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                            かけはし2007.9.17号

抗議の声を寄せて下さい!

許すな 墨田区が野宿の仲間の小屋を破壊! 

 八月二十三日、東京・隅田川の桜橋高速下デッキにおいて、墨田区土木管理課の職員が大勢の警察を動員した上、法的手続きも一切なしに仲間のテントを破壊する という事件が起こりましたので報告させていただきます。
 また、このような暴力を二度と許さないためにも、多くの皆様に事態を知っていただき抗議の声を寄せていただきたいと考えています。
 よろしくお願いいたします。

  事実経過

 隅田川では、台東区、墨田区、東京都がそれぞれ定期的に特別清掃(通称「かりこみ」)という業務を行っています。これは、清掃を名目に野宿の仲間に小屋や テントを移動させ、移動せずその場に残っていれば撤去・処分するというもので、八月二十三日もこの特別清掃の日にあたっていました。

 桜橋の仲間たちは毎月、朝早くから自らの小屋や荷物を移動させ、この特別清掃に対応してきました。小屋を畳んで移動する仲間もいれば、小屋を畳ま ずそのまま動かす仲間もいました。何ヶ月もの間、このような形が続けられてきており、この日も例月通り、清掃が行われるものと誰もが信じて疑いませんでし た。
 ところが、墨田区土木管理課はこの日に限って突然、仲間たちに小屋を移動させるだけでなく畳むよう指示してきました。
 「清掃をきちんとするために小屋が畳んであることが必要だから」というのがその理由で、「小屋を畳めというのは、一週間前の告知のときに伝えてあ る」などと主張していました。(しかし、1週間前になされたのは通常の特別清掃を告知する貼紙で、はっきりと口頭でその旨聞いたという人もいません。)
 私たちは「今日になって、いきなり『小屋をつぶせ』とはどういうことか」「なぜ小屋を畳む必要があるのか」と理由を問うたのですが、役人は質問 に答えずに、その場で警察に電話し、制服私服含め三十人近い警官がデッキに来るところとなりました。役人は警官と連絡を取りながら、「端から小屋をつぶし ていく」と宣言し、実際にその行為を強行しました。
 解体に際し、役所は小屋の所有者を特定しようとしました。私達はそれには応じず、解体に同意しない旨をはっきりと伝えました。結果、土木課の職員は、その 場に不在だった仲間の荷物を含め三軒の小屋/テントを、仲間の抗議の声の中、解体しました。(写真は全都実ブログ http: //squat2live.seesaa.net/ にアップ予定)
 また、この三軒以降、十五人の仲間が区職員及び警察の監視の下、自ら小屋を畳むことを余儀なくされました。

 区職員らはその後、荷物の回りを消毒していましたが、小屋が畳まれた状態であろうが建ったままであろうがまったく関係ないような作業で、「小屋を畳め」と いう指示は明らかに嫌がらせ目的と思われます。
 また、作業終了までの間、「民事不介入」のはずの警察が「小屋をたため」と言ったり、そのほか暴言を吐いていました。

 三十人ほどの当事者で、抗議しながら一部始終を見届けたのですが、「こんな経験初めてだ。信じられない。」「あの光景が頭から離れない」と大きなショックを受けています。
 小屋をつぶされた仲間、自ら小屋を畳まざるを得なかった仲間の悔しさは計り知れません。
 私たちは三十日、墨田区役所を訪れ改めて抗議の意思を伝えてきました。

暴力を含むさまざ
まな野宿者排除

 隅田川では、二〇〇四〜〇五年に都・区によるホームレス地域生活移行支援事業が行われて以来、既存のテントの追い出し、新規テント建設に対する厳しい規 制、小屋を持たない仲間に対するガードマン巡回による睡眠妨害など、様々な形での野宿者排除が行われてきました。中でも今回の事件を起こした墨田区土木管 理課は、当時とりわけ突出した追い出しを行っており、墨田区の管理する地区ではテント、小屋がけが激減しました。
 それに対して〇五年以降、野宿の当事者が集団野営や小屋建設などで抵抗をはじめ、都・区の追い出しを跳ね返すようになってからは、墨田区も目立った動きを してきませんでした。

 現在、隅田川では二度目の地域生活移行支援事業がほぼ終了し、テント・小屋の数はさらに減少しました。墨田区の管理区域でも、小屋の集住地域は残すところ あとわずかとなっています。
 また、近年隅田川周辺地域は、新・東京タワー建設に伴う観光再開発が構想されています。
 そこには再開発のもと野宿者を一掃し、貧困者が身を寄せ合い暮らす地域を、富裕層相手の観光地、商業都市に作り変えようとする目論見が見え隠れします。
 今回の墨田区の暴挙は、このような背景のもと行われました。
 私たちはこれを、今回限りの突発的な事件ではなく、これから先に続く野宿者排除や、貧困者を切り捨て富裕層のためのまちを作ろうという流れの皮切りと捉え ています。
 今後の動向にご注目をよろしくお願いします。

皆様へのお願い
bこのような暴挙を行った墨田区土木管理課に抗議の声を寄せて下さい。
【抗議先】
 土木管理課占用担当  
電話: 03―5608―6282、FAX: 03―5608―6410
メール: KANRI@city.sumida.lg.jp
b私たちは、この件に対する抗議のみに終始することなく、これから先、都や区そして資本が目論む隅田川周辺地域の観光再開発や、そのもとでの野宿 者一掃、貧困者の生きる場を奪う動きに対して、抵抗を準備しています。今後の取り組みに、ご支援とご注目、そしてご参加をよろしくお願いいたします。

対都行動を闘う全都野宿労働者実行委員会(全都実)
(見出し、小見出しを編集部の責任で主旨にそって、追加しました)



全港湾クボタ分会ストを決行

雇い止め解雇、外国人労働者への差別をやめろ

 【大阪】八月三十日、クボタ恩加島工場(大阪市大正区)で、全港湾大阪支部クボタ分会がストライキに突入した。約二十人の組合員の国籍は、ブラジル、ペルー、中国などで、外国人の分会である(中には国籍が日本の人もいる)。
 今年四月まで恩加島工場で人材派遣会社の偽装請負、違法派遣の労働者として働いていた外国人労働者に対して、クボタに行政からの違法雇用の指摘があり、直接雇用の契約社員に切り替えてきた。しかし、その雇用期間は、一方的に二年間とし、それ以上働くなら、期間雇用従業員(2年11カ月)の採用試験に合格し、その後正社員になるための採用試験に合格しなければならないことになった。しかも、その試験は、労働者の母国語ではなく日本語でしか行わないという。これでは、体のいい雇い止め、首切りである。当該労働者たちは、偽装請負、違法派遣が問題にされた段階で、全港湾大阪支部に相談し、クボタ分会を結成し権利防衛、生活防衛のために立ち上がった。
 さらに、日本人の契約社員は、同じような仕事をしながら、外国人契約社員の二倍近い時給が支払われていることも分かった。何度交渉を行っても、外国人差別撤廃の要求を拒否する会社に対して、組合はストライキで決起した。

敵対をはねの
け構内でスト

 朝八時に恩加島工場正門前でストライキ集会を開いた。クボタ分会の労働者は敷地内でストライキを決行しようとしたが、会社側は、連合・JAMの組合員を含む社員を警備として動員しストライキに敵対してきたが、組合員たちは敵対を制して構内でのストライキを敢行した。全港湾大阪支部はじめ支援の労働者たちは、分会員のストライキを見守る形で正門前に待機し、シュプレヒコールを上げるなどして、ストライキ労働者を激励しつづけた。
 午後一時には、場所をなんばのクボタ本社前に移し、新しい支援部隊も合流して本社前集会を行い、団体交渉のための代表を送り出した。会社は、あくまで組合との正式の団交とは認めず、申し入れに応じる形にこだわりつづけたが、今後とも話し合いに応じることは約束した。代表団が交渉を要求している間、支援部隊は正門前での集会を開いた。集会では当該労働者をはじめ、全日建連帯労組、全労協・護法労組、教育合同労組、管理職組合、自立労連、しないさせない戦争協力関西ネットワークなどが決意、激励を述べた。
 交渉団を交えての最後の集会では、今後とも闘いを強化することが確認された。(H)


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