もどる

電通労組・N関労がスト                 かけはし2006.4.3号

退職・再雇用制度廃止!遠隔地配転者の地元復帰

サービス残業が
横行するNTT

 三月十七日、電通労組とN関労(東日本NTT関連合同労組)が「退職・再雇用制度廃止、遠隔地配転者の地元復帰」を求めてストライキ闘争に突入した。電通労組は青森、宮城、福島、首都圏でストに突入。首都圏に配転された組合員が仙台、福島に帰り、青森から仙台に配転された組合員が青森に帰り、元いた職場に戻すように申し入れ行動を行った。首都圏ではNTT東日本本社(西新宿3丁目)に電通労組首都圏が結集し、N関労は組合員の多くが配転された埼玉センター志木ビルと横浜メディアタワーで拠点ストに突入した。N関労は組合結成以来初めてストライキ闘争を行った。電通労組とN関労の共同ストの実現により、NTT十一万人合理化を許さない闘いは大きく前進した。
 三十メートルを超す強風の吹き荒れる初台のNTT東日本本社前に集まった電通労組、N関労、神奈川県共闘、全国一般神奈川の仲間は八時からチラシまき、マイクでの宣伝を開始した。すると、ガードマンが道路とNTTの敷地は柵とがなく自由に往来可能なのに、わざわざ赤いポールを立て棒をつないで入れないようにした。電通労組は当然にも敷地内に入り、チラシまきを行った。すると、ガードマンが執拗にチラシまきを妨害した。こんな妨害をものともせずにチラシまきを貫徹した。予想以上に多くの社員がチラシをとっていった。
 電通労組大内委員長は「東日本本社には二〇〇三年と〇五年十二月の二回も労基署がサービス残業問題で査察に入った。日本を代表するように大会社なのに、いかにサービス残業が横行しているかの証拠だ。これは十一万リストラで人減らしをした結果、人手不足になっていて、残った労働者にしわ寄せをしている。リストラをやめろ」と強く訴えた。九時三十分に、「@『退職・再雇用制度』の社長達東第109号を廃止すること、A『退職・再雇用制度』により遠隔地配転をされた労働者を直ちに地元に復帰させること」の申し入れして、宣伝を終えた。

初のストを打ち
ぬいたN関労

 十時に大手町にあるNTT持ち株会社に移動して、「退職金の引き下げをやめろ」と申し入れ行動を行った。ここでも「ストライキ決行中」という横断幕や電通労組の旗を敷地内では立てさせないとガードマンがまたもや執拗に邪魔した。拠点ストを打ちぬいたN関労の仲間が続々と電通労組の申し入れ行動に参加し統一集会を行った。
 N関労の斎藤書記長は「退職・再雇用を拒否した千葉のわれわれの組合員が神奈川や埼玉に強制配転された。こんな不当なことが許せるか。私たちは今日初めてストを打った。電通労組の仲間の闘いに合流できてとてもうれしい。ともにかんばろう」と訴えた。全労協の藤崎議長、前田裕晤電通労組全国協議会議長も連帯のあいさつを行った。十一時半過ぎには東部権利春闘を闘う仲間がバス二台で合流し二百人で決起集会を行った。(M)



生活できる賃金を勝ちとろう
千三百人が霞ヶ関を包囲して06春闘勝利へ総決起


非正規労働者の
権利の確立を

 三月十七日、厚生労働省前で「06春闘勝利中央総決起集会、霞ケ関包囲行動」が06けんり春闘全国実行委の主催で行われ千三百人が霞ケ関を包囲した。この行動に先立って、電通労組、N関労がリストラ・強制配転に抗議して統一ストを行い、東京東部ブロックなどが光輪モータース、コジマなどへの争議支援のバスツアーを行い、国労新橋支部三百人余が新橋の交通会館前から日比谷公園まで独自デモを行った。さらに、実行委として、厚労省に「労働契約法制問題、サービス残業、非正規労働者の労働・社会保険加入問題、高齢者雇用安定法での雇用延長の実質化などについて申し入れを行った。
 けんり春闘の統一スローガンは@06春闘勝利!生活できる賃上げを勝ち取ろうA春闘を職場からストライキで闘おうB国鉄闘争をはじめとするすべての争議に勝利しようC労働契約法制反対!労働時間の規制緩和反対E非正規労働者の権利を確立しようF憲法改悪反対、イラクからの自衛隊即時撤退、米軍基地再編強化反対。
 全労協藤崎議長が「大手民間で集中回答があったが、いずれも千円程の賃上げに終わった。企業は史上最大の利潤をあげる一方リストラで労働者に犠牲を強制し、格差を拡大している。こんなひどい回答があるか。年収三百万円以下の労働者が五割を超えている。賃下げ、成果主義賃金の導入がますます進められている。解雇をいっそう進める金銭解雇を導入しようとする新たな労働契約法を厚労省はねらっている。公務員の行革との闘い、国鉄闘争勝利、民間争議の解決をめざして闘う。正規、非正規、外国人労働者で、賃上げ、権利拡大、均等待遇を求めて闘いを進めていきたい」と主催共同代表としてのあいさつを行った。

団結を強めすべて
の争議に勝利を

 参加した組合の代表がリレートークを行った。
 国労東京阿倍委員長。「一万円の賃上げ要求に対して、JR東日本は六百円の回答だった。JR東日本は今期千五百億円超える大幅黒字なのにこんな賃上げ回答しかしない。1047人の解雇解決に向けて、4月4日に日比谷野音で全国集会を開く、ぜひ参加してほしい」。
 全港湾伊藤書記長。「今日の行動に北海道から沖縄までの代表が参加している。港が公設民営化されようとしている。われわれはトラックの運転手を組織しているが、軽油の値上りで厳しい経営に立たされているので、運転手に無理をさせ、悲惨な事故が多発している。また、ホームヘルパーも組織しているが、介護保険がかわり、ヘルパーの労働条件もひどくなる。これらとの闘いを進めている」。都労連佐野副委員長は公務員バッシングとの闘いを訴えた。
 全日建連帯の柿沼書記長。「三月八日に四百二十二日ぶりに武委員長が保釈された。ご支援に感謝する。コスト削減のために土日や夜働くのも当たり前になっている。こうした企業のモラル破壊と闘う」。全国一般全国協東京労組町田さんは「昨年、私の会社ではアルバイトと派遣社員を組合の要求によって正社員化を勝ちとった」と報告した。
 全統一光輪モーターズ分会の石上書記長は「私への襲撃事件の時効が二年後にくる。若林社長が裏で糸を引いていたことは明白だ。しっかり捜査するように警察庁へ申し入れをした。二月七日に割田さんへの解雇は不当とする東京地裁判決が出されたのに、会社は就労を認めていない。午前10時、午後1時半、午後7時半と毎日社前就労行動を行っている。ぜひ支援を」。
 外国人けんり行動を行った全国一般なんぶのルイス・タレットさんは「日本人と外国人は連帯して安定した雇用と平等な社会の実現のためにがんばろう」と訴えた。鉄建公団訴訟原告団の酒井団長は「二月十六日に1047連絡会を立ち上げ、4・4全国集会を全力で取り組んでいる。国土交通省と厚労省は解決にテーブルにつこうとしない」と政府の解決の道を示さないあり方を批判した。
 電通労組の大内委員長がN関労とともにストライキを成功させたこと、十一万リストラ合理化と断固として闘うと決意表明した。石油連絡会の柚木康子さんが「男女雇用均等法の改正案が三月七日に、国会に提出された。男女間における、コース別昇進やパート・派遣での差別問題などに触れていない。四月から参院で審議が始まる。われわれの要求をつきつけていきたい」と女性労働者の立場から発言を行った。地方から全港湾徳島支部の発言があり、その後、霞ケ関を一周するデモを行った。次の行動は四月十九日、政府交渉や経団連行動、銀座デモを行う予定。     (M)


「テロ対策基本法案」づくりの一環だ
入管法改悪案成立阻止へ

外国人への差別
と排外主義強化

 小泉政権は、三月七日、米グローバル戦争と連動した派兵大国作りと戦時治安弾圧体制の強化の一環である出入国管理法改悪案を閣議決定した。
 改悪案は、@日本に入国する十六歳以上の外国人に、電磁的方式によって個人識別情報を提供しなければならないとして、指紋採取や顔写真撮影を原則として義務づけるA指紋情報・顔情報という生体情報をコンピュータに登録し犯罪捜査などに利用するBIC在留カードの取得及び携帯の義務化C勤務先・学校等の受入機関の報告義務D情報の総合管理機能の充実・強化E旅館業者による外国人宿泊客の本人確認の強化F関係省庁の協議により認定されたテロリストの上陸拒否・退去強制││などを骨子としており、外国人に対する差別・排外主義、人権無視に貫かれ、徹底した監視・管理体制を構築していくことをねらっている。
 生体情報の提供義務づけは、テロ対策、外国人犯罪対策を口実にして、法務省が外国人の生体情報を登録するというものだ。この新システムによって、過去に退去強制処分にした約八十万人分の生体情報リスト、国際刑事警察機構(ICPO)の一万数千件の手配者リストなどと照合し、犯罪捜査などに利用するというのだ。
 取得情報の保管について、河野太郎副大臣は、「(指紋などは)偽造旅券などを見破る重要な情報。その人物がもう一度日本に来る可能性があれば保存が必要だ。基本的にその人間が生きている間は保有する。十六歳以上から採取するので七十年〜八十年は保有したい」と衆院法務委員会(三月十七日)で答弁している。つまり、当局の恣意的な判断によって、半永久的に個人情報を保管し、他国捜査機関との情報交換など使い放題をめざしている。
 情報流出対策について三浦入国管理局長は、防衛庁、自衛隊、警察など内部機密情報、個人情報が大量に流出しているにもかかわらず、「管理には万全」(委員会答弁)などと繰り返し答えるだけで、なんら具体策を明らかにすることができない水準なのだ。治安弾圧強化に向けた入管法改悪を許してはならない。個人情報を勝手に使い続けることを合法化し、プライバシー権、自己情報コントロール権の侵害をストップさせなければならない。

米英なみの戦時
治安体制構築へ

 米国同時テロ(〇一年九月)後の米政権による「対テロ」グローバル戦争の発動後、小泉政府は、グローバル経済と新自由主義的構造改革の推進にともなう社会的分裂を拡大させつつ、治安弾圧を強化することによって社会的統合の危機に強権的に対処しようとしてきた。その一つのポイントが警察庁の「緊急治安対策プログラム」(〇三年八月)だ。
 プログラムは、「社会のグローバル化、IT化に伴い、国際テロ、北朝鮮に関わる問題、サイバー犯罪・サイバーテロ等新たな脅威に直面」しているという認識のもとに、@犯罪抑止のための総合対策A組織犯罪対策と来日外国人犯罪対策Bテロ対策とカウンターインテリジェンス(諜報事案対策)Cサイバー犯罪及びサイバーテロ対策D新たな政府目標の達成に向けた総合的な交通事故防止対策E治安基盤の確立について、当面する治安対策を戦略的に提示した。
 そして、「国際テロ対策及びカウンターインテリジェンス」指針にもとづいて警察庁は新たな外事情報部を設置し、「各国治安情報機関等との間でハイレベルの緊密な関係を構築するとともに、外国において当該国の治安情報機関等と緊密な情報交換を行うための態勢を整備」するとともに、関係法制の整備に着手した。それが共謀罪、出入国管理法改悪であった。この具体化として国際組織犯罪等・国際テロ対策推進本部(警察庁、防衛庁、法務省などの担当者によるプロジェクトチーム)が〇四年十二月に「テロの未然防止に関する行動計画」を策定し、法務省・自民党が早期制定を押し進めてきたのである。
 この入管法改悪とセットで共謀罪があり、これらの総集約としてテロ対策基本法の制定をねらっているのだ。このテロ対策基本法案は、「テロ関連団体」や「テロリスト」と認定した組織と人物に対し、(1)一定期間の拘束(2)国外への強制退去(3)家宅捜索(4)通信傍受――などの強制捜査権を行使する内容だ。憲法三三条で令状なしの逮捕を禁じているが、それを無視して逮捕令状なしで不当逮捕ができることをねらっている。米英並みの治安弾圧法作りを目指し、警察権力の恣意的な運用の拡大であることは間違いない。
 戦時治安弾圧体制作りのための入管法改悪、共謀罪、「テロ対策基本法」策定に反対する。 (遠山裕樹)


もどる

Back