6.4
Xバンドレーダー撤去へ
東アジアを戦場にするな
民衆運動の交流強めよう
【大阪】米軍Xバンド基地撤去近畿連絡会主催の総決起集会が六月四日、京丹後の久僧公民館で開かれた。集会には、沖縄から高里鈴代さん(島ぐるみ会議共同代表)、韓国のTHAAD配備に反対する地元星州から四人の代表が参加した。
住民の生命を
危険にさらすな
大湾宗則さん(京丹後集会実行委員会共同代表)があいさつ。
「二〇一三年ここに米軍基地ができるとわかり立ち上がって丸四年。騒音や事件事故、電磁波による健康破壊は許せないと、共に闘ってきた。地域の人々も、さまざまな事情はあっただろうが結果的には地権者として土地を防衛省に提供し、そのことを条件に京丹後市と京都府が基地の受け入れを決定し、二〇一四年の一二月から基地の運用が開始された」。
「私たちが遠路ここまで来て基地の被害を訴えるのは、このレーダーが朝鮮半島を向き、朝鮮の南北分断の固定化をもたらすこと。同時に日本の防衛費の増加により民生関係予算がどんどん削減されていくからだ。朝鮮半島有事を訴え安倍内閣が進めている安保政策の拠点になっているこのXバンドレーダー、何としても撤去しなければならない」。
「三月初めから四月三〇日まで、三五万人規模の米韓軍事演習が行われ、実質上日本もこれに参加している。これに対し、北朝鮮は在日米軍基地はミサイルの標的だといった。それで初めて、京丹後の人々は自分たちの命と財産が直接危険にさらされていることを知った。基地を撤去し、朝鮮半島の平和的統一を支持し、東アジアの平和を求めていきたい」。
日米の共同軍事
訓練をやめろ! 米軍基地建設を憂う宇川有志の会の三野さん(同会の代表)のあいさつ後、永井友昭さん(同会の事務局長)が現地報告をした。
「毎日穴文殊さんにお参りしているが、昨日お参りしていた尾和の人に、明日はたくさんの人がここに来るけどと言ったら、そうですかとうれしそうな顔だった。なかなか大きな声ではものが言えない情況だが、ミサイルが狙うのは米軍基地だけではないぞ、と言われるようになった。昨年は、穴文殊の上に米軍がトイレをつくったことを抗議し、撤去を申し入れていたが、今年の三月に閉鎖になった。でも撤去の動きは全くない」。
「米軍関係者が引き起こした事故は四四件になった。基地のようすはあまり変わらない。北朝鮮がミサイルを撃つと、かつては米軍の車が三〇台ぐらいきたが、今は一〇台ぐらいしかいない」。
「安心安全だけで事が済まない状況になった。米国と北朝鮮が核をめぐって対立するだけなら勝手にやってとも思うが、そこになぜあえて日本が顔を突っ込まなければいけないのか。米軍について共同訓練・防護活動、今海の向こうで、カール・ビンソン、ロナルド・レーガン、ひゅうが、あしがら等一二の艦船が練習している。そんなことされたら、北がもっと民主的な政権であっても黙ってはおれないだろう。明らかに日本は、憲法九条に違反する行為を臆面もなくやっている。やらなくてもいいことをやって、住民だってどうなるかわからんぞという状況になっている。とてもじゃないけど許せない」。
「昨年韓国に招待されてお世話になった。政府は日韓で協力して北朝鮮に対抗するといっているが、われわれはわれわれの立場で、米軍はいらないという日韓の協力を進めたい」、と述べた。
高里鈴代さんが
辺野古攻防報告
沖縄の高里鈴代さんは次のように語った。
「島ぐるみ会議は個人加盟で、共同代表は一一人。その後でできたオール沖縄会議は政党、労組、経済界が入ってできた、四人の共同代表がいる。座り込みも含めて、県が向かっている姿勢をサポートしている」。
「辺野古の現場は緊迫している。機動隊も方針を変え、警告を発して、三回警告したら逮捕だぞ、というようなやり方だ。四月二五日に、政府は仰々しいセレモニーをして、埋め立て工事にこれからスタートだという宣言をした。以前は、三〇台ぐらいのダンプで資材を搬入していたが、昨日一昨日などは一〇五台になった。座り込みしている人を引き抜いて、以前は鉄柵で囲ったところに一回一五分ぐらい閉じ込めていたが、今は警察の車を並べ、その間に隙間をつくって早々と閉じ込め、一時間ぐらい拘束して、その間に一気にダンプを入れるようになったからだ」。
「弾圧が強化されてきているので、こちらも、月曜日から金曜日のそれぞれを担当する島ぐるみ会議が、動員するバスを一台ずつ増やして結集するようにしている。当局は、現場にいる人数を絶えず調べていて、手薄になった時を狙って、どーっとやって来る。県外の人に来てもらうなら、金曜日が手薄になるので、金曜日にお願いしたい」。
「山城博治は逮捕され五カ月勾留された。警察は、全体のリーダーを逮捕したら運動がしぼむと思ったようだが、それは警察の浅はかさだ。沖縄にかかっている弾圧は人権侵害だと国連人権委員会の報告官が報告書を書いた。政府は、その報告は個人的なものだと無視しているが、山城博治はこの六月国連に行って二分間の報告をすることになっている」。
韓国からサード
反対闘争の訴え
キム・ジョンギョンさん(サード配備反対金泉対策委員会共同執行委員長)は、「ここに来て驚いた。とても自然が美しい。自然は命だ。米軍基地はいらない。基地はわれわれのためのものではない。米軍基地にともに反対しよう。前に二人の子どもがいる。子どものために反対しなければダメだ。そうしないと未来はないっですよ」、と日本語で訴えた。
パク・ヒジュさん(サード配備反対金泉対策委員会共同執行委員長)は、「韓国にもXバンドレーダーが設置され、THAADの発射台が搬入された。星州というところだが、ここに劣らずきれいなところだ。韓国にTHAADミサイル設置が決まったのは一年前だ。それから、星州の人・円仏教の人一緒に三百日以上、道路に座り込んで、弾圧を受けながら闘いを続けている」。
「THAAD配備の理由として、北朝鮮の核ミサイルから韓国の首都圏を守るためだといっている。しかし、首都圏には二千万人が住んでいる。迎撃するにも距離が全く合わない。米国がTHAADを配備するのは、北朝鮮の核から韓国を守るためではなく、中国を牽制するためのものだ」。
「韓国では昨年末から今年にかけて国内が揺れに揺れた。その空白を狙って、国会の同意や国民的な話し合いの手続きを無視し、米軍が八〇〇〇人の警察を動員して、四月二十六日に発射台を緊急搬入した。THAADは、今まで一度もその性能が検証されていない武器だが、北朝鮮に向けて使うということは、主権国家韓国の同意なしにできない。勝手に搬入すること自体が問題だ。韓国憲法も侵略を禁じている。米国は、グアム・星州・経ヶ岬の三点を結んで、最も正確な軍事情報を得ようとしている。つまり、米国のミサイル防衛計画に組み込まれたXバンドレーダーであり、THAADである。私たちは、米国の朝鮮半島分断固定化に断固反対する」。
日韓沖の民衆が
共に平和を作る
ユン・ミョンウンさん(円仏教聖地守護非常対策委員会執行委員長)は次のように語った。
「韓国・日本・米国の良心ある人たちが力を合わせていかねばならない。この青いバッジ(参加者がプレゼントされた)には、THAADではなく平和協定を!と書いてある。星州で一万個つくった。四月二六日にTHAADミサイル発射台が搬入された。真夜中二時のことで、私たちは八〇人しかいず、警察は八〇〇〇人だった。その後は、米軍が入っていくことを防いでいる。すると、米軍はヘリコプターで通勤するようになった。私たちは、いつの日かミサイル発射台を宅急便で米国に送り返すんだと言っている。THAADミサイルは、北のミサイルを防げるようなものではなく、東アジアの平和を破壊するものだということが明らかになった。安倍総理が憲法を変えて戦争のできる国にすること、非常に危険だ。皆さんは、必ず憲法改悪を食い止めてください」。
この後、日韓平和連帯、米軍Xバンドレーダー基地反対・京都連絡会、THAAD配備に反対する日韓共同記者会見にあたっての抗議文の紹介があった。そして最後に、集会決議を採択した。
集会後、三つの集落の中を通ってXバンドレーダー基地まで約四キロの行程でデモが行われ、住民にXバンドレーダーの危険性を訴え、東アジアの平和に向け基地の撤去を訴えた。 (T・T)
6.13
共謀罪反対日比谷集会
審議打ち切り許すな
5200人が銀座デモ
六月一三日、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会と共謀罪NO!実行委員会の共催による「共謀罪を廃案に!安倍改憲NO!6・13市民集会 」が日比谷野外音楽堂で行われ、五二〇〇人が参加した。
民衆監視と対テロ治安弾圧体制強化に向けた共謀罪を新設する組織犯罪処罰法改正案は、五月二九日から参議院審議入りしたが、自民党・公明党・維新は、国会会期末(一八日)までに強行採決に向けて策動を繰り返している。
審議では金田勝年法相の答弁不能と林真琴法務省刑事局長の論点ずらしの官僚答弁の繰り返しだ。民進党は、法案採決阻止に向けて参院法務委員会の秋野公造委員長(公明党)の解任決議案を提出(六日提出/七日否決)に続いて、金田勝年法相の問責決議案を一三日に提出した。与党は、法案を審議すればするほど問題点、欠陥、矛盾、整合性のなさが浮き彫りになってしまうため強引に審議を打切り、一五日の法務委員会の審議再開によって強行成立をねらっている。
強行採決阻止へ
全力上げよう!
すでに国会議員会館前では共謀罪法案廃案に向けて国会内の闘いと連動して座り込み、抗議行動が連日取り組まれている。昼間の行動に参加した仲間たちも含め、各地から続々と参加者が増えていった。
集会は、海渡雄一弁護士(共謀罪NO!実行委員会)による主催者あいさつから始まった。
「共謀罪は組織犯罪集団の関与が要件と言われていたが、環境団体や人権団体も対象となりうると政府は説明を変えてきている。国際社会も日本の人権状況に深い関心を示している。日弁連は、プライバシーに関する国連特別報告者のケナタッチ氏と討論した。彼は『法案は刑罰法規に必要な明確性の原則を満たしていない。プライバシー保護のための法的措置がない』と指摘した。また、表現の自由に関する日本の状況を来日調査した国連の特別報告者、デビッド・ケイ氏は、日本政府はメディアに圧力をかけ、表現の自由が脅かされている、と指摘した。日本の人権状況は、国際社会から注意信号が点滅しているのだ」。
「森友・加計学園問題であきらかなように安倍政権は独裁政権の様相を呈している。前川喜平前文科事務次官のスキャンダル報道で明らかなように与党政治家、高級官僚も公安警察の監視の下におかれ、だまされてしまっている。政権中枢に占める公安警察による市民に対する弾圧の道具にする意図がある。ケナタッチ氏は、『日本国民には人権保障を受ける権利がある。息の長い取り組みが必要だ』と述べた。私たちは今週中の強行採決をくい止めるため最後まで諦めることなく、持てる力のすべてをかけて闘っていこう」と訴えた。
蓮舫民進党代表、志位和夫共産党委員長、山本太郎自由党共同代表、福島瑞穂社民党副党首から共謀罪廃案に向けた闘いの決意表明、各党の議員たちも駆けつけ「共謀罪廃案」のコールを行った。
さらに連帯あいさつに移り、高山佳奈子さん(京大刑法学教授)、棗一郎弁護士(労働弁護団)、米田佑子さん(グリーンピース・ジャパン事務局長)、今井高樹さん 〈日本国際ボランティアセンター〈JVC〉)、吉岡忍さん(日本ペンクラブ)がアピール。
最後に福山真劫さん(主催者)から行動提起。「共謀罪強行採決絶対許さない」のシュプレヒコールを参加者全体で行い、銀座デモに移った。 (Y)
6.4
「陸軍参謀本部復活」に抗議
自衛隊の実戦部隊化許すな
練馬駐屯地にデモ
【東京北部】六月四日、板橋区の徳丸第二公園で、「 やるな!海外派兵 やめろ!日米韓軍事一体化 沖縄でも首都圏でも自衛隊を強化するな!『陸軍参謀本部』復活を許さない!6・4練馬駐屯地デモ」が地域の労働者、市民など四〇人を超える結集で行われた。
まず始めに実行委員会の仲間が基調を提起する。沖縄・辺野古での新基地建設はじめ米軍・自衛隊の再編強化が進行しているが、朝霞駐屯地(東京都練馬区)には陸上自衛隊総隊司令部が設置されようとしている。陸自を一元的に指揮出来るようにする総隊制によって米軍との一体化はさらに進む。安倍首相は二〇二〇年の改憲を表明した。総隊司令部は自衛隊が合憲となれば「陸軍参謀本部」の復活につながる危険なものである。
基地正門前で
申入書を提出
続いて参加者からの発言。パトリオットミサイルはいらない習志野基地行動実行委員会、宮古島の自衛隊配備に反対する仲間、沖縄一坪反戦地主会関東ブロック、破防法組対法に反対する共同行動の発言を受けた。
二〇〇九年以降、習志野演習場にはパトリオットミサイルが配備され、昨年八月以降は破壊措置命令が「常時」発令されている。また、木更津基地がオスプレイの整備拠点と位置づけられ、三年後には横田基地にオスプレイが配備されようとしている。
島嶼防衛を名目とした宮古島や石垣島などへの自衛隊配備・増強や、沖縄・辺野古の新基地建設など、首都圏や沖縄、さらに全国で自衛隊や米軍の再編強化が日米韓一体の軍事再編の中で、連動して行われていることが、参加団体の発言によって明らかとなっていった。
全体でシュプレヒコールを上げ、デモに出発。東武東上線東武練馬駅前を通り、練馬駐屯地へ、正門前では申し入れ書を手渡した。解散地では戦争をしない!させない!練馬アクション、沖縄と東京北部を結ぶ集い実行委員会、北部労働者共同闘争会議の発言を受け、改憲阻止!そして共謀罪制定を何としてでも阻止する事を確認してこの日の行動を終えた。(板)
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