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                           かけはし2007.7.16号

参院選で安倍政権にNO!を


東京選挙区
憲法改悪に反対する政党・候補者に投票を
平和・人権・環境・公正の政治へ
川田龍平さんの当選をかちとれ

追いつめられた
安倍極右政権

 七月五日、会期を十二日間延長し、参議院選挙の日程も一週間延期するという異例の措置をとった第166通常国会が閉幕した。安倍内閣はこの国会で実に十七回の強行採決を行って、改憲手続き法、教育関連4法、米軍再編特措法、改悪イラク派兵特措法、改悪少年法、改悪国家公務員法、社保庁改革関連法、改悪パート労働法、年金時効特措法などを成立させた。
 とりわけ改憲手続き法を成立させたことは、いよいよ安倍政権が自らの「任期」内での九条改悪を軸にした現憲法の破棄=米軍の主導下での「戦争国家」体制づくりに大きく踏み出したことを意味する。それと平行して、「集団的自衛権」の「合憲」化のための「有識者懇談会」会合、掃海母艦「ぶんご」の沖縄・辺野古新基地建設反対運動への事実上の「治安出動」も強行された。安倍政権の言う「戦後レジームからの脱却」、「美しい国」づくりが、国家・社会のまるごとの軍事化にほかならないことが鮮明になった。
 しかし安倍極右国家主義政権の前のめり的強行姿勢は、「消えた年金」問題を契機に、参院選を前にして労働者・市民の反発を拡大し、内閣支持率は三〇%を切るまでに大きく低下している。参院選で自民・公明の与党が大敗し、参院における与党過半数割れ=与野党逆転が現実のものとなる可能性が浮上している。「政治とカネ」問題による昨年末の佐田行革担当相の辞任、松岡農水相の自殺、「原爆投下容認」発言による久間防衛相の辞任に続いて、松岡の後を継いだ赤城農水相の「事務所費」疑惑の浮上により、安倍内閣はまさに崩壊寸前の惨状を呈している。
 こうした安倍政権の危機は、改憲・戦争国家体制づくりに対する広範な批判の拡大、そして小泉―安倍政権の下で加速した新自由主義的「構造改革」がもたらす雇用破壊と絶対的貧困の拡大に対する抵抗が主体的要因になっている。七月二十九日の参院選で与党を過半数割れに追い込み、改憲反対勢力を前進させることによって、三〜四年後を見すえた改憲をめぐる攻防に勝利する闘いの足場を築いていこう。

「いのちの政治」
訴える川田さん

 われわれは今回の参院選で共産党、社民党など改憲反対の政党・候補者に投票を呼びかけている。また東京選挙区でわれわれは、元HIV訴訟原告の川田龍平さんの当選をかちとるために闘っている。
 七月六日、川田龍平さんは「動けば変わる。生きるって楽しい、と思われる日本へ」と題した「龍平と応援する人々の基本政策集」を発表する記者会見を、東京・四谷の「川田龍平を応援する会」事務所で行い、多くのマスメディアが駆けつけた。この「基本政策」は、五月二十日の集会で発表された「マニフェスト(案)」に寄せられた多くの意見を取り入れ、さらに六月十三日の検討会での提案を集約して作られたものだ。その意味では、まだ発展途上の、「開かれた」政策集である。
 川田さんの政策は「1 人権と多様性を尊重し、社会的少数者の声を国政へ」「2 競争より共生を、格差より公正を」「3 環境と人間が大切にされるスローな社会へ」「4 将来世代に借金を残さない財政を」「5 当事者の立場に立つ医療と福祉」「6 教育に強制はいらない。いのちと希望の共有へ」「7 憲法9条が掲げる非戦を貫き、グローバルな平和をつくる」の七本の柱から構成されている。
 この基本政策集のポイントは、「1 『いのち』のマニフェスト」「2 市民・NGOマニフェスト」「3 問題と解決策を明確にしたマニフェスト」「4 医療と福祉の当事者主権の確立」「5 『薬害防止法(仮称)』の提案」「6 公正な社会をつくるための提案」「7 具体的な平和実現プロセスの提案」として整理されている。
 三十一歳の川田龍平さんは、街頭での訴えで「十歳でHIVに感染していることを知らされた時、今まで生きることができるとは思いませんでした。差別と偏見の中で実名を公表して国と企業の責任を追及し、裁判で実質的勝訴をかちとった時、『動けば変わる』ことを実感しました」と切り出している。川田さんの訴えの根底にしっかりとすわっているものは、「いのち」をないがしろにする政治と社会のしくみへの怒りであり、一人一人の「いのち」を大切にする政治への希望である。
 川田さんの「人権・公正・環境・平和」への訴えは、少数者への差別と暴力をなくし、他人を押しのける競争や貧困をなくすための、実感と経験に貫かれている。そこには地球規模の不公正にあえぐ絶対的多数の人びとへの熱い連帯が込められている。こうした川田さんの主張には、新自由主義がもたらす「底辺への競争」による貧困と無権利、監視と抑圧の社会、「戦争国家」への流れに息苦しさと危機感を感じている老若男女からの共感が、日々拡大している。

龍平とともに
政治を変えよう

 東京選挙区は定数5の議席に各政党からの有力候補がひしめく激戦区だ。各党は、総力を挙げて一票を争う闘いに突入している。こうした中で、特定の有力な支持団体も、財政的支援もない川田龍平さんが当選を勝ち取ることは容易なことではない。
 しかし、いま、職場や地域、学校から、龍平さんを応援する人びとが駆けつけている。HIV訴訟で国を動かした時がそうであったように、川田さんは一人ではない。すでに多くのメディアでも、川田さんは各政党の候補者に伍して、対等に闘えるところまで支持を広げていると報じられている。七月二十九日の投票日に向けて川田龍平さんの訴えが、もっと多くの人びとに届くならば、当選は可能である。
 川田龍平さんの勝利は、安倍政権の「改憲・戦争国家づくり」「格差と貧困」の政治に対して、草の根の労働者・市民のイニシアティブが作りだす「もう一つの政治」の流れを作りだす大きなステップとなりうるだろう。読者の皆さんが一人ひとりの声を結集して、知人・友人から、さらに周囲の人びとに呼びかけて川田龍平さんを支持する訴えを行ってほしい。「いのちの政治」は、憲法改悪と新自由主義の「格差社会」に抗し、憲法の「平和主義・民主主義・基本的人権」を生かし、深める政治である。(K)



大阪選挙区
服部良一さんに投票を
幅広い支援体制を確立し9条改憲阻止候補の勝利へ



 【大阪】今参議院選挙に、大阪選挙区から服部良一さんが立候補し、「変えなあかんのは9条じゃなくこのやさしくない社会」「どないしてくれるねん私らの年金」「せめて時給千円以上は出してよ」と訴え活動を開始している。
 大阪では、前の参議院選挙や衆議院選挙では、辻元清美さんが立候補し参議院選(無所属)では七十三万票(次点)、衆議院選挙(社民党)では、比例復活で当選を果たした。これらの選挙は、ユニオンネットワークの労働組合、社民党、新社会党など政党、市民派議員、市民運動などの協力体制で取り組まれ、一定の成果をもたらした。今回も、この協力体制を維持しながら、憲法改悪反対を中心に共同候補を作る努力がなされ、候補者選びなどに取り組んできた。
 全国的には、護憲共同選挙体制の失敗、東京選挙区で社民党が川田龍平候補の推せんを拒否して独自候補を擁立するなど、大阪の共同候補の努力を危うくする動きもあったが服部良一さんの共同体制での立候補となった。
 服部良一さんは、大阪・関西の、沖縄関係の運動、小泉靖国参拝違憲訴訟運動、沖縄集団死にかかわる大江・岩波裁判、しないさせない戦争協力関西ネットワーク共同代表としての反戦平和運動など様々な市民運動の中心的担い手として活動してきた。それだけに、服部さん立候補への熱い期待と、立候補がもたらすこれら市民運動の困難を心配する声が入り交じり、本人も立候補を躊躇していた。しかし、服部さんが立候補に踏み切ったのは、山内徳信さん(元読谷村長・社民党比例区候補)などからの「ともに闘ってほしい」との強烈な要請と「憲法を変えさせてはならない」との本人の決意だった。
 大阪選挙区での服部さんをたてての運動は、ユニオンネットワークなど労働運動、みどり関西参院選プロジェクトチームの市民派議員、社民党、新社会党など政党、様々な市民運動で構成されている。この共同の運動では、比例区については、服部さん自身は立候補の経緯からしても山内徳信さんとの連携を意識し訴えているが、9条ネットの各候補や、他の社民党候補(たとえば前国立市長の上原さん)との連携を考えている人たちも参加している。政党的には、服部さんは、社民党公認になり、9条ネットが推薦した。
 関西では、9条ネットで元泉南市議の小山広明さんが比例区から、原かずみさんが兵庫選挙区から立候補している。小山さんは、「投票用紙には『9条』と書くべきだ」と訴えている。
 服部さん、原さんの選挙区選挙での勝利、9条ネットの小山広明さん、山内徳信さんなど社民党、共産党など9条改憲阻止をかかげる政党の勝利のためにがんばろう。全国から服部さんのための支援と協力を。(洋)

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