12.4 住宅の追い出し 賠償金の打ち切り
自主避難者の住宅無償供与継続を
福島県知事に撤回求め行動
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【福島】自主避難者の住宅無償提供継続を求める四団体共同全国集会in福島が「原発事故被害者を切り捨てるな」をメインスローガンに福島県教育会館で一二月四日開催され、一三〇人が参加した。
集会は「福島原発被害東京訴訟原告団」の熊川さんの司会によって行われた。
開会あいさつを中島孝さん(原発被害者訴訟原告団全国連絡会)が行い、冒頭、「避難先でそして福島で様々な困難を打開すべく頑張っている方に心からの敬意を表したい」とあいさつし、原発被災者の子供へのいじめについて「文明国家にあるまじき恥ずかしい行い」と抗議。「二〇ミリ基準はでたらめで、ICRPが二〇ミリが安全と言ったことはない。危険と被害のありなしの基準に適用した結果、住宅支援打ち切り、避難指示解除、賠償金打ち切りとなった、なるべく被ばくを避けるが専門家の共通した基盤、こうした中で自分の家族や子供を被ばくを避けようとがんばっている、我々の側にこそ科学の道理はある。みんなのがんばりでこうした不条理を破壊しよう」と発言した。
被害者の声を
聞かない知事
次に大河原さきさん(原発事故被害者団体連絡会)が、「住宅提供打ち切り」問題の現状について報告した。
「被団連(原発事故被害者団体連絡会)は昨年六月知事の住宅供与打ち切り発表後、それぞれの運動を今年六月、原発事故被害者訴訟原告団全国連絡会が自主避難者への住宅供与打ち切りを許すならば原発事故被害者への人権侵害にたいする歯止めが掛らない、との認識で一致し一緒に行動を開始した」。
「共同行動は七月から毎月県と交渉し、一一月からは四被害者団体で政府交渉も実施した。九月に予定していた県への請願を、準備してからと一二県議会に変え一二月二八日から一週間総行動を実施した」。
「直訴は昨年から毎回知事に交渉の場への出席を要請して来たがいまだに実現しない。普通の行動では実現しないので企画した。全国の避難者へ呼びかけ手紙を送ってもらった。手紙は避難者から一五〇通、支援者(原発立地地域・外国―フランスなどの西欧)から二〇通の手紙が寄せられた。当事者からの手紙は生活の困窮などが訴えられており切実で是非知事に届けようとしたが二八日は定例記者会見の日で一〇時前に知事室前に行き知事室に向かおうとしたが二〇〜三〇人の職員と警備の壁が前に立ちはだかりさえぎった。その時直訴と言って知事に避難者からの手紙を渡そうとしたが知事には届かなかった。知事は私たちの方を一瞥もしないで知事室へ入っていった」。
「その日の厳戒態勢は私たちが県庁内にいる間中続き、トイレや食堂に行く時もついてまわった。届けようとした手紙は担当部局(避難地域復興課)が読み知事に渡すとの話。次回の交渉で回答を求める、とした」。
「一二月の県議会へは五八人の全議員に避難者の手紙を出した。手紙は自主避難者の生活困窮を訴えると共に、避難指示区域は放射線量が判断基準二〇ミリから下がったとして解除されようとしているが、汚染が続いていることを資料を示し訴えている。地域の選出議員への働きかけをしてゆきたい。一二月県議会へ請願を行うので、特に企画環境委員会所属議員へ働きかけをお願いしたい」とした。
住宅供与の
打ち切り強制
次に避難者の発言に移り、北海道に避難している中手聖一さん(避難の権利を求める全国避難者の会)は、次のように発言した。
「住宅供与の延長は期限が来るたびに一年の延長が繰り返され生活の見通しが立たない。打ち切られても到底戻れない、働けるのは子供が或る程度大きくなり少し手を離せる方だけだ。子供がまだ小さいので働きたくても働けないお母さんもたくさんいる。悔しいことだが友人の中にあきらめて戻ることを選んだ人もいる」。
「避難者をジワリジワリ追い込んでついに住宅の供与を打ち切る事態が目の前に来た。福島に限らず汚染地域に住んでいる人は避難の権利がある。既に避難した人だけでなく今汚染地に住んでいる人も、これから避難しようとする人も生活を保障される権利がある。避難の権利は福島以外の人にもある、住宅供与打ち切りをこのまま何の抵抗もなく見過ごすならばなし崩し的に避難者避難の権利をないことにされてしまう、住宅供与打ち切りを阻止し供与を延長させたい」。
鴨下裕也さん(避難住宅問題連絡会)、「それまで支援者に助けてもらっていた、自分たちで声を挙げなければ状況改善しないと立ち上がった。原発事故の避難である以上長期の補償が必要と訴えて三年たった、残念ながら私たちが訴えて来た長期保証は全く無視され来年三月打ち切りが決められてしまった。これは加害があっての無償での住宅提供だ。本来なら賠償というべきもの。避難者という存在を見えなくしたい連中は個別対応で消してしまいたいと思っている。私たちは団結して団体交渉を求める形で抵抗して行かなければならない」。
松本徳子さん(原発事故被害者団体連絡会=キビタキの会・脱被ばく裁判原告)、「子供を被ばくさせないため神奈川県に避難した。郡山に居る人の話しでは言いたくても言えない状況にある。自民党の偉い人と話したら、自分は渡利地区で生活している、孫もそこで生活している。勝手に避難した人が何を言っているのか。津波に合い岩手から福島に避難した人のことをどう考えるのか、と言われた。福島に帰りたい、でも帰れない」と涙を流しながら発言。
福島敦子さん(原発事故被害者団体連絡会)、「避難の権利は命の権利、私たちがすごすごと戻ってしまったら避難の権利がなくなってしまう。一人も露頭に迷わせない、それが住宅問題、私たちは立ち上がっている。私たちは迷わない、皆で立ち上がって歩き続ける」。
今野美智雄さん(原発事故被害者訴訟原告団全国連絡会の今野秀則さんの代理)、「自分は避難指示区域だが自主避難者の気持ちはよくわかる、先祖は江戸時代から本家は相馬藩で一八代、自分は分家で津島に移り五代越えて暮らしてきた。事故当時四月に津島に来たジャーナリストが測った空間線量は二〇μあり、下に下すと五〇μに上った。この数字が高いかどうかもわからなかった。福島から津島に通って牛の世話をしていた、何もしないと津島は一〇〇〜二〇〇年人が住めない地域になってしまうそれはオカシイと、たちあがっている。長いことかかると思うが私たちの裁判もお願いします」。
「むしろ旗」掲げて
市内をデモ行進
続いて賛同団体からのあいさつに移り、満田夏花(原発事故被害者の救済を求める全国運動)さんは、「現在の福島原発事故の避難者は国際的には国内難民で、これは保護されなければならないとなっている。そのガイドラインは危険が残っている間は帰還させてはならない、帰還する、しないの判断は当事者が決めなければならない、となっている。現在加害者救済のために大金が使われている。一人一人の被害者を救うためにお金が使われていない、この不条理を許してはならない」と訴えた。
次に瀬戸大作さん(避難の共同センター)が発言した。
「住宅供給公社担当者が避難者を訪問し『来年三月で退去してもらう。あなたはどうするつもりなんだ、都営住宅は避難者の住宅ではない、甘えるんじゃない、民間住宅でも借りればいいんだ一五万円はかかるからな、退去しないならば告訴する』と発言する暴力的な対応をしていることを紹介しながら、原発事故避難で冷えた身体を少しづつ温めてきたのに、温めきれないうちに、帰還を迫るのか、また身体を冷やしてしまうのか、住宅供与打ち切りの撤回を求めると共に、私たちは共同して心と身体を温めあう」と宣言した。
その後、ヒューマンライツ・ナウ、福島原発震災情報連絡センター(共同代表中山均)、原発事故被害者の救済を求める全国運動、避難の共同センター等の賛同団体からメッセージが送られると共に、賛同者からは蛇石郁子郡山市議会議員からもメッセージが送られ、日本共産党県議団から参加した神山悦子さんと安倍裕美子さんの二人を代表し神山悦子さんが発言し続いていわき市議会議員佐藤和良さんが発言した。
次に集会アピールを採択し、シュプレヒコールの後、パンクバンド「切腹ピストルズ」の演奏をもって集会を終了し、デモ行進に移った。
デモ行進は、「むしろ旗」を掲げ「切腹ピストルズ」も一緒に福島市内を一時間半にわたって行った。数多くの人々が「何事か」と振り返る行進となった。
ちまたに報道されている自主避難者の子供への「いじめ」を非難する資格は政府・自民党・福島県知事にはない。子供への「いじめ」は自主避難者への社会的偏見の存在が背景となっており、そして自主避難者に対して住宅無償提供の打ち切りといういじめをしているのは他ならないこの四者だからだ。自主避難者への無償住宅打ち切りを許してはならない。
住宅供給公社職員の暴力的避難者訪問糾弾! (浜西)
集会アピール
原発事故被害者を切り捨てるな!
自主避難者の住宅無償提供継続を求める四団体共同全国集会in福島
私たちは怒っている。腹の底から怒っています。
内堀雅雄知事、あなたはなぜ、私たち避難者の前に姿を現そうとしないのですか。なぜ、直接声を聴こうとしないのですか。なぜ、自ら決めたことについて、自分の言葉で説明しようとしないのですか。何を怖れているのですか。
あなたの決断といわれている避難指示区域外避難者の住宅無償提供打ち切りの通告起源まで、あと一一八日です。一万二五三九もの家族、三万二三一二人もの方々が、いま、寒風の中に立ちすくんでいるのです。
「しんさいでいっぱい死んだからつらいけど、ぼくは生きることにきめた」。この少年の言葉を聴きましたか。子供たちの寝顔を確かめながら忍び足でパートに出る母親。眠ったふりをして見送る子供たち。喉の腫れをこっそり撫でる娘。「ごめんね」と手を合わせる両親。「帰りたい」とつぶやいて亡くなった夫の遺骨を前に、呆然と日々を送るお年寄り……。みんな必死に耐えているのです。何の落ち度もないのに、突然強いられた避難生活。五年九カ月です。
内堀知事、あなたの「決断」は、その生活をさえ、根底から覆すものなのです。
「緊急性が無くなった」?「帰還できる環境が整いつつある」? 「一人ひとりに寄り添った支援策を実施してゆく」? 「復興に立ち上がろう」?……どれだけの人が納得しているのですか、これに。「自らの決断」に自信があるなら、私たちを説得してください。説得できないなら、その「決断」を直ちに撤回してください。福島県知事には、福島県民の健康と命と生活を守る義務があるはずです。破壊された県民の生活を、さらに破壊する権限は与えられていないはずです。
正道に立ち戻ろうではありませんか。まず話し合いましょう。納得のいく方法を探りましょう。本当の復興につながる道を一緒に考えましょう。今からでも遅くはありません。福島県民に、これ以上の悲劇を強いることは避けて下さい。
万々が一にも、そのような事態をまねくことがあれば、すべての責任は、内堀知事、あなたにあることを。全避難者の総意としてここに宣言します。
2016年12月4日
自主避難者の無償住宅提供継続を求める四団体共同全国集会in福島原発事故被害者を切り捨てるな!参加者一同。
主催
・原発事故被害者団体連絡会
・原発被害者訴訟原告団全国連絡会
・避難住宅問題連絡会
・「避難の権利」を求める全国避難者の会
賛同団体
原発事故被害者の救済を求める全国運動
避難男共同センター
ヒューマンライツ・ナウ
福島原発震災情報連絡センター
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