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    かけはし2017.年5月1日号

今こそ平和・人権の朝鮮半島へ


脅しと挑発を直ちにやめろ

戦争を止める民衆連帯の真価を

トランプ・安倍の戦争同盟を発動させるな

高まる危機に抗して

 朝鮮半島情勢は、戦争の可能性をふくんだ軍事的緊迫の度をますます強めている。トランプ米政権によるシリア・アサド政権に対するトマホークミサイル五九発の発射は、明らかに北朝鮮キム・ジョンウン政権の核兵器搭載可能なミサイル発射実験、核実験に対する軍事的対決をも辞さない米国の態度を示すものだった。
朝鮮半島における戦争の危機は、トランプ政権の登場、そして安倍政権の軍事的関与=「参戦」に傾く日米戦争同盟路線によって、ますます高まっている。トランプは中国を軍事的に牽制しながらキム・ジョンウン体制の転覆をも辞さない圧力を中国ならびに、安倍政権にかけている。
四月一七日、米ホワイトハウスのスパイサー報道官は、米国が北朝鮮に対して軍事行動に踏み切る際の「レッドライン」(越えてはならない一線)を明示しないと述べ、中国政府にゆさぶりをかけた。韓国を訪問し、軍事境界線を視察したベンス米副大統領は、つづいて訪日し、四月一九日には横須賀に停泊中の原子力空母「ロナルド・レーガン」艦上で米将兵二五〇〇人と招待された海上自衛隊員一〇〇人を前にして演説した。彼は、トランプ政権がシリアとアフガニスタンを空爆したことにふれながら「敵対勢力に断固たる行動をとる」と北朝鮮への核攻撃をふくむ軍事力の行使も辞さない態度を明らかにした。さらに「米国は南シナ海や他のどこでも航行の自由を守る」と中国を牽制した。

米日韓の共同作戦


トランプ政権は、シリアとアフガニスタンへの空爆の直後、軍事的緊張の次の焦点である朝鮮半島近海に米原子力空母「カール・ビンソン」を派遣すると発表していたが、実はシンガポールに寄港していた「カール・ビンソン」ならびに空母航空団、ミサイル駆逐艦二隻などはオーストラリア近海で同国海軍と演習した後に、オーストラリアの港には寄港せず北上して朝鮮半島に向かった、と報じられている。
この奇妙な「カール・ビンソン」の動きは、米軍による陽動作戦だと見られる。そして四月二三日には、フィリピン東方の西太平洋で、「カール・ビンソン」と米巡洋艦、駆逐艦計三隻は海自の護衛艦「あしがら」、「さみだれ」と合流し、共同訓練を開始した。
米日の五隻の軍艦は、日本近海に向けて東シナ海を北上し、共同訓練を行っているが、それが四月二五日の「人民軍創建八五周年」にあたって北朝鮮キム・ジョンウン体制が新たな軍事的行動に踏み込むことに対処するねらいがあると報じられている。
この間、米韓両国と自衛隊との事実上の「共同作戦」が繰り返されてきた。「海自の護衛艦は三月上旬、米韓合同軍事演習に参加するカール・ビンソンとバシー海峡(台湾―フィリピン間)の周辺で合流し、沖縄本島と宮古島の間を抜けて九州西方の海域まで航行する訓練をした。同月下旬にも、海自の護衛艦がカール・ビンソンと東シナ海で共同訓練をしている」(「朝日」四月二四日)。この訓練は「柔軟抑止選択肢(FDO)」と呼ばれるもので、二〇一五年に「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」が改訂された際、新たに協力項目として組み込まれた。「安全保障関連法制とは別の枠組」(朝日、同記事)とされる。

未来への歴史的責任

こうして朝鮮半島を中心に、日本海、東シナ海、南シナ海、さらには太平洋、インド洋に至る広大な海域において新たな戦争の危機が現に浮かび上がっている。戦争法を発動した安倍政権の下での「朝鮮半島危機」は、米国とともに日本が朝鮮半島での戦争に参戦することを意味せざるを得ない。三五年間にわたって朝鮮半島を植民地支配し、「軍隊慰安婦」、強制連行など朝鮮民衆に塗炭の苦しみをなめさせてきた歴史的負債を清算し、この戦争を止めることは、日本の労働者民衆の責務である。
われわれは米・トランプ政権の朝鮮半島における「大量破壊兵器」の使用をともなう戦争と、安倍政権の追随、支持、さらに今回の日米共同演習に見られる事実上の参戦に反対する! THAAD配備に示される北朝鮮への戦争態勢をやめさせよう。
同時にわれわれは、北朝鮮キム・ジョンウン独裁体制の、民衆の生活を犠牲にした挑発的な核兵器・長距離ミサイルの開発・実験・使用を許してはならない。北朝鮮キム・ジョンウン独裁体制のあらゆる軍事的挑発と冒険、民衆弾圧・人権抑圧に反対の声を届けることは、独裁体制の下での貧困と人権抑圧にさらされている民衆に連帯しようとするわれわれの歴史的責務である。
東アジアにおける平和のための民衆的闘いは、何よりも辺野古・高江の闘い、そして南西諸島への自衛隊配備に反対する沖縄の人びとによって展開されている。沖縄の闘いとともに韓国、北朝鮮の人びととつながって、この戦争の危機を止めなければならない。
戦争国家体制の確立にひた走る安倍政権を打倒し、改憲への道を断て!
(四月二四日 純)

3.31

岩礁破砕の期限は切れた

辺野古埋め立ては違法だ

新宿デモでアピール

 三月三一日午後六時半から、東京・新宿駅東口アルタ前広場で「岩礁破砕の期限は切れた 辺野古埋め立ては違法だ 米軍基地建設、即時中止せよ」新宿デモが沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックの主催で開かれ、冷たい雨の中一八〇人が参加した。
 大仲尊さんが主催者あいさつを行った。
 「辺野古新基地建設に必要な辺野古・大浦湾の岩礁破砕許可権限を沖縄県知事が持っている。前知事が許可した期限が三月三一日で切れる。翁長知事はそれを認めないと表明している」。
 「安倍政権は、名護漁協が漁業権の一部を放棄したとして(漁業法3条)、岩礁破砕許可の再申請をせず、工事を強行しようとしている。しかし、漁業権放棄があっても県の許可がなければ実行できないので、国は県の許可が必要という今までの見解を変えてしまった。これは沖縄差別であり民意を踏みにじるものだ。強く抗議する」。
 「日本政府の方が違法行為を行っていくことになる。三月二五日、翁長知事は初めて埋め立て許可を撤回すると表明した。すると菅官房長官は、県知事個人に対して損害賠償を行うと記者会見した。しかし、こうしたことができるという条項はない。これは県民に対するどう喝だ。来年の一月名護市長選、年末に知事選がある。辺野古埋め立ての重要な局面を迎える。辺野古へ行こう。スクラムを組もう」。
 次に宮平真弥さん(沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック)が、国が見解を変えた法的中味について説明して批判した。
 「水産庁が法的見解を変えた。沖縄はどこの国だ。法律を適用しなくてもよいのか。知事個人への損害賠償請求について、実は悪しき前例がある。それは昨年一二月一五日、元国立市長の上原ひろ子さんに対して、三〇〇〇万円の損害賠償を認める最高裁判決があった。景観を壊すとして、市長が建設を認めなかったマンション建設に対して、業者が市を訴え勝訴した。市は元市長を訴えそれを裁判所が認めた。国策に従わない知事や市長を黙らせるスラップ訴訟だ」。
 「今後、翁長知事が埋め立てを撤回する。そして仮差し止めを一緒に提出すると工事は止まる。国は執行停止を申し立てる。すると裁判になり、争っている間は工事が止められる。しかし、今の裁判では負けるだろうから、時間稼ぎに過ぎない。闘いによってしか工事は止められない」。

地方自治・住民
主権の確立を
次に、辺野古・抗議船に乗る闘いを行ってきた加藤さんが報告した。
「三月五日から一六日まで辺野古・高江に行ってきた。四日間船に乗って抗議活動を行った。二日目に汚濁防止膜を張る工事をやった。カヌー隊一六艇ほどが抗議行動をしたが、規制線の中なので見ていることしかできなかった。今では枠を作ってそこにブロックを落としていたがそんなことを無視してどんどんやっている。キャンプ・シュワブゲート前での闘いは、朝方は人数もそろいがんばって工事車両を止めているが、昼休みや午後になると人が減り、五分で排除され悔しい思いをしてきた。みんなでがんばろう」。
沖縄から、大城悟さん(平和運動センター事務局長)が電話でアピールした。
「今日で岩礁破砕許可が失効する。国は許可の手続きを取らず工事を続行する予定だ。すべて違法工事だ。これは沖縄差別だ。四月一日大規模な抗議集会を行う。必ず辺野古の基地建設を止めていく。共にがんばろう。山城さんが保釈になりうれしい。必ず三人の無罪を勝ち取っていきたい。添田さんの一刻も早い釈放を求める。ボーリング調査も終えていない。闘いによって止めている。辺野古には全国の仲間が集い行動している。本当の平和と真の民主主義、真の地方自治を確立するために闘う」。
三年前に辺野古住民となり闘っている日本山妙法寺の黒柳さんが沖縄、福島原発、共謀罪とのつながりを指摘し、連帯のあいさつをした。そしてMXテレビのデマ放送との闘い、辺野古実から今後の取り組みについて発言があり、新宿伊勢丹を通り、新宿ゴールデン街までデモ行進した。(M)

4.3

辺野古実が防衛省申し入れ

「本土」と沖縄、一体の闘いへ

貴重な自然・環境破壊止めよう

 四月三日午後六時半から、辺野古への基地建設を許さない実行委員会呼びかけの定例月初め、防衛省申し入れ行動が開かれた。突然の大雨と雷雨があり、冷たい陽気であったが元気に行動を行った。
 参加者の仲間たちが次々にスピーチ。MXテレビのデマ宣伝を抗議する仲間、「二月二九日に、回答を寄越したが訂正する意思を示さない不誠実なものであった。今後も訂正番組を求めて行動を行っていく。四月一五日午後一時新宿駅東口アルタ前広場集合、午後二時からデモへ参加を」と呼びかけた。
 神奈川機動隊の沖縄派遣の中止を求める住民監査請求運動の仲間、「監査請求は却下されたが住民訴訟はしない。県議会の中で追及していく」。「沖縄の元海兵隊員による性暴力・殺害から1年」基地・軍隊はいらない!4・29集会の呼びかけの後、三月二五日の沖縄県民集会に参加した花輪さんが報告した。
 「高江・辺野古に行ってきた。三月二五日の集会には三五〇〇人が集まり、山城博治さんが集会前に、力強いあいさつをした。翁長県知事が公式に参加し、公有水面埋め立てを撤回すると表明した。岩礁破壊許可取り消しについて、裁判も視野に入れている。計画の変更は知事の承認を求めなければならない。知事・市長の権限によって埋め立てを止めることが出来る」。
 「高江のオスプレイパッドは手抜き工事によって、まだ完成していないので使用できない状態だ。三月〜六月までノグチゲラの繁殖期で重機を使えない。機動隊は撤収し、ALSOKがゲートを警備している。N1テント前で監視行動を行っている。自然を再生させる。北部訓練場全体の返還を」。

土砂搬出反対
ネットが報告
土砂搬出反対首都圏ネットの仲間が土砂採取による環境破壊問題を批判した。その後、沖縄から安次富浩さんが電話を通じてアピールした。
「四月一日、岩礁破砕許可が切れた。雨の中、抗議行動にたくさんの人が参加した。県は調査船を出して、岩礁破壊をしていないか調べている。あらゆる手段をもって埋め立てを止めていくと知事が言明した。しっかり支えていく。県警による座り込みに対してごぼう抜き排除が進められている。工事を止められるかどうかはたくさん人が集まるかどうかにかかっている。決してあきらめない。現場での闘いを行う。どんなに厳しくても不屈の精神で闘う」。
「森友学園、南スーダン自衛隊日誌隠しなど、安倍政権は法を無視している。沖縄で起きていることと同じだ。反核、反原発、共謀罪との闘いは沖縄とつながっている。安倍を倒そう」。辺野古実が行動提起した後、防衛省に向けて抗議のシュプレヒコールをあげた。今回申し入れは「ピースニュース」が行った。次回は五月一日午後六時半から、防衛省正門前。 (M)



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