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06けんり春闘全国実が発足               かけはし2006.2.27号

権利を守り、生活できる賃金を

中小・非正規職春闘の勝利へ戦線を広げよう

 国鉄闘争勝利・憲法改悪阻止

2〜4月の行動
計画の提起と確認

 二月六日、東京のSKプラザで「中小・非正規職春闘勝利へ飛翔こう!」06けんり春闘全国実行委員会発足総会と学習会が百五十人の参加で開催された。集会は発足総会と学習討論会の二部形式をとって進められた。
 冒頭、春闘実行委員会の共同代表である全港湾の安田委員長が「全労協の構成組合でない全日建や全港湾が06春闘をともに闘うところに意義がある」とあいさつした。続いて中岡事務局長より春闘期間中のスケジュールと行動計画が提案された。
 二月十六日の「東京総行動」と「JR採用差別事件の勝利解決をめざす2・16総決起集会」を皮切りに、三月六日〜七日は「外国人労働者の生活とけんりのため総行動」を展開し、最大のヤマ場として三月十七日の「06春闘勝利!中央決起集会」を日比谷野音で開催する。そして四月十九日を「春の共同行動集約中央行動」とすることが確認された。
 第二部の学習討論会では共同代表の二瓶久勝さん(オリジン労組)が基調報告を行った。
 06春闘をめぐる情勢を失業率、賃金状況、行革、非正規職・格差拡大問題などにしぼって報告した上で、@労働基本権A労働組合の権利B生活のできる賃金C官民共闘D国鉄闘争の勝利E平和闘争の方針を提案した。


大阪や清掃労組
などからも提起

 次に闘いの現場からの報告を三人が代表して行い問題提起をした。
 最初に報告した大阪ユニオンネットワークの山原事務局長は、ユニオンの独自的闘いとして立命館大での争議とNOVA・ECCなどの外国人労働者問題を中心的に取り組むことを明らかにした。その上で06春闘において関西・大阪で取り組む三つの重大課題を報告した。
 第一はJR福地山線尼崎の事故の一周年に合わせて関西でフランスや韓国などから海外代表を招き集会とシンポジウムを計画している。第二は大阪市職・市従の「厚遇攻撃」に対する支援。第三にアスベスト問題に対する闘い。山原さんはクボタに対する地域の闘いを紹介しながら労働組合はまず自分の職場の洗い直しから始めていこうと呼びかけた。
 二番目は東京清掃労組の星野委員長。今年四月に清掃職員は都の派遣職員という身分から、区の職員に身分が変更される。その際、現業職の第二基本給ともいうべき調整金の廃止通告をめぐり現在ギリギリの攻防が続いていることを明らかにした。また四月以降は東京清掃労組の解体につながりかねない統一交渉ではなく区ごとの交渉が持ち出されていることなど、九〇年代の区移管が打ち出されて以降最大のヤマ場に突入していることが報告された。
 さらに区移管の後は中間処理工場の民間委託も計画されており、労働条件だけではなく、ゴミ問題はダイオキシンなどの安全性問題もあり、職場だけではなく地域ぐるみで闘っていかねばならない段階に入っていることを指摘した。
 三番目は全国一般東京労組の中原さんが現在の非正規職の実態を数字を上げて詳細に報告した上で、彼女が直面した職場の状況を報告した。彼女は一九九三年に二十一年間勤めた会社を突然解雇され、フルタイムパート契約を強制された事実、そこで知った正社員の本工主義、収入が減ったことによって複合就労をせざるを得なかった現実を赤裸々に述べた。
 最後に特別報告として鉄建公団訴訟原告団の酒井団長が二月十六日の集会を軸に一日も早い勝利を実現させるために、ともに闘おうと呼びかけた。  (D)



国鉄闘争の前進に大きな貢献
国労高崎・中村さんと山田さんを励ます会


やっとトンネルを
抜け出し新局面に

 二月十五日、上野グリーン・パーク旦妃楼飯店で「中村宗一さんと山田行雄さんを励まし国鉄闘争を語る会」が呼びかけ実行委員会によって開催され、二百五十人以上が参加した。
 呼びかけ人は、鉄建公団訴訟原告団、鉄道運輸機構訴訟原告団、全動労原告団、千葉動労争議団、国鉄闘争団全国連絡会の各団長、国鉄闘争共闘会議と国鉄闘争支援共闘各議長、国労本部委員長ほか国労東日本本部、国労東京、国労千葉、国労水戸、国労高崎地本の委員長、全水道東水労、都労連、東京清掃労組、全国一般全国協、埼京ユニオン、中小労組ネットワーク各委員長などが名前を列ねた。
 中村さんは国労高崎地本委員長を七年勤め、今年九月の退職にともない退任した。山田さんは七年間国労高崎地本書記長を勤め、昨年〇三年高崎市議に当選し、昨年四月にJRを退職した。
 励まし、語る会は「良くも悪くも絶妙なコンビを組んで国労運動の先頭を走り抜いてきた両氏の活動に敬意を表し激励するとともに、四党合意以降の長いトンネルをやっと抜け出し、新たな局面に入った国鉄闘争を様々な角度から大いに語る集いを持ちたいと思います」(呼びかけ文より)――このような主旨で開かれた。

割れ目から生え
るキノコのように

 呼びかけ人の国労高崎地本横塚委員長は「中村さんは理づめで、山田さんはバンカラだった。国労高崎を、中村さんたちが『理論と実践で労働者の解放にむけて戦闘的に階級的に闘う』と引っ張ってきた。闘争団の2・16集会の前夜だが接着剤としてがんばっていきたい」あいさつした。国労中央本部佐藤委員長は「国労組織の混迷は深刻であったが、闘争団の大同団結によってようやく大きくまとまる状況にあり、道筋ができてきた。解決にむけて先頭に立ってがんばりたい」と発言した。
 国鉄闘争共闘会議二瓶議長、「首切りから二十年、9・15判決によって解決の道筋が見えてきた。だれがそれを勝ち取ったのか、筋を通す、仁義を通すのが運動の原則だ。2・16は第一歩にすぎない。原告団の立場を尊重して闘っていく」と述べた。
 来ひんのあいさつを角田義一参議院副議長(民主党出身)、社民党福島党首が行い、群馬県選出の富岡由起夫民主党参議院議員もあいさつした。国労OBの高橋義則さん、全水道前委員長の足立則安さん、埼京ユニオンの嘉山将夫委員長、内藤隆弁護士、建交労前委員長の坂田晋作さんが中村さん、山田さんの人となりのエピソードをそえながら激励のあいさつをした。北見闘争団の成田雄一さんと金児順一さんがユーモラスな二人の絵を描き記念品として送った。
 中村さんは「私は割れ目から生えてくるキノコのように、がんばっていきたい」と、山田さんは「三十年前に国労バッジをつけた。その時、人を裏切ってはダメだと言われた。仁義は人の生きる道、人の良心だ。こうした生き方をこれからも続けたい」とそれぞれお礼を述べた。
 参加した鉄建公団訴訟原告団、鉄道運輸機構訴訟原告団、全動労原告団、千葉動労争議団、国鉄闘争団全国連絡会が「団結して勝利をもぎとりたい」と語った。団結がんばろうを星野東京清掃委員長が行い閉会となった。
 中村、山田両氏が指導してきた国労高崎地本が国労運動の中で果たしてきた役割は大きい。とりわけ四党合意問題での国労の「闘争放棄」を、闘う闘争団ととともに押しとどめさせ、勝利に向けた一歩の地平を切り開いてきた。今回の集いは2・16大集会の前段決起集会のような、暖かく力強いものとなった。  (M)


パンフ紹介
平和フォーラム/市民連絡会 編集・発行/二百円
「他人事ではない!共謀罪 話し合うことが罪になる」

 「話し合うことが罪になる共謀罪の新設に反対する市民の集い」(一月二十六日)を皮切りに、共謀罪廃案にむけた反対運動が始まった。国会報告によれば、二月半ばあたりから衆院法務委員会で審議が再開される予定だ。「市民の集い」は、反対運動の草の根の組織化と拡大をめざし奮闘中だ

権力のやりたい
放題を許さない

 この法案の正式名は、「犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案」という。資本のグローバル化と新自由主義政策の推進、派兵大国化と戦時治安弾圧体制作りにとって柱となる反動法である。
 法案は、@「共謀罪の新設」│犯罪を実行する前の共謀だけで処罰する。実行前に自首した場合は刑を減免するAハイテク犯罪に対処するための法整備│コンピューターウイルスの作成・提供罪の新設。インターネット接続業者などに通信履歴の保全を要請できる制度B証人等買収罪の新設C国外での贈賄行為を処罰する規定D強制執行妨害罪の処罰対象の拡大│を骨子としている。
 この悪法を理解するために、具体的な例を上げてみよう。
 (1)組織的監禁罪の共謀罪│労働組合執行委員会で、社長が賃上げ交渉に不誠実な態度を繰り返しているため、長時間、徹夜団交も辞さないと決定した。
 (2)組織的威力業務妨害罪の共謀罪│マンション工事を強行されたため、反対派住民の会合で資材搬入阻止の座り込みを決定した。
 (3)組織的強要罪の共謀罪│ある新聞社編集会議で政治献金疑惑で疑われている政治家の自宅に記者を貼りつけ、取材拒否をされても必ず弁明を求めることを決定した。
 (4)多数人買収罪の共謀罪│選対メンバーの会社社長に社員にアルバイト代を支払ってでも、一人五十本ずつ電話を掛けさせてくれと依頼してその承諾を得た。
 要するに、権力の手前勝手な判断によって、弾圧がやりたい放題となってしまう。さらに、共謀罪の導入後、必然的に盗聴法の適用範囲の拡大をねらっている。監視社会化が拡大しつつある。

法案の成立を絶
対に阻止しよう

 衆院法務委員会の構成は、与党の自民党二十一人、公明党二人。野党は民主党が七人、社民党一人、国民新党一人、無所属二人だ。議員数からすれば、いつでも強行採決の可能性がある状況だ。
 委員の一人には、平沢勝栄(自民党)がいるが、「共謀罪に反対している日弁連などは、学生運動のようなとんちんかんな組織だ」(週刊金曜日、05・12・9)などとむき出しの敵対を表し、「共謀罪の問題は、捜査当局を信用するかどうかということだ。権限を与えて乱用防止に知恵を絞るならともかく、日弁連などは『警察に今より権限を与えては絶対だめだ。乱用する』と言うんだから話にならない」と居直っている。あげくのはてに「成田の過激派など、当局に権限があれば警察官の大増員なくしても一網打尽にできたのではないか」と大放言だ。このような発言を繰り返す平沢は、委員会で野党発言を大声でやじりまくっているそうだ。与党議員の暴走を許してはならない。       (Y)


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