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    かけはし2017.年6月12日号

途切れることなく辺野古結集を


沖縄報告:6月3日

今後に自信をもっていないのは防衛局

沖縄 K・S

あせる防衛局と機動隊の暴力激化をはね返し
ゲート前座り込みが辺野古の工事を止める!


 うまずたゆまず続けられる辺野古の陸と海の闘いによって工事の大幅な遅れに直面している防衛局は、今週からなりふり構わぬ作業強行の動きを始めた。六月一日に一日としては最多の九八台の作業車両が進入したのに続き、二日には一二五台のダンプ、生コン車、二〇トントレーラーが入った。それに伴い、警察機動隊の座り込み排除が暴力的様相を強くしている。一日には工事車両の前に立ちふさがって抗議した女性を「道交法違反」で逮捕、二日にはゲート前座り込みをきわめて乱暴に排除し、東京から夫婦で参加した六四才の女性は道路に頭から倒れた。「ゴンという大きな鈍い音がした」という。女性は救急車で搬送されたが、頭がい骨骨折、急性硬膜下血種で重体、集中治療室で治療中だ。県警は自分たちがやったのではないと言い逃れをしている。
防衛局は辺野古新基地建設の展望を持っていない。彼らの最大の目標は稲嶺名護市長と翁長沖縄県知事を再選させないことだ。名護市と沖縄県が行政権限を持って反対し続ける限り新基地建設が困難なことは政府防衛局がよく知っている。当初の計画とは大きく異なりK9護岸から埋め立て工事に着手しながら、彼らは県民の諦め、新基地NO! の民意の風化を待っている。諦めず、民意を行動で表現するゲート前座り込みが工事を止める。勝利の確信を持ち、全県、全国から辺野古に途切れることなく結集しよう!

6.3

ゲート前土曜行動に200人

座り込み排除し、資材搬入を強行


六月三日の土曜行動は、大型バスで参加のうるま市島ぐるみ、平和市民連絡会、那覇島ぐるみをはじめ、県内各地の島ぐるみと宮城県、熊本県など本土から約二〇〇人が参加した。前日頭蓋骨骨折で病院に搬送された女性の夫の男性もマイクを握り、「はじめは観光で沖縄に来ていたが、ゲート前に参加するようになった。警察の暴力は許せない」と涙を見せながら語った。
土曜日は議員行動日だ。うるま市議の仲程孝さんは、「先日一時間近く拘束され悔しい。座り込み―排除―拘束の繰り返しだが、この島でずっと生きていく者として、将来のために、勝つまであきらめないことが大事だ」と訴えた。八重瀬町議の知念昭則さんは「防衛局の違法工事に対し沖縄県は文書で指摘するだけでなく、監視船を作業現場に派遣して工事の中止を断固として訴えるべきだ。どうせ何もできないだろうと沖縄県をなめている国に負けてはいけない」とアピールした。
宮城県から参加の五人はそれぞれ、「辺野古・高江と共に、地域で生き物を守る運動をしていきたい」「辺野古・高江には数えきれないくらい来た。今回姪っ子を連れてきた」「おばあちゃん、おばさんと一緒にはじめて参加した。若い人たちに伝えて行きたい。また来る」と述べた。熊本県からの三人は「私は七四歳。地元で沖縄に関する輪読会を続けている。内地の人間として、基地を全部沖縄に押し付けてのうのうとしていることに申し訳ない。残りの人生をかけて辺野古阻止に取り組む」と語った。
ゲート前とテントなどに分かれて昼食をとっていた一二時半過ぎ、突然資材搬入の動きが始まった。この間土曜日は資材搬入がなかったが、六月に入って目に見えて強まった防衛局の工事強行がこの日も示された。急きょゲート前を固めた一〇〇人の座り込み参加者に対し警察機動隊はスクラムを引きはがし三人で一人を運び歩道の鉄柵と機動隊の壁の中に囲い込み拘束する。その間に砕石を積んだダンプ一四〜五台が通過していった。囲みの中から抗議の声が爆発する。「県警帰れ」「違法工事やめろ」「美ら海こわすな」。拘束は砕石を降した空のダンプがゲートを出て行くまで約四〇分にわたって続いた。さらに四時前にもこの日二回目の排除と資材搬入が行われた。

6.3

裁判闘争報告集会

山城、稲葉、添田さんも元気に登場

 午後六時からの「山城さん、稲葉さん、添田さん三人の裁判闘争報告集会」には朝からゲート前で座り込みを続けた参加者の多くを含め二五〇人が集まった。集会は「基地の県内移設に反対する県民会議」「平和フォーラム」など五団体の主催で開かれた。「沖縄県民の民意にもとづき、表現の自由にもとづき、毅然と、整然と直接行動を非暴力で行っている」辺野古・高江の闘いに対する弾圧を許さず、裁判に勝利しよう、と呼びかけられた。
第T部は、平和運動センターの大城悟事務局長による開会宣言、山内徳信さんの主催者挨拶、三宅俊司弁護士による弁護団報告などが行われた。第U部では起訴された三人と各弁護士の発言が行われた。
山城博治さん「この裁判はおかしい。負けられない。無罪を勝ち取り正義の闘いに勝つ」。
金高望弁護士「日本の刑事裁判は人質司法だ。国際的に見てどうなのか明らかにしていく」。
稲葉博さん「裁判中できることをやろうと思っている。辺野古の写真展の韓国語、中国語訳を付けて広めていく」。
松本啓太弁護士「公判のたびに厳戒態勢になる異常な裁判所。不当裁判に決して負けない」。
添田充啓さん「一九九日勾留されたが、みなさんの支えのおかげで耐えることができた。感謝している」。
中村昌樹弁護士「三人で添田さんの弁護を担当している。警察が力ずくで弾圧しても何の罪にも問われないのに、市民が些細なことでつかまり起訴されるのはおかしい。共謀罪が成立したらどうなるか恐ろしい」。
集会は最後に、泰真実さんリードによる「今こそ立ち上がれ」「座り込めここへ」の大合唱で幕を閉じた。

5.31

ゲート前座り込みに200人

終日資材搬入をストップ


五月三一日水曜日のゲート前行動は早朝から二〇〇人が結集し、終日資材搬入をストップした。一〇人参加の東京練馬区の九条の会の男性は「今回が三回目。道路の両側に延々と基地が続く現実を見て、全国の米軍基地の七〇%が沖縄に集中しているという事実を実感した。新しい基地を止めたい」と述べた。滋賀県・京都府から参加の七人のグループは「韓国の運動で歌われてきた歌を広めている」と述べて、「真実は沈まない」との歌をギターに合わせて歌った。
埼玉で上演されているミュージカル「キジムナー」で島袋文子さん役を演じている女性は「文子オバァに会えて感激だ。公演は計四四〇〇人が見た」と述べて、文子さんにキジムナーのTシャツをプレゼントした。

全国港湾が「辺野古に土砂を運ぶ仕事はしない!」

 そのあと、県内各地の島ぐるみが次々に発言した。まず本部町が「先日福岡で開かれた辺野古土砂搬出反対全国連絡協議会の総会に参加した。もっとも感動的だったのは、全国港湾の委員長が戦争につながる仕事はしない、辺野古に土砂を運ぶ仕事はしないと述べたことだ」と報告した。
今帰仁村「島ぐるみの総会を持ち、北上田さんの講演を聞いた。今日は六人で参加している」。
大宜味村「二三日総会を開き、名護市長の講演を聞いた。ちなみに国頭村は昨日総会だった。講演した伊波さんは、世界遺産の登録がやんばる抜きで奄美、西表のみになるのではないかと言っていた」。
名護市「私の祖母は沖縄戦で日本軍から手榴弾を渡された。米兵を初めて見た時あまりに恐ろしくて手榴弾を後ろ手にそっと海に落とした」と語り、琉歌を紹介した。「クニヌウフカジニ ムカティチルヌバス シマヌハマカンダ サティルチュラサ」(国の大風に向かってつるを伸ばす沖縄の軍配ヒルガオが美しく咲いている)。
宜野座村「戦争中は悲惨だったが、戦後も大変だった。父親はどこで死んだか分からない。古鉄集めで生計をつないだ。砲弾の帯の所は真鍮で高く売れた。キビ倒し、屋根葺きなど結を起こしてやってきた。ウチナーンチュ、頑張っていこう」。

豊見城市「米軍基地が沖縄発展の足かせ」

 糸満市は、「ハイサイ、グスーヨー。ヤマト政権に負けてはいけない。K9護岸は違法工事だ。立ち上がるのは今しかない」「安倍政権が続くと日本はたいへんなことになる。一日も早く安倍を退陣させよう。昨日のスタンディングは二三人だった」と述べ、『週刊金曜日』に載った「でんでんむしむしかたつむり」の歌を歌った。
豊見城市「一五人参加。国連特別調査官のデビッド・ケイの沖縄差別を批判する報告は国際的に広まっている。米軍基地が沖縄の発展を妨げている。返還された那覇新都心や元ハンビー飛行場の再開発・雇用拡大が何十倍にもなっている実績を見て県民は覚醒した。足を引っ張っているのが自民党県連だ。沖縄の未来を闘い取ろう」。
八重瀬町「米中露の言うことを聞かない北朝鮮。沖縄の言うことを聞かず無視する安倍のやり方と同じだ。国を米軍に守ってもらうなどというのはとんでもない。日本の国を守るのは日本国民だ。日本は米国の属国か、沖縄は植民地か。辺野古を止めれば日本は変わる。互いに頑張り抜こう」。

南城市「そば屋に入った安倍がカケかモリかと聞かれ逃げ出す」

 南城市「来月総会を開く。スタンディングも始めた。東京新聞に載った時事漫画を紹介しよう。安倍がそば屋に入った。店の主人は、かけ(加計)ですか、もり(森友)ですかと聞く。安倍は逃げ出す。基地押しつけと国の私物化は根が同じだ」。
南風原町「八人参加。どうしてもダンプを止めたいという気持ちで来ている。日経電子版の調査では安倍政権に対する不信がふくれ上がっている。安倍支持は三〇%以下だ。安倍の落ち目の始まりだ。北朝鮮のミサイル問題もアメリカの挑発が原因ではないか。話し合いしか解決の道はない」「安倍がテレビに出るとチャンネルを回す。NHKは偏向放送をする安倍晋三記念放送局だ。沖縄を踏みにじる安倍を六月二三日慰霊の日に呼んではいけない」。
雨脚が強くなったので場所をゲート前のテントに移動し座り込みを続けた。「沖縄の闘いに連帯する東京南部の会」がまず、ゆんたく祭り、仲里利信参院議員の講演など地域での取り組みを紹介したあと、「若い機動隊員が土人、シナ人など差別発言をするのは沖縄の歴史を知らないからだ。閣議決定で、差別ではないとすることこそが差別だ」と語った。
「ストップ辺野古新基地建設大阪アクション」のメンバーは、「一九の呼びかけ団体で結成された。これまで土曜行動を六六九回行なった。大成建設や東洋建設に対する要請行動も進めている。一八七九年から続く沖縄に対する差別の押し付けを断ち切るのはヤマトンチュ―の責務だ」と述べた。

奥間さん「石灰岩と断層の大浦湾に基地建設は無理」

 土木技術者の奥間政則さんは次のように述べた。「辺野古新基地建設で設計変更は必ず必要になる。国会で追及した赤嶺議員に資料を提供した。五月二六日には防衛局に要請を行なった。計画されている汚濁防止膜は何の効果もない。深さ四〇〜五〇mの海で海面から七m垂らして汚濁を防げないことは明らかだ。このインチキな計画は天下り会社イデアが設計した。工事はできない。大浦湾には洞窟だらけの琉球石灰岩構造に加えて断層もある。先だって海底調査船・ポセイドンが集中的に調査したのはそのためだ。アメリカでは石灰岩の上に巨大構造物をつくってはならないとの法律がある。日本政府は隠している」。
昼休みをはさんで午後までテント前集会が継続された。終日資材搬入はなかった。
他方、海上行動は早朝からカヌー一四艇がK9護岸で監視と抗議を続けた。護岸造成のための砕石投入のピッチが速まっている。四分に一回の割合でクローラークレーンから砕石の塊が土埃とガラガラという大きな音と共に落とされていく。海が悲鳴を上げているようだ。昼前、雨が降りはじめ、雷警報が発令されてゴロゴロという音が遠くで聞こえ始めたため、海上行動は午前中で終了した。


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