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    かけはし2017.年2月6日号

高発原発動かすな!


1.22

関電包囲全国集会に1000人

事故が起こる前に廃炉を

住民の力で脱原発社会実現へ


  【大阪】集会実行委員会主催の関電包囲全国集会が、寒風吹きすさぶ一月二二日午後四時より関西電力本社前でおこなわれ、一〇〇〇人の労働者・市民が参加した。
昨年三月九日大津地裁は、「高浜原発3号機及び同4号機を運転してはならない」との仮処分命令を出し、この仮処分の取り消しを求めた関電の保全異議を退けた。関電側は大阪高裁へ保全抗告をし、抗告審が行われているが、昨年一二月末に審理を終え二月にも決定が出されるもようである。そのような中で脱原発・反原発の民意を司法に示すべく、関電包囲の全国集会が開かれたわけである。また、二一日から二二日午前中にかけ、再稼働阻止ネット呼びかけの相談会が行われた。

民衆の側に立つ
社会の実現を
包囲集会の前段として、午後二時より大阪中之島公園で出発集会が開かれ、関電近くの西梅田公園までのデモが敢行された。一方、同じ時間帯に「核燃料サイクルにとどめを!巨大地震が来る前に 緊急集会」が守口市で、脱原発政策実現全国ネットワーク関西福井ブロックなどの主催で開かれ、広瀬隆さんが講演をした。それぞれの行動に参加した人々は、午後四時からの関電包囲集会に参加した。関電包囲集会は、原子力発電に反対する福井県民会議、若狭の原発を考える会、さいなら原発・琵琶湖ネットワーク、ストップ・ザ・もんじゅ、さよなら原発なら県ネット、さよなら原発神戸アクションの六団体がよびかけた。
包囲集会では、木原壮林さん(若狭の原発を考える会)が主催者あいさつをし、「原発事故は自然災害とは異なる。原発は人が動かしているから止められる。原発を全廃することが原子力防災だ、民衆の側に立つ社会を実現しよう」と述べた。続いて、次々と発言があった。

原発再稼働を
阻止しよう
原発いらない福島の女たち(山内さん)「チェルノブイリ原発事故のあと、福島に一〇基も原発があることを知って驚いた。MOX燃料反対の運動をしたが、ついに稼働し、その半年後にあの大きな地震があり、事故が起きた。三号機からきのこ雲が立ち昇るのを見て、足が震え死を覚悟した。最近特に病気が増えている」。
さよなら原発!佐賀連絡会(木ノ島さん)「県の九つの団体でネットワークをつくっている。規制委員会が玄海原発の稼働に向け検査合格を出したが、一〇〇〇通以上のパブコメを無視したものだった。福岡の学者グループも二八通のパブコメを出している。玄海原発の周辺には白血病が多発している」。
原発さよなら四国ネットワーク(井出さん)「伊方原発は再稼働されたが、あきらめていない。この闘いは命を守る闘いだからだ。ふるさとの誇りと人の命を守りたい」。
志賀原発・命のネットワーク(藤岡さん)「富山市に関電の支社がある。黒四ダムの時につくられた。関電と北陸電は取り決めをした。関電が生産した電気は関西に送り、富山では売らない。北陸電の余った電気は関東に売る。いまだにこの取り決めは生きている。北陸電は現在電気が余っているが、原発を動かさなければいけないというおかしなことになっている」。
再稼働阻止全国ネットワーク(柳田さん)「再稼働阻止全国ネットワークは、大飯の闘争を頑張った関西の力に、東京の四団体が加わって生まれた。今日ここに、全国から六〇名ほどが参加している。関西電力の位置が大きい。東京電力の原発は止まっているから、今後の焦点は関西電力の原発だ。安倍一強政権と電力会社挙げてやっても、稼働しているのはたった三基だ」。
脱原発とうかい塾(相沢さん)「高浜原発が動いてしまうと、東海第二原発が動くのを止めるのはむずかしくなる。そういう思いで参加した。原発の舞台を提供して六二年がたった。たくさんの研究機関の原子力施設がある。放射性廃棄物が溜りにたまっている、わけても東海再処理工場がそうだ。これから廃炉にかかるが、七〇年かかると言われている」。
柏崎刈羽原発反対地元住民有志(田代さん)「一年間は再稼働しないとなっている。住民には原発が動けば金になるという思いこみがあるが、事故時の避難計画は非現実的で、事故があっても逃げられない」。
大間原発反対現地集会実行委員会・なくそう原発・核燃あおもりネットワーク(事務局次長)「六ケ所村の核施設と大間原発をトータルに問題にして取り組んでいる。全国と連帯して訴えている。分断させずに闘っていこう」。
泊原発の廃炉をめざす会からはメッセージが寄せられた。
ふるさとを守る高浜・おおいの会「昨年末に高浜の地元の中の地元、音海地区の自治会が老朽原発運転反対を決議した。この地区は、原発の前を通らないと避難できないところだ。事故が起こる前に原発を廃炉にしなければいけない」。

原発なくても
電気は足りる
さよなら原発なら県ネット(榎本さん)「県内の市民団体や労働組合でつくっているネットワークだ。三月、小出裕章さんを招いて講演会を開く予定である」。
さよなら原発神戸アクション(長谷川さん)「二〇一一年七月から毎金曜日二二六回目のアクションをやった。関電が原発から足を洗うまで止めずに続ける」。
福井原発訴訟(滋賀)当事者から訴訟を支える会(原告団長、共同代表・辻義則さん)「昨年一〇月審理は終わり、一二月二六日まで書面の提出を認めさせたが、早く再稼働したいという関電の思いに裁判所が忖度しているのではないかと危惧している。規制委員会の基準をクリアーしたと関電が主張している部分については、より詳しい批判の準備書面を提出した。関電の主張は、地震が基準地震動より大きければこの基準は何の役にも立たない。大阪高裁は、昨年の辺野古の福岡高裁那覇支部の判決など三大不当判決を繰り返すな。福島避難者の住宅支援の打ち切りに対して、滋賀県内一九市で請願をし、七議会で要請が採択され、県もこの流れを受けて検討していくことになっている」。
福井原発訴訟(滋賀)弁護団長(井戸健一さん)「大阪高裁決定前のこの集会は意義深い。裁判は十分勝てると考えている。原発を動かせば必ずリスクがある。これは、原発推進派でもこのことは否定できない。原発は必要ない。いくらでも安全な方法で電力を生産できる」。

原発なくすまで
闘い続けよう
釜ヶ崎日雇労働組合(三浦さん)「沖縄に行ってきた。沖縄電力は、唯一原発のない電力会社だ。その理由は何か。それは、在沖米軍が建設に反対したからだ。みごとに、原発の本質をついている」。
脳性まひ者の生活と健康を考える会(古井さん)「施設の人々の支援をお願いしたい。命に大切な命といらない命の区別はない。ともに再稼働反対を闘いたい。ともに生きていけるような社会を目指していこう」。
大阪ユニオンネットワーク(丹羽さん)「日本の労働組合の多くは企業内組合だ。過重労働についても、労働組合がきちんと協定を管理していたら過労死など起こるはずはない。私たちは、社会的な課題についてもできるだけ積極的にかかわっていきたい」。
原子力発電に反対する福井県民会議(宮下正一さん)「一九七六年に結成され、それから四〇年間、最大の目標はもんじゅを廃炉にすることだった。これはようやく実現した。残されたものを安全に処理することが必要だ。高浜原発が再稼働されれば、大飯三・四号、美浜三・四号、高浜一・二号と次々再稼働されていく。だから高浜三・四号を何としても稼働させてはいけない。抗告審にたとえ負けても、あちこちで仮処分を申請し、勝てばそこで原発は止まる。運動で民意を示していき、私たちは勝つまで闘う」。
最後に決議文を採択して終了した。               (T・T)

1.7

2017年ファースト・アクション

野党代表が連携アピール

共闘の真価を発揮させよう


新宿駅西口に
2500人が
 一月七日、「ともに闘う2017年ファースト・アクション 新宿西口大演説会」が午後一時半から、「初春」という言葉がぴったりの穏やかな日差しの中で行われた。今年中にも予測される総選挙をにらみながら、安倍政権による「改憲暴走政治」を打ち破る野党と市民の共闘を力強く発展させる決意をこめた新年第一波の集会だ。「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」と「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委」が共催した集会には二五〇〇人が参加した。
 司会の仲間は「日々、着実に私たちの生活は安倍政治によって蝕まれ、どんどん苦しくなっている」「沖縄で、そして改憲・原発と命をないがしろにする政治が横行してきた。そして今また共謀罪法案が『テロ等準備』を阻止するとの名目で強行されようとしている。こんなことは許さない。安倍政権の暴走を止めよう!」と力強く呼びかけた。

多様性の尊重
一致点で団結
スピーチの最初は「市民連合」の共同代表をつとめる山口二郎さん(法政大教授)。
「昨年、イギリスの国民投票でのEU離脱、アメリカ大統領選でのトランプの勝利と、民主政治の崩壊を象徴する事態が起きた。その先鞭をつけたのが安倍政治だ。安倍は新年所感で『世界の真ん中で輝く日本』とまたも臆面なく訴えている。年内にも解散・総選挙が考えられる。市民と野党は今こそ『共謀・協力』しよう」。
続いて各政党の代表が発言。社会民主党副党首・参院議員の福島みずほさんは、沖縄で三度にわたる追逮捕・追起訴で長期拘留されている山城博治・沖縄平和運動センター議長の長期拘留に示される弾圧を厳しく糾弾。「野党共闘の真価を発揮しよう」と訴えた。
自由党副代表の青木愛参院議員は「自民党の改憲草案は、まさに人権制約・全体主義に貫かれている。経済政策も格差を拡大する新自由主義に貫かれたものだ」と批判し、「国民生活を破壊し国家権力の強化にひた走る安倍政治を倒そう」と呼びかけた。
日本共産党からは志位和夫委員長が発言。「歯止めをなくした安倍暴走政治に対する野党と市民の共同が本格的に始まった。多様性を大事にし、一致点で団結する共闘を作ろう。昨年の参院選一人区での共闘の成果を衆院選でも大きく発展させよう」と呼びかけた。
民進党からは代表代行の安住淳衆院議員が発言。「総選挙では大局に立って連携し、一人区での協力を進めていく」とアピールした。
民進党に見られるように「野党の足並みの乱れ」は確かに人びとの不信感を買っている。しかし、安倍政権を倒すためには、労働者・市民の力で野党の共闘を選挙の場で実現していくことが必要だ。それは労働者と市民の運動を独自に発展させていくことによってこそ可能となる。新年早々の行動は、その方向をはっきりと示すものであった。        (K)


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