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    かけはし2017.年7月3日号

全国から沖縄に駆けつけよう


沖縄報告:6月24日

7・22キャンプ・シュワブ包囲

7・25海上座り込みに参加を

沖縄 K・S

6.23

慰霊の日、米軍ある限り
沖縄戦は終らない


 一九七二年5・15沖縄返還・沖縄の本土復帰から数えて四六回目の慰霊の日を迎えた。平和の礎や各地の慰霊塔では犠牲者を追悼し「命どぅ宝」「戦争のない世界」をあらためて心に刻んだ。糸満市摩文仁の平和祈念公園で行われた沖縄県・県議会主催の追悼式で、翁長知事は「沖縄の民意を顧みず工事を強行している現状は容認できるものではない。私は辺野古に新たな基地を造らせないために、今後とも県民と一体となって不退転の決意で取り組む」と宣言した。
今年が正念場だ。ゲート前と海上の不屈の現地闘争と一体となって、行政として県ができるあらゆることを実行して行けば、今や政権末期の様相を呈している安倍に最後のとどめを刺し新基地建設を止めることが必ずできる。
沖縄には、昨年末の北部訓練場返還のあとも依然として、基地面積にして日本全国の米軍専用施設の七〇%以上、米陸海空海兵四軍の軍人・軍属・家族五万人が駐留し事件事故、犯罪、騒音、自然汚染を繰り返している。沖縄駐留米軍の起源は沖縄戦だ。米軍基地ある限り沖縄戦は終わらない! 慰霊の日を迎えて、すべての米軍を追い出し沖縄の平和と安心できる生活を勝ち取る闘いをさらに強めよう。

6.24

海上パレードにカヌー22艇抗議船4隻

瀬嵩の浜で300人が連帯集会

ジュゴンを救えと海上デモ

 梅雨明けの六月二四日土曜日、海上行動チームはカヌー二二艇、抗議船四隻で海上パレードを行なった。カヌーチームは瀬嵩の浜に集まった人々の正面で「ジュゴンを救え」の大きな横断幕を掲げてデモンストレーションをした。浜には「2017平和行動in沖縄」に全国から参加した「連合」の組合員も含めて約三〇〇人が集まり、海上行動チームを激励し連帯する集会を開いた。四隻の抗議船には、国際女性ネットワーク会議に参加した海外代表団をはじめメディアなどが定員いっぱい乗り込んだ。
抗議船の上からは仲本興真事務局長が「安倍は、沖縄の負担軽減のためにできることはすべて行うと言いながら、新基地建設をがむしゃらに進めるという暴挙を行なっている」とマイクで糾弾し、浜からは安次富浩共同代表が「この海は私たちのもの。海を取り返そう。勝つまで粘り強くしなやかに、海上とゲート前で闘い抜こう」と呼びかけた。
カヌーメンバーは「K9護岸は簡単にはできないが、かなりのスピードで建設が強行されている。七月二五日はカヌー一〇〇艇で海上座り込みを実行する。朝七時半、浜のテント2に集まろう」と訴えた。ヘリ基地反対協では、「初心者も参加できる。七月一七〜二四日は毎日カヌー教室を開催する(連絡先=090-1865-8536)」と呼びかけている。
最後に「美ら海守るぞ」「サンゴを守るぞ」「平和を守るぞ」などとシュプレヒコールを叫び浜での集会を終えた。そのあとK9護岸に向かったカヌーチームは、午前と午後の二回、フロートを越えて作業現場に近づき抗議した。

死者への冒涜
は絶対許さぬ
キャンプ・シュワブゲート前では、「慰霊の日」にちなみ道路の反対側に設けられた祭壇に香をたて手を合わす参加者の列ができた。ガマフヤーの具志堅さんは「大浦崎収容所で少なくとも三〇〇人以上が亡くなっているがこれまで遺骨調査はされていない。その上にコンクリートで固めた基地を造るのは死者に対する冒涜だ」と訴えた。
六月二日ゲート前で機動隊に押されて地面に頭を打ち付け頭蓋骨骨折の重傷を負った中村淑子さんも夫と共に参加、元気な姿を見せた。硬膜下血種は徐々に小さくなっているが、割れた頭蓋骨は以前のように接合されることはなく、臭覚障害も発症したという。国家に対する賠償請求裁判を検討中とのことだ。
国際女性ネットワーク会議に参加した海外代表団も高里鈴代さん、糸数慶子参院議員と共にゲート前座り込みに参加し、軍事主義に反対し人権を守る各地の闘いと連帯をアピールした。日本山妙法寺の鴨下僧侶と共に行動してきたアメリカからの参加者は「沖縄での二カ月を忘れない。人生の中で沖縄の人たちほどやさしい人たちに出会ったのは初めてだ。来週アメリカに戻るが、世界から戦争をなくす、沖縄から基地をなくすために頑張る」と述べた。

キリスト者も
全国から参加
その他、東京の「カトリック正義と平和協議会」、長野県の「信州沖縄塾」、山形県の鶴岡教会など全国からの参加者、県内各地の島ぐるみの参加者でゲート前は活気であふれた。
先週から水曜土曜も資材搬入を強行している防衛局はこの日も午後三時過ぎ、採石場からのダンプを動かしたとの情報に、ゲート周辺には約一五〇人が集まって座り込んでスクラムを固めた。機動隊はカマボコ車二台分、約六〇人でスクラムをほどき座り込み排除にかかるが、参加者の身を挺した懸命の抵抗に手を焼き時間がかかる。クレーン車一台とダンプ三一台が基地内に進入し、積み石を集積場に下して出ていくまで一時間余り、ゲート周辺と道路の両側では「埋立するな」「工事やめろ」の怒号と抗議が渦巻いた。

6.12

辺野古ゲート前に200人

資材搬入に抗議し果敢に闘う


この日も早朝からゲート前に座り込んだ。水曜日のマイク担当は平和市民連絡会。午前はうるま市の伊波義安さん、午後は那覇市の上間芳子さんが担当した。
ヘリ基地反対協の安次富浩共同代表は「名護市民は二〇年間体を張った非暴力の闘いを続けてきた。非暴力の闘いの三条件は、諦めないこと、知恵を出し合うこと、団結することだ。名護市民は稲嶺市長を中心に団結している。日本が『法治国家』というのはウソ。国際概念では独裁国家と見られている」と述べた。
大城悟平和運動センター事務局長は「土曜に若い仲間を結集していく。今が頑張り時だ。圧倒的に結集して止めて行こう」と檄を飛ばした。
郵政ユニオンは「ピースサイクルで北から南を回っている。昨日は高江に行った。今日は辺野古、明日は那覇、明後日は6・23集会に参加する」と述べた。大阪府堺市から参加の五人のうち藤本市議は「今回初めてゲート前に参加した。聞くのと実際に来るのとでは大違い。辺野古の諦めない闘いに力を得た」と述べた。兵庫県姫路市から参加の四人は「カヌーに乗るために来た。捨石が海に投げ込まれるのを見ていられない。カヌーチームを増やして工事を止めよう」と呼びかけた。埼玉県越生町の田島前町長は「横田基地に近く、オスプレイが飛んでくる。日本中沖縄と一緒だ」と連帯を訴えた。
本部島ぐるみは「山城砕石鉱業に毎日張り付いてチェックしている。国頭の石灰岩に比べて本部の石灰岩は年代が古く白くて固い。先ほど四〇台のダンプが採石場に入った。まもなくこちらに向かってくるだろう。一五〇秒の洗浄をやっているというのはウソだ。県は採石場の洗浄施設を立ち入り調査すべきだ」と訴えた。一二時半過ぎ、一〇〇人余りがゲート前に密集してスクラムを組み機動隊の排除に備えた。座り込み排除に対する激しい抵抗と囲い込みの内外からの「工事やめろ」の叫びの中、一時間かけて砕石ダンプ二六台が進入した。

大浦湾は誰のもの

6.18名護シンポジ
ウムに200人参加


六月一八日午後、名護市で「辺野古新基地建設阻止!大浦湾は誰のもの?」と題するシンポジウム(主催:辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議)が開かれ、二〇〇人が参加した。
基調講演の熊本一規さん(明治学院大教授)は、環境問題、ごみ問題、共同体の権利(漁業権、水利権等)を研究しており、埋立問題に取り組み始めたのは、一九七六年、鹿児島県の志布志湾開発計画に反対する住民運動に関わって以来、四〇年にわたって続けてきたという。

 熊本さんは要旨次のように話した――
今日の『沖縄タイムス』にも取り上げられていたが、辺野古の漁業権・埋め立てをめぐる法律問題について述べたい。漁業権は知事の免許によって設定される(漁業法一〇条)。漁業権の変更は知事に申請して変更免許を受けなければならない(漁業法二二条)。漁協総会における「漁業権の一部放棄」決議は水産業協同組合法五〇条の「漁業権の得喪変更」決議になるが、決議をしても漁業権(免許)の内容は変わらない。免許を受けたものが勝手に免許の内容を変えることができないことは、運転免許に即して考えてみれば分かる。漁協の漁業権一部放棄決議はなんら法的効力がない。水産庁は長年続けてきた見解を辺野古で覆した。以前はまともな官庁だったが、その説明は支離滅裂だ。
海は公共用水面である。一九八六年の最高裁田原湾干潟訴訟判決は「海は公共用物であり、特定人による排他的支配は許されない」とした。埋立承認後も公共物であることに変わりない。国による辺野古・大浦湾での「臨時制限区域」(立入禁止海域)の設定は違法だ。立入禁止海域には公有水面埋立法を適用できない。埋立承認は根拠を失い、埋め立て工事は違法になった。違法工事は止めなければいけない。
また、西銘仁正さん(美ら海を守る海人の会共同代表)は「辺野古大浦湾埋め立ては、漁業と地域を豊かにしない」と訴えた。

6.23

国際反戦沖縄集会

梅雨明け炎天下の
魂魄の塔に700人

 まず、主催者を代表して一坪反戦地主会事務局長の比嘉宏さんが「今回国際女性ネットワークの海外代表団の参加で名実とも国際反戦になった」と報告した。
海勢頭豊さんのギターと愛さんのヴァイオリン、路沙さんのヴォーカルによる「月桃の花」に始まり、金城実さんは「死者のために悲しむな。今を生きるわれわれが死者から学ぶ日だ」とのメッセージと共に「ゲタ踊り」を披露。山形県小国町の基督教独立学園の高校生たちは「戦争を知らない世代の私たちが知る努力をしていきたい」と述べて、美しい混声合唱で「サトウキビ畑」を歌った。
続いてヘリパッドいらない住民の会の儀保昇さんが「突貫工事でつくられた高江のオスプレイパッドは欠陥だらけで使えない。壊された森には外来種が侵入し世界遺産どころではない。七月からの工事再開を阻止しよう」と呼びかけた。恒例の高江フラダンスのあと、ヘリ基地反対協の安次富浩さんは「辺野古では機動隊による排除と資材搬入強行、道交法などでの逮捕が繰り返されている。だが全体の工程は進んでいない。知事と名護市長の権限行使の前で防衛局には打つ手がない。諦めない私たちが結集を続ければ勝利が見えてくる」と訴えた。
さらに、「軍事主義を許さない国際女性ネットワーク会議」の参加者が登壇。高里鈴代さんの紹介で、韓国、米国、プエルトリコ、フィリピン、ハワイ、グアムの女性がひと言ずつ自国の米軍基地による人権侵害との闘いと軍事基地のない世界に向けた国際連帯を訴えた。平和市民連絡会の眞喜志好一さんは、県の慰霊祭に参加する安倍と閣僚たちへの抗議行動を報告し、「沖縄戦の慰霊と共に恒久平和を祈念する追悼会に安倍政権が参加する資格はない」と抗議した。
兵庫県生まれの宮城剛さんは、「祖父と父の沖縄戦体験を知ることで辺野古ブルーに参加するようになった」と話した。読谷の当山なつみさんが「辺野古の青い空」、石垣の前花雄介さんが「忘勿石」、ゲート前でゴスペルを歌う会が「ウィシャルオーバーカム」、京都の川口真由美さんが「ケサラ」「翼をください」を熱唱した。なお、辺野古ゲート前で『歌集』が作られた。1部五〇円。連絡先=070-5272-5876(大城)
最後に、わんから市民の会の赤嶺和信さんが閉会あいさつ、泰真実さんリードによる「座り込めここへ」を全員で歌い、現場への結集を呼び掛けて集会は終了した。


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