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                            かけはし2007.5.21号

各地で闘う労働者のメーデー

日比谷メーデーに一万二千人 
労働法制・国鉄・憲法をテーマに熱気溢れる結集

 五月一日の第七十八回日比谷メーデーはあいにくの雨模様の天気にもかかわらず一万二千人が参加した。改憲手続き法の審議がヤマ場を向かえているせいもあり、会場前で五月三日の憲法集会への参加を訴えるチラシや反改憲行動を呼びかけるチラシをまく人が例年の倍以上にものぼった。
 オープニング前の九時半には会場の日比谷野音や公園内の道路は参加者でいっぱいになり、金子いづみとタブーショーのテンポのよい演奏と歌が会場に響きわたった。
 午前十時に始まった式典で阿部力国労東京地本委員長は第七十八回メーデーの意義を簡潔にまとめた。
 「いざなぎ景気を超えたと言われているが非正規職や貧困は拡大し、参院選後には再び残業代ゼロのホワイトカラー・エグゼンプションの導入が企てられている。メーデーはアメリカの労働者が人間らしい生活を求めて一日八時間を要求して始まった。今は長時間労働を拒否し、一日八時間労働を守る闘いが必要である。第二はJRになってもう二十一年になり株式上場がなされた。だが逆に事故は多発し、安全は無視されている。解雇された千四十七人の平均年齢は五十三歳になり、四十三人が他界した。なんとしても勝利の年にしなければならない。第三は、平和と民主主義を守る闘いが今より重要な時はない。昨年は教基法が改悪され、今年は憲法改悪のための国民投票法案を国会で成立させようとしており、米軍再編を積極容認し、集団的自衛権を認める憲法解釈の研究をしている。これと対決していこう」。
 次に増淵都労連委員長が連帯あいさつ、島田健一東京都産業労働局長と福島みずほ社民党党首が来ひんあいさつをした。その後都高教の寺井待子さんが韓国民主労総の「国境を超えた連帯を」というアピールを読み上げ、会場は拍手でわいた。
 外国人労働者実行委員会のキャサリン・キャンベルさんが外国人労働者の雇用の厳しい状況を報告した。「外国人は極めて安い賃金と劣悪な労働条件で働かされ、不当解雇が非常に多い。労働相談に来る人はだれもが無力感を持っている。しかし組合に入ったり、チラシをまき共感が広がるとだれでも元気になる。状況は明るくないがみんなで力を合わせて少しずつ切り開いていきたい。ともに闘おう」。
 さらに均等待遇実現を目指す女性たちの柚木さんと国労闘争団の小野浩二さんが闘いに向けた決意表明を行い、郵政労働者ユニオンの名古屋哲一さんが「郵政4・28処分訴訟」が最高裁で勝利したことを報告し、会場一杯の割れんばかりの拍手の中で、「日比谷メーデー・アピール」を読み上げた。
 最後に藤崎全労協議長が「団結がんばう」を三唱し小雨の中、都教組を先頭にデモへ出発した。日比谷メーデーは例年に比較して大幅に結集が増えたわけではないが、「労働法制改悪反対! 国鉄一〇四七名の解雇撤回を勝ちとろう! 憲法改悪反対!」の三つのスローガンで統一され、大きく盛り上がった集会とデモとなった。    (D)


大阪・中之島メーデー
争議組合を先頭にイラク反戦・米軍基地撤去も訴え

 【大阪】中之島メーデー実行委員会主催の07年メーデーは、格差社会反対・労働ビッグバン反対! 団結権の侵害・組合弾圧を許すな! 違法派遣・偽装請負をなくせ・均等待遇を! 辺野古新基地建設反対・普天間基地の早期返還を! 憲法改悪反対! 戦争反対・イラクからの自衛隊早期撤退を!をメインスローガンに、五月一日、中之島剣先公園で開催された。
開会のあいさつを市川さん(全港湾大阪支部委員長)が行った。一八八六年五月一日、シカゴの労働者は八時間労働制の実現を要求してゼネストで決起、その闘いはその後全世界でメーデーとして闘われるようになった。日本では一九二〇年に初めてメーデーが闘われ、戦後は一九四六年食糧メーデーとして復活。サンフランシスコ条約・日米安保条約発効直後の五二年メーデーは、警官の発砲で血のメーデーとなった。
 市川さんは、労働者の生活と権利・平和を守り、資本家の奴隷にならないため、そして戦争のできる国にさせないため、闘う中之島メーデーの伝統を守り団結しようと訴えた。川村さん(全日建近畿地本副委員長)が基調あいさつを行った。川村さんは今日の情勢の性格について述べ、メーデースローガンの一つずつに具体的な説明を加えたうえ、ブッシュ政権に追随し次々と悪法をつくり、戦争のできる国家づくりに躍起になっている安倍内閣を批判した。
続いて、メーデーの前段行動について二つの報告があった。一つは、関西生コン支部。関生分会で、交渉要求した労働者に対して企業側が暴力をふるったうえ四人を解雇した件で、会社に抗議と解雇撤回要請行動を行った。さらに関西生コン支部から「三次にわたる弾圧は、産業政策運動(中小企業が事業協同組合の下に団結をして大手と対等に取引する事を可能にする運動)の広がりと平和運動に対する弾圧であり、関生支部は弾圧にもめげず団結を維持していること、生コン関連五労組の共闘により春闘でストライキを闘い六千五百円の賃上げ、一時金の三万円増額、日々雇用労働者の日給三百二十五円の賃上げを勝ち取った」ことの報告があった。
 二つめはユニオンネットワーク。大阪市は責任を労働者に押しつける一方、政府与党や総務省の先兵となって行政合理化を推し進め、職員や臨時職員の間の格差を拡大させている。これを許してはならないとの意図から、今後もこの行動を続けていくとの報告だった。
この後連帯のあいさつが続いた。北本さん(大阪労働者弁護団)は、労働ビッグバンと9条改憲策動が一体となって進められていることに対して警鐘をならした。中北さん(関西共同行動)は、「改憲手続き法案」がいかに改憲に有利な条文になっているかを述べ、五月三日の九条の会おおさかの憲法集会、五月十六日止めよう改憲ネットワークの緊急行動への参加を呼びかけた。服部さん(沖縄とともに基地撤去をめざす関西連絡会)は、四月の衆議院を通過した在日米軍再編特別措置法案が、政府の考えを受け入れる自治体にだけ交付金をおろすこと、米海兵隊のグアム移転に七千億円もの予算が使われようとしていると指摘し、「生活のすべては平和あってのことだ、平和のために闘おう」と訴えた。続いて、統一地方選で当選した社民党議員・新社会党議員・市民派議員の紹介とあいさつがあった。
争議アピールでは、五月二十一日に一審判決を迎える新任免職裁判(教育合同)と、ゆうメイト解雇の損害賠償請求裁判(郵政労働者ユニオン)の当該からアピールがあった。最後に、石田さん(大阪全労協議長)の音頭で団結ガンバロウを行い、格差是正や改憲反対を訴えて、梅田までデモ行進を敢行した。 (T・T)



「働く者の権利を守るメーデー集会」
「日の丸・君が代」処分と闘う根津公子さんが報告



 【郡山】五月一日夕、郡山市で「働く者の権利を守る第78回メーデー集会」が開かれた。実行委員長の飯塚県教組郡山支部委員長の主催者挨拶に続き、社民党の佐藤幸夫市議、共産党の神山悦子県議、郡山の未来をつくる会の蛇石郁子市議が連帯のあいさつ。
 各職場,争議団体からの報告として四団体が発言。国労仙台闘争団事務局長で鉄道運輸機構訴訟原告の佐藤正則さんは、裁判の経緯を報告しながら勝利解決まで闘い抜くと固い決意を語った。全国一般郡山連帯労組副委員長の佐藤さんは労基法違反をはじめ劣悪な労働条件改善と差別の撤廃を勝ち取ってきたタクシー分会の闘い、全国ハイタク共闘のタクシー労働者への呼びかけ運動を報告した。国労郡工支部の橋本光一書記長は、一歩間違えば死傷、脱線転覆になる車両事故の多発を明らかにしながらJR各社の競争・コスト削減、利潤優先の経営に抗し、労働組合が闘って安全輸送を守っていくと報告した。県教組郡山支部の木幡書記長は、長時間労働にさらされている教育労働者の実態を示しすとともに、教育基本法改悪の改悪に続く教育三法案成立攻撃に反対する運動への結集を呼びかけた。
 今集会のメインとして東京都教委の東京都教委の十回に及ぶ東京都教委の日の丸君が代処分攻撃に屈せず闘いつづけ、現在停職六カ月の処分を受けている中学教諭根津公子さんと解雇撤回を訴え沖電気門前で歌いつづけるシンガーソングファイター田中哲郎さんのトーク&コンサートが行われた。根津さんは「がんばってと激励されるけれどそれは違う。一緒に闘いますといってほしい。免職処分を阻止するためにはもっともっと多くの仲間が闘いに立ち上がることです」と訴えた。
 集会はメーデー宣言を採択し,橋本守弘国労郡山工場支部委員長の音頭で団結ガンバロウを三唱して幕を閉じた。今集会には百人が参加し、新自由主義と国家主義による攻撃が激化する中ますます悪化する職場・社会状況に向き合って闘いに立ちあがる仲間の存在と課題を確認できる場となった。        (N)


いわき・小名浜メーデーに400人
中小・運輸労働者を中心に生活権と反戦平和をアピール

 【いわき】一九九〇年、労働運動の再編の中で、第61回メーデーは分裂メーデーとなり、そのために、どちらにも行けない小名浜地区労傘下の中小・運輸労組を中心として、第61回メーデーから独自に小名浜メーデーを取り組んできた。
 基本方針は、選別排除のない全労働者の大同団結を目指すメーデー地域に根ざし小名浜地区開催でのメーデーは働く者の闘いの原点である五月一日を記念し、労働基本権・生活権そして平和のために闘うことをスローガンとしたメーデーであることだ。
 毎年、五月一日にこだわって行ってきたが、地域の大手の連合系の組合が、連休の初日にメーデー集会を行うようになってからは、多くの組合で五月一日を労働協約で休みにすることが困難になってきていた。
 今年は、「一部の特権的労働者の祭りにメーデーをしてはならない」をスローガンに、四月二十九日の日曜日に行うことになり、合い言葉は、「労働運動の前進によって再び五月一日へ!」
 午前八時三十分からの集会は、各政党の挨拶から始まり、「福島原発を廃炉に」「医療と福祉を守るための国民運動を」などのアピール文を採択した後、平和憲法擁護・九条改悪阻止、教育基本法改悪を許すな、規制緩和反対公的規制を強化しよう、労働法制の全面改悪反対などのスローガンを確認し、第78回メーデーを労働者の反撃の一歩とするメーデー宣言を採択した。
 午前九時三十分からはデモ行進を行い、小名浜の街の中に労働者の生活権と反戦平和を訴えるシュプレヒコールがこだました。
 午前十時三十分からは、例年通りバーベキューでの懇親会を行った。  (K)

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