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    かけはし2017.年2月13日号

新基地NOこそ民意


沖縄報告:2月4日

辺野古海上工事阻止へ

われわれは決して屈しない! 

沖縄 K・S

1.30

翁長知事訪米激励

那覇空港の出発式で
100人以上が激励

 翁長知事と稲嶺名護市長、オール沖縄会議の訪米団を激励するため、一月三〇日午後、那覇空港で出発式が開かれ、一〇〇人以上の県民が結集した。翁長知事と稲嶺名護市長に同行する「辺野古に新基地を造らせないオール沖縄会議」の訪米団は、呉屋守将金秀グループ会長(オール沖縄会議共同代表)を団長として、渡久地修県議(副団長)他四人の県議、訪米団事務局長の稲福弘自治労県本委員長等の八人。@辺野古新基地断念、A普天間基地の閉鎖・撤去、Bオスプレイの飛行中止・配備撤回を訴える。シンポジウムと講演、米上下両院議員や補佐官、シンクタンク関係者など約三〇の会談先の予定が入っているという。
 翁長知事は「トランプ政権に代わって、ある意味これまでの膠着を打ち破るきっかけをつかむことができるのではないかとも思っている。最高裁判決が出ても沖縄の事態は変わらない。新基地NO!の県民の民意をバックに、辺野古の新基地は造らせない、造れないということを米政権に向けて強く働きかけていきたい」と力強く語ったのに対し、参加者は大きな拍手で応えた。
 そのあと、稲嶺進市長の発言に続いて、玉城愛さん(オール沖縄会議共同代表)が激励のあいさつをした。最後に手に手を取り合って頑張ろう三唱を行ない、エスカレーターで二階出発ロビーに向かう一行を見送った。

独自の自治体外交を
沖縄は推し進めている


陸海空海兵の米四軍、約五万人の軍人・軍属・家族が駐屯し、事件・事故、犯罪を繰り返す沖縄に心休まる日はない。復帰後、米軍機の墜落は四八件、一年に一回の割合、不時着は五一九件、一月に一回の割合だ。一月二五日付の琉球新報に掲載された米軍関係の記事の見出しを取り出してみよう。
「名護豊原で九五・八デシベル シュワブ廃弾処理か」「静かな生活求め一八八筆の署名 ヘリ不時着伊計自治会」「城原で夜間訓練 オスプレイまた民間地周辺」「米機、給油装置格納せず着陸 嘉手納MC一三〇」「米CH53ヘリまた異常音旋回 普天間上空」「油漏れ一ガロン以下 海兵隊が説明 伊計米ヘリ不時着」「嘉手納基地にP3C緊急着陸」。
沖縄にもうこれ以上基地を造ってはならない、辺野古新基地NO!は県民の圧倒的多数の揺らぐことのない決意だ。高江や辺野古が「負担軽減」などというのは何も知らない本土の国民が信じることはあっても沖縄県民はまやかしだと分かる。日本政府が沖縄を無視・敵視する中で、沖縄は独自の「自治体外交」を強化している。二〇一四年一月の名護市長選に始まり、知事選、衆院選、県議選、参院選で示された民意を真摯に受け入れて新基地計画を断念せよ!現地の闘いと結びつき沖縄県は日米両政府に対決する歩みをさらに踏み出した。

1.30

裁判所前集会に100人

3人を直ちに釈放せよ!

アムネスティが声明


一月三〇日昼、那覇地方裁判所前で、人権無視の不当拘留を糾弾し三人の即時釈放を求める集会が開かれ、小雨が降り冷え込む中、約一〇〇人が参加した。主催は、山内徳信元参議院議員など六人が共同代表を務める「山城博治さんたちの早期釈放を求める会」と「基地の県内移設に反対する県民会議」。裁判所は三人を直ちに釈放せよ!怒りの声が裁判所にこだました。
「アジア太平洋ジャーナル・ジャパンフォーカス」エディターの乗松聡子さんは、一月二六日に発表されたアムネスティ・インターナショナル(本部ロンドン)の声明を英語と日本語で読み上げた。そのあと、県民会議の三団体がアピールした。平和市民連絡会の城間勝事務局長は「裁判所が刑事弾圧に手を貸している。絶対許せない。南アフリカのマンデラさんと同じ政治弾圧だ」と述べ、裁判所に向かって、「直ちに釈放せよ」を叫んだ。さらに、裁判所に対する抗議と早期釈放を求めるため、毎日行動を続けることを報告した。月曜は県民会議、火曜は平和運動センター、水曜は平和市民連絡会、木曜はうるま市島ぐるみ、金曜は嘉手納ゲートグループが担当するとのことだ。
アムネスティの声明文を裁判所に届けたあと集会に戻った乗松さんは、「国際的に日本政府の在り方に懸念が表明されている。ジャパンタイムズ、ワシントンポスト、さらにロシアのメディアでも指導者の長期勾留が問題にされている。アムネスティの声明を広げていってほしい」と訴えた。
本部の声明を受けて日本支部が翌日発表した声明抜粋は次の通り。

〈アムネスティ・インターナショナル日本支部声明〉

 沖縄平和運動センターの山城博治さんが公務執行妨害などの罪に問われ、昨年一〇月一七日に逮捕されて以来一〇〇日を超える。アムネスティ・インターナショナル日本は、山城さんの勾留が長期に及んでいることに強い懸念を表明する。山城さんは直ちに釈放されるべきである。(略)
国際社会は、政府による抑圧を防ぐため数々の努力を重ね、自由権規約や被拘禁者処遇最低基準規則、ならびに保護原則を作り上げてきた。日本政府は、こうした国際人権基準を遵守すべきである。
アムネスティは、表現、結社、集会の自由の権利を尊重し保障するよう日本政府に求めるとともに、国際人権基準に則って山城さんを速やかに釈放するよう検察当局に強く求める。また、アムネスティは、山城さんが釈放されるまでの間に家族に会えること、必要な医療を受けることができることを求め、国際的な行動を展開する。

2.1

水曜集中行動に300人

ゲート前で作業員、作業
車の侵入を止めよう!

 水曜集中行動日の二月一日、全県・全国各地から約三〇〇人が結集し、キャンプ・シュワブゲート前に座り込んで辺野古新基地建設を阻止する行動を展開した。午前七時過ぎに始まった工事用ゲート前での座り込み集会で、ヘリ基地反対協の安次富浩共同代表は「今翁長知事が訪米しているが、訪問先を明らかにしていない。明らかにすると、会えないようにするなど日本政府外務省の妨害活動があるからだ。なんという情けない国か。アメリカは今後国際社会で孤立していく。われわれが諦めなければ勝つことができる」と訴えた。
この日早朝、海上作業員ははじめ第一ゲートから進入しようとしたが、ゲート前を固めた人々の数に引き返した。作業員が入らなければ作業は始まらない。九時ごろになって不意に、作業員たちを乗せた車両五〜六台が第二ゲートから進入しようとした。第二ゲートで警戒していた数十人はゲート前に座り込み身を挺して車両の進入を阻止しようとしたが、基地内から出てきた警察機動隊によって排除されたすきに、車両は列をなして基地内に進入した。急を聞いて第1ゲートと工事用ゲートから約一〇〇人が駆け付けた時には数分の差で車両は進入した後だった。
そのあと、ゲート前座り込み集会が再開され、JR東労組青年部があいさつに立った。JR労組はこれまで何度も辺野古を訪問しているが、青年部としてのまとまった参加は初めてだ。千葉、東京、八戸、神奈川、群馬、茨城、埼玉などから力強い連帯の声が続いた。現地ガイド役の伊波義安さんは「JR労組は四万八〇〇〇人、うち青年部は二万人。その代表たちが今回参加した。心強い。これから、大浦湾でグラスボートに乗った後、やんばる学びの森のレストランで昼食をとる予定だ。以前目の前にヤンバルクイナが現れたことがあった。辺野古の海もやんばるの森も世界の宝物だ。壊してはいけない」と訴えた。
「三・四サンシンの日にゲート前で一〇〇人以上の‘かぎやでぃ風’の踊りとサンシンの合奏を行なうための準備をこれから進めていくこと」「不法に逮捕・起訴・長期勾留されている三人を取り戻すために、新聞紙上での山城さんの紙面インタビューや県民大会レベルの取り組みなどができないか」「第二ゲートから作業員の進入を許したのは残念だが、ゲートを固めれば工事を止めることができる。今日の集中行動のような結集を毎日続けることが大事だ」などの提起が続いた。
また、沖縄の写真家たちが協力して発刊した「沖縄写真・まぶいぐみ」の『ぬじゅん』創刊号が、高江のヘリパッド現場(小橋川共男さん撮影)と名護市安部沖に墜落したオスプレイの海中写真(牧志治さん撮影)を特集していることが紹介された(一部五〇〇円。連絡先住所 沖縄県中頭郡読谷村都屋431、電話 090-8292-1398)。さらに、飛び回るオスプレイと大きな口を開けて鳴くヤンバルクイナの写真が表紙を飾る山城博明著・写真『抗う高江の森』(高文研、2017・1・25)も紹介された。
県内各地から、沖教組国頭支部、今帰仁、大宜味、うるま、八重瀬、那覇、糸満、名護、南風原、宜野座の島ぐるみがそれぞれ決意を述べた。午後はテントで座り込み集会を継続した。
他方、海上では抗議船三隻、カヌー一〇艇で監視・抗議行動を行なった。

1.25

辺野古現地行動

キャンプシュワブ
ゲート前に200人

 この日ゲート前に約二〇〇人が座り込んだ。まず、ヘリ基地反対協の安次富さんが「海上行動は昨日午前、午後二回ずつ海保に拘束されながらも闘い抜いている。翁長知事は一月三〇日から二月五日まで訪米する。懸命に頑張っている知事を支えよう」と挨拶した。
司会の大城悟さん(平和運動センター事務局長)「瀬長亀次郎さんの不屈の精神を学ぼう。三人の拘束が続いている。公判は三月下旬と言われる。保釈を勝ち取り三人を笑顔で迎えよう」。
統一連の中村代表「副知事のことより大事なことが文科省の天下りだ。文科省だけで一〇〇人、省庁全体では一六七〇人にも及ぶ天下りこそ大問題だ。防衛省の天下りは警備会社や海洋調査会社などに行く。新基地を阻止しよう」。
平和市民連絡会の城間さん「承認撤回で問題解決というものではない。前回の取り消しと同じで政府の不法な介入と裁判になるだろう。現場の行動なしに県の行政権限行使は有効ではない」。
平和市民連絡会の北上田さん「仲井真知事の埋立承認の際、フロートというのは一言もない。浮標が記されていただけだ。浮標とは何か。臨時制限区域を示すブイのことだ。フロートは海への不法投棄物件なのだ。大浦湾の波風でロープがスクリューに絡まり鉄棒が船に穴をあけるような事故が起きかねない。すぐに撤去させなければならない。また、大型コンクリートブロックについて、防衛局は一五トン以下に変更したから岩礁破砕許可の対象外だと言い張っている。海面から海中に七mの深さまで降ろされる幕がどれほどの海流の圧力を受けるのか、力学的な計算が出ている。台風が来れば大浦湾は惨憺たる状態になる。防衛局は危険な工事を止めるべきだ」。
うるま市島ぐるみ「一月二〇日のシンポジウムの帰り、伊計島にオスプレイが不時着した。すぐに現場に行ったが、県警が現場から遠く離れたところに阻止線を張って住民が現場に近づけないようにしていた。警察は米軍の代理人だ。四月にうるま市長選挙がある。山内末子さんが県議を辞して出馬する決断をした。翁長知事と共に闘う市長を誕生させよう」。
各島ぐるみなどの発言のあと、第一ゲート入り口でデモ行進し「新基地建設を許さない」とシュプレヒコールして午前中の日程を終えた。午後はゲート前のテントに場所を移して座り込み集会を続けた。

1.28

緊急シンポジウムに200人

沖縄はどうすべきか〜安倍政権の
対沖縄政策に対抗するために〜

 一月二八日、沖縄大学で、沖縄対外問題研究会主催による「安倍政権の対沖縄政策に対抗するために沖縄はどうすべきか」とのテーマで緊急シンポジウムが開かれ、約二〇〇人が参加した。
国際政治学者・宮里政玄元琉大教授の基調提起に続いて、乗松聡子さん、桜井国俊沖大名誉教授、照屋義実照正組社長(元沖縄県商工会連合会長)、松元剛琉球新報編集局次長、我部政明琉大教授の五人のパネラーが発言した。
桜井さんは「最高裁は地方自治をまったく無視した。沖縄の海や森を守るうえで国には期待できない。県が自ら条例を制定すべきだ。県土保全条例には国を除外する項目があるが、これを削除することも必要だ。また、航空法第九七条を活用しフライト計画の事前告知をさせよう。返還基地について、汚染の除去を米国並みにやるよう求めて行くべきではないか」と提起した。
松元さんは「安倍政権の特徴は沖縄の民意の完全無視、警察国家だ。軍属の範囲の縮小や北部訓練場の一部返還を負担軽減として宣伝するのはまやかしだが、全国の人々には沖縄の主張が伝わりにくい。対本土の発信を翁長知事に頼りすぎてはいないか。中長期の基地返還プランを立てることが大事だ」と提起した。
当初の終了予定時間を大幅にオーバーし、約四時間にわたって、熱気のあるシンポジウムが続いた。「法治国家」を標榜しながら法を無視したあらゆる強権を発動している日本政府に対しいかに対決していけばいいのか、ということが県民の問題意識となっている。当事者たる米国への働きかけ、国際社会への訴え、情報発信力の強化、沖縄現地の闘いの再構築、等々。沖縄は辺野古に新基地を造らせないためにあらゆる力をつくしている。この闘いに呼応し、沖縄を蹂躙する安倍政権NO!の闘争戦線をいっそう強力につくり上げよう。


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