17春闘
安倍「働き方改革」反対、生活できる賃金を
地域の仲間と共に意気高く
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3.14〜15
電通労組全国協が全員参加スト
「官製春闘」突破する闘いを
脱原発社会実現もめざし
四年連続の官製春闘の破たん、長時間労働規制一〇〇時間未満という政労使合意に見られるように、安倍政権の「働き方改革」が虚妄であることが明らかになりつつあるなか、電通労組は、生活できる大幅賃上げと時給一五〇〇円の実施、ディーセントワークの実現を闘いの柱に、長時間労働の規制に対しては「三六協定で定めている特別条項の廃止」「勤務間インターバル制度」の導入を求めて、官製春闘を打破し労働組合の闘いで要求を実現していく「春闘構造の再構築」を掲げて、回答日の山場でもある三月一四〜一五日、首都圏支部、福島支部、宮城支部、青森支部で全員ストライキを配置し闘った。
3・14首都圏支部スト貫徹
三月一四日は、首都圏支部がNTT関連労働組合(N関労)とともに、NTT東日本本社前に冷たい雨が降る中で、支援に駆けつけた地域の仲間も含め四〇数人の参加で、ストライキ集会を開催した。主催者としてあいさつにたったN関労奥園委員長は、17春闘情勢と労働者が闘う春闘の意義について説明しながら闘う決意を表明した。
電通労組本部の日野副委員長は、四年目の官製春闘が安倍政権のトップダウンで進められ、労働組合の関与の排除、労働組合の必要性や存在を否定したものになっていることを指摘し、労働者のストライキを含めた闘いで要求を実現していく必要性を訴え、明日以降も青森、宮城、福島でストライキを配置して闘うことを表明した。また、春闘要求に関する会社側との交渉で、長時間労働の規制や勤務間インターバル制度の導入に対しては、「現実的でない」と消極的な姿勢であることが報告された。最後に被災地にある労働組合として福島第一原発事故隠しを進める安倍政権の帰還の強制に反対することや被災地の現状についての報告があった。
連帯のあいさつでは、練馬全労協の三沢さんより練馬での春闘の取り組みの報告が行われ、郵政産業労働者ユニオンの中村書記長からは郵政での17春闘の取り組みとして長時間労働の是正や非正規社員の均等待遇と正社員化を目指していくとの決意が示された。
東京労組の中原副委員長は、愛娘を亡くされた木下さんご夫妻からの思いを語られ、国会での膨張する防衛費の予算案や「働き方改革」の欺瞞性、フジビ解雇撤回闘争での倒産の経緯とスラップ訴訟の不当判決をはねかえし、偽装倒産でやりたい放題の労働者使い捨てを許さないと闘う決意が述べられた。
葛飾区労協の立野さん、JAL争議団の鈴木さん、中岡全労協事務局長、中部全労協の坂本副議長、そしてユニオンネットお互いさまの斉藤委員長より連帯のあいさつがあり、JAL争議団の鈴木さんからは解雇から七年目を迎えるが、安心して暮らせる社会を目指してともに闘うことが、全労協の中岡事務局長からは全国の全労協の17春闘の取り組みが紹介された。
3・15宮城、福島、青森でも
三月一五日は、宮城支部、福島支部、青森支部でストライキ行動が展開された。宮城支部は、NTT五橋ビルに結集し、組合旗やスト決行中の横断幕をはり出し、あられまじりの雨のなか、宮城全労協の仲間の支援を受けて、NTT五橋ビルでストライキ集会を開催した。
中鉢宮城支部副委員長は、官製春闘に反対し、生活できる大幅賃上げを勝ち取ること、安倍政権の進める「働かせ方改革」に反対し、ディーセントワークの実現、時給一五〇〇円実施、長時間労働の規制強化、福島の避難住民と連帯し脱原発社会の実現を掲げて17春闘を闘う決意が述べられた。
東北全労協の亀谷事務局長は、昔は、交通事故死が一万人を超えた時代、交通戦争といわれ社会問題になったが、貧困と格差が進み高齢者の孤独死が一万人を超えているのに社会問題にならないのはおかしい。また、労働者が血と汗を流して勝ち取ってきた「一日八時間労働」がいとも簡単に壊されていく状況にある。このような社会状況を許さないためにも労働組合の闘いが必要なのだと連帯のあいさつを送った。
郵政合同労組、宮城合同労組からともに闘う連帯のあいさつが述べられ、全体で17春闘勝利のシュプレヒコールでストライキ行動を終えた。
青森支部では、青森ラインマンセンターとNTT松原ビルで情宣とストライキ行動を展開し、福島支部も福島分会、いわき分会でストライキを闘い貫き、「3・18原発のない福島を!県民大集会」に結集することを確認しあった。
三月一五日、会社から春闘要求への回答が示されたが、東日本で一四〇〇円、子会社の総合会社では一〇〇〇円と格差、低額回答であった。これに抗議して非協力闘争の継続を会社側に通告している。マスコミにも取り上げられ、NTT労組も「成果」として宣伝している非正規労働者も含む「サポート手当」(食事補助費)の新設は、NTTと直接雇用の非正規労働者のみで、パート労働者や派遣労働者は、対象外であることを最後に付しておく。(MA)
3.23
郵政労働者ユニオンがスト貫徹
全国13拠点・26職場で
本社前集会に一五〇人
連続ゼロ回答
に怒りをこめて
三月二三日、郵政労働者ユニオンは賃上げ要求ゼロ回答を許さず、非正規労働者の正社員化と均等待遇の実現を求め、全国一三拠点(盛岡中央、上尾、練馬、新東京、浜松東、京都西、新大阪、神戸中央、灘、広島東、土佐山田、福岡中央、北九州中央)、二六職場で全国一斉ストライキを決行した。
この日、午前一一時から東京・霞ヶ関の日本郵政本社前でストライキ集会が行われ、支援の仲間をふくめて一五〇人以上が参加した。最初に郵政労働者ユニオンの日巻委員長があいさつ。
「われわれは生活改善――大幅賃上げ、均等待遇、格差是正、サービス残業廃止などを求めて会社側と交渉を行ってきたが、ベースアップは連続してゼロ回答であり、均等待遇要求も拒否という回答だ。そこで本日、怒りをこめてストライキを決行する。郵政グループは『優良企業』とされており、公共性の高い企業として八〇%以上の株式を国が保有している。全郵政労働者の賃上げと均等待遇実現のために闘おう」と訴えた。
連帯のあいさつに立った全労連の小田川議長は「三月一五日の統一回答は五二四九円、平均で前年を下回る〇・四%のアップに止まった。これに対して翌一六日、二〇万人の労働者が立ちあがった。大企業は一六兆円という巨額の内部留保をため込んでいる。大企業は賃上げよりも内部留保、株主配当を重視している。しかしすでに一万二〇〇〇円以上の回答を引き出している組合もある。三月一三日に残業規制の政労合意がなされたが、人は一日六時間以下の睡眠では死亡率が高まるとされる。この『合意』は過労死基準を認めるものだ」と批判した。続いて全労協の金澤議長も連帯アピールを行った。
メトロコマース
労働者が支援に
全国一般東京東部労組の須田書記長は、この日の午後、メトロコマース支部の五人の原告による労契法二〇条裁判の判決が出ることを紹介し、郵政ユニオンも労契法二〇条裁判を非正規労働者自身が闘っていることに敬意を表する、とあいさつした。とりわけメトロコマース裁判で証人に立った郵政の仲間が「非正規の問題に取り組むと正社員の待遇が悪化するのではないか」という裁判官の質問に、「何よりも賃金の底上げが大事なのです」と答えたことは素晴らしかった、と須田さんは語った。このあとメトロコマース支部の裁判当該の仲間が支援のあいさつを行った(なお当日のメトロコマース支部への労契法二〇条裁判東京地裁判決は、基本給、賞与、住宅手当の有無、報奨金などほぼすべてにあたって正社員と非正規の格差を正当とする、不当きわまるものだった)。
非正規の若い
仲間もストに
ストライキ闘争の報告は郵政ユニオン中村書記長から。ストライキ集会は神戸中央では八〇人、練馬では一二〇人の参加で、地域の仲間とともに勝ち取られた。「一人ひとりが一歩でも前に進めるような一七春闘ストライキ行動だった。盛岡中央では昨年はたった一人のストだったが、今年は若い非正規の仲間とともに三人でストをうちぬいた。非正規の仲間もストを当然のこととして闘っている」。
春闘交渉報告では二月二一日に要求書を提出し、三月二二日まで七回の交渉を行ったが「減収・減益」で要求には応じられない、と繰り返すだけと会社側の対応を批判した。
続いてスト報告が上尾、練馬、新東京の三支部から行われた。上尾支部からは、今年は「一日ストを行っている。上尾局は駅前にありアピール度が高い。スト集会には二〇人以上が参加した」と語った。練馬の仲間は地域の労働者とともに一二〇人の集会をかちとったことを紹介、新東京の労働者は一人が午後二時からストに突入すると語った。
元気よく勝ち取られたストライキ集会の後、郵政本社に向けて怒りのコールを上げた。 (K)
コラム
送別会
今週末に私が地域で青年同盟の専従をしていたころいっしょに活動したり、酒を飲んだりしていた仲間夫婦の送別会がある。認知症の母親の面倒を看るために、二人の出身地であるK県に帰郷することになったようだ。
一月中旬ごろから、その地域でともに活動をしてきた私の出身大学の先輩にあたるSさんと二人で、その送別会の準備を始めることになった。呼びかけ人は私たち二人と元SWA(社会主義婦人会議)のYさん。呼びかけ文などは私が書くことになり、発送作業・出欠の確認などオルグと事務的なことはSさんが担当することになった。
その最初の打ち合わせは、田んぼが広がる山裾にあるSさん宅で行った。地元で採れた食材で作ってくれたおいしい手料理をつつきながら、二種類のできたてのドブロクをご馳走になった。これがまた実にうまい。デンプン純度の高い酒造り用の米を使っているからだろう、雑味もなく、アルコール度数もかなり高いことは一口飲んですぐにわかった。よく冷えたドロドロが喉を心地よく通過して行く。
昼に訪問して三時ごろのバスで帰る予定だったのだが、ドブロクのうまさに感動してしまい長居して、結局は六時の終バスまで意地汚くねばってしまった。ドブロクの「怖さ」を知りつつも、七〜八合ほどは飲んだだろうか。そんなことで帰りは、終点のI駅で青年に肩をたたかれて起こしてもらい、どうにか帰宅することができたというあり様である。
さて送別会なのだが、当初は一五〜六人も集まれば上出来だろうと思っていた。しかし出欠確認締め切り日の時点で、二四人の参加予定という連絡が入った。それでさっそく居酒屋の宴会場を予約したのだが、締め切り日が過ぎてからも参加者が増え続けて結局、参加予定は三〇人ということになった。
どうも送別会という催しの性格を超えて、会は「同窓会」になりつつあるようだ。しかし、それはただ「懐かしいから」ということだけではないと思っている。六年前の「三・一一事態」の衝撃が、共通の再出発点となっているのではないだろうかと思えてならない。反原発デモでは懐かしい人たちの顔をたくさん見ることができたが、それぞれがそれぞれのこだわりを持ってその後、地域などで新たな活動を再開し始めているのではないだろうか。
今回参加する仲間のなかには、食と環境問題を取り上げて市議選に出た者もいる。また今回帰郷する元SWAの女性は、当初の勢いのなくなった毎週金曜日の反原発首相官邸前行動に、毎週欠かすことなく四年以上も通っていたようだ。私は時々現場で会ってはいたが、彼女の信念には頭が下がる思いである。そうした思いも込めて、送別会の席では熱烈な阪神ファンである二人で「六甲おろし」を大合唱する予定だ。
ボロボロになった袋を脱ぎ捨てて、本気で「新しい革袋」を作らなければならないのだろう。 (星)
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