アジア連帯講座 辺野古ツアー
歴史に学び、いまを問う
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全国からかけつよう
新基地は作らせない!
降りしきる雨の
中で座りこみ
四月二一日午後六時過ぎに、那覇空港で合流。夕食をとり、いざ辺野古の民宿へ。ところが今回も辺野古に向かう高速の入口が分からず、同じ所をぐるぐる回る羽目に。何とか一般道を通り、高速で名護へ着いた。地図を書いてもらっていたが午後一一時が過ぎていて、真っ暗で分からない。電話をしても出ない。また、迷ってしまった。運よく民芸店に明かりが見え、そこで聞いてようやく民宿にたどり着いた。
翌日は六時に起床し、ローソンで朝食を取り、キャンプ・シュワブゲート前に七時過ぎに到着。あいにくの雨だったが沖縄各地から座り込みの人が集まってきた。八時から抗議集会が始まった。この日は議員たちの集中行動日。地方議員たちがあいさつをした。そして各地の島ぐるみ会議の人たちの発言。昼近くになると二〇〇人近くの人々がゲートを埋めた。結局、この日工事車両は入らなく、機動隊もキャンプの中にいるだけで、手を出してこなかった。
午後からは向かいのテントでの集会となった。集会は午後三時まで行われた。アピール、歌、コントと多彩なものであった。うるま市長選が日曜日投票ということもあり、この行動を終えて練り歩きに参加する人たちもいた。この集会にはカヌーチームの茨城出身の千葉さんが海での闘いを報告していた。千葉さんと昨年宿舎が同じで交流した仲であったので、発言終了後握手をしにいった。熱い思いが伝わった。
東アジア民衆
交流が重要だ
われわれは宿舎に戻り、沖縄のOさんから沖縄戦や現地情勢について報告を受けた。
米軍が上陸した読谷・北谷から日本軍の司令部が置かれた首里城までが最大の攻防戦であった。そこで敗北した日本軍の司令部の中で、ここで降伏するか、南部に撤退して戦争を続けるかと意見が分かれたが結局、大本営の指示に従い摩文仁に撤退し、南部に避難していた多数の住民を巻き込んで、一五万人とも言われる住民の犠牲者を出すことになってしまった。Oさんは日本軍司令部の無責任さを痛烈に批判した。六月二三日は慰霊の日。牛島司令官が自殺した日とされているが、なぜ牛島司令官はこの日に自殺したのか。二日前陸軍大臣と総参謀長から訣別電があった。
そこで言われたことは二つ。一つは米軍のバックナー司令官が死んだということ。もう一つは、松代大本営がほぼ出来上がったので、沖縄戦の引き延ばしは必要なくなった、ご苦労ということ、だった。だからその二日後牛島司令官と長参謀長は死んだ。死ぬにあたって牛島司令官は、遺書を残した。遺書にある「任務完遂」とはそのことだ。また、自分は自決するが残された者は「祖国のために最後まで敢闘し生きて虜囚の辱めを受けることなく悠久の大義に生きよ」と指示した。その結果、九月七日のミズリー号での降伏文書調印まで、沖縄での戦争は続けられた。
Oさんは「沖縄恨(ハン)之碑の会」に参加し、沖縄に強制連行され、沖縄戦で犠牲者になった朝鮮人を平和の礎に刻銘する問題に取り組んでいる。Oさんは沖縄、韓国、台湾、北朝鮮、中国、日本など東アジア規模での交流が重要なことを話してくれた。
収容所生活
とツワブキ
翌日、Oさんの案内でキャンプ・シュワブと新基地のための埋め立て予定地を見渡せる瀬嵩の海岸と高台に行った。砂浜にはサンゴの死骸がたくさん打ち上げられていた。カヌーを入れないためのフロートや埋め立て地の測量船、そしてキャンプ・シュワブの宿舎や辺野古弾薬庫が見えた。
Oさんは花や植物についても、とても詳しい。展望台に行く道で自生している植物の名を教えてくれた。その中でツワブキという植物はえぐみがあるが、湯がくと食べられる。沖縄戦で食べ物がなくなるとこのツワブキが命をつないだという。敗戦後、住民が収容所に入れられた。収容所といっても住民の住居に押し込めた。最初は米軍が食料を配給したがそれが尽きると自活しろと放っておかれた。住民たちは辺野古の海で魚を捕まえて命をつないだ。
カヌーチーム
に参加しよう
キャンプ・シュワブの第2ゲートへ。先月も弾薬運び出しに対して、ゲート前で阻止行動が闘われたという。
次に辺野古の浜のテントへ。二〇〇四年に辺野古の海を埋め立てて、新基地を作る計画が出された時に監視テントが作られ、維持されている。日本全国のみならず世界から人々がやって来るという。米海軍のオスプレイを運ぶ五万トン級の強襲揚陸艦ボノム・リシャールの写真が貼ってあった。この沖に来て、上陸訓練を行うという。テントに常駐している田中さんが詳しく説明してくれた。そして、浜辺へ。キャンプの有刺鉄線が海まで伸びていた。そこに反対の横断幕が括り付けてある。今日は付いていたが米軍によって撤去されてしまうので、常に攻防となっているとのこと。
海で練習中のカヌーチーム一〇人近くのうち三人がカヌーで浜に帰ってきた。毎週日曜は訓練をするという。カヌーチーム「辺野古ブルー」の金さんから話を聞いた。「二〇〇四年に海を埋め立てて、新基地を作る計画が明らかになると、辺野古のオバーやオジーら六七人がテントを張り、抗議を始めた。竜神信仰があり、海は祖先や命を守る神様が宿る所。その海をつぶす新基地建設だけは許さないと立ち上がった。調査のやぐらが海上に作られ、調査を阻止する闘いが一年以上続き、結局この計画は中止となった。これで勝利と思ったが、計画を変更してキャンプ・シュワブ沖にV字滑走路を作ることになり、現在の攻防になっている」と運動の流れを話してくれた。
昨年の二〇歳の女性が米軍属によって殺された事件に怒りを震わせていた。在日朝鮮人ということもあり、アジアの平和を求める運動でもあると力説して、われわれがアジア連帯講座という名で活動していることに親近感を持ってくれた。もっと話を聞きたかったが時間ないので、カヌーチームの基地・浜のテント2を訪れた。
Oさんはこの間、カヌーチームに参加している。「キャンプ・シュワブゲートの座り込みで工事車両を止める行動が最重要だが、海での闘いがあることによって、工事全体の動きが分かり、陸での闘いを励ますこととなる。カヌーチームはまだまだ人が足りない。初心者でも練習すればすぐできるようになる。期間は数日でも二〜三週間でもできる範囲でいい。ぜひとも、全国に発信して仲間を集めて欲しい」と強く要望された。参加できる人は連絡して欲しい。今回も短期間の行動参加ではあったが直接現場に行き、闘いに参加し、沖縄の人々の気持ちや歴史を知ることが大切であることを改めて感じた。沖縄現地行動への参加を。 (M)
4.16
おんな・こどもをなめんなよパレード
森友問題のウヤムヤ
解決はゆるさへんで
【大阪】おんな・こどもをなめんなよ!の会主催の御堂筋パレードが四月一六日に行われた。
新町北公園での短い集会の後難波までパレードが行われ、女性を中心に一八〇人の市民が参加した。
主催者あいさつをした四谷さんは、会が四年前橋下前大阪市長の慰安婦発言に憤った女性たちによりつくられ、市長の任期切れ後もネットワークとして継続してきたと述べた。女性への差別・こどもたちの命を軽んじる政治の動きに、おんな・こどもをなめんなよの言葉で発言してきた。今回は、森友問題について国民が抱く疑惑が解明されないことに業を煮やし、ウヤムヤにされるのを許さないとの思いで集まった。
忖度行政が
あちこちに
「森友問題は安倍政治問題だ。森友問題が起きた理由は、安倍首相夫妻が籠池理事長の知り合いだったという理由以外に合理的理由は見つからない」。もうひとつの森友問題である加計学園問題。安倍首相のゴルフ友だちである加計氏の加計学園が運営する岡山理科大が獣医学部の新設を過去一五回も国に申請してきたのに、はねつけられていた。ところが、安倍首相が総理に返り咲いたとたん、とんとん拍子にことが進み、二〇一五年一二月に今治市を国家戦略特区に定め、文科省が五二年間にわたり認めてこなかった獣医学部の新設を認可した。「ここに、安倍首相に関わる忖度行政が横たわっていることは疑う余地がない」。
教育勅語、そ
して女性蔑視
「教育勅語教育問題も尻すぼみになっている。安倍内閣は教育勅語を教材に使うことまで閣議決定した。これは国民主権の憲法と相容れないはずだ。命を投げ出す教育を否定しない防衛大臣や文科省副大臣の首が飛ばない日本は民主国家とは言えない。安倍政権がすすめている憲法改悪一直線の考え方のバックボーンは日本会議にある。憲法改悪は九条や緊急事態条項が先行してきたが、安倍晋三がすすめているのが、日本会議の従来からの主張である二四条(個人の尊厳・両性の平等)の改悪だ。私たちは、日本会議と安倍晋三の仲間たちが女性を攻撃しながらこの国を変質させ、立憲主義さえなきものにしていることに大きな危惧を持っている。
大阪府私学審議会会長と安倍昭恵氏が会っていたことが報道された。会った翌日、彼女は瑞穂の國記念小学院名誉校長を引き受けている。この二つが連動していることは明らかだ。森友問題がウヤムヤになったら、安倍政権はますます増長する。
ウヤムヤには
させへんで!
あいさつの後、森友問題に取り組んできた豊中の女性の報告(刑事告発、情報非開示処分取消し請求訴訟、安倍昭恵証人喚問、松井知事の責任追及、森友問題での野党共闘)、大阪府議会での森友問題についての一〇〇条委員会設置提案(森友問題の真相究明を求める大阪連絡会)を自民・公明・維新が否決したこと、五月府議会にあらためて提出すること、私学審議会が国・近畿財務局と大阪府を忖度し森友学園小学校の設置を認可適当としたこと、二月一七日情報公開請求(共産党府議)したら二カ月経って開示されたが、ほとんど真っ黒だったこと、などの報告があった。
好天気に恵まれた当日、パレードでは、多くの通行人に「おんな、こどもをなめんなよ・森友問題真相解明 ウヤムヤ解決ゆるさへん・認可決めた大阪府 松井知事は責任果たせ・一〇〇条委員会設置せよ・八億円の値引きはおかしい・総理夫人を証人喚問 安倍政権は責任果たせ・教育勅語と愛国心 安倍政治は危険です」などとパレードコールをして訴えた。 (T・T)
4.15
デマで沖縄への偏見あおる
ニュース女子を許さない!
新宿デモに共感集まる
四月一五日午後一時から、新宿駅東口アルタ前に集まり、「デマで沖縄への偏見をあおるMXニュース女子をゆるさない新宿デモ」が沖縄への偏見をあおる放送を許さない市民有志の呼びかけに一二〇人が集まった。
主催者がこの間の経過を報告した。
「一月二日、MXテレビのニュース女子という番組で、沖縄高江のヘリパッド基地建設反対運動に対して、『テロリスト集団、日当をもらってやっている』などのデマと偏見にみちた放送を行った。これまで三カ月・一二回にわたる抗議行動を行ってきた。二回の質問状に対して、MXテレビはまともな回答をしていない。そればかりか再度の申し入れに対して直接受けとろうともしていない。今後も謝罪・訂正を求めて行動を行う」。
ゆんたく高江の仲間は「高江のことが全然分かっていない。一〇年間非暴力の座り込みがなかったことのようにされてしまう」と批判した。元教員は、デマ放送は戦争法・共謀罪という戦争への道へつながると批判した。
排外主義宣伝に
黙ってられない
沖縄の泰真実さんが電話でアピールした。
「普天間基地から三qの病院で働いている。病院の上を飛ぶことは禁止事項なのにオスプレイが飛んでくる。私は普天間基地、高江反対で座り込みに参加してきた。沖縄の民意は名護市民投票で基地反対が多数を占め、それ以後の知事・市長、国会議員選挙でもことごとく基地反対派が当選した。二〇一三年一月に沖縄の四一市町村のすべての議員や議長などが東京でオスプレイ配備反対、基地負担の軽減を求めて集会を開き、銀座をデモした。その時、『沖縄県民は沖縄から出ていけ。ゴキブリ、中国人の手先』とヘイトスピーチされた。沖縄県民はゴキブリでも中国人の手先でもない。デマは許せない」。
「救急車を止めているのではなく、機動隊の暴力によって運ばれているのは反対派だ。親を米軍や日本兵に殺された人の生き残りだ。ウソと侮辱の放送を批判する声が東京・全国に広がることを。そして高江のヘリパッドは完成していないことを伝えたい」。
その後、のりこえネットは「BPOの申し立てをした。しかし、これは当事者の問題で、話し合いで解決しろと言ってきている。私たちの所に様々ないやがらせが来ている。健康食品の申し込みを勝手に送りつけたり、脅迫状も届いている」とこの問題をめぐる根の深さも示す内容を報告した。
差別・排外主義に反対する連絡会は「関東大震災時に朝鮮人・中国人の虐殺があったが、自警団が人々を守るために行動しただけだと居直る論調が最近とみに強まっている」と今回の問題が排外主義へとつながる危険性を指摘し、こうした流れに抗する集会を行うと話した。辺野古リレーは沖縄現地行動を報告し、沖縄行動への参加を訴えた。
沖縄の歌も入り、新宿を一周するデモを行った。アジアからの観光客がたくさんいて写真を写す人を見かけた。新宿西口では共謀罪反対の宣伝を行っている人たちと連帯のコールを行った。 (M)
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