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    かけはし2017.年4月10日号

日本政府・防衛局は埋め立て工事をやめよ


沖縄報告 4月1日

県民一丸の抵抗が日本政府を追い詰めている

沖縄 K・S

4.1

座り込み1000日集会

辺野古新基地NO!を訴え

600人参加

 キャンプ・シュワブゲート前座り込みが四月一日で一〇〇〇日目を迎えた。四月一日は七二年前の沖縄戦で米軍が沖縄島に上陸した日でもある。二〇一四年七月から一〇〇〇日間の辺野古の闘いは、日本政府・防衛局の早期着工の目論見に対し海と陸からの身を挺した非暴力の抵抗で工事の進行を大幅に遅らせ、全国・全世界に支援と連帯の動きを広範につくり出してきた。三・二五ゲート前集会に参加した翁長知事は海上工事の差し止め裁判の提訴と埋め立て承認の撤回方針を明らかにした。昨年一二・二〇の最高裁判決は埋め立て承認取り消しという沖縄県の一つの行政処分に対する司法判断にすぎず、辺野古に対する県の行政を全般的に拘束するものではない。新基地NO!の県民の総意を基盤に行政権限を行使する沖縄県と日本政府との全面対決は収まるどころかさらに深まり先鋭化している。毎日新聞は社説で「対立が泥沼化している」と指摘した。県民一丸の抵抗は日本政府をとことんてこずらせ追い詰めているのだ。
 三月三一日午後一二時をもって仲井真前知事の行った岩礁破砕許可が期限切れとなった。四月一日以降サンゴ破壊や海底の形状を変える一切の作業ができない。もし行なえば不法行為となり、刑事告発による処罰や裁判提訴の対象になる。沖縄県は漁業取締船「はやて」を海域に出し監視を始めた。菅や防衛省・農水省は口をそろえて「岩礁破砕許可がなくても工事ができる」と強弁して無許可の工事強行を示唆していた。ところが、沖縄防衛局は三月三一日、荒天にもかかわらず十数個のブロックをあわてて投入し二二八個のブロック投下が完了したと発表した。しばらくの間ブロックと汚濁防止膜を結びつける作業などを行ない、四月下旬に土砂投入と護岸工事などに着手するとしている。
 翁長知事があらゆる行政権限を行使し埋立承認を必ず撤回すると明言していることに対し、菅は記者会見で「工事が遅れたら翁長知事個人に損害賠償を求めることはありうる」と述べた。金田法相は菅に追随し、二階幹事長は「菅の表現が芸術的だ」と賛美した。日本政府中央の政治家たちの悪質さと傲慢さには怒りを禁じえない。
 地方自治体の長が認められた権限を行使するのは当然の権利だ。時の政権の意に反するからと言って自治体の権限行使を抑圧するのは「官邸独裁」だ。安倍の「官邸独裁」の弊害は、「核兵器禁止条約」への日本不参加や「森友学園」をめぐる官邸・官僚・政治家の動きにも噴き出している。沖縄の声を一切無視する安倍官邸に沖縄は決して屈しない。四月下旬、最大の山場を迎える。不法な土砂投入を絶対許してはならない。

山城博治さん「大事なことはゲート前に集まること」
四月一日は土曜議員行動日。早朝から、県議・市町村議をはじめ各地の島ぐるみがゲート前に結集し座り込んだ。普段早朝から海に出る海上チームも全員ゲート前に集まって座り込み集会に参加した。ヘリ基地反対協のあいさつの後、県議や名護市、那覇市、南城市など市町村議が並んで前に立ち、一〇〇〇日間屈せず闘ってきたように今後もあきらめず闘い抜く決意を次々表明した。
歌が続く。「今こそ立ち上がれ」「座り込めここへ」「わが心はやんばるの地に」「怒りをぶちまけろ」「沖縄をかえせ」など。司会から、茨城、石川、北海道、宮城、大阪などから参加していることが報告された。北海道の参加者は「オール北海道闘争団」のプラカードを持参している。山城博治さんも池宮城弁護士と共に参加し、あいさつに立った。「政府の圧力をはねのけ県民の団結を固めて頑張り抜こう」と呼びかけ、「抑えきれない怒り、こらえきれない悲しみ、そんなことの繰り返しだけれど、決して負けはしない、ケサラ、ケサラ、ケサラ、俺たちの人生は、平和と自由を求めて、生きて行けばいいのさ」の歌を参加者とともに歌った。そして、「知事に期待するのはいいが、一番大事なことはわれわれがゲート前に集まり、工事を止めることだ。そのうえで知事と共に闘うのだ。辺野古ができれば日本は戦争に入るかもしれない。ゲート前に数百、千と集まれば止められる。私は法廷の中で、正義はわれらに、県民にあることを主張し抜く」と訴えた。

仲本興真さん「座り込んで負けた闘いはない」
「辺野古新基地建設阻止!ゲート前座り込み一〇〇〇日目集会」は午前一〇時から始まった。照屋寛徳衆院議員、赤嶺政賢衆院議員、糸数慶子参院議員に続いて発言したヘリ基地反対協の仲本興真さんは「われわれは二〇年間闘ってきた。沖縄の闘いで座り込んで負けた闘いはない。先輩たちの闘いを受け継ぎ、絶対辺野古に新基地を造らせない」とアピールした。
県議会各派もあいさつに立った。社民・社大・結連合の仲村未央県議「辺野古唯一というのは政治の堕落だ。政府の政策を押し付けるだけの外務省沖縄事務所はいらない」。共産党県議団の玉城武光県議「私は漁協組合長を九年間やっていた。漁業権は利用権であって財産権ではない。漁協が放棄の決議をしてもなくならない。岩礁破砕許可の更新申請が必要ないというのは政府の屁理屈だ。ではどうして那覇空港では更新申請をしたのか。必要だからだ」。会派「おきなわ」の平良昭一県議「私には二歳半の孫がいる。孫が戦争に行くようなことがあってはならない。この島は私たちで守っていく」。
続いて、海上行動チームがそろって前に立ち、抗議船とカヌーの二人が代表して発言した。最後に違法な埋立てを止めよ!辺野古新基地建設を白紙撤回せよ!ゲート前に結集しよう!とシュプレヒコールを行ない、頑張ろう三唱で集会を終えた。参加者は六〇〇人をこえた。

3.28

海上行動にカヌー9艇 抗議船3隻

フロートを越え、ブロック投下中止を訴え


三月二八日の海上行動はカヌー九艇、抗議船三隻で闘い抜かれた。浜から出たカヌーチームはひと固まりになって穏やかな辺野古の海を長島へと向かった。辺野古崎から長島につながるフロート付近でしばらく留まった後、長島の間を抜けて大浦湾に入ると、たちまち波が大きく揺れ風が強く吹き付けてくる。辺野古と大浦湾とでは海の表情が全く違う。それがまた辺野古・大浦湾の生物多様性を育んでいる自然の力であるともいえる。
カヌーチームが大浦湾のフロート付近でとどまり、抗議船三隻も集まる中で、防衛局はブロック台船を長島近くまで移動させ、汚濁防止膜を固定するためのブロック投下の準備を始めた。フロートからは五〇mほどの場所だ。近くで目にする台船は巨大だ。不法な工事を止めよ!埋立により海をこわすな!抗議船からマイクを使って抗議の声が発せられる。しばらくしてクレーンがブロックを吊り上げる瞬間に一斉にカヌーがフロートを乗り越え工事台船へ向かって突入する。この場所のフロートにはネットが巻かれているが、カヌーチームはフロートをあっという間に乗り越え、ブロックを吊り上げているクレーン台船に向かって全速力で突進していく。慌ててやってくる海保のゴムボート数隻との競争になる。カヌーが台船まで二〇〜三〇mに近づいたところで、海に飛び込んだ海保の隊員に拘束され、海保のゴムボートに乗せられた。
この日は大潮。海保のゴムボートは通常のルートとは異なり、長島・平島を大きく迂回する外海を通り辺野古漁港横の浜まで行き正午ごろカヌーメンバーを解放した。カヌーチームは直ちに大浦湾に戻り、午後の阻止行動を継続した。
フロートの中にいた約一時間、クレーン台船によるブロック投下作業は停止した。九艇であってもフロートを乗り越え工事現場に入り行動すれば作業を止めることができる。より多くのカヌーがフロートの中に入れば作業ができなくなる時間が増え、埋め立て工事に大きなダメージを与えることができる。危険な海上で身を挺して非暴力の抵抗を続けるカヌーチームの存在は現地の闘いの不可欠の部分だ。ゲート前の闘いの強化と共にカヌーチームの闘いを支え強化しなければならない。

3.29

ゲート前座り込みに150人

工事車両・資材搬入 終日STOP

作業員は第1ゲートから進入

 水曜集中行動のこの日、警察ははじめから工事用ゲートからの資材搬入・工事車両の進入を諦め、警察機動隊の配置も最小限にとどめたが、第一ゲートから作業員が多数進入した。ゲート前の座り込み集会であいさつに立ったヘリ基地反対協の安次富浩さんは「菅は翁長知事に対し損害賠償を請求する可能性を語った。法治国家を繰り返しながら法律を破る日本政府の何という傲慢。韓国の裁判所は大統領を罷免した。トランプに対し米国の裁判所は独立した判断を下している。日本に三権分立はない。日本の民主主義の劣化に対し、沖縄の非暴力の運動で知事を支え行政と共同して闘い抜こう」と訴えた。
平和市民連絡会の上間芳子さんは「水土の行動日以外に資材搬入が集中している。昨日は三回の強制排除で作業車両が数十台入った。埋立の基礎となるグリ石も二〇〜三〇台入った。生コンプラントの土台も造っている。ミキサー車がどんどん入ってくる。県民集会に集まった三五〇〇人の五%でも一〇%でも来てくれれば止められる。現場に集まることが大事だ。行政は行政だ。市民ができることは現場しかない。現場に人を集めることに全力を尽くそう」と呼びかけた。
統一連の大久保康弘さん(県平和委員会事務局長)は「大規模な米韓共同訓練は金正恩でなくとも反発するだろう。北のミサイルに口実を与えるものだ。稲田防衛相のもう一つの顔は、軍命否定の集団自決訴訟の弁護人だったこと。沖縄戦と基地問題はつながっている」と提起した。
そのあと、本部町、宜野座村、南風原町、今帰仁村、大宜味村、名護市、糸満市、豊見城市、八重瀬町、南城市、金武町など各地の島ぐるみの代表が三・二五集会の参加や地域での取り組みについて発言した。

3.27

第2回公判

城岳公園の事前集会に150人


山城博治平和運動センター議長と稲葉博さんの第二回公判は三月二七日午後開かれた。公判に先立ち、城岳公園で裁判勝利!即時釈放!を求める集会が開かれ約一五〇人が集まった。
ヒロジ・コールの中、マイクを握った山城博治さんは、「私たちの逮捕・起訴・勾留は県民すべてに対する恫喝だ。裁判で堂々と闘う。前回公判で検察はゲート前のブロック積みの映像を延々と流したが、積まれたブロックの山の上に花が置かれ、芸術のようだった。警察の暴力的な排除に抗した抵抗の心の表現だ。権力が凶暴を極めているが、潮目が変わり流れが変わる時が来る。いかなる弾圧もはね返して頑張ろう」と述べ、「いかなる弾圧が度重なるともわれらの友情永久に変わらず」の歌を高らかに歌い上げた。
ヘリ基地反対協の安次富浩さん「本日ゲート前は作業車両の動きがない。機動隊が全部裁判所に来ているからだ。警察がいなければ新基地建設の工事ができないことがはっきりした」、高里鈴代さん「検察によるとブロック積みは山城、稲葉、佐々木その他大勢の氏名不詳者が行ったとされている。県民全体が訴えられているのだ。警察の映像には私たちの非暴力の抵抗が記録されている。部分ではなく全体を公開すべきだ」との発言のあと、稲葉博さんがあいさつに立ち、次のように述べた。

稲葉さん「ヤマトンチュ―を代表して頑張る」

 「保釈条件が緩くなってこうしてみなさんとも会うことができるようになった。ヤマトンチュ―を代表して頑張りたい。添田さんがまだ入っている。中の苦しさがよく分かる。一刻も早く出してあげたい。中にいると、とくに土日は面会、風呂、運動など何もなく苦しくつらい。土日に音楽を流すということだけでもできないものか。この闘いにぜひ勝とう」
公判では、「証拠」とする映像であるにもかかわらず検察官が撮影者不明のビデオを放映するなどあまりのズサンさに、裁判長が予定されていた警察官の証人尋問を中止した。次回公判は四月一七日午後一時半。防衛局職員の証人尋問が行われる。

【訂正】本紙前号4月3日付1面「籠池の証人喚問」の上から3段目左から2行目の「同年五月」を「同年九月ごろ」に、本紙前々号(3月27日付)5面「ウイメンズ・マーチ」の上から5段目左から25行目「命をにぎるな」を「命をねぎるな」に訂正します。



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