衆院法務委員会採決に国会正門前で抗議
政府の答弁はウソだらけ
9000人が怒りのアピール
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五月一九日、「共謀罪廃案、安倍政権の改憲暴走を止めよう!5・19国会正門前行動」(共催:安全保障関連法に反対する学者の会/共謀罪NO!実行委員会/戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会)が国会正門前で行われた。この日、共謀罪法案を審議する衆議院法務委員会で自民党、公明党、維新の会は、午後、質疑を一方的に終了させ採決を強行した。この暴挙に抗議する労働者・市民九〇〇〇人が参加し、午後の共謀罪廃案!議員会館前集会、議員会館前座り込み行動には一三〇〇人が参加している。
まともな審議
回避する政権
集会は、国会に向けた「共謀罪はいますぐ廃案!強行採決断固糾弾!答弁できない法相辞任!」の怒りのシュプレヒコールで始まった。
蓮舫参議院議員(民進党代表)は、「審議をつくしたというが、不安定な答弁を繰り返したのが金田法相だ。共謀罪によって一億総監視社会になってしまうのではないかと問いただしたが、まともな回答はなかった。森友問題、加計問題、昭恵隠しと共謀罪強行採決は一体だ。衆院議員の闘いは、参議院でも引き継がれる。参議院法務委員会では民法改正の審議が行われている。まともな審議環境にない。様々なボロを隠すために採決を急いだ。参議院で廃案に追いこんでいこう」と発言。
小池晃参議院議員(共産党)は、「審議によって共謀罪が違憲立法であり、ボロボロであることが明らかになった。野党四党は、採決は認められないとして、共謀罪法案を衆院本会議に上程せず、委員会に差し戻すことを衆院議長に申し入れた。お上にたてついたら『一般人』ではなくなるというのが共謀罪だ。テロ対策と言うが国際組織犯罪条約はテロ対策の条約ではなかった。二〇〇〇年に日本政府は、テロ対策にすべきではないと主張もしていた。ウソばっかりだ。反対の声を大きく広げて共謀罪を廃案にしよう」と発言。
福島瑞穂参議院議員(社民党副党首)は、「昨日、ジュネーブの国連プライバシー特別報告者ジョセフ・ケナタッチさんから、共謀罪法案は人権侵害、プライバシー侵害の恐れがあるという手紙が届いた。そのとおりだ。法務委員会で維新の会は、『野党はピントはずれの質問を何度もやり、三〇時間審議はつくした』と言った。金田法相は、まともな答弁が一切なかったのが実態だ。衆院法務委員会で再度、徹底審議が必要だ。森友、加計学園問題に安倍首相の関与が明らかになっている。私が加計学園問題について安倍首相に質問したら、『責任とれるのか』と恫喝した。安倍首相は、『関与しているなら総理大臣を辞める』と言った。一刻も早く辞めてもらおう。共謀罪と安倍政権を葬り去ろう」と発言。
糸数慶子参議院議員(「沖縄の風」代表)は、「沖縄の県民が反対している辺野古新基地、高江の森を壊さない闘いの先頭にたっている山城博治さんを不当逮捕した。これこそ共謀罪の先取りだ。不当逮捕された仲間たちに対しても、釈放後も監視が続いている。共謀罪は違憲であり、私たちの自由な活動の妨害をねらっている。参議院法務委員会で審議が始まるが、私も法務委員のメンバーとして野党、市民の皆さんと力を合わせて廃案に向けて頑張っていきたい」と発言。
共同の闘いを
発展させよう
連帯あいさつが葛野尋之さん(一橋大学教授)、山下瑛梨奈さん(アムネスティ・インターナショナル日本)、野平晋作さん(止めよう!辺野古埋立て〜国会大包囲行動)、岩崎貞明さん(日本マスコミ文化情報労組会議)、柚木康子さん(安倍政権の雇用破壊に反対する共同アクション)から行われた。
最後に主催者から行動提起、参議院での共謀罪廃案に向けてシュプレヒコールを行った。 (Y)
5.16
共謀罪廃案へ集会・デモ
止めよう改憲暴走政権
運動は確実に広がっている
会場から溢れる
参加者の熱気
五月一六日、日比谷野外音楽堂で「共謀罪廃案、安倍政権の改憲暴走を止めよう! 5・16大集会」(戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会、共謀罪NO!実行委員会の共催)が行われた。衆院法務委員会で共謀罪法案を審議しているが、審議すればするほど法案の欠陥が明らかとなっているにもかかわらず与党は一七日にも質疑終了後、採決強行の予定だ。与党の暴挙を許さず、法案の廃案に向けて会場外も含めて四二〇〇人の労働者・市民が集まった。
主催者あいさつを福山真劫さん(総がかり行動実行委員会)が行い、「五月三日、憲法違反の戦争法を合憲化するために二〇二〇年に憲法九条の改悪と言い出した。共謀罪は確実に警察権限を拡大し、市民・市民団体が憲法で保障されている一九条(思想・良心の自由)、二一条(集会の自由・結社の自由・表現の自由)、三一条(法による適正手続きを保証)などの権利が骨抜きだ。平和・民主主義を求める市民団体、労働組合を管理・抑圧することにある。朝日新聞の世論調査では共謀罪を知らない人が六三%、今国会で成立が不必要が六四%だった。5・3憲法集会(有明)に五万五〇〇〇人、大阪集会に一万五〇〇〇人が集まった。共謀罪緊急請願署名は六一万筆も集まっている。運動は確実に広がっている。衆院段階では今週が山場だ。共謀罪NO!安倍政権NO!を全力で闘おう」と訴えた。
枝野幸男衆院議員(民進党)、山本太郎参院議員(自由党)、山下芳生参院議員(共産党)、吉川元衆院議員(社民党)、糸数慶子参院議員(沖縄の風)が共謀罪廃案に向けて決意表明後、参加者全体で「共謀罪絶対廃案!強行採決するな!」のプラカードコール。
弁護士・宗教者
学者からの発言
連帯あいさつに移り、海渡雄一弁護士(共謀罪NO!実行委員会)は、「今日、国会で参考人として共謀罪法案反対を話してきた。国会は、ほんとにおかしくなっている。公明党は、私に質問をせず説教し、弁護士会の悪口を言うだけだ。創価学会の初代会長牧口常三郎が治安維持法で獄死したことを知っているのか。イギリスの共謀罪は、一五〇年にわたって労働組合を大弾圧してきた。アメリカの共謀罪は、マッカーシズムの時は米共産党、ベトナム反戦運動を弾圧した。今の日本の司法状況だったら共謀罪によってもっとひどいことになる。威力業務妨害罪、強要罪などで共謀罪を適用すれば現代治安維持法として使われる。憲法改悪を許さないために絶対に勝たなければならない。一七日に衆院法務委員会、一八日に衆院本会議で強行採決するという噂が流れている。強行採決の策動に立ちふさがり、共謀していこう」と発言した。
小野文bさん(「宗教者九条の和」世話人/日蓮宗教師)は、宗教の違いを超えて共謀罪に反対し、国会前座り込みを行っていることを報告し、「創価学会・公明党の原点は、治安維持法で殺された初代会長牧口常三郎を繰り返さないことだ。この会場に創価学会の会員が集まっている。学界・公明党の幹部は、あいかわらず安倍政権と一心同体だ。公明党に訴える。私たち宗教者は、安倍政権の戦争する国づくりに断固反対し、『殺すな殺されるな』と祈りつづけ、未来への責任を果たしていきたい。共謀罪廃案!」と強調した。
続いて中野晃一さん(安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合)、佐高信さん(評論家)が発言した。
最後に高田健さん(解釈で憲法9条を壊すな!実行委員会)から行動提起。参加者全体で銀座デモに移り、共謀罪廃案のシュプレヒコールを響かせた。(Y)
5.1
辺野古実が防衛省行動
東アジアの平和を作り出せ
沖縄から発信する!
五月一日午後六時半から、辺野古への基地建設を許さない実行委が呼びかけている月例の防衛省申し入れ・抗議行動が行われ、一一〇人が集まった。
最初に、ピースサイクルの仲間が沖縄現地報告を行った。
「四月上旬に、三人で辺野古に行った。抗議船に乗った。そこから、キャンプ・シュワブを見るとテトラポットの型枠があり、二〇個が完成していた。ミキサー車が見えた。石の搬入を止めなければならない。コンクリートミキサー車を止めなければならない。現地に行こう」。
次に四・二九集会の報告が行われた。「辺野古では三〇〇〇人の抗議集会が行われた。東京でも女性を中心に個人が集まった。昨年の米軍属による二〇歳の女性への凌辱・殺害に抗議するためだ。沖縄から女性が参加し、琉球舞踊を披露した。沖縄の歴史と文化、優雅さを感じ、より一層基地あるが故の今回の事件に怒りを感じた。二五〇人がキャンドル行進を行った」。
安次富浩さん(ヘリ基地反対協)が電話でアピールした。
「国は四月二五日に埋立て工事に着工した。砂浜に石を落としただけだ。反対運動に対して辺野古しかありえないとあきらめさせる、米政府に工事が進んでいるとアピールするためだった。四月二九日、三〇〇〇人でゲート前集会を開いた。昨年虐殺された女性を追悼するために、黒の服を着て黙とうを捧げた。県に早く埋立て取り消し訴訟をするように求めたい。六月〜七月に大規模な県民大会を持つ。現場でしっかり闘う」。
「朝鮮半島がきな臭くなっている。戦時体制に動員したいのだ。北朝鮮をどう喝するより平和外交をしなければならない。アメリカの侵略戦争の発進基地にさせない。先島への自衛隊配備にも反対していく」。
首都圏各地から
闘いの積み上げ
練馬で反基地運動を闘っている仲間が「海上自衛隊のヘリ空母が米軍の輸送艦を防護するということで横須賀を今日、出発した。安保法の初めての適用で、日米一体化が進んだ。朝霞に陸上自衛隊総隊司令部が設置され、中央に機能が強化・拡大される。また横田に配備される予定のオスプレイが遅延したが首都圏の上空をオスプレイが日常的に飛行する時期が来る。こうした日米軍事強化に反対して運動していく」。5・23共謀罪と自衛隊増強に反対する討論集会(6時半から、豊島区立生活産業プラザ)、6・4練馬駐屯地デモ(徳丸第二公園、東武練馬駅北口徒歩10分)、6・11練馬、立川、習志野三者主催のデモ。
沖縄一坪反戦地主会・関東ブロックと辺野古実が今後の予定を述べた。
6・4宮古島自衛隊配備反対集会、文京区民センター、6・5定例防衛省行動、6・10辺野古埋立反対、共謀罪法反対、国会包囲行動、午後二時から。行動に参加しよう。 (M)
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