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                            かけはし2007.8.13号

もう動かすな柏崎刈羽原発

耐震安全性が確認されるまで
全原発をストップし総点検を

東電申し入れ行動
警告を無視した企業責任をきびしく追及

 八月二日午後四時半から約一時間、東京電力本社に対し、桃色ゲリラ、たんぽぽ舎、ストップ・ザ・もんじゅ東京、平和の白いリボン行動・東京グループなど七団体が、「柏崎刈羽原発の再開をするな。東京電力以外の第三者で構成される事故調査委員会を立ち上げ、今回の原発事故の原因を調査すること。現経営陣は責任をとって退陣しろ」などの申し入れを行った。行動を呼びかけたのは、原発止めよう、東京ネットワーク(大地を守る会、たんぽぽ舎、原子力資料情報室、日本消費者連盟、ストップ・ザ・もんじゅ東京)。参加者は五十人。
 地元出身の菅井益郎さん(国学院大学教員)は「一九七〇年の終わりころ、砂丘で何もないところに柏崎刈羽原発建設を計画した。七三年にボーリングのデータを活断層はないと、あざむいて出した。原発に反対する住民は三十数年前から、原発は作れないと主張してきた。今回の地震を中越沖地震と言っているが、正しくは柏崎刈羽地震と言おう。そうすれば、原発の中心地点で起こったことがわかる。ひどい地盤に原発を金儲けのために作った。東電の社長は『いい経験をした』と記者会見しているが、危うく止まったという危機感がない。こんな経営者は会社を経営する資格はない。柏崎刈羽原発を廃炉にしろ」と訴えた。 (M)

緊急集会
「想定外」地震が原発を襲った!現地から報告

 八月二日、総評会館で「『想定外』地震が原発を襲った〜柏崎刈羽から現地報告〜緊急集会が原子力資料情報室の主催で開催され、緊急にもかかわらず会場をいっぱいにする二百人を超える人々が参加した。
 原子力情報室の山口幸夫さんが司会を行った。山口さんは「今回の地震による原発事故は『想定外』と東電や政府が言うが、それは人をだますものだ。想定外でも何でもない。三十三年前から地盤に問題があることは分かっていた。地元の反対住民は裁判で争っていて、現在最高裁で審理中だ。許可を出した国の責任は重い」と述べた。
 次に、地元刈羽村で長年にわたって原発に反対して闘っている武本和幸さん(原発反対刈羽村を守る会)が現地報告を行った。
 新潟地震や中越地震よりも強力な揺れであった。私の住んでいる地域で六割が住めなくなってしまう。原発を中心とする十キロメートルに被害が集中した。地震が起きて、原発がどうなっているか心配で原発に向かった。緊急避難用に作られているオフサイトセンターに行ったが、電話番が一人いるだけだった。県の機関に向かったが、そこでも十人がテレビを見ているだけだった。結局、原発事故が起きても何もできなかった。
 武本さんは事故後三回に原発敷地内に入った。七月二十二日の原発敷地内の状況をスライドで説明した。3号機排気筒ダクトのずれ、火災のあった変圧器、タンク保護壁の地盤沈下一メートル以上、柏崎市長によって使用禁止命令が出された非常用ジーゼル発電機燃料タンク、配管保護コンクリートの損傷、タービン建屋の地盤沈下と消防配管修理跡、波打つ地盤(これは直下断層の活動を示唆)、地盤変状6・7号法面崩壊(盛り土が崩れ、山側が陥没している。これは活断層が動いたのではないかと心配している)、ろ過タンク破損、6号機使用済燃料プールの水溢れなどであった。
 想像以上にひどい状況が次々と映し出される。
 「石油が出る地域で、活発な地殻変動があると調査報告が出ていた。私たちはそれを見て一九七四年八月から、活断層があるから危ないと警告し続けてきた。クレーンが壊れ、原子炉内のふたが開けられないので目視点検しかできず、原発内が今どうなっているのかは分からない。二〇〇五年の女川原発、昨年の能登地震で志賀原発が想定を超えるゆれが起きている。伊方原発、浜岡原発で大きな災いが起きる可能性がある。今週から車の動きが激しいので、再開に向けてやっているのだろう。県と市は全部決着がつくまでは再開はありえないと言っている。今回の地震で想定していた設計を超える揺れが起こり、損傷が起こっている。再使用はできない。柏崎刈和の教訓を原発・原子力施設の廃止へ」と武本さんは報告を結んだ。
 続いて、上澤千尋さん(原子力資料情報室スタッフ)が「地震があった時、七機の原子炉のうち三機が運転中だった。設計を超える地震の揺れがあった。起こらないと想定して、S2(塑性変形)、450ガルで設計していた。しかし、全部が超えていた。S2遭遇後は『損傷状態』、『事故状態』であり、再使用を考えてはいけないものだ。廃炉・閉鎖以外ない」と説明した。

調査委員会を
監視しよう!

 次に金属工学専門家の井野博満さんが、七月三十一日に行われた原発施設・調査委員会の報告を行った。「二十人の委員が集まった。そこには刈羽村村長、新潟県、柏崎市からの担当責任者が来ている。この中で最もまともな意見を言っていたのは県である。地震の規模の想定間違いや原子炉内の健全性が明らかにされないかぎり再開はないと意見を述べた。一方で、産経新聞の編集委員は安全なのに安心しないという人がいる、こうした人にきちんと教育をしろと意見を言った。安全でないのに安心をさせることはできないではないか。東電が安心と言えばますます、地元は不安を増す。経産省の中にある原子力保安院を分離して、第三者機関として客観性をもたすべきだ。今後八月八日、現地調査をやる。三つの小委員会をつくることになった。@防災A耐震設計B設備検討委員会。問題なのは委員長をつとめる人たちが電力・政府よりの人だ」。
 「自分は金属材料が専門だ。今回の地震でS2の塑性変形が起きたかどうか分からない場合がある。そこをはっきりさせることができるかが重要だ。かつてあった日航機墜落事故で、隔壁の金属疲労を見落として大事故につながった。この委員会を監視し、反対するネットワークをつくることが重要だ」。
 司会の山口さんは井野さんの報告に付け加え、「調査委員会には宮健三という人も加わっている。要注意人物である」と注意を促した。宮は新潟県の技術委員会の座長を務めている。八月二日、同委員会による現地視察後の記者会見で宮が「大地震が起きたことは大変なショックだったが、現場を見たら安心した」「代え難い貴重な実験だった。歴史的な実験かもしれない」と発言したことに県が反発。翌三日、宮は国の委員会などが忙しくなったことを理由に同委員会の委員を辞任した。
 この後、会場からのさまざまな疑問・意見について質疑応答がされた。被災者へのカンパの要請があり、二十一万三千余円が寄せられた。今後とも、柏崎刈羽原発の再開を許さない闘いが求められている。 (M)

声明
柏崎・刈羽原発は廃炉にせよ
原子力資料情報室
2007年7月20日


 7月16日の新潟県中越沖地震は、原子力発電所と原子力施設の「安全性」を根底からくつがえした。
 この地震を起こした活断層は、柏崎・刈羽原子力発電所の直下にまで及んでいることが判明した。事前の東京電力による活断層調査は不十分であった。そのことが解らぬままに原子炉の設置を許可した国の責任はきわめて重い。
 柏崎・刈羽原発の原子炉や燃料棒、配管・機器類がどうなっているか、情報が公開されていない。余震も考慮すれば、いまだ緊急事態が続いていると考えねばならない。
 世界最大の規模を誇る電力会社が、基本的な安全性保持の体制も緊急時に対応できる適切な力もまったく持っていなかったことが判明した。
 国は、かつての安全審査の誤りを国民に謝罪し、設置許可を取り消せ。そして、柏崎・刈羽原発は廃炉にせよ。



呼びかけ:
みんなで平和をつくろう
9・15 Peace Day Tokyo
2007 @東京タワー下

 芝公園4号地をアート会場に 武力で平和はつくれない/世界の人々とともに
 戦争は最大の環境破壊、人権侵害

b日時:
2007年9月15日(土)11:00〜17:00
b場所:芝公園4号地(JR「浜松町」徒歩12分、地下鉄三田線「御成門」徒歩2分、地下鉄大江戸線「赤羽橋」徒歩2分)
bみんなでつくるPeace Day
 アメリカのはじめた戦争によって、アフガニスタンやイラクでは悲惨な戦争が続いています。そしてパレスチナやレバノンの紛争にも強国の思惑が見え隠れし、いまや世界の平和は遠のくばかりです。日本国内でも、昨年の臨時国会で防衛「庁」が防衛「省」になり、「教育基本法」が改悪され、今年の通常国会でも「改憲手続き法」や「イラク特措法の延長」などの成立が強行されました。自衛隊による市民団体等に対する調査活動も明らかになりました。
 このようなアメリカとともに戦争のできる「美しい国」づくりを、私たちは望みません。私たちは、あくまでも平和な国際社会を望みます。そのために、多くの市民やNGO、市民団体が一緒に平和や環境、人権、グローバリズム、世界的な格差や貧困のことを考える場として「Peace Day」を提案することにしました。
 みんなで平和や地球環境、人権や格差・貧困について考えてみたいと思います。「見る」「聞く」「体験する」「表現する」ことで新たな発見があるかもしれません。あなたも参加して一緒にPeace Dayをつくっていきませんか。
《賛同者・賛同団体募集》
「9・15 Peace Day Tokyo2007@東京タワー下」の賛同者・賛同団体を募集します。
賛同される場合は、賛同費(個人・団体とも1口一〇〇〇円…何口でも)を下記口座にお振り込みください。
◎郵便振替口座 00110―6―610773
◎口座名「1・18集会」※通信欄に「9・15賛同」とお書きください。
b主催:Peace Day実行委員会(7月13日現在):WORLD PEACE NOW/許すな!憲法改悪・市民連絡会/平和フォーラム/ピースボート/日本消費者連盟/全国自然保護連合/ふぇみん婦人民主クラブ/憲法を生かす会/日本国際ボランティアセンター(JVC)/原水禁/ユーゴネット/PEACE ON/キリスト者平和ネット/ピープルズプラン研究所/ATTAC JAPAN/労学舎/VAWW―NETジャパン/反住基ネット連絡会/NO!レイプNO!ベース女たちの会/基地はいらない!女たちの全国ネット/盗聴法に反対する市民連絡会/アンポをつぶせ! ちょうちんデモの会/うちなんちゅの怒りとともに! 三多摩市民の会/アジア太平洋平和フォーラム(APPF)
b電話連絡先:許すな!憲法改悪・市民連絡会03-3221-4668/平和フォーラム
03-5289-8222/ピースボート03│3363│8047
b住所連絡先:東京都千代田区三崎町2-21-6-301市民連絡会気付 FAX03-3221-2558
bメール:
peaceday_tokyotower@alt-movements.org


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