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三里塚反対同盟が06年旗開き               かけはし2006.1.30号

暫定滑走路北側延伸反対

東峰住民とともに新連絡誘導路建設に反対しよう

元管制塔被告も
お礼のあいさつ

 一月十五日、横堀農業研修センターで「三里塚反対同盟〇六年旗開き」が行われ、五十人が集まった。
 小泉政権と空港会社は、〇五年八月に暫定滑走路北延伸、新連絡誘導路建設を決定した。旗開きは、「北側延伸を許さない!」をメインスローガンに、新たな反撃のスタートにむけて行われた。
 司会の山崎宏さん(三里塚・暫定滑走路に反対する連絡会、横堀現闘)は、「横堀部落の熱田、下山さんたちが移転を決めた。さらにこの夏頃から暫定滑走路北側延長工事が始まる。厳しい状況だが、反対同盟支援が一体となって闘いを押し進めていきたい」と発言した。
 反対同盟世話人の柳川秀夫さんは、「三里塚闘争は、今年で四十年目に入った。空港問題は、北延伸も含めて続いている。この闘いは、三里塚だけではなく、新自由主義と経済のグローバル化の流れの中で空港が巨大になろうとしている。二千五百メートルから四千メートル滑走路にしようという声も出ている。便利さを追求する社会のあり方ではなく、もう一つのあり方として『農的価値』を示してきた。巨大空港とは相入れることはできない。昨年十一月、管制塔元被告に対する国賠攻撃に対してカンパ運動を成功させた。大きな潜在的な力を示したと言える。繋がりを大事にしながら頑張っていこう」とアピールした。
 石井恒司さん(東峰地区)は、「管制塔の皆さんは、うれしい正月を迎えたと思います。カンパ運動の目標を達成したことが一番うれしいことです。短期間で達成できたことは、われわれを支持している人たちがたくさんいるんだなと実感した。昨年、私たちは北延伸を止めるために空港会社と交渉しましたが、国交省の介入もあって見切り発車をされてしまった。百姓としての考えは、いぜんとして変わっていない。困難な状況だが悔いなく生きていきたい」と強調した。
 平野靖識さん(東峰・らっきょう工場)は、「管制塔カンパ運動には、古い人たちだけではなく、新しい人たちからも支援があった。元気づけられる結果でした。東峰の人たちが頑張った結果として北延伸が決まってしまった。轟音と墜落の危険性にさらされることになるが、今後も生きていかなければならない。延々と続く闘いとなる。空港問題に異議申し立てを続けながら、『農的価値』をみつけた。新たな価値を伝えていくためにも東峰で仕事を続けていきたい」と述べた。
 次に、管制塔元被告の和多田粂夫さん、中路秀夫さん、中川憲一さんから発言が行われ、カンパ運動への協力感謝と決意表明、四月に横堀墓地にある原さんの墓参りについて紹介した。
 続いて、加瀬勉さん(多古町)、空港はいらない静岡県民の会からのメッセージ(別掲)が読み上げられた。
 さらに、柳川秀夫さんを招き旗開きを準備している関西・連帯する会、昨年十一月に反空港全国連絡会に参加したことを報告するじゃがいも運動の仲間、田んぼくらぶ、釜山APECと香港WTO抗議行動を取り組んだATTACジャパンなどから発言があった。

談合事件に居直る
空港会社黒野体制

 成田国際空港会社の黒野社長は一月四日の記者会見で二〇〇七年度に予定していた株式の上場を延期する方針を明らかにした。これは東峰住民が生活と農業を守り抜いていることによって暫定滑走路北側延伸に追い込まれ、工期が当初計画の三年から四年に延び、延伸による増収を見込める時期がずれ込んだからだとしている。事業費も百九十億円から三百三十億円に膨らんでしまった。黒野は、上場延期という後退の責任を棚上げし、「〇八年度以降のできるだけ早い時期に上場したい」と述べ、引き続き東峰住民に対する追い出し攻撃、北側延伸飛行コース下の住民の抗議を押しつぶしながら計画を強引に進めていくことを明らかにした。
 黒野体制の破産は、これだけではない。公団時代も含めた長期の談合温存構造の矛盾の現れとして、電気関連工事(一九九九〜二〇〇〇年)をめぐる談合事件が発覚し、管理職が逮捕された。この事件の決着として、空港会社は、三人を懲戒処分にしたが、なんと熟知し、指導責任者である黒野などの幹部ら十人は、減給処分で決着してしまった。会見で黒野は、「新しい衣に着替える年でもある」などと開き直り、「トカゲの尻尾切り」で逃げ切ろうとしている。
 アリバイ的に役職員の天下り制限や指名競争入札の全廃などの対策を出したが、公団時代からの取り引き業者との関係も含めて空港会社と企業の密室の利害関係が続く限り、再生産し、新たな談合を作り出していくだろう。居直り続ける黒野体制を許してはならない。
 さらに、空港会社は、暫定滑走路北延伸とセットで打ち出した新連絡誘導路建設にむけた東峰の森破壊に集中した攻撃をかけてきいている。〇三年「東峰貨物地区構想」時、空港公団の回答書において「一方的に進めない」と確約し、頓挫してしまった経緯さえも投げ捨てた。現在でも東峰地区住民の頭上四十メートルにジェット機が飛び、轟音と排気ガスをまき散らし続け、あげくのはてに地区周辺を空港施設と新誘導路で囲い込もうとしているのだ。
 この新誘導路建設に対して航空業界は、@ジェット機が第二ターミナルからB滑走路の距離が三千メートルあり、自走によって多量の燃料を消費するためコスト高になってしまうA北側から着陸したジェット機がオーバーランした場合、誘導路に待機中のジェット機と接触事故の可能性があるなど、「安全面でも効率面でも大きな欠陥誘導路だ」と厳しく批判している。
 空港会社は、このような抗議が出ているにもかかわらず、安全性を無視し、利益優先で計画を進めようとしている。東峰住民と連帯し、生活・環境破壊の新連絡誘導路建設に反対していこう。      (Y)

空港はいらない静岡県民の会アピール
土地収用に大反撃を


 〇六年、旗開きにあたり、心から連帯のメッセージを送ります。
 昨年は成田・三里塚、そして静岡にとってきわめて重大な節目となり、この一年はいっそう厳しい闘いとなると考えています。
 とりわけ、静岡空港土地収用攻撃が現実に迫るなかで、私たちの闘いは、成田の闘いがそうであったように、個別のレベルを脱して全国的な闘いへの飛躍が問われており、ますます成田の闘いから多くを学び直す必要も生まれています。
 四ヘクタールを超える広大な茶畑と山林を四世帯の農民から奪い取ろうとし、二千人近い利害関係人(共有地権者、立木所有者)の権利を強奪しようとする静岡県の強権発動は、単に静岡県民への攻撃にとどまるものではありません。
 私たちは全国に向かって、この空港がローカル空港にすぎず、仮にできたとしても莫大な赤字をタレ流し、野垂死の如く廃港以外に展望がないという事実を広く、強く訴えるとともに、天下の悪法、土地収用攻撃に大反撃を開始する年にしようと決意しています。
 反空港全国連絡会の仲間とともに、そして成田のみなさんとともに、手を携えて奮闘することをお誓いします。不屈の魂を共有して。


【抗議声明および支援要請】
1・15日雇全協反失業総決起集会/デモにおける1名逮捕弾劾! 早期奪還を勝ち取るぞ!


 「佐藤満夫さん・山岡強一さん虐殺弾劾! 金町一家解体! 1・15日雇全協反失業総決起集会/デモ」で一名が「公務執行妨害」の容疑で逮捕され、一月十八日、十日間の勾留が決定した。われわれはこの逮捕、勾留を断じて許さない。浅草警察署に捕らえられながら完全黙秘を貫く仲間を速やかに奪還する。弾圧粉砕の闘いへの支援・共闘を訴える。
 集会/デモの当日、権力・第三機動隊は、われわれに対し違法な規制を繰り返してきた。山谷労働者福祉会館から集会を開催する玉姫公園へ移動するにあたり盾で押すなどイヤガラセをした上で、デモに出発するや否や、のっけから「隊列を左に寄せなさい、○時×分、警告する」などと騒ぎ始めたのである。当然にもわれわれは、機動隊に介入を止めよ、と抗議した。すでにこの時点でただならぬ気配を感じてはいた。そしてあろうことか、機動隊は旗持ちと隊列との間に集団で割り込み挑発してきた。こんなやり口が認められるわけがない。が、機動隊の指揮者は一向にこの態勢を解こうとはしなかった。デモも終盤を迎え、隊列の多くの仲間から怒りの声が発せられて、機動隊はより規制を強めてきた。
 殴る蹴るは序の口で、盾を振り回すなどあらん限りの暴行を加えてきた。そのとき、隊列の先頭がモミクチャにされ、一名が逮捕されたのである。この仲間は現場から三十メートルほど引きずられ、両膝にケガを負わされた。ちなみに「1・15集会/デモ」はこれまで二十回を重ねてきたが、仲間が逮捕されたのは今回が初めてである。
 警視庁公安二課、浅草警察署は一月十七日、仲間の逮捕に乗じて都内二カ所の「家宅捜索」(ガサ入れ)に踏み切ってきた。一カ所は個人宅、突如十名で現れ、家人の留守に「カギ屋」まで呼んで押し入ろうとするなど、言語道断である。仲間の連絡で急遽自宅に戻った家人が、間一髪で立ち会うことができた。ガサ入れは、「主催団体の事務所」であるという事実と異なる口実を上げ、「教会」である山谷労働者福祉会館にまで及んだ。
 しかも玄関、その周辺を五十名もの機動隊で固め、マンモス交番の横、山谷通りに大型バス二台を待機させるというモノモノしい雰囲気のもと、二十名の私服刑事と六名の機動隊がズカズカと上がり込んでガサ入れは強行された。かれらはこの二カ所からビラ、横断幕など何点かを押収したが、われわれはこれらの蛮行をも徹底して糾弾するものである。
 相も変わらず下層労働者が次々と野宿を余儀なくされ、「野宿しなくてもすむ」対策どころか「野宿さえさせない」攻撃が全都・全国で吹き荒れている。
 大阪では大阪城公園、うつぼ公園の野宿労働者が「行政代執行」の危機にさらされている。今回の弾圧が、この代執行の阻止を掲げる全国闘争を準備していた矢先のものであったことを考えれば、大阪現地で事態が煮詰まることを恐れた権力による「予防弾圧」ともいえる。
 今われわれは「排除と戦争の時代」を生き闘っている。エスカレートする弾圧に反撃を! 分断に団結を! 「持たざる者」は必ずやりかえす。
 浅草警察署、東京地検、東京地裁一体の仲間の勾留を弾劾する!
 浅草警察署は「浅草41号」を即時釈放せよ!
(06年1月19日)
■救援カンパのお願い
 郵便振替口座 00190-3-550132 山谷労働者福祉会館運営委員会
日雇全協・山谷争議団/反失業闘争実行委員会
山谷労働者福祉会館・活動委員会
 東京都台東区日本堤1-25-11 電話/FAX:03-3876-7073


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