沖縄報告:5月27日
民衆の非暴力の闘いは必ず勝つ
沖縄 K・S
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5.27
ゲート前県民集会に2000人
「辺野古に絶対新基地を造らせない」
五月二七日午前一一時、辺野古のキャンプ・シュワブゲート前で「辺野古新基地建設阻止!K9護岸工事を止めろ!環境破壊を許さない県民集会」(主催=辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議)が開かれ、二〇〇〇人が参加した。沖縄県が再三工事の停止と協議を求めているにもかかわらず、防衛局は不法な埋立て工事を続け、護岸工事での砕石の投入を強行する中、辺野古新基地反対の民意を明確に示し闘いの輪を広げて行くために開催された。
早朝から工事用ゲート前に200人座り込み
工事用ゲート前では早朝から座り込み集会が開かれた。土曜の担当は平和市民連絡会の女性陣だ。「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」の高里鈴代さんが進行係となって、二〇〇人がゲート前に座り込んで各地の島ぐるみの報告と決意、泰さんリードによる歌で団結を固めた。二〇〇人以上が集まる土曜日は通常、砕石ダンプ、生コン車などの進入はない。この日も資材搬入の動きが見られない中、県民集会開催の直前まで、ゲート前での座り込みを続けた。
玉城愛「琉大に来て米軍騒音を今更ながら感じた」
県民集会はオール沖縄会議共同代表の玉城愛さん(琉球大大学院一年生)のあいさつから始まった。「名護市の名桜大を卒業し琉球大のある西原町に通っている。米軍ヘリやオスプレイが飛び、事故の危険と騒音のひどさを今更ながらに感じる。県民の民意を無視する日本政府とそれを支える多くの人たちを背景に防衛局は工事を強行しているが、私たちは絶対に新基地を造らせない」とアピールした。
現地闘争あいさつに立ったヘリ基地反対協の安次富浩さんは「一昨日島ぐるみの中部地区の二〇〇人結集で、午前中の資材搬入を阻止した。集まれば阻止できる。手薄になった午後に一回入られたが、毎日のように二〇〇人、三〇〇人集まる努力をしていこう。海兵隊のグァム移転は、北のミサイルの射程距離や環境破壊に対する住民の反対が理由となって見直しされるとのことだ。グァムにミサイルが届くなら沖縄にも届く。辺野古新基地こそ見直し中止されなければならない」と力強く訴えた。
衆院議員が訴え、参院議員2人は京都と静岡
京都での集会に糸数慶子参院議員、静岡での集会に伊波洋一参院議員がそれぞれ参加していることが拍手の中報告された。そのあと国会議員四人のあいさつが続いた。照屋寛徳衆院議員「宮里藍選手のサイン入りの帽子をかぶってきた。藍選手のようにフルスイングで基地を県外・国外に吹っ飛ばそう」、赤嶺政賢衆院議員「先ほど抗議船に乗って海上の様子を確認してきた。漁協の決議で漁業権が消滅した事例があるかと国会で質問したが、答えは過去にないとのことだ。そこで過去になかったことをどうして辺野古でやろうとするのかと問い詰めた。漁業権は県の権限だ」、玉城デニー衆院議員「安倍が恐れていることは今日のように多くの人が結集することだ。新しい基地は許さない。一日も早く安倍を打倒しよう」、仲里利信衆院議員「ハイサイ、グスーヨー。われわれの主張を工事をやっている人、ダンプを運転している人にも伝えよう。砕石は積む前に止める。土砂や生コンをゲート前で止める。今からだ。みんな頑張ろう」。
新風会「保守・中道勢力を結集する」
県議会会派「おきなわ」に続きあいさつに立った那覇市議会会派「新風会」の金城徹市議は「政府が一番恐れていることは県民の団結だ。歴史が示すように、民衆の非暴力の闘いは必ず勝つ。保守・中道の勢力を結集して、全県に新風会を組織している最中だ。頑張ろう」と決意を語った。そのあと、所用で参加できなかった稲嶺進名護市長のメッセージの代読、やんばる島ぐるみ会議連絡協議会の島袋義久共同代表のあいさつ、オール沖縄会議共同代表の高里鈴代さんリードによるキャンプ・シュワブに向かっての抗議とがんばろう三唱で、約一時間の集会を終えた。
グリーンコリア40
人が座り込み参加
県民集会の後、昼のおにぎりや弁当を食べた後、残った二〇〇人で工事用ゲート前での座り込みが再開された。午後の司会は平和市民連絡会の上間芳子さん。「グリーンコリア平和巡礼」中の韓国緑色連合のメンバー四〇人も参加した。グリーンコリアの沖縄訪問団は五月二五日から三一日まで一週間、主に徒歩、補助的にバスを使い、糸満市平和祈念公園から、那覇市末吉公園、宜野湾市嘉数高台、佐喜真美術館、枯葉剤の沖縄市サッカー場、比謝川河口の日本軍特攻艇壕、読谷村の航空機掩体、恨の碑を回り、辺野古ゲート前にやってきたのだ。三日間辺野古に滞在し、高江とやんばるの森を回って那覇に戻るという。
代表してマイクを握ったシン・スヨンさんは「私たちは韓国の環境団体だ。毎年一回主に歩いて各地をめぐる巡礼をしている。今回二〇回目だが、会員の要望に沿って沖縄を選んだ」と述べて、全員で歌と踊りを披露した。朴槿恵を青瓦台から追放し新しい大統領を選出したろうそく集会の中で「大韓民国は民主共和国だ」という歌がいつも歌われた。その替え歌で「沖縄は民主主義の国だ」。「暗闇は光に勝てない。ウソは真実に勝てない。沈黙し続ければ沈没する。平和を望む沖縄に基地はいらない。米軍出ていけ。勝つまであきらめない」という歌詞に踊りを振り付けて元気よく歌った。座り込み参加者は大喝采し、一緒にカチャーシーを舞った。
キャンプ・シュワブ第1ゲート内に車両を並べていた警察機動隊は午後二時過ぎにはほとんど撤収し、終日資材搬入はなかった。
カヌー13艇、抗議船5隻で海上抗議
他方、海上行動は前日に続き風もないいい天気の下、カヌー一三艇、抗議船五隻で早朝から午後まで行われた。カヌーチームは初心者で構成するゆっくり班も含めて全員がフロートを越え作業現場に迫った。フロートを超えると海保の拘束が待っているが、しばらくの間クレーンを使った護岸工事作業を止めることができた。身を挺したカヌーチームの非暴力の闘いの成果だ。拘束を覚悟でフロートを越えて作業現場へ迫るカヌーチームの毎日の行動が海上の作業を少しずつ遅らせ、埋め立て工事の問題を外に広める役割を果たしている。カヌーとゲート前、海と陸から埋め立て工事をはさみ撃ちにして止めよう! 全県、全国から辺野古現地に結集しよう!
5.24
ゲート前座り込み
200人で終日資材搬入を阻止
五月二四日水曜日の集中行動は早朝から工事用ゲート前に二〇〇人をこえる人々が集まり、終日資材搬入をストップした。水曜は那覇・南部、北部地区の島ぐるみ、木曜は中部地区の島ぐるみの担当だ。続々と集まってくる人々はゲート前に足場板で作られた即席のベンチに座り集会を行なった。ヘリ基地反対協の安次富浩共同代表に続いて発言した、平和市民連絡会の城間勝事務局長は「六月山城議長が国連人権理事会で沖縄の人権侵害の実態を告発する。人権後進国・日本の姿を明らかにし、世界から日本政府を包囲する。絶対に負けない」と檄を飛ばした。
そのあと、島ぐるみの発言が続いた。宜野座村「本気になって頑張ろう。二七日の集会には五〇人参加する。松田区は区長名で呼びかけをし、全戸配布を行なった」。
本部町「ゲート前、第1ゲート、カヌー合わせて一〇人以上参加している。私はサングラス、帽子、ズボンなど辺野古ファッションの元祖だが今日はスカートをはいてきた。普通のおばさんが命を守るため頑張っているということをアピールしたい」。
糸満市「今日もまたチバラナヤーサイ。共謀罪第一号は安倍夫婦だ。二〇二〇年まで延命させない」「朝のスタンディングに三三人参加した。歌、サンシンに短歌まで出て盛り上がった。辺野古へ行こうとの立看一八〇枚張り出した。宣伝カーも出す。地域の雰囲気づくりが大事だ」。
八重瀬町「糸満を見習って八重瀬町でも立看一〇〇枚製作中だ。県民集会に全力で取り組んでいる」「太った豚より痩せたソクラテスだ。ゲート前座り込みで人生観が変わった。県民が毎日結集すれば必ず止められる」。
南城市「知事は必ず承認撤回を行なう。岩礁破砕許可の期限切れにも関わらず工事を強行する政府防衛局にはひとかけらの正当性もない。必ず勝とう」。
南風原町「暑いが熱中症にかからないように注意しながら頑張ろう」、国頭村「やんばるは水がめ。オスプレイの墜落など事故があれば大変なことになる。今後高江のヘリパッドを使わせない運動をしよう。アリが象をも倒す」。
今帰仁村「毎週一五人前後参加している。先週から街頭スタンディングを始めた」、中城村「村内に基地はないが上空をオスプレイが飛び回っている。村議会で新基地反対の決議をした」。
そのあと三五人参加の大阪歌声協議会のメンバーが前に立ち「座り込めここへ」などを歌った。
アメリカからの参加者は「今日帰るが帰ってから沖縄の闘いを広めていく」と述べ、We shall overcomeを歌った。うふざと教会の牧師は「平和行動はキリスト教会の公務」だと訴えた。
二四人で参加した那覇バスは「安倍晋三に負けないぞ。民主主義は私たちだ。アメリカの言いなりの防衛局は米防衛局だ。沖縄のことは沖縄が決める」と叫んだ。
あまりの暑さに日陰をつくるためAEDもある救急コーナーに簡易テントを張ろうとした時、機動隊約三〇人が第1ゲートから駆け足で飛び出してきた。テントを撤去しようとする機動隊との間ではげしいもみ合いが繰り広げられた。われわれも一歩も引かない。「警察に撤去の権限があるのか」「この炎天下に倒れろというのか」「警察の放置車両こそ違反だ」「余計なことをしないで機動隊は帰れ」。
約一五分後、われわれの抵抗に機動隊は引きあげて行ったが、テントは壊されていた。われわれも炎天下の攻防に汗びっしょりになった。道路上での危険物の設置というなら、防衛局の波型鉄板やゲート前の県警の放置車両こそ問題だ。県警はまずわが身を正せ!
6.15ジュネーブ国連人権理事会
山城博治さんの沖縄での
人権侵害スピーチ実現を
今年の二月二八日、表現の自由に関する国連特別報告者デービッド・ケイさんたち三人の専門家と一機関が日本政府に対し、山城博治平和運動センター議長の逮捕・長期勾留に懸念を伝える緊急共同アピールを送った。文書は「山城氏の逮捕、拘束は表現の自由や平和的な集会の自由の権利行使を犯罪とみなすことになる」「山城氏の長期拘束に関し、適切な法的手続きの欠如が指摘され、家族との面会が禁じられたことにも懸念を抱く」「独立した公正な裁判の前に自由を制限されない権利を保障するよう、日本政府に求める」などと述べていた。それに対して日本政府は四月、「関係法に従って適切に対応した」との無責任な回答を送ったが、メディアはこれを問題視しない。「国境なき記者団」が昨年四月に発表した世界の報道の自由度ランキングで日本がついに七二位にまで転落したことにも日本のメディアはどこ吹く風だ。
沖縄の闘いの舞台は県内、国内にとどまらない。沖縄国際人権法研究会(島袋純、星野英一共同座長)は三月、他のNGOと共同で国連人権理事会あてに、「自己決定権、環境権、表現の自由、女性・子供の権利の四分野で人権が脅かされている」との報告書を提出した。
そして六月スイスのジュネーブで開かれる国連人権理事会に山城博治議長が出席し、一五日か一六日の発言とシンポジウムが予定されている。山城さんは保釈中のため渡航には裁判所の許可が必要だが、那覇地裁は六月一四〜一八日の海外渡航を認めた。金高望弁護士や島袋純教授も同行する。しかし官邸の圧力を受けた裁判所が渡航日程に合わせて公判日程を無理やり入れる恐れがないとも言えない。山城さんの国連人権理事会でのスピーチをぜひ実現させよう。
沖縄国際人権法研究会では国連行きのカンパを呼び掛けている。
〈ゆうちょ銀行からの送金〉ゆうちょ銀行 沖縄国際人権法研究会 記号17070 番号18155721
〈ゆうちょ銀行以外からの送金〉ゆうちょ銀行 沖縄国際人権法研究会 金融機関コード9900 店番708 口座番号1815572
【訂正】5月29日号3面「安倍靖国参拝違憲訴訟の記事1段左から2行目「判決」を「参拝」に、5面「読書案内」、『ひとりで闘う労働紛争』見出しの1500円を1900円に訂正します。
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