沖縄報告:7月1日
反撃の7月を実現しよう
沖縄 K・S
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7・22キャンプシュワブ包囲
7・25海上座り込みに参加を
七月一日土曜日。辺野古のキャンプ・シュワブゲート前で座り込み行動が行われるとともに、高江の北部訓練場N1ゲート前で防衛局によるヘリパッド関連工事再開に対する抗議行動が行われた。今後、辺野古と高江の二つの現場での行動が続く。昨年一二月北部訓練場の一部返還の式典に間に合わせるためにヘリパッド建設突貫工事が行われた。しかし、G地区に至る進入路がまだ出来上がっておらず、ヘリパッドも欠陥だらけで米軍は使用することができない。進入路をつくるな、補修工事も必要ない、やんばるの森にオスプレイを飛ばせるな。沖縄の貴重な財産である亜熱帯の森とサンゴ礁の海を守り新しい米軍基地を造らせない高江と辺野古の闘いに参加し広げて行こう!
6.29
海上行動にカヌー11艇抗議船3隻
フロートを越え砕石
投入STOPを訴え
六月二九日午前七時浜のテント2に集まった海上行動チームは、週初めから防衛局が新たに始めたK1護岸予定地付近の砕石投入現場で抗議行動を行なった。カヌー一一艇に抗議船はブルーの船、平和丸、勝丸の三隻。砂浜に砕石を投入しショベルカーで均す作業をする現場は内側から汚濁防止膜、小玉フロート、大玉フロートの順に三重に張られている。砂浜には民間警備員と軍警。海保はカヌーが大玉をこえれば拘束しようと胸まで海水につかって小玉フロートの前後に並んで待機している。
フロートの外でプラカードを掲げ声を張り上げて抗議を続けた後、いっせいにフロートを越えて作業現場へと突進していった。朝一のこの時間は満潮。胸のあたりまで海に浸かった海保は動きが鈍くなかなかカヌーを拘束できないのをしり目に、カヌーチームはフロートの中で工事の中止を訴えた。そのあと海保に拘束され高速ゴムボートに乗せられて辺野古の松田ヌ浜沖で解放されるまで1時間余り。解放されたカヌーチームはすぐに抗議船に乗って現場に行き、再びフロート付近での抗議―フロート越え―海保の拘束―松田ヌ浜沖での解放のサイクルを繰り返した。午後も現場に直行。この時間は潮が大きく引いた状態で、カヌーチームはフロートを越えて抗議し拘束された。そのあと解放され現場に戻った三時ごろはさらに潮が引き、ひざ下あたりまで海水に浸かった海保が大玉フロートの前に出て並んでおり、軍警も近くにいる。カヌーチームは一定の距離を保ちながら監視と抗議を続け、四時ごろ作業が終了したことを確認して、引き上げた。
今週から始まった仮設道路づくりのための砕石投入の場所はキャンプ・シュワブの辺野古側の海岸だ。沖に出て海岸線を見ればよく分かるが、右手に平島と長島、辺野古崎の先端を見て左手に松田ヌ浜に至るまで砂浜のある海岸線がきれいに残っている。今でもウミガメが産卵に上陸する砂浜だ。ボーリング調査を始める前はジュゴンも住んでいた。防衛局が今週から始めた砕石投入による仮設道路づくりによって、砂浜のある海岸線はどんどん破壊されていく。そして埋立てが進めば、自然の海岸線はなくなり、満潮時の海面から高さ一〇mにV次型滑走路を有するコンクリート構造物に姿を変える。。
辺野古新基地建設はできない。不可能だ。翁長知事は二年前に出した『闘う民意』で述べた。日本政府は海への土砂投入を強行することまではできるかも知れないが、沖縄の民意、名護市・県の行政権限、現場の座り込みが立ちふさがる。安倍政権からしていつまでも続くわけではない。何より国際情勢が変化する。そうなったら、埋め立て工事は無残な残骸をさらしたままどこかの時点で中断することになる。これは日本政府にとっても県民にとっても「勝利」とは言えない。だから後世に禍根を残す愚かな埋立てをやめるよう翁長知事は訴えた。
埋め立て工事が強行され海の破壊が進めば進むほど、原状回復が困難になって行く。いかに困難でも、われわれは辺野古・大浦湾の原状回復を必ず成し遂げる。そのために早い段階で工事を止め日米両政府にギブアップさせることが必要だ。反撃の七月にしよう。7・22数千人によるキャンプ・シュワブ包囲行動と一〇〇艇のカヌーによる7・25海上座り込み行動に総結集しよう!
6.28
ゲート前水曜行動に200人
人が集まれば工事は進まぬ
六月二八日水曜日のゲート前集中行動に二〇〇人が集まり終日座り込んだ。水曜行動としては参加者が少なめだったのは、午後に山城・添田裁判が予定されていることが影響したとのことだ。平和市民連絡会の伊波義安さんは「やんばるの山は夏を迎えた。やんばる固有種のノボタンやイジュの花は散った。ダムは満杯。固有種リュウキュウヤマガメはよく見かけるが、ベトナムの亀の親戚だ」などと述べ、ヘリパッド建設で壊されるやんばるの森の素晴らしさを語った。
ヘリ基地反対協の安次富浩さんは「昨日は船に乗りK1護岸とK9護岸の現場で抗議した。違法工事だ。マリン・セキュリティの燃料廃棄が明らかになった。この会社はブラック企業だ。残業代未払いやパワハラもある。契約しているのが防衛局だ。森友・加計に稲田発言、下村の献金まで、こんな内閣は以前だったらとっくの昔につぶれている。民主主義を取り戻そう。非暴力の闘いで朴槿恵大統領を追い出した韓国の人々のように安倍を倒す闘いをつくり上げよう」と檄を飛ばした。
水曜日のゲート前行動分担は北部と南部。南部の島ぐるみが次々各地の活動報告と決意表明を行なった。南城市「沖縄県議会に工事差し止め訴訟の案件が上程された。行政と連携して頑張り抜こう」、八重瀬町「闘牛では、やられても傷ついても、負けるのは先に逃げ出した方。相手より先に逃げ出さないことが勝つ方法だ」、豊見城市「今日は八人で参加している。6・23で安倍は沖縄の負担軽減をしているという嘘をついた。安倍を政権の座から追い出そう」、糸満市「ハイサイ、チバラナヤーサイ。6・23追悼式での翁長知事の発言には何度も大きな拍手があった。翁長知事と共にガンバロー」。
全国からの発言が続いた。五人で参加した京都の「ひまわり合唱団」は「月曜から来ている。昨日は伊江島に行った」と述べ、数曲を歌った。滋賀県からの四人は「反戦老人クラブをつくって活動している。本土がもっと運動しなければいけない」と話した。東京の「都高教退職者会」の一四人は「会員は二五〇〇人いる。沖縄への取り組みの時期はメンバーそれぞれ異なるが、新しい基地は造らせないという思いはひとつだ」と訴えた。八七才の女性を含む群馬からの四人は「来てよかった。帰って広げたい。人を増やす以外に勝つ道はない」と述べた。
三〇分の休憩後、伊波さんは「嘉手納ピースアクション」について「嘉手納基地は普天間基地の四倍、成田空港の二倍。米軍が海外に持つ最大の空軍基地であり侵略基地だ。米軍は嘉手納基地の撤去運動が起こることを最も恐れている。毎週金曜日早朝、嘉手納基地のゲート前で行ってきた行動はこれまで六五回、延べ七〇〇〇人を数える。六月三〇日は朝七時から九時まで第1、第5ゲートを封鎖しよう」と呼びかけた。そのあと、金武町、南風原町、宜野座村の島ぐるみのあいさつの後、キャンプ・シュワブ第1ゲートまでデモ行進し午前の日程を終えた。
この日午後一時と三時の二度、機動隊による座り込み排除と資材搬入が強行され、合わせて一四台の砕石ダンプが進入した。
6.25
高江座り込み
10周年報告会
六月二五日(日)午後東村で「高江座り込み10周年報告会」(主催=ヘリパッドいらない住民の会)が開かれ、三五〇人が集まった。赤嶺政賢衆院議員、伊波洋一参院議員も参加した。北部訓練場の重機類を使用した工事中断期間は六月三〇日で終わり、七月からは、昨年突貫工事でつくられた欠陥ヘリパッドの補修と未完成進入路の工事が予想される。集会は再び高江の闘いへの結集を確認するものとなった。
司会はKEN子さん。開会あいさつで、住民の会の安次嶺現達さんは「ヘリパッドはできたと言われているが、赤土流出など全然終わっていない。ヘリパッドをオスプレイに使わせない闘いをしよう」と述べた。そのあと、各団体のあいさつが続いた。
高江現地行動連絡会の間島孝彦共同代表「やんばるを世界遺産に登録させ基地撤去を進めよう」。
沖縄平和運動センターの大城悟事務局長「山城さんは今東京、大阪を回っている。県民総ぐるみで裁判勝利と共に、辺野古・高江を闘おう」。
ヘリ基地反対協の仲本興真事務局長「小さな島に米軍が居すわる植民地状態にわれわれの代で終止符を打とう」。
大宜味9条の会の平良啓子世話人代表「死ぬまで高江に通う。人を殺さない、殺されない世の中をつくる」。
島ぐるみ東村の共同代表「安倍こそ負担軽減を進めているという印象操作をしている」。
統一連の仲村司代表「安倍は6・23追悼式で新基地建設を述べた。許さない」。
平和市民連絡会の北上田毅さん「一〇年間の高江の闘いに敬意を表する。H地区からの赤土流出に防衛局長が飛んできた。県は赤土条例でしっかりと対応すべきだ。四カ所のヘリパッドの工費が当初の六億円から九四億円になった。デタラメだ」。
高江弁護団の小口幸人弁護士「高江の工事差し止め裁判は残念ながら勝てなかったが、今後とも弁護団として支えていきたい」。
後半は詩人、翻訳者、エッセイストのアーサー・ビナードさんが一時間以上にわたって時に軽妙に時に情熱的に講演した。最後に住民の会の宮城さんが閉会のあいさつ、そしてガンバロー三唱で幕を閉じた。
6.18
ドキュメンタリー映画
「『知事抹殺』の真実」上映
六月一八日、那覇市でドキュメンタリー映画・「『知事抹殺』の真実」の上映会が開かれた。福島の原発の差し止めを行なってきた佐藤栄佐久元県知事の歩みと検察・裁判所が一体となった収賄事件のでっちあげを描いたドキュメンタリーだ。映画を見て、佐藤元知事は無実であることを確信した。冤罪だ。二〇〇六年、第一次安倍政権が成立した時期と重なっているのは偶然か! 国家権力を掌握した政府周辺の人々は国策遂行にジャマになる人々を排除するためにウソのキャンペーンや無実の罪をかぶせることを平気でやる。マスコミが同調し裁判所が追認する。「森友学園」や「加計学園」での安倍官邸のウソと官僚の追随にも同じ問題がみてとれる。
一九四一年日米開戦を前に尾崎秀実はじめ約二〇人が捕まった、あの有名な「ゾルゲ事件」も陸軍と検察による近衛文麿首相追い落としのでっちあげ・冤罪事件だったという研究がある(孫崎享『日米開戦へのスパイ 東條英機とゾルゲ事件』)。われわれの闘う日本国家権力中枢が、骨の髄までしみ込んだ反人権の性格を戦後も引き継いでいると考えると恐ろしいが、事実だ。
海兵隊を考える
2本の映画の上映会
森の映画社制作、藤本幸久・影山あさ子共同監督による米海兵隊を描いたドキュメンタリー映画二本(『ONE SHOT ONE KILL』と『This is a 海兵隊』)の連続上映会が行われている。すでに名護市、那覇市での上映が終わり、七月九日(日)午後二時からの県立博物館・美術館での上映を残すのみとなる。二〇一一年、米海兵隊ブートキャンプでの密着取材によって出来上がった『ONE SHOT ONE KILL』は人を殺す兵士がどのようにして作られるかを内部から描く。もう一つの映像は、沖縄に駐留した海兵隊兵士たちの証言を主に、海兵隊の実態を明らかにする。何度見ても見飽きるということのない映画だ。沖縄に米海兵隊はいらない。
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