もどる

「労働者の力」第19回臨時総会             かけはし2006.12.4号

08年中に労働者階級の政党を建設することを決定


 「労働者の力」は11月初め「組織発展の展望案(以下、組発案)」審議のための第19回臨時総会を開き、組発案を3分の2を超える賛成で採択した。同案の骨子は、2008年中に労働者階級の政党を建設する、というもので、以下に掲載するのは同案にかかわる特別決議の前文および本文である。(「かけはし」編集部)


 前 文

 21世紀の早々から急ぎまくった資本の武装した世界化と新自由主義の攻勢の中で、資本・支配勢力と労働者民衆の一大激突が世界的に繰り広げられている。国内的には新自由主義と分断体制の総体的矛盾と解決の方向をめぐって、すべての政治・社会諸勢力が対立(?)、激突している。
 だがここには階級的左派はない。階級的左派は闘争している階級大衆に未来を示す政治的展望を提出できておらず、全国的に闘争戦線を率いていく組織も建設できていない状態だ。

 ここに「労働者の力」は、労働者階級の政党建設を決意することによって新たに歴史的壮途につこうと思う。きょう以降、「労働者の力」は断じてひとつの政派として自ら制限したり、党がない状態にあって特定の政治勢力へと立ち返りはしないことを誓う。
 われわれは労働者階級の政党建設闘争を通じて孤立・分散した左派の現状を克服し、変革運動の展望を打ち立てていこうと思う。この過程でわれわれは、全労働者民衆運動の階級性、政治性、変革性を強化するための努力を傾けるであろうし、また同時に「労働者の力」自身と階級的左派全体の一大革新を実現していくであろう。

 労働者階級の政党は全国的にして国際的な反資本の闘争戦線を形成し、政治的実践と闘争を本格的にやりぬくための最も重要な器であり、手段のひとつなのだ。階級政党の存在しない今日の現実において、階級政党の建設それ自体が最も必要な政治的課題であり任務だ。反資本階級闘争の全面的な政治企画と実践は、建設される階級政党から始められるものであり、現実的な力として作動するだろう。党建設運動は、まさにそのような企画と実践の本格的な出発点だ。

 だがわれわれは21世紀の変革運動において党が占めている位置と役割を絶対化することはしないし、20世紀の変革運動において党運動が示した問題や限界をハッキリと認識している。われわれはまた、左派運動全体の強化と発展が党運動というひとつの形式を通じてのみ実現されるべきだとは主張しない。
 われわれは20世紀の党運動の限界を創造的に克服するために努力するものであり、反資本の階級闘争において階級的左派内部の違いを尊重し連帯する開放的な姿勢を持つであろう。

 今日、大衆運動や左派運動が直面している状態や条件を見るとき、党建設運動は極めて困難な過程を経ることとなるだろう。だが困難だということは不可能だということを意味しない。
 党建設の過程において、われわれが直面している最初の困難さは、他ならぬ数多くの困難さを突き破って党建設のための壮途に踏み込もうと説得しようとする政治的意志と政治力の貧困それ自体だ。今日、われわれが党建設の特別決議を行うのも、まさにこのような状態を意識的に確認して出発する、という意味だ。

 われわれは、自らが設定したこの歴史的課題の中で、左派の一部分としてとけ込んでいくことを通じて「労働者の力」が歩んできた、これまでの過程を総括していこうと思う。
 「労働者の力」は、まさにこのような運動に基づいて、われわれの意志を階級的左派全体のそれへと作り出していくことに持てる力量と活動とを集中しようと思う。この運動の連続の中で今日、大衆的労働運動や労働者階級が直面している困難さと苦痛とをともに克服しぬいていくとともに、その信頼の上に立って新しい社会を建設する力を培っていこうと思う。

 以上を実践していくために以下のような特別決議する。

 特別決議

 1つ。「労働者の力」は第19回総会の決意として2008年中に労働者階級の政党を建設するための活動に集中することを決議する。
 1つ。「労働者の力」は、労働者階級の政党建設が階級的左派陣営の政治的再組織化を通じた新たな結集とすべての階級大衆自身の躍動的で創造的な闘争に基づくものであることを決議する。
 1つ。「労働者の力」は労働者階級の政党建設を可能にするために必要な革新と連帯とを積極的に推進し、それに伴う歴史的、政治的責任を全うすることを決議する。
 1つ。「労働者の力」は階級大衆が直面している困難を克服し、階級大衆が変革的政治の展望を自らの展望としてしっかりとつかみ取ることのできる政治活動を積極的に展開することを決議する。
 1つ。「労働者の力」は、すべての左派運動の拡張と力量強化のために社会・部門別運動の左派との政治的関係を発展させていくための事業を推進することを決議する。
 1つ。「労働者の力」は地域運動を形成すべき必要性と、その重要性を再確認し、地域事業の拡張や地域委員会建設を通じて党建設の地域的土台を構築することを決議する。
 1つ。「労働者の力」は女性主義、生態(エコロジー)主義が21世紀の変革運動において有している意味を改めて認識し、これらの運動との接点形成のために能動的に対処することを決議する。
 2006年11月
 労働者の力
 (「労働者の力」第114号、06年11月10日付より)


平澤・米軍再編に対する闘い

米軍基地反対闘争に懲役2年住民の怒りを恐れ傍聴券出さず

裁判所前で警
察に阻まれる

 裁判所の庁舎前で警察に阻まれたファン・ピルスンさん(76)はアスファルトの地面にどっかりと座ってしまった。「チテや〜!」。ファンさんは息子の名前を呼んでむせび泣き始めた。手首にかけているロザリオは激しいもみ合いに耐えきれずに断ち切られ、玉は四方に飛び散らばった。娘や嫁、村の人々が近寄ってファンさんの手を握った。ファンさんの涙はとどまることを知らないようだった。悔やし泣きだ。
 06年11月3日午前10時、水原地裁平澤支部庁舎前に、米軍基地拡張反対闘争を展開している平澤・大秋里、棹頭里の住民らが集まった。この日、これまで拘束裁判を受けてきたヤム・チテ大秋里里長の1審判決が予告されていた。前日の夜7時、大秋里の農協倉庫で開かれた793日目のキャンドル集会で住民らは「明日になれば里長が帰って来る」と語った。キム・テッキュン平澤米軍基地拡張反対彭城対策委員会事務局長は「明日朝9時30分に皆さんをバスに乗せて村を出発する」と語った。住民らは里長の顔を再び見ることができるとの期待感に胸もふくらんだ。

長い闘争過程に
遠ざかる人も

 里長のいない間に村には多くの変化があった。人々は長い闘いの過程で1人、2人と疲れはてていった。村には次第に空き家が増え、生活苦に耐えられず、国防省が住民らの土地を奪っていき裁判所に供託しておいた土地代に手をつける人も多くなった。
 10月20日、大秋里とともに闘いを続けてきた棹頭2里の住民らは結局、政府の「えさ」をくわえてしまった。彼らは2013年までに着工されるコドク国際化都市予定地の宅地を「分譲してくれ」との申請書に署名した。政府は宅地申請をした人々に一世帯当たり75〜80坪の宅地などを造成原価の水準で提供する予定だ。
 坪当たり300万ウォン(約30万円)程度になるものと見られる造成原価に応じられる住民らは何人いるだろうか。その土地を買おうとすれば少なくとも2億ウォンの現金がなければならない。政府は住民らに「(カネがなければ)土地を転売して利ざやを稼ぐ」との「助言」も忘れなかった。大秋里側では「棹頭里が闘争の隊伍から遠ざかっているのではないのか」と残念な思いを隠さなかった。棹頭2里の住民らはその日以降、キャンドル集会に参加していない。
 棹頭2里のイ・サンヒョンさん(42)は「率直に言って、あまりにも疲れた」と語った。彼の家の前を毎日のように機動隊が乗った「護送バス」が騒音を立てて行き交う。昼は排気ガスのために暮らしづらく、夜は家の側に駐車するバスの騒音のために安眠できない。「ある日は、4歳になったうちの子がね、通りすぎて行く機動隊に向かって汚い言葉でののしっているですから」。
 農作業ができなかった昨年1年間、イさんは営農資金と農協から借りたカネで辛うじてその日、その日を耐えてきた。イさんは「最近になって1日に吸うタバコも3箱に増えた」と語る。少し前から公認仲介士の資格を取るために専門学校に通い始めた。
 裁判所の庁舎前で阻止された住民らは興奮をおさえられなかった。里長のアボジ(父)であるキム・ソッキョン老人が「わしのせがれにわしが会おうとするのに、なんでじゃまをするのか」と怒鳴りながら警察に向かって突っ込んで行った。裁判所の職員らは、法廷に入ろうとする老人たちに「身分証を示せば傍聴券を与える」と語った。住民らは「これまでやったこともないことを、なぜやるのか」となじった。騒動が長引いたために結局、住民らは法廷に入れなかった。


「初犯で実刑」と
いう権力の報復

 外で繰り広げられる騒ぎを背にしたままソン・チョン部長判事は特殊公務執行妨害致傷など7つの容疑によって拘束・起訴されたキム・チテ里長に懲役2年を宣告した。ソン判事は判決文で「被告人は米軍基地移転事業に反対する住民の生存権保障という観点から集会を行ったと主張するが、竹棒や鉄パイプが乱舞する大規模な暴力の事態を招いた点などを見るとき、その罪は軽いとは言えない」と語った。
 彼は、住民らの騒乱を恐れるあまり、住民らに傍聴券を発行することとし(実際には裁判が早々に終わり、住民らは法廷に入ることができなかったし、傍聴券も配布されなかった)、法廷にはCCTV(閉鎖回路テレビ)を設置していたのであり、また警察には施設の保護を要請していた。ソン判事は「公権力無視の風潮をまん延させ、暴力の正当化を拡散させたという点などを考慮し、厳重な処罰を問わざるをえず実刑を宣告する」と付け加えた。
 キム・ヨンハン平澤米軍基地拡張阻止汎国民対策委員会常任代表は「初犯であるキム・チテ里長に実刑を宣告したのは余りにも行き過ぎだ」と語り、ムン・ジョンヒョン神父は「70年代式の政治裁判」だと批難した。(「ハンギョレ21」第634号、06年11月14日、キル・ユニョン記者)

【訂正】本紙前号(11月27日号)4面「偽装請負」記事4段小見出しから4行目、20行目の「個人授業主」を「個人事業主」に、同「エーエスピー支部員の報告」最下段13行目「って女性にも」を「っている女性にも」に訂正します。同6面メキシコ「解説・選挙と議会の枠にとどまる民主革命党」1段左端「他の運動」を「別のキャンペーン」に、同4段右から9行目「コールデロン」を「カルデロン」に、それぞれ訂正しします。


朝鮮半島日誌
開城工業団地で就労する北朝鮮労働者が1万人を突破

11月18日 b「朝鮮半島を含め世界全体からあらゆる種類の核兵器が廃絶されることを求める」(イランのアフマディネジャド大統領が同国で開催された国際会議出席のためテヘラン滞在中の北朝鮮の崔泰福最高人民会議議長との会談で)。
11月19日 bハノイで開かれていたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で議長国ベトナムが北朝鮮の核・ミサイル実験への懸念と国連安保理制裁決議完全実施が重要とする声明を口頭で発表。b「北朝鮮が核を放棄すれば朝鮮戦争の終結を公式に宣言することができる」(ブッシュ米大統領がハノイでの米中首脳会談で)。b「韓国と台湾では過半が受け取らなかった。インドネシアでは個人への償いは行われなかった。中国や北朝鮮へも事業はできず政府の対処は未解決部分を残した」(女性のためのアジア平和国民基金が都内で開催したシンポで和田春樹同専務理事が明らかに)。
11月20日 b日本政府が鳥取県米子市で1977年に失踪した松本京子さん(当時29)を正式に拉致被害者と認定(拉致被害者支援法に基づく認定は12件17人に)。
11月21日 b米国のヒル国務次官補と北朝鮮の姜錫柱第一外務次官が相次いで個別に北京入りし、六カ国協議再開について中国外交当局と頻繁に接触。
11月22日 b南北経済協力事業の開城工業団地の韓国企業で働く北朝鮮労働者が1万人を突破したと同団地管理委員会が発表(同団地では現在韓国の中小企業18社の工場が稼働しており、04年2月の稼働時には北朝鮮労働者は42人だった)。
11月23日 bアジアサッカー連盟(AFC)がクアラルンプールで開いた理事会で北朝鮮に対し20万ドルの支援を決定、厳しい経済状況下での国際大会にもかかわらず好成績(U20女子世界選手権やアジアユース選手権での優勝)が評価されたもの。
11月24日 b北朝鮮外務省当局者が日本メディアに対して、松本京子さんと曽我ひとみさん拉致実行の女性容疑者の存在を否定。
11月25日 b日米が導入を進めるミサイル防衛(MD)を巡り、米政府がMD対応のイージス艦2隻を日本に追加配備する計画であることを日本政府に伝える。米軍横須賀基地所属のイージス艦を改修し迎撃用ミサイルを搭載することに。b欧州議会の議員一行が訪朝(北朝鮮メディアが伝える)。
11月26日 b日本政府がキャッチオール規制(軍事転用のおそれがある貨物の輸出禁止)を適用して輸出を差し止めた貨物(大型トラック、クレーン大型発電機など)がこの3カ月(7〜9月)で35件(前年同期比9倍)に、大半は北朝鮮向け貨物とされる。


もどる

Back