前集会」(午後六時半)への結集を訴えた。さらに二〇〇〇万署名運動を引き継ぐ安倍改憲阻止の新しい署名運動も提起された。
日本労働弁護団の棗一郎弁護士から「労働法制改悪反対」の行動について、安保法制の廃止を求める学者の会の西谷修さんから発言を受けた。国会議員からの連帯のあいさつは日本共産党の田村智子参院議員(副委員長)と、民進党の菅直人衆院議員(元首相)が行った。
朝鮮半島の戦争危機に立ち向かい、秋の臨時国会での攻防を見据えながら、改憲阻止・安倍内閣打倒へ、さらに大きな共同行動のうねりを! (K)
グアムからアメリカへの公開状
ビクトリア・ロラ・M・レオン・ゲレロ
2017年8月10日
金正恩政権が、米軍グアム基地をターゲットにしたミサイル発射を宣言したことにより、グアムをめぐる戦争の危機がクローズアップされている。しかしそこで語られていないことは、米軍基地を押しつけられた植民地グアムの先住民の人々である。グアムの先住民族の活動家のメッセージの抄訳を紹介する。全文はATTAC関西のサイトで読むことができる。(編集部)
親愛なるアメリカのみなさん
あなたがたがついにグアムのことを心配してくれるようになってうれしいです。オンラインで読んでいる限り、あなたがたの多くは初めて「グアムって何?」って尋ねています。グアムで育った私たちは、毎日あなたがたのことを聞かされてきました。残念なことに、あなたがたが「グアム」という言葉を口に出すのは、私たちが爆弾の標的にされる時だけです。あなたがたに知ってほしいことはいっぱいあるのに。
私たちはこの間の爆撃の脅迫にそれほど驚いていません。グアムと爆撃が同じセンテンスの中で語られるのを聞くのは慣れています。毎月のように、ミサイル発射実験が行われるたびに、北朝鮮や中国やロシアがグアムを爆撃するかも知れないと聞かされています。……
しかし、あなたがたこそ、爆撃をめぐるすべての問題の原因です。
これまでグアムに落とされた爆弾の中で最悪のものは第二次世界大戦の最後の段階で、あなたがたが投下したものです。開戦当初は、あなたがたは日本がグアムを侵略することを知っていながら、私たちを無防備のままにしました。攻撃が始まる数カ月前に、軍人の家族たちを安全な船で米本土へ返しましたが、私たちを守るためには何もしませんでした。……
あなたがたは一九四四年にグアムに戻ってきたとき、爆弾で私たちの島を荒れ野にし、多くの家族が家をなくしました。……それによってあなたがたは巨大な基地を建設することができました。グアムの人たちはあなたがたの軍隊に入隊し、あなたがたの自由のために死にました。人口当たりの戦死者の数ではあなた方を上回っています。
現在、あなた方は私たちの島の三分の一を占領しています。私たちの隣人たちに向けられた爆撃機や原子力潜水艦を駐留させています。……
私たちは犠牲にされています ……
一度も同意したことがないのに、それどころか多くの人々にとっては意に反してです。神聖な先祖伝来の村に入ることもできず、森とそこに住む生き物たちが、海兵隊の射撃場のために破壊されようとしています。
……私は今、ここで子どもを育てています。小さな子どもたちが、あなたがたの爆撃機の轟音が聞こえると、遊んでいた公園の滑り台の下に隠れます。道路には「児童公園- 徐行」という標識があります。あなたがたも徐行して、子どもたちを遊べるようにしてくれませんか?
ここはこの子たちの、そして私の、私のママの、ママのママの生まれ育ったところです。……
……私は私の家族が平和に暮らせると信じて、安心して眠れることを望んでいます。どうか爆撃について語るのはやめて、なぜグアムが二〇一七年の今もあなたがたの植民地であるかを自問して下さい。
ビクトリア・ロラ・レオン・ゲレロ
(Victoria-Lola Leon Guerrero)
1:40 a.m. August 10, 2017
Yo'?a, Gu?han(Guam)
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