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    かけはし2017.年5月1日号

防衛局による護岸工事着工許すな!


沖縄報告:4月22日

辺野古・大浦湾の埋立は愚かな権力犯罪

沖縄 K・S

4.19

水曜行動に二五〇人

砕石等資材搬入をSTOP

 防衛局による護岸工事の着工が迫る緊迫した情勢の中、四月一九日の水曜行動はキャンプ・シュワブゲート前集会に県内外から二五〇人を越える人々が集まり、終日砕石ダンプ、生コン車の進入を阻止した。
はじめにヘリ基地反対協共同代表の安次富浩さんがあいさつした。「辺野古の座り込みは一三年前の今日から始まった。普天間閉鎖の代替として当初言われたのは単に基地内のヘリポートだった。それが辺野古・大浦湾埋め立てと巨大な新基地建設に化けた。一年半にわたる非暴力の闘いでボーリング調査を中止に追いやった。当時海保は民事不介入の立場で今のように運動を抑え込む前面に出てきていなかった。闘いの輪を広げ、勝つまで非暴力の闘いを続けよう」。
島ぐるみの発言は北部地域から行われた。宜野湾島ぐるみと共に参加した日本キリスト教会人権委員会の一五人はそろって前に立ち、「昨日ははじめてゴボー抜きを体験した。聞くのと見るのとでは大違い。帰って広げて行きたい」と述べ、賛美歌とWe shall overcomeを歌った。本部町、宜野座村、西原町、大宜味村に続いて、名護市の島ぐるみは「稲嶺市長は国の補助金を一〇〇億円カットされても、独自財政の立て直しで五〇〇億をつくり出した。昨年の忌まわしい女性暴行殺人から四月二八日で丁度一年になる。女性は名護の出身だった。二八日夕方、街頭に立ち追悼と記憶の訴えを行なう」と話した。
南部の島ぐるみが次々発言した。糸満市「沖縄差別を許さない。右翼の日本会議に牛耳られた日本政府が戦前回帰していくのに、国民に寄らば大樹の陰というあきらめがないか、大変怖い。沖縄から声をあげよう」、南城市「岩礁破砕許可は切れている。翁長知事の承認撤回は最大の武器だ。知事と共に闘おう」、八重瀬町「防衛局は沖縄県の照会に対し、工事用道路の建設は仮設道路ではなく一時的なパネルの設置で終われば撤去する、と詭弁を弄している。辺野古の政府の手口は詭弁、言い逃れ、ごまかしで一貫している。基地のない沖縄をつくり上げる第一歩を、辺野古に新基地を造らさないことから踏み出そう」。そのあと、豊見城市、南風原町が続いた。
体ほぐし体操の後、北上田毅さんは海上工事の現状について報告した。

北上田さんの話

捨て石を一日一〇〇台
入れても三カ月かかる

 今日は抗議船四隻、カヌー一〇数艇で、護岸工事の着工に対する監視行動に出ている。三月末から、通称レジャービーチの横のクバマで、浜を掘り返し網に入れたグリ石を入れてその上に鉄板パネルを敷き工事用道路をつくる作業が進められている。二年前中止させた道路づくりが再開された。K9護岸の取り付け部分となるところだ。砂浜が整備されれば石材、捨石が投入される。
仲井真前知事は退任直前、大浦湾沿いの仮設道路を許可し、逃げるように県庁を去って行ったが、この道路整備はこの時の許可にはない。したがって仮設道路の設計概要の変更にあたり、無許可のまま工事を行なうのは公有水面埋立法違反だが、違法工事を行なう防衛局に対する県の取り組みは弱い。
K9護岸は長さ三二〇m、クローラークレーンで捨石を押し出し海に消波ブロックを投入して造られる。テトラポッドは一個二〇トン、高さ三mの大きさ。生コン車二台で一個作る。K9護岸で計画されている二〇〇個以上の消波ブロックをつくるためには生コン車四一〇台以上が必要だ。護岸工事に必要とされる捨石はダンプ五二〇〇台分、グリ石・砕石が三八〇〇台分、合わせて九〇〇〇台分にのぼる。攻防は始まったばかりだ。埋立工事の準備ができていないのに工事の開始を宣伝する防衛局の狙いは、見せつけるため、諦めさせるためだ。捨石の一部投入の可能性はあるが、工事は続かない。一日一〇〇台入れたとしても三カ月かかる。
菅は何かというと「法治国家」を言う嫌味な男だが、辺野古で違法行為を繰り返しているのは日本政府・防衛局だ。私たちの運動は違法工事を止めさせる県民としての正当な行動だ。大量の捨石は海にとって致命的になる。知事は捨石投入の前に、埋め立て承認の撤回を行ってほしい。
三五〇人集まった大阪での4・15集会に参加した三人の女性は「普通のおばさんがどんな気持ちで辺野古に通っているのかということを伝えてきた。土曜日の街頭行動にも参加した。チラシはなかなか受け取らないが、歌は注目された」と報告し、マスカラをシャカシャカと鳴らしながら歌った。
三二人参加の那覇島ぐるみバスの代表は「アメリカと一緒になって武力に訴えようとする安倍はデッドラインを越えた。古屋の暴言を聞いて思った。普天間基地跡にディズニーランドをつくると言った自民党は詐欺ではなかったのか。オスプレイがそんなに好きなら安倍の専用機にしなさい。沖縄不在の日米合意は許さない」とアピールした。
そのあと、インドの平和運動家ニケツ・イラルさん、琉大学生会、大阪の「平和と平等を拓く女たちの絆」の四人などが発言に立ち、午前の日程を終えた。
一時過ぎに始まった午後の座り込みでも参加者が次々立ち、発言を続けた。「沖縄首里日雇労働組合」のメンバーは「今年の三月から、辺野古の埋め立て工事への動員が進められている。労働者派遣法に違反する。日雇い労働者が金のためならなんでもやると思ったら大間違いだ。みんな反対している」と訴えた。

4.22

雨中二〇〇人座り込み


一九日水曜に続き、二二日土曜も雨の中二〇〇人がゲート前に座り込み、終日資材搬入を阻止した。毎週水曜・土曜は座り込みの参加者が多くほぼ工事用ゲートの封鎖に成功し資材搬入・ダンプの進入を阻止している。週二日のゲート封鎖を週三日へ、そして毎日へとゲート前の闘いの輪を拡大することが緊急の課題となっている。

4.18

ゲート前行動一〇〇人が座り込み

資材搬入に抗議!

 四月一八日は天候が悪く海上行動ができない中、午前中待機となったカヌーチームはウェットスーツを着けていつでも海へ出ることのできる格好でゲート前に合流し座り込んだ。全国のクリスチャン一五人と共に参加した、宜野湾市の島田善次牧師は「アメリカではコウモリの生息地を守るためにオスプレイの飛行ルートを変更する。沖縄では市街地の上空をオスプレイが飛び回る。この国では沖縄県民はコウモリ以下なのか。物言わぬ民は滅びる。行動しない民も滅びる」と訴えた。
九時前、「二見あたりにダンプが待機している」との呼びかけで参加者約一〇〇人がゲート前にギッシリと座り込みスクラムを固く組んだ直後に、ゲート横にカマボコ型の警察車両が停車し機動隊数十人が襲いかかった。座り込み一人に警官三〜四人がかりで排除し歩道に囲い込む中、北と南から砕石、鉄板、芝生、グリ石を積んだダンプやユニック車計二一台が工事用ゲートを通過し基地内に進入した。

カヌーに乗って埋め
立て工事を止めよう!

 その後再開された座り込み集会で、カヌーチームのメンバーは「昨日カヌー一四艇、抗議船四隻で出たが、工事はなかった。汚濁防止膜は部分的にしかやられていない。これでは効果がない。防衛局は無責任にあとは野となれ山となれと考えている」「久しぶりにゲート前に参加した。ゲート前の人たちも時間のある時は海に来てほしい。泳げなくてもOKだ。日曜日のカヌー教室もある」と呼びかけた。カヌーによる海上行動はゲート前行動と共に現地闘争の両輪だ。カヌーに乗って埋め立て工事を止めよう!

4.17

第三回公判に二五〇人

前代未聞!防衛局職員が
ついたてをして証言


四月一七日の第三回公判に先立ち城岳公園で事前集会が開かれ、二五〇人が参加した。山城博治さんは「オール沖縄の支援を受けて裁判闘争を進めることができるのは心強い。今日は連合沖縄の会長も見えている。戦争への道は絶対に許さない。高江、辺野古、共謀罪すべて根っこは一緒だ。頑張り抜こう」と述べ、「いかなる弾圧が度重なるとも」の歌を力強く歌った。
三宅弁護士は「今日の証人調べは検察の尋問だけ、次回はビデオ尋問、次々回は弁護側の反対尋問と、遅々として進まない。琉大の森川先生は起訴の取り消しをすべきだと言っているがその通りだ。ついたての証人尋問は異常だ。裁判所は検察の言いなり」と述べた。
主催者側からは、即時釈放を求める会共同代表の山内徳信さん、オール沖縄会議の高里鈴代さん、基地の県内移設に反対する県民会議の仲村未央さんの三人が挨拶した。山内さん「今日の集会に北海道から関西まで多くの支援者が駆け付け参加してくれたことに感謝する。私は検察、防衛局、裁判所に対しものすごく怒っている」、高里さん「この裁判は政府に異議申し立てするものに対する見せしめの裁判だ。権力は裁判をひきのばしてリーダーを現場に戻さないように画策している。力を合わせて勝ち抜こう」、仲村さん「あまりにもずさんな裁判だ。国会審議中の共謀罪を沖縄で先取りするもので、不当だ。辺野古新基地阻止の闘いを県民意思に基づき闘おう」。
比嘉京子県議(社民・社大・結連合)、比嘉瑞己県議(共産党)、平和フォーラムの勝島一博事務局長が連帯のあいさつを行なった。稲葉博さんは「保釈条件で山城さんと会ってはいけないとされているので、時間差で来た。出てきた直後は少し疲れていたが今はふつふつと闘う気持ちが湧いている。ゲート前の座り込みには参加できないが、自分にできることに全力を尽くすつもりだ」と述べて、イナバ・コールに送られて法廷へ向かった。
裁判は茶番としか言いようがない。防衛局職員がブロック積みに関する証言を行なったが、「証人が圧迫を受け精神の平穏を害される恐れがある」との検察の申立てを地裁が認めて証人と傍聴席の間についたてを立て遮断したのだ。裁判所が守っているものが市民ではなく権力だという図式がハッキリ示されている。次回第四回公判は五月八日。

4.21

半年以上の長期拘留

添田さんついに保釈

 四月二一日午後一一時前、半年以上の長期勾留が続いていた添田充啓さんが保釈された。那覇拘置所前に集まった五〇人の人々の出迎えの花束や抱擁を受けて、添田さんは「保釈が認められたのはみなさんのおかげ」と感謝の言葉を述べた。また、翌二二日のゲート前集会にメッセージを寄せ、「保釈条件のため集会には参加できないが、各地で呼びかけ辺野古現地へ行くよう訴えていく」と語った。

4.20

完成試写会(名護)二〇〇人

「オスプレイ」「海兵隊」

藤本幸久・影山あさ子共同監督


藤本幸久・影山あさ子共同監督作品の「This is a オスプレイ」「This is a 海兵隊」が完成し、四月二〇〜二二日、名護市と那覇市で試写会が行われた。名護市の試写会には一〇〇人が集まった。上映に先立ち、あいさつに立った両監督は「オスプレイも海兵隊も今の沖縄が直面する焦眉の問題だ。訴える力のある作品に出来上がったと確信している。二本とも約一時間でグループや集会で上映するのに手ごろだと思う。ぜひ多くの人に見てほしい」と作品にかける思いを語った。両作品とも素晴らしかった。上映後舞台に立った両監督に大きな拍手が送られた。
両作品とも上映権付DVDが一万円で販売中。連絡先は「森の映画社」(電話090-2052-9902、Fax011-351-1068、メールmarinegohome@gmail.com)



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